サブライムアンセム(2019.1.26)&クロスマジェスティ(2019.3.28)-2022年のクラシック候補生を確認する(No.19)-

Pedigree

サブライムアンセム 牝 鹿毛 2019.1.26生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・(有)サンデーレーシング 栗東・藤原 英昭厩舎

サブライムアンセム(2019.1.26)の4代血統表
ロードカナロア
鹿毛 2008.3.11
種付け時活性値:0.50【10】
キングカメハメハ
鹿毛 2001.3.20
Kingmambo
鹿毛 1990.2.19
Mr. Prospector 1970.1.28
Miesque 1984.3.14
マンファス
黒鹿毛 1991.2.23
ラストタイクーン 1983.5.9
Pilot Bird 1983.2.9
レディブラッサム
鹿毛 1996.3.4
Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
Storm Bird 1978.4.19
Terlingua 1976.2.7
サラトガデュー
鹿毛 1989.4.3
Cormorant 1974.4.21
Super Luna 1982.4.5
パストフォリア
鹿毛 2009.2.12
仔受胎時活性値:0.25【9】
シンボリクリスエス
黒鹿毛 1999.1.21
種付け時活性値:0.25【9】
Kris S.
黒鹿毛 1977.4.25
Roberto 1969.3.16
Sharp Queen 1965.4.19
Tee Kay
黒鹿毛 1991.2.9
★Gold Meridian 1982.4.14
Tri Argo 1982.5.18
ハッピーパス
鹿毛 1998.6.3
仔受胎時活性値:0.50【10】
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
種付け時活性値:0.75【11】
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ハッピートレイルズ
鹿毛 1984.5.29
仔受胎時活性値:1.25【13】
ポツセ
栗毛 1977.5.15
種付け時活性値:1.50【6】
ロイコン
鹿毛 1975.3.4
仔受胎時活性値:2.00(0.00)【8】

<5代血統表内のクロス:Hail to Reason5×5(母方)>

サブライムアンセム(2019.1.26)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ロードカナロア
(Mr. Prospector系)
シンボリクリスエス
(Roberto系)
サンデーサイレンス
(Halo系)
ポツセ
(Hyperion系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ポツセ 4.00 or 2.00 祖母がGIII勝ち馬
(No. 4-d)
5番仔
(5連産目)

*

2022年の第56回報知杯フィリーズレビュー(GII。阪神芝1400m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 4 サブライムアンセム 牝3 54 池添 謙一 1:19.9   11-11 34.2 476
[-2]
藤原 英昭 2
2 2 ナムラクレア 牝3 54 浜中 俊 1:19.9 アタマ 9-9 34.4 466
[+12]
長谷川 浩大 1
3 6 アネゴハダ 牝3 54 酒井 学 1:20.2 1 3/4 3-3 35.0 438
[-6]
佐々木 晶三 4
4 3 マイシンフォニー 牝3 54 武 豊 1:20.3 3/4 11-11 34.6 464
[-6]
松永 幹夫 3
5 5 ラブリネスオーバー 牝3 54 松若 風馬 1:20.4 3/4 13-14 34.5 496
[-6]
高柳 瑞樹 14

2022年の第56回報知杯フィリーズレビュー。過去の勝ち馬を辿ればヤマピツト(1964.3.29)、ヒデコトブキ(1966.3.26)、タマミ(1967.5.8)、ニツトウチドリ(1970.4.24)、テスコガビー(1972.4.14)、ブロケード(1978.3.16)、エルプス(1982.5.3)、メジロラモーヌ(1983.4.9)エイシンサニー(1987.3.29)イソノルーブル(1988.3.13)キョウエイマーチ(1994.4.19)ラインクラフト(2002.4.4)アストンマーチャン(2004.3.5)メイショウマンボ(2010.2.25)クイーンズリング(2012.5.25)などの姿も見える桜花賞(GI)トライアル。

そんな報知杯フィリーズレビューの2022年の一戦を制したのは、戦前2番人気だったサブライムアンセム。15頭立ての阪神芝1400m、発馬は若干後手を踏んだ感もありましたが、そこで却って腹が決まったのか道中は後方4番手の内ラチ沿いを進んだサブライムアンセムと池添謙一騎手。4角で馬群を縫うようにして抜け出したのは池添騎手、サスガのエスコート。直線、外から脚色良く差し込んだ1番人気のナムラクレアとの叩き合いを「アタマ」だけ退けたところが決勝点。競馬は時計がすべてではありませんけれど、阪神芝1400mの勝ち時計1分19秒9は、報知杯フィリーズレビュー史上初めて1分19秒台となったレースレコード決着と相成りました。

