リバティアイランド(2020.2.2)-第84回優駿牝馬(GI)の勝ち馬-

Result

リバティアイランド 牝 鹿毛 2020.2.2生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・(有)サンデーレーシング 栗東・中内田 充正厩舎

リバティアイランド(2020.2.2)の4代血統表
ドゥラメンテ
鹿毛 2012.3.22
種付け時活性値:1.75【7】
キングカメハメハ
鹿毛 2001.3.20
Kingmambo
鹿毛 1990.2.19
Mr. Prospector 1970.1.28
Miesque 1984.3.14
マンファス
黒鹿毛 1991.2.23
ラストタイクーン 1983.5.9
Pilot Bird 1983.2.9
アドマイヤグルーヴ
鹿毛 2000.4.30
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
エアグルーヴ
鹿毛 1993.4.6
トニービン 1983.4.7
ダイナカール 1980.5.10
ヤンキーローズ(AUS)
青鹿毛 2013.8.7
仔受胎時活性値:1.375【5.5】
All American(AUS)
黒鹿毛 2005.9.23
種付け時活性値:1.75【7】
Red Ransom
鹿毛 1987.3.31
Roberto 1969.3.16
アラビア2 1977.5.6
Milva
黒鹿毛 1994.5.4
Strawberry Road 1979.9.28
Tersa 1986.4.30
Condesaar(AUS)
鹿毛 2004.8.9
仔受胎時活性値:2.00【8】
▲ザール(GB)
黒鹿毛 1995.3.14
種付け時活性値:0.125【8.5】
Zafonic 1990.4.1
Monroe 1977.5.21
Condescendance(USA)
黒鹿毛 1997.1.24
仔受胎時活性値:1.625【6.5】
El Gran Senor(USA)
鹿毛 1981.4.21
種付け時活性値:1.75【15】
Condessa(IRE)
栗毛 1978.3.15
仔受胎時活性値:0.50【18】

<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector4×5、Hail to Reason5×5>

リバティアイランド(2020.2.2)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ドゥラメンテ
(Mr. Prospector系)
All American
(Roberto系)
▲ザール
(Mr. Prospector系)
El Gran Senor
(Northern Dancer系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ドゥラメンテ 5.50
(【5.5】+【8】+【6.5】+【18】)
母が豪GI馬
(No. 5-h)
2番仔
(2連産目)

*

2023年の第84回優駿牝馬(GI。東京芝2400m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 5 リバティアイランド 牝3 55 川田 将雅 2:23.1 6-6-6-6 34.0 466
[0]
中内田 充正 1
2 12 ハーパー 牝3 55 C.ルメール 2:24.1 6 8-8-8-8 34.8 468
[+6]
友道 康夫 2
3 13 ドゥーラ 牝3 55 斎藤 新 2:24.1 クビ 14-13-14-14 34.1 472
[0]
高橋 康之 15
4 1 ラヴェル 牝3 55 坂井 瑠星 2:24.2 3/4 3-3-3-3 35.9 444
[-2]
矢作 芳人 10
5 17 シンリョクカ 牝3 55 吉田 豊 2:24.4 3/4 8-8-8-8 35.1 442
[+8]
竹内 正洋 7
2023年の第84回優駿牝馬(GI。東京芝2400m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.3 – 10.5 – 12.3 – 12.6 – 12.3 – 12.0 – 12.0 – 12.0 – 12.0 – 12.0 – 11.6 – 11.5
ラップの
累計タイム
12.3 – 22.8 – 35.1 – 47.7 – 1:00.0 – 1:12.0 – 1:24.0 – 1:36.0 – 1:48.0 – 2:00.0 – 2:11.6 – 2:23.1
上り 4F 47.1 – 3F 35.1

東京芝2400m、晴の良馬場、18頭立て。リバティアイランド、史上17頭目の中央競馬牝馬クラシック二冠、成る。「人のふんどしで相撲を取る」を地で行く辺境サイトですが、

