トサミドリ(1946.5.20)

出典:Wikimedia Commons「Tosamidori.jpg」(パブリック・ドメイン) 不詳 - 『競馬 - 国営競馬6年のあゆみ』(高陽書院、1954年)p.64, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=40585520による Series
出典:Wikimedia Commons「Tosamidori.jpg」(パブリック・ドメイン) 不詳 - 『競馬 - 国営競馬6年のあゆみ』(高陽書院、1954年)p.64, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=40585520による

トサミドリ 牡 鹿毛 1946.5.20生~1970.8.8没 青森・盛田牧場生産 馬主・斎藤健二郎氏 札幌・望月与一郎厩舎→札幌・稗田虎伊厩舎

トサミドリ(1946.5.20)の4代血統表
プリメロ
鹿毛 1931
種付け時活性値:1.50【14】
Blandford
黒鹿毛 1919.5.26
Swynford
黒鹿毛 1907
John o’ Gaunt 1901
Canterbury Pilgrim 1893
Blanche
鹿毛 1912
White Eagle 1905
Black Cherry 1892
Athasi
鹿毛 1917
Farasi
鹿毛 1903
Desmond 1896
Molly Morgan 1889
Athgreany
鹿毛 1910
Galloping Simon 1904
Fairyland 1903
フリツパンシー
黒鹿毛 1924
仔受胎時活性値:1.25【21】
Flamboyant
鹿毛 1918
種付け時活性値:1.25【5】
★Tracery
黒鹿毛 1909
★Rock Sand 1900
Topiary 1901
Simonath
鹿毛 1905
St. Simon 1881
Philomath 1892
Slip
黒鹿毛 1909
仔受胎時活性値:1.50【14】
Robert Le Diable
鹿毛 1899
種付け時活性値:0.25【9】
Ayrshire 1885
Rose Bay 1891
Snip
鹿毛 1899
仔受胎時活性値:0.25【9】
Donovan
鹿毛 1886
種付け時活性値:1.00【12】
Isabel
栗毛 1879
仔受胎時活性値:0.75【19】

<5代血統表内のクロス:St. Simon4×5、Melton5×5、Galopin5×5(母方)>

トサミドリ(1946.5.20)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
プリメロ
(Blandford系)
Flamboyant
(Rock Sand系)
Robert Le Diable
(Hampton)
Donovan
(Galopin系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
プリメロ 3.75
(【21】+【14】+【9】+【19】)
兄に大鵬&セントライト&クリヒカリ
(No. 22-b フリツパンシー系)
12番仔?
(2連産目?)

*

1949年の第9回皐月賞(中山芝1950m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 4 トサミドリ 牡3 57 浅野武志 2:05.0 望月与一郎 1
2 8 ミナミホープ 牡3 57 蛯名武五郎 2 藤本冨良 2
3 10 ベストランナー 牡3 57 二本柳俊夫 1 稲葉幸夫 6
4 11 コマオー 牡3 57 橋本輝雄 3/4 久保田彦之 9
5 2 シラオキ 牝3 55 中村広 クビ 藤本冨良 10

*

1949年の第10回菊花賞(京都芝3000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 6 トサミドリ 牡3 57 浅野武志 3:14.3 望月与一郎 1
2 4 キングライト 牡3 57 佐藤勇 2 新堂捨蔵 3
3 1 シゲフジ 牝3 55 梶与四松 1 1/2 美馬信治 4
4 5 タチカゼ 牡3 57 近藤武夫 2 伊藤勝吉 2
5 2 ナスノタケ 牡3 57 清田十一 8 伊藤勝吉 5

*

2026年現在、兄弟で唯一組だけJRA顕彰馬に選出されているセントライト(1938.4.2)とトサミドリ。

セントライト(1938.4.2)-三冠馬を辿る(No.1)-
セントライト 牡 黒鹿毛 1938.4.2生~1965.2.1没 岩手・小岩井農場生産 馬主・加藤雄策氏 東京・田中和一郎厩舎

トサミドリ、8歳年長の半兄セントライトとの兄弟三冠馬の達成がなされてもおかしくはありませんでしたが、1949年の優駿競走では単勝1.4倍の圧倒的な1番人気に推されたものの、逃げの手を競り掛けられる形でオーバーペースになってしまい、まさかの7着敗退。レースは23頭立て19番人気であったタチカゼ(1946.4.11)が勝利を収め、現在でも残る単勝554.3倍、複勝92.3倍という八大競走史上最高配当を演出する結果となってしまいました。

ただ、それでも「負けっぱなしでは男がすたる」とばかりに、トサミドリは優駿競走の翌週(!!)から連勝街道を突っ走り、6連勝で菊花賞を制すると翌1950年の4月まで11連勝、内6回はレコード勝ちという破竹の勢いで走り続けたのでした。トサミドリ、通算31戦21勝、2着4回。その21勝の内10回はレコード勝ちという稀代の快速馬でした。