池添騎手はサブライムアンセムにはテン乗りでしたが、若干の因縁めいたものがありました。サブライムアンセムの前走、2月の中京芝1600mの3歳未勝利戦で勝利を収めた際、1位入線だったハギノモーリス(2019.4.15)の決勝点前の斜行のアオリを受けたのが2位入線のサブライムアンセムであり、ハギノモーリスの鞍上が池添騎手でした。未勝利戦は繰り上がりでの1着だったサブライムアンセム、競馬において初めて先頭でゴールを駆け抜けたのが報知杯フィリーズレビューになりましたが、導いてくれた鞍上との不思議な結びつきがあったものです。

サブライムアンセムは祖母ハッピーパスが京都牝馬S(GIII)の勝ち馬であり、大伯母シンコウラブリイ(1989.2.2)、叔父コディーノ(2010.2.15)、叔母チェッキーノ(2013.2.8)と近親に活躍馬が揃っています。輪を掛けて母父シンボリクリスエスですから「ゴリゴリの藤沢和雄厩舎血統やなぁ」と思ってしまいました。額面通り母パストフォリアは藤沢厩舎の所属馬で、3歳時に3連勝で準オープンのユートピアSを制しましたが、調教中の故障で4歳以降は競馬で走ることはありませんでした。母が叶わなかった重賞制覇を遂げたサブライムアンセム、その馬名意味は「崇高、荘厳な聖歌」ということです。

#報知杯フィリーズレビューは今年も含めて直近3年はいずれもレースレコード(タイも含む)が出ています。2020年のエーポス(2017.5.11)が1分21秒0、2021年のシゲルピンクルビー(2018.1.26)が1分20秒7、そして2022年のサブライムアンセムが1分19秒9。1月26日生まれの牝馬が2年連続で勝利を収め、共にレースレコードを更新しました。


*

クロスマジェスティ 牝 鹿毛 2019.3.28生 新ひだか町・藤原牧場生産 馬主・辻 高史氏 美浦・水野 貴広厩舎

クロスマジェスティ(2019.3.28)の4代血統表
ディーマジェスティ
鹿毛 2013.3.24
種付け時活性値:1.25【5】
ディープインパクト
鹿毛 2002.3.25
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20
Alzao 1980.2.28
Burghclere 1977.4.26
エルメスティアラ
鹿毛 1998.2.18
ブライアンズタイム
黒鹿毛 1985.5.28
Roberto 1969.3.16
Kelley’s Day 1977.5.11
シンコウエルメス
鹿毛 1993.4.1
Sadler’s Wells 1981.4.11
Doff the Derby 1981.5.13
テンザンコノハナ
鹿毛 2004.3.10
仔受胎時活性値:1.50【14】
カリズマティック
栗毛 1996.3.13
種付け時活性値:1.75【7】
★Summer Squall
鹿毛 1987.3.12
★Storm Bird 1978.4.19
Weekend Surprise 1980.4.8
Bali Babe
栗毛 1980.3.4
Drone 1966.4.1
Polynesian Charm 1972.4.30
テンザンユタカ
鹿毛 1991.4.17
仔受胎時活性値:1.00【12】
サクラユタカオー
栗毛 1982.4.29
種付け時活性値:0.00【8】
テスコボーイ 1963
アンジエリカ 1970.3.29
ロツクターキ
鹿毛 1976.2.21
仔受胎時活性値:1.50【14】
チヤイナロツク
栃栗毛 1953
種付け時活性値:1.50【22】
ターキ
鹿毛 1968.2.25
仔受胎時活性値:1.75【7】

<5代血統表内のクロス:Hail to Reason5×5(父方)、Northern Dancer5×5>

クロスマジェスティ(2019.3.28)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ディーマジェスティ
(サンデーサイレンス系)
カリズマティック
(Storm Bird系)
サクラユタカオー
(Princely Gift系)
チヤイナロツク
(Rockefella系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
カリズマティック 5.75 祖母がGIII2勝馬
(No. 19-c アクーステイクス系)
7番仔
(3連産目)

