オオバンブルマイ(2020.2.26)&リバーラ(2020.3.14)-2023年のクラシック候補生を確認する(No.6)-

Pedigree

オオバンブルマイ 牡 鹿毛 2020.2.26生 新ひだか町・(株)サンデーヒルズ生産 馬主・岡 浩二氏 栗東・吉村 圭司厩舎

オオバンブルマイ(2020.2.26)の4代血統表

ディスクリートキャット
鹿毛 2003.5.1
種付け時活性値:0.00【16】
Forestry
鹿毛 1996.5.9
Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
Storm Bird 1978.4.19
Terlingua 1976.2.7
Shared Interest
鹿毛 1988.1.30
Pleasant Colony 1978.5.4
Surgery 1976.4.16
Pretty Discreet
鹿毛 1992.4.1
Private Account
鹿毛 1976.4.26
Damascus 1964.4.14
Numbered Account 1969.4.8
Pretty Persuasive
鹿毛 1988.5.9
Believe It 1975.2.9
Bury the Hatchet 1973.3.30
ピンクガーベラ
芦毛 2014.4.28
仔受胎時活性値:1.25【5】
ディープインパクト
鹿毛 2002.3.25
種付け時活性値:0.75【11】
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20
Alzao 1980.2.28
Burghclere 1977.4.26
ルシュクル
芦毛 2006.2.25
仔受胎時活性値:1.75【7】
サクラバクシンオー
鹿毛 1989.4.14
種付け時活性値:0.00【16】
サクラユタカオー 1982.4.29
サクラハゴロモ 1984.4.13
アジアンミーティア
芦毛 2000.5.2
仔受胎時活性値:1.25【5】
Unbridled
鹿毛 1987.3.5
種付け時活性値:1.00【12】
Trolley Song
芦毛 1983.4.13
仔受胎時活性値:2.00【16】

<5代血統表内のクロス:なし>

オオバンブルマイ(2020.2.26)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
★ディスクリートキャット
(Storm Cat系)
ディープインパクト
(サンデーサイレンス系)
サクラバクシンオー
(テスコボーイ系)
Unbridled
(Mr. Prospector系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Unbridled 6.25
(【5】+【7】+【5】+【16】)
叔父ビアンフェ
(No. 4-m)
2番仔
(2連産目)

*

2022年の第58回京王杯2歳S(GII。東京芝1400m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 10 オオバンブルマイ 牡2 55 横山 武史 1:20.9   4-4 34.2 422
[+8]
吉村 圭司 10
2 7 フロムダスク 牡2 55 戸崎 圭太 1:21.1 1 1-1 34.7 496
[-8]
森 秀行 11
3 16 スピードオブライト 牝2 54 石川 裕紀人 1:21.1 ハナ 2-2 34.6 414
[-6]
相沢 郁 5
4 4 ペースセッティング 牡2 55 坂井 瑠星 1:21.1 クビ 9-8 33.9 484
[+10]
安田 隆行 2
5 14 ヤクシマ 牡2 55 岩田 望来 1:21.3 1 1/4 6-5 34.4 496
[+12]
寺島 良 3

オオバンブルマイ、「大盤振る舞い。ファンに配当金を盛大に振る舞えるように」という馬名意味の通り、単勝5,100円、複勝1,120円、三連単に至っては引き連れた2着、3着の人気もあいまって2,221,830円(!!)。ファンには配当金を盛大に振る舞ったオオバンブルマイですが、その走りは戦前10番人気馬のそれには見えませんでした。

東京芝1400mの伝統の2歳重賞、晴れの良馬場、18頭立て。発馬よく先行策を見せたのは3頭、内からフロムダスク(2020.4.14)、外からスピードオブライト(2020.2.8)、そして真ん中のオオバンブルマイ。終わってみれば「行った行った」の3頭だったのですが、逃げたフロムダスクが作り出したペースは入りの600mが34秒6、1000m通過が57秒6という淀みないハイラップ。最後の直線でも脚色が衰えないフロムダスク、番手で外から懸命に追うスピードオブライト、そしてオオバンブルマイは道中ずっと内ラチ沿いの最短距離を走っていて最内を狙いましたが、サスガにそこは開けてくれない。「ならば」と進路を外に切り替えたオオバンブルマイと横山武史騎手、前が開いた馬場中央の内寄りで横山騎手が右ムチを振るうと、鹿毛に星1つのオオバンブルマイが鋭進。ラスト30mでフロムダスクを捉え切ると、決勝点では1馬身差。その勝ち時計1分20秒9は、タイセイビジョン(2017.2.26)が2019年の第55回で計時した1分20秒8に続くレース史上2位の好タイム。オオバンブルマイ、9月の中京芝1400mの新馬戦に続いて、11月の東京芝1400mの重賞を連勝して2戦2勝でエリートコースに乗りました。