JRAがグレード制を敷いた1984年以降のクラシックを牡牝全体で見ても、マツクスビユーテイ(1984.5.3)の桜花賞(GI)、メリーナイス(1984.3.22)の東京優駿(GI)、ナリタブライアン(1991.5.3)の菊花賞(GI)、そしてリバティアイランドの優駿牝馬と2着に1秒以上の差を着けての勝利は僅かに4頭だけ。21世紀のJRAクラシック勝ち馬としては初めての「衝撃」を叩き出したリバティアイランド、メチャクチャ強かった。本当にお見事でした。

また桜花賞と優駿牝馬を制した牝馬二冠馬の出現は昨年2022年のスターズオンアース(2019.2.27)に続く2年連続での出来事となりましたが、スターズオンアース、リバティアイランド共に父はドゥラメンテ。今回の優駿牝馬ではドゥーラ(2020.2.8)も15番人気を跳ね返して3着に入りましたけれど、ドゥラメンテ、種牡馬としての才能も荒ぶっています。それ故に早世が本当に惜しまれます。

リバティアイランド(2020.2.2)-第83回桜花賞(GI)の勝ち馬-
リバティアイランド 牝 鹿毛 2020.2.2生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・(有)サンデーレーシング 栗東・中内田 充正厩舎コナコースト 牝 青鹿毛 2020.3.15生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・(有)サンデーレーシング 栗東・清水 久詞厩舎ペリファーニア 牝 青鹿毛 2020.3.25生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・(有)キャロットファーム 美浦・鹿戸 雄一厩舎
スターズオンアース(2019.2.27)-第83回優駿牝馬(GI)の勝ち馬-
スターズオンアース 牝 黒鹿毛 2019.2.27生 千歳市・社台ファーム生産 馬主・(有)社台レースホース 美浦・高柳 瑞樹厩舎
ドゥラメンテ(2012.3.22)
ドゥラメンテ 牡 鹿毛 2012.3.22生~2021.8.31没 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・(有)サンデーレーシング 美浦・堀 宣行厩舎

*

という訳で、その他諸々の事柄は優良サイト群にお任せするといたしまして、弊サイトでは中央競馬の牝馬クラシック二冠を達成した17頭の4代血統構成を以下に示すことにしておきます。

中央競馬の牝馬クラシック二冠馬の4代血統構成(2023年時点・17頭)
No. 馬名
(生年月日)
[F No.]
母の
何番仔?
4代血統構成
母父 祖母父 曾祖母父
1 スウヰイスー
(1949.5.3)
[5-e ライン系]
4番仔?
(3連産目?)
[5.50 or 3.50 or 1.50]
セフト
(The Tetrarch系)
月友
(Man o’ War系)
ブラツクスミス
(Galopin系)
チヤペルブラムプトン
(Matchem系)
2 ヤマイチ
(1951.4.4)
[7-c アストニシメント系]
4番仔?
(3連産目?)
[3.50]
トシシロ
(Orby系)
トウルヌソル
(Gainsborough系)
チヤペルブラムプトン
(Matchem系)
ラシカツター
(St. Simon系)
3 ミスオンワード
(1954.3.8)