*

2022年のアネモネS(L。中山芝1600m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 9 クロスマジェスティ 牝3 54 武藤 雅 1:34.4   2-2-2 34.5 470
[+2]
水野 貴広 8
2 2 ラズベリームース 牝3 54 津村 明秀 1:34.6 1 1/4 5-5-6 34.3 500
[+16]
林 徹 3
3 7 コントディヴェール 牝3 54 三浦 皇成 1:34.7 3/4 5-8-8 34.1 466
[0]
清水 久詞 11
4 4 アンクロワ 牝3 54 横山 和生 1:34.8 1/2 2-3-3 34.7 426
[+6]
伊坂 重信 5
5 14 ビジュノワール 牝3 54 戸崎 圭太 1:34.9 1/2 11-12-9 33.9 438
[0]
中舘 英二 2

2022年のアネモネS。2022年現在、過去の勝ち馬には後のGI馬の名前はありませんが、3着までに入った馬を確認すればワンダーパヒューム(1992.3.7)ファイトガリバー(1993.3.17)トゥザヴィクトリー(1996.2.22)ディアドラ(2014.4.4)等の姿が見える、現在は中山芝1600mで行われる桜花賞トライアル。

そんなアネモネSの2022年の一戦を制したのは、戦前8番人気のクロスマジェスティ。2021年12月の中山芝1600mの未勝利戦1着以来だったクロスマジェスティ、14頭立ての中山芝1600mを先行2番手から積極的に推し進め、4角入り口では先頭に立ち、後続の追撃を受けて立つという競馬。直線、左ムチを振るう武藤雅騎手の激励に応えたクロスマジェスティ、最後の最後で3番人気のラズベリームース(2019.2.27)が迫りましたが1と4分の1馬身差まで。鮮やかな勝利を以て、いざ征かん桜花賞というところでしょう。

クロスマジェスティの父である2016年の皐月賞(GI)馬ディーマジェスティは2019年生まれ世代が初年度産駒であり、クロスマジェスティが初めてのリステッドレース勝ち馬となりました。今回の記事は藤沢先生に関わる血統馬の紹介をする機会だったのでしょう。ディーマジェスティは祖母シンコウエルメスにまつわる命の物語がありました。

生まれてこなかったはずの馬が、1人の男の熱意で生を受け、ビッグレースを制するまでの感動秘話(平松さとし) - エキスパート - Yahoo!ニュース
11月20日、ディーマジェスティの引退、種牡馬入りが発表された。 同馬は2016年、皐月賞のほか共同通信杯とセントライト記念に優勝。G1勝ちは1つだけであったが、実は本来ならそれらの勝利は無くてもお

父ディーマジェスティの名を高めてほしいクロスマジェスティ、母方にも懐かしい名前が見えます。祖母テンザンユタカは1994年のサファイヤS(GIII)と愛知杯(GIII)、中京芝2000mのGIIIを2勝。共に逃げての勝利であり、前者では優駿牝馬(GI)の勝ち馬チョウカイキャロル(1991.3.26)、後者では中京巧者の印象も強いヤマニンフォックス(1988.4.7)を抑えました。冠名「テンザン」の平野三郎氏の「緑、黄三本輪、黄袖」の勝負服に、松永善晴調教師&松永昌博騎手の親子コンビ。

松永昌博騎手、現調教師は婿養子に入る形で松永性となられましたが、実はクロスマジェスティ、テンザンコノハナ、テンザンユタカの生産である藤原牧場の藤原悟郎氏は、平野三郎氏の実子であり、やはり婿養子に入る形で藤原牧場の跡継ぎになられたと記憶しています。テンザンユタカは、藤原牧場の先代であった藤原祥三氏が生産されたサクラユタカオーを配しての生産馬であり、大事に継承されてきた牝系から2022年の牝馬クラシックに向かう馬が出て来たところが、サスガに藤原牧場。そしてまたnetkeiba.comのデータベースに依りますと、テンザンコノハナは平野三郎氏の名義で走った馬の中で、牝馬としては最後に勝利を収めた馬でもありました。

余談が過ぎましたがクロスマジェスティ、その馬名意味は「冠名+父名の一部」ということです。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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