オオバンブルマイは新ひだか町・(株)サンデーヒルズの生産馬。サンデーヒルズは岡浩二オーナーが代表を務められていますので、オオバンブルマイはオーナーブリード馬であり、オオバンブルマイがサンデーヒルズ初めての重賞勝ち馬となりました。おめでとうございました。岡オーナーは、(株)ノースヒルズの前田幸治オーナーに師事されているということで、前田オーナーの関連馬による重賞勝ちも見られますね。オオバンブルマイの母ピンクガーベラはノースヒルズの生産馬で前田オーナーの持ち馬でしたし、岡オーナーにGI初制覇をもたらしたアカイイト(2017.4.17)の父はキズナ(2010.3.5)であり、キズナ産駒のGI初勝利がアカイイトによる2021年のエリザベス女王杯でした。

アカイイト(2017.4.17)-第46回エリザベス女王杯(GI)の勝ち馬-
アカイイト 牝 青鹿毛 2017.4.17生 浦河町・辻牧場生産 馬主・岡 浩二氏 栗東・中竹 和也厩舎
キズナ(2010.3.5)-自分の生まれ日に東京優駿を制した馬を辿る(No.7)-
キズナ 牡 青鹿毛 2010.3.5生 新冠・株式会社ノースヒルズ生産 馬主・前田晋二氏 栗東・佐々木晶三厩舎

また岡オーナーはオオバンブルマイの京王杯2歳Sの2日前、ゴライコウ(2020.4.4)によりJBC2歳優駿(JpnIII)も制されています。

ラヴェル(2020.2.14)&ゴライコウ(2020.4.4)-2023年のクラシック候補生を確認する(No.5)-
ラヴェル 牝 鹿毛 2020.2.14生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・(有)キャロットファーム 栗東・矢作 芳人厩舎ゴライコウ 牡 鹿毛 2020.4.4生 新ひだか町・坂本 智広氏生産 馬主・岡 浩二氏 栗東・新谷 功一厩舎

「白、赤十字襷、袖赤二本輪」の勝負服、2020年生まれ世代は芝、ダート共に楽しみな馬が出現しました。

そしてまたオオバンブルマイの父ディスクリートキャットにとっては、2017年の日本供用後の3年度産駒から初めてJRA重賞勝ち馬を送り込むことになりました。ディスクリートキャットは現役時代にシガーマイル(米GI)、ジェロームBCH(米GII)、UAEダービー(GII)とGレース3勝を挙げていますが、

UAEダービーで負かした相手、3着にフラムドパシオン(2003.5.6)、4着にInvasor(2002.8.3)。フラムドパシオンはクロフネ(1998.3.31)の初年度産駒にして、ダイナカール(1980.5.10)の孫。屈腱炎さえなければ、クロフネの代表産駒筆頭はフラムドパシオンだったのではないかと今でも思います。併せて「南米からの侵略者」Invasorにとっては、生涯唯一の敗戦がUAEダービーでした。

#ディスクリートキャットは海外供用時の産駒に2015年の根岸S(GIII)を制したエアハリファ(2009.2.14)がいます。

*

リバーラ 牝 鹿毛 2020.3.14生 日高町・シンボリ牧場生産 馬主・荒井 泰樹氏 美浦・高柳 瑞樹厩舎

リバーラ(2020.3.14)の4代血統表
キンシャサノキセキ
鹿毛 2003.9.24
種付け時活性値:1.875【15.5】
フジキセキ
青鹿毛 1992.4.15
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ミルレーサー
鹿毛 1983.5.20
Le Fabuleux 1961.2.12
Marston’s Mill 1975.5.31
ケルトシャーン
鹿毛 1994.5.5
Pleasant Colony
黒鹿毛 1978.5.4
His Majesty 1968.4.15
Sun Colony 1968.2.25
Featherhill
鹿毛 1978.2.24
Lyphard 1969.5.10
Lady Berry 1970.4.3
インドリヤ
鹿毛 2012.2.19
仔受胎時活性値:1.75【7】
Stormy Atlantic
黒鹿毛 1994.4.23
種付け時活性値:0.25【17】
Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
Storm Bird 1978.4.19
Terlingua 1976.2.7
Hail Atlantis
鹿毛 1987.2.17
Seattle Slew 1974.2.15
Flippers 1981.4.23
Sophie’s Salad
鹿毛 2004.4.4
仔受胎時活性値:1.75【7】
Rahy
栗毛 1985.2.18
種付け時活性値:0.50【18】
Blushing Groom 1974.4.8
Glorious Song 1976.4.22
Lady Tabitha
鹿毛 1993.2.9
仔受胎時活性値:0.50【10】
Lyphard
鹿毛 1969.5.10
種付け時活性値:1.75【23】
Abidjan
鹿毛 1984.3.13
仔受胎時活性値:2.00【8】

<5代血統表内のクロス:Halo4×5、Lyphard4×4、Northern Dancer5×5×5>

リバーラ(2020.3.14)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
キンシャサノキセキ
(サンデーサイレンス系)
Stormy Atlantic
(Storm Cat系)
Rahy
(Blushing Groom系)
Lyphard
(Northern Dancer系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
キンシャサノキセキ 6.00
(【7】+【7】+【10】+【8】)
母が伯GIII勝ち馬
(No. 11-g)
2番仔?
(2連産目?)