[5-h ホールドタイト系]
3番仔?
[5.00 or 3.00]
Hard Sauce
(Pharos系)
Bobsleigh
(Gainsborough系)
Colombo
(Phalaris系)
Blandford
(Swynford系)
4 カネケヤキ
(1961.3.12)
[9-c コンキユバイン系]
7番仔?
[3.50]
カネリユー
(Phalaris系)
Le Pacha
(St. Simon系)
Precipitation
(Hurry On系)
Colorado
(Phalaris系)
5 テスコガビー
(1972.4.14)
[1-o キーンドラー系]
2番仔
(2連産目)
[2.50]
テスコボーイ
(Princely Gift系)
モンタヴアル
(Blandford系)
ライジングフレーム
(Cyllene系)
月友
(Man o’ War系)
6 テイタニヤ
(1973.4.24)
[5-f ミスパロー系]
初仔?
[5.00]
アローエクスプレス
(Grey Sovereign系)
シプリアニ
(Never Say Die系)
ヒンドスタン
(Bois Roussel系)
Karimkhan
(Gainsborough系)
7 メジロラモーヌ
(1983.4.9)
[9-f アマゾンウオリアー系]
5番仔
(不受胎後)
[4.00]
モガミ
(Lyphard系)
ネヴアービート
(Never Say Die系)
Khaled
(Hyperion系)
War Relic
(Man o’ War系)
8 マツクスビユーテイ
(1984.5.3)

[14-f タイランツクヰーン系]
3番仔
(3連産目)
[5.25]
ブレイヴエストローマン
(Never Bend系)
バーバー
(Princely Gift系)
パーソロン
(My Babu系)
ガルカドール
(Djebel系)
9 ベガ
(1990.3.8)

[9-f]
5番仔
(2連産目)
[4.50 or 2.50]
トニービン
(ゼダーン系)
Northern Dancer
(Nearctic系)
Tom Fool
(Pharamond系)
Bold Ruler
(Nasrullah系)
10 スティルインラブ
(2000.5.2)

[10-d]
10番仔
(10連産目)
[3.25]
サンデーサイレンス
(Halo系)
Roberto
(Hail to Reason系)
Northern Dancer
(Nearctic系)
Creme dela Creme
(Hyperion系)
11 ブエナビスタ
(2006.3.14)

[16-c]
6番仔
(3連産目)
[4.00]
スペシャルウィーク
(サンデーサイレンス系)
Caerleon
(Nijinsky系)
Lord Gayle
(Sir Gaylord系)
Luciano
(Owen Tudor系)
12 アパパネ
(2007.4.20)

[9-f]
3番仔
(3連産目)
[5.75 or 3.75]
キングカメハメハ
(Mr. Prospector系)
Salt Lake
(Deputy Minister系)
Spectacular Bid
(Bold Ruler系)
Hard Work
(Owen Tudor系)
13 ジェンティルドンナ
(2009.2.20)

[16-f]
2番仔
(2連産目)
[5.75 or 3.75]
ディープインパクト
(サンデーサイレンス系)
Bertolini
(Danzig系)
リフアーズスペシヤル
(Lyphard系)
ジユニアス
(Bold Ruler系)

14

アーモンドアイ
(2015.3.10)

[8-f]
7番仔
(7連産目)
[3.50]
ロードカナロア
(Mr. Prospector系)
サンデーサイレンス
(Halo系)
Nureyev
(Northern Dancer系)
Buckpasser
(Tom Fool系)
15 デアリングタクト
(2017.4.15)

[1-l]
2番仔
(2連産目)
[5.50 or 3.50]
エピファネイア
(Roberto系)
キングカメハメハ
(Mr. Prospector系)
サンデーサイレンス
(Halo系)
Danzig
(Northern Dancer系)
16 スターズオンアース
(2019.2.27)

[16-c]
2番仔
(2連産目)
[4.25]
ドゥラメンテ
(Mr. Prospector系)
Smart Strike
(Mr. Prospector系)
Monsun
(Bahram系)
Dashing Blade
(Mill Reef系)
17 リバティアイランド
(2020.2.2)
[5-h]
2番仔
(2連産目)
[5.50]
ドゥラメンテ
(Mr. Prospector系)
All American
(Roberto系)
▲ザール
(Mr. Prospector系)
El Gran Senor
(Northern Dancer系)