*

トサミドリは皐月賞、菊花賞を制した二冠馬でありながら優駿競走の敗北や古馬になってから天皇賞・秋では他馬の斜行により不利を被り落馬で競走中止など悲運がつきまとう馬でした。ただ、不完全燃焼に終わった競走馬生を、種牡馬入りしてから繁殖馬生で跳ね返したのがトサミドリの真骨頂でした。そんなトサミドリの代表産駒を示しておきますと、

  1. キタノオー(1953.5.15)
    →菊花賞、天皇賞・春、朝日杯3歳S、NHK杯、スプリングS、オールカマー、セントライト記念ほか。牡馬
  2. トサモアー(1953.4.14)
    →阪神3歳S、神戸盃ほか。牝馬
  3. キタノヒカリ(1954.5.25)
    →朝日杯3歳S。牝馬。上述のキタノオーの全妹
  4. ガーネツト(1955.3.15)
    →天皇賞・秋、有馬記念ほか。牝馬
  5. トサオー(1955.5.30)★
    →天皇賞・春、金杯、クモハタ記念ほか。牡馬
  6. メイジミドリ(1955.3.3)★
    →阪神3歳S、京都記念・秋ほか。牡馬
  7. コマツヒカリ(1956.2.28)
    →東京優駿、東京盃ほか。牡馬
  8. キタノオーザ(1957.6.30)
    →菊花賞、セントライト記念ほか。牡馬。上述のキタノオー、キタノヒカリの全弟
  9. ホマレボシ(1957.4.22)
    →有馬記念、安田記念、日本経済賞、ダイヤモンドS、カブトヤマ記念ほか。牡馬
  10. マツカゼオー(1957.5.13)
    →朝日杯3歳S、弥生賞、東京三歳Sほか。牡馬
  11. ヒロキミ(1959.6.20)
    →菊花賞ほか。牡馬

恐るべしはトサミドリ。キタノオー、ガーネット、トサオー、コマツヒカリ、キタノオーザ、ホマレボシ、ヒロキミという7頭の八大競走勝ち馬を含む11頭のGI級競走勝ち馬を送り出して種牡馬として大成。特にコマツヒカリにより自身が果たせなかった東京優駿制覇を果たして「ダービー馬の父」として輝いたのでした。また上記の11頭の内キタノオー、キタノヒカリ、キタノオーザの3頭はバウアーヌソル(1938.3.25)を母に持つ全きょうだい。サラ系バウアーストック(1922)系の血、時が流れてキタノヒカリはヒカリデユール(1977.3.6)の曾祖母ともなりました。

そしてまたトサミドリはブルードメアサイアーとしても活躍馬を輩出し、

  1. アイテイオー(1960.4.2)
    →優駿牝馬ほか。牝馬。上述のキタノヒカリの娘
  2. ハツユキ(1962.4.8)
    →桜花賞、四歳牝馬特別ほか。牝馬
  3. シヨウフウミドリ(1966.4.16)
    →宝塚記念。牡馬
  4. タマミ(1967.5.8)
    →桜花賞、阪神4歳牝馬特別、京王盃スプリングH、スプリンターズS、クイーンCほか。牝馬
  5. ダテテンリユウ(1967.4.6)
    →菊花賞、毎日杯ほか。牡馬
  6. タカエノカオリ(1971.4.26)
    →桜花賞。牝馬
  7. ミホランザン(1971.3.28)
    →朝日杯3歳Sほか。牡馬
  8. ヒダロマン(1972.5.15)
    →ビクトリアCほか。牝馬
  9. カシユウチカラ(1973.5.11)
    →天皇賞・春、目黒記念・春2回、AJCC、京王杯オータムHほか。牡馬
  10. オヤマテスコ(1975.3.19)
    →桜花賞ほか。牝馬

というGI級競走の勝ち馬を母方から支える存在として威光を発揮したのでした。なお、時が流れてアイテイオーはヒカリデユールの祖母ともなりました。

トサミドリの血は直系としては途絶えてしまいましたが、それでも21世紀に入ってからでも、ガーネットの玄孫であるメイショウサムソン(2003.3.7)が東京優駿(GI)、皐月賞(GI)、天皇賞・春(GI)、天皇賞・秋(GI)とGI4勝を挙げ、高祖母父としてトサミドリの姿を目にする機会がありました。そしてまた日本土着の牝系を持つ馬の血統表を辿れば、トサミドリの名前を目にすることもままあります。

トサミドリ、顕彰馬の血はサラブレッドの血統表の中で永遠に駆け続けて行きます。

 

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

[トサミドリ(1946.5.20)の主な競走成績]

  1. 皐月賞、菊花賞、セントライト記念、金盃、札幌記念、東京盃
  2. 天皇賞・春

通算31戦21勝、2着4回。

#セントライト、クリヒカリ(1939)、トサミドリによる「3兄弟皐月賞制覇」も現在のところ史上唯一。長兄大鵬(1929.4.10)の帝室御賞典勝ちも含めて、GI級競走の勝ち馬4頭を送り出したフリッパンシー。ただただ尊ぶべきは偉大なる母堂。

トサミドリ:競馬の殿堂 JRA
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