*

2022年の第27回KBS京都賞ファンタジーS(GIII。阪神芝1400m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 8 リバーラ 牝2 54 石橋 脩 1:21.3   1-1 35.0 432
[+14]
高柳 瑞樹 10
2 5 ブトンドール 牝2 54 鮫島 克駿 1:21.5 1 1/4 11-10 34.2 484
[+6]
池添 学 2
3 6 レッドヒルシューズ 牝2 54 酒井 学 1:21.6 1 5-5 34.8 450
[-2]
武 英智 5
4 4 トゥーテイルズ 牝2 54 C.デムーロ 1:21.7 1/2 7-7 34.8 464
[+6]
藤原 英昭 6
5 9 サラサハウプリティ 牝2 54 菱田 裕二 1:21.9 3/4 9-10 34.7 432
[-2]
岡田 稲男 7

ふと思い出せば、四位洋文騎手が騎乗された「四位のお姫様」であったシーズプリンセス(1994.4.1)が制した1996年の第1回も26年前。四半世紀以上が経過したいま、時の流れの速さを改めて思います。マル市馬であったシーズプリンセス、カコイーシーズ(1986.3.7)の娘、伊藤修司調教師が200万円台で落札された馬であったと記憶しています。脈絡がなくて恐縮ですがGate J. 大阪さんよ、完全に復活した折には所蔵資料もちゃんと記載してくれー。わたしゃ、1994年から1996年あたりの月刊『優駿』を確認したいんですわ。休館前は間違いなく1995年の通年の月刊『優駿』があったはず^^;

……という訳で2022年の第27回KBS京都賞ファンタジーSに立ち戻る訳ですが、勝負は機先を制して攻勢に出たものが勝利を収めるケースが往々にしてあります。阪神芝1400mの2歳牝馬重賞、晴れの良馬場、12頭立て。敢然とハナに立ったのは出走馬の内2頭だった関東馬の内の1頭リバーラ。「男前」石橋脩騎手にエスコートされたリバーラ、小気味良いピッチで推し進め、入りの600mが34秒5、1000m通過が57秒9という淀みないラップで仁川の舞台を逃走。阪神芝内回りAコースの直線356.5mでも勢いよく四肢を回転させたリバーラ、鹿毛の流星、四白に見えるバンテージ、緑の帽子に「黒、赤ダイヤモンド、赤袖黒二本輪」の勝負服が鮮やかに駆け、最後は函館2歳S(GIII)の勝ち馬ブトンドール(2020.1.25)が差して来ましたが、1と4分の1馬身差まで。

ブトンドール(2020.1.25)&キタウイング(2020.5.14)-2023年のクラシック候補生を確認する(No.1)-
ブトンドール 牝 鹿毛 2020.1.25生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・(同)雅苑興業 栗東・池添 学厩舎キタウイング 牝 黒鹿毛 2020.5.14生 浦河町・ミルファーム生産 馬主・(有)ミルファーム 美浦・小島 茂之厩舎

リバーラ、7月の福島芝1200mの新馬戦3着、8月の新潟芝1200mの未勝利戦1着の後に臨んだ11月の阪神芝1400mの重賞を1着。気風の良い逃げ切り勝ちは、馬主である荒井泰樹氏に「JRA重賞初出走初制覇」をもたらしました。まま、リバーラは荒井オーナーに馬主としての初勝利を贈った馬でもあります(^^)

リバーラを管理されるのは今年の二冠牝馬スターズオンアース(2019.2.27)も管理される高柳瑞樹調教師。

スターズオンアース(2019.2.27)-第82回桜花賞(GI)の勝ち馬-
スターズオンアース 牝 黒鹿毛 2019.2.27生 千歳市・社台ファーム生産 馬主・(有)社台レースホース 美浦・高柳 瑞樹厩舎
スターズオンアース(2019.2.27)-第83回優駿牝馬(GI)の勝ち馬-
スターズオンアース 牝 黒鹿毛 2019.2.27生 千歳市・社台ファーム生産 馬主・(有)社台レースホース 美浦・高柳 瑞樹厩舎

高柳師がこれまでに管理されて来た重賞勝ち馬を確認すれば、

  1. ヴィータアレグリア(2011.2.6)
    →マリーンC(JpnIII)ほか
  2. タマノブリュネット(2012.3.22)
    →レディスプレリュード(JpnII)ほか。甥テーオーケインズ(2017.4.27)
  3. ホウオウイクセル(2018.4.16)
    →フラワーC(GIII)ほか。祖母メジロドーベル(1994.5.6)
  4. アイスジャイアント(2019.5.1)
    →JBC2歳優駿(JpnIII)。大伯母トゥザヴィクトリー(1996.2.22)
  5. スターズオンアース(2019.2.27)
    優駿牝馬(GI)桜花賞(GI)ほか。叔母ソウルスターリング(2014.2.13)
  6. リバーラ(2020.3.14)
    →ファンタジーS(GIII)。本稿の主役

見れば6頭中5頭が牝馬。近年の若手気鋭の調教師は、繊細な牝馬を育て上げ、功成り名を遂げられる印象もあるのですが、高柳師もその一角にいらっしゃるように思います。そんな高柳師に管理されるリバーラ、その馬名意味は「イタリアの自治体名」ということです。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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