むぅ、記事の多さも時には役立つものです。17頭中13頭を弊サイトで紹介しているとは^^;。パッと総覧にしてみますと、ファミリーナンバーにある程度の偏りを思います。数が多い順に確認しますと5号族4頭、9号族4頭、16号族3頭、1号族2頭、7号族1頭、8号族1頭、10号族1頭、14号族1頭。最も多い4頭を輩出している5号族は、初の二冠牝馬スウヰイスー、初の無敗の二冠牝馬ミスオンワード、父アローエクスプレス(1967.4.10)の無念を晴らした孝行娘テイタニヤ、そして21世紀の超名牝へ駆け上がろうとしているリバティアイランドという布陣ですね。更に確認すればリバティアイランドはミスオンワードと同じ5号族h分枝系ですが、この分枝系は世界的にはNureyev(1977.5.2)Sadler’s Wells(1981.4.11)エルコンドルパサー(1995.3.17)等を輩出しているRough Shod(1944)系が知られており、日本国内でもイナリワン(1984.5.7)バンブーメモリー(1985.5.14)等を輩出した御料の基礎繁殖牝馬である種正(1920)系が知られています。私、5号族h分枝系の活躍馬は好きになる傾向にあるようで、サラッと馬名が出て来ました。まま、マイシンザン(1990.3.7)のせい(?)です^^;

ミスオンワード(1954.3.8)
ミスオンワード 牝 鹿毛 1954.3.8生~1986.3.25没 浦河・近藤俊明氏生産 馬主・樫山純三氏 京都・武田文吾厩舎

若干余談的になりますけれど、5号族同様に4頭を輩出している9号族は、c分枝系とf分枝系で実は先祖馬が異なっているのでは、と言われています。9号族c分枝系は本来は12号族ではないか、と。そんな9号族c分枝系から輩出された二冠牝馬カネケヤキはシンザン(1961.4.2)と同じ1961年生まれ世代であり、シンザンが三冠を達成した菊花賞では大逃げを敢行しての5着と見せ場を作りました。そしてまた9号族f分枝系から輩出された3頭は中央競馬史上初の三冠牝馬メジロラモーヌ、忘れがたき西の一等星ベガ、そして金子真人オーナーに「牡牝三冠馬の馬主」という訳の分からない肩書きをプレゼントしたアパパネという布陣ですね。本当にいずれ違わぬ名牝たちです。

昭和の名花の旋律(No.5)-メジロラモーヌ(1983.4.9)-
メジロラモーヌ 牝 青鹿毛 1983.4.9生~2005.9.22没 伊達・メジロ牧場生産 馬主・(有)メジロ牧場 美浦・奥平真治厩舎
ベガ(1990.3.8)-タイム差なしの好勝負を辿る(No.4)-
ベガ 牝 鹿毛 1990.3.8生~2006.8.16没 早来・社台フアーム生産 馬主・吉田 和子氏 栗東・松田 博資厩舎
アパパネ(2007.4.20)-【2010年】のJRA・GI勝ち馬を辿る(No.13)-
アパパネ 牝 鹿毛 2007.4.20生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・金子真人ホールディングス(株) 美浦・国枝 栄厩舎

*

才長けて見目麗しい「お嬢さん」リバティアイランド。この恐ろしい能力の持ち主が「向かう先」を楽しみにしたいと心底思います。これだから競馬ファンはやめられませんね(^^)。ファンと言いましたら、今回の優駿牝馬の発走時に「一瞬の静寂」が訪れたのを見るにつけ、「日本の競馬ファンは素直だし優しい人が多い」と思いました。発信力がある人のお願いだったということもあるでしょうけれど、人間だけの競技時でも「静粛に」と促されるのですから、競馬という馬人一体が求められる競技であれば尚更です。あの瞬間に精神を統一させるというのは、競技者の端くれとしても分かります。今回の優駿牝馬はファンも一体となった、真に素敵なレースであったと思います。テレビ画面越しでも見ていて気持ちが良かったあの「一瞬の静寂」、また来週以降の大一番でも引き続き、ですね。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

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