アストンマーチャン(2004.3.5)-思い出のGI1勝馬を辿る(其の拾陸)-

2006年 ファンタジーステークス(GⅢ) | アストンマーチャン | JRA公式 https://www.youtube.com/watch?v=X8Xkd7RYmNs Series
2006年 ファンタジーステークス(GⅢ) | アストンマーチャン | JRA公式 https://www.youtube.com/watch?v=X8Xkd7RYmNs

アストンマーチャン 牝 鹿毛 2004.3.5生~2008.4.21没 千歳市・社台ファーム生産 馬主・戸佐 眞弓氏 栗東・石坂 正厩舎

アストンマーチャン(2004.3.5)の4代血統表
アドマイヤコジーン
芦毛 1996.4.8
種付け時活性値:1.75【7】
Cozzene
芦毛 1980.5.8
Caro
芦毛 1967.4.11
フオルテイノ 1959.4.19
Chambord 1955
Ride the Trails
鹿毛 1971.5.28
Prince John 1953.4.6
Wildwook 1965.5.18
アドマイヤマカディ
栗毛 1991.6.12
ノーザンテースト
栗毛 1971.3.15
Northern Dancer 1961.5.27
Lady Victoria 1962.2.20
ミセスマカディー
鹿毛 1974.3.10
トライバルチーフ 1967.2.27
Hanina 1965
ラスリングカプス
黒鹿毛 1993.3.29
仔受胎時活性値:0.50【10】
Woodman
栗毛 1983.2.17
種付け時活性値:0.25【9】
Mr. Prospector
鹿毛 1970.1.28
★Raise a Native 1961.4.18
Gold Digger 1962.5.28
プレイメイト
栗毛 1975.4.12
Buckpasser 1963.4.28
Intriguing 1964.2.16
フィールディ
鹿毛 1983.2.15
仔受胎時活性値:0.25【9】
Northfields
栗毛 1968.3.6
種付け時活性値:1.50【14】
Northern Dancer 1961.5.27
Little Hut 1952
Gramy
鹿毛 1971.4.1
仔受胎時活性値:0.75【11】
Tapioca
鹿毛 1953.3.19
種付け時活性値:0.25【17】
Gracile
鹿毛 1964.3.23
仔受胎時活性値:1.50【6】

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×4>

アストンマーチャン(2004.3.5)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
アドマイヤコジーン
(フオルテイノ系)
Woodman
(Mr. Prospector系)
Northfields
(Northern Dancer系)
Tapioca
(Son-in-Law系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
アドマイヤコジーン 3.00
(【10】+【9】+【11】+【6】)
祖母が米GIII4勝
(No. 2-n)
6番仔
(6連産目)

*

2006年の第26回小倉2歳S(GIII。小倉芝1200m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 12 アストンマーチャン 牝2 54 鮫島 良太 1:08.4 2-1 35.9 466
[-2]
石坂 正 3
2 4 ニシノマオ 牝2 54 野元 昭嘉 1:08.8 2 1/2 5-4 35.9 470
[+6]
太宰 義人 5
3 1 スーサンライダー 牡2 54 和田 竜二 1:09.0 1 1/4 3-3 36.3 472
[0]
岩元 市三 4
4 14 エーシンウェーブス 牝2 54 渡辺 薫彦 1:09.7 4 11-5 36.2 474
[+2]
南井 克巳 8
5 8 ストラテジー 牝2 54 太宰 啓介 1:09.9 1 1/4 1-2 37.4 474
[+6]
太宰 義人 2
2006年の第26回小倉2歳S(GIII。小倉芝1200m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
11.5 – 10.1 – 10.9 – 11.4 – 11.6 – 12.9
ラップの
累計タイム
11.5 – 21.6 – 32.5 – 43.9 – 55.5 – 1:08.4
上り 4F 46.8 – 3F 35.9

*

2006年の第11回KBS京都賞ファンタジーS(GIII。京都芝1400m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 12 アストンマーチャン 牝2 54 武 豊 1:20.3 レコード 5-3 33.6 460
[-6]
石坂 正 3
2 9 イクスキューズ 牝2 54 藤田 伸二 1:21.1 5 2-2 34.8 442
[-2]
藤沢 和雄 2
3 13 ハロースピード 牝2 54 吉田 隼人 1:21.3 1 1/2 10-9 33.8 440
[+4]
相沢 郁 1
4 10 ハギノルチェーレ 牝2 54 四位 洋文 1:21.3 ハナ 13-13 33.5 476
[-2]
山本 正司 7
5 4 ニシノマオ 牝2 54 太宰 啓介 1:21.3 アタマ 3-3 34.7 470
[0]
太宰 義人 8
2006年の第11回KBS京都賞ファンタジーS(GIII。京都芝1400m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.5 – 11.0 – 11.4 – 11.1 – 11.2 – 11.4 – 11.7
ラップの
累計タイム
12.5 – 23.5 – 34.9 – 46.0 – 57.2 – 1:08.6 – 1:20.3
上り 4F 45.4 – 3F 34.3

*

2007年の第41回報知杯フィリーズレビュー(阪神芝1400m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 12 アストンマーチャン 牝3 54 武 豊 1:21.8 3-3 35.0 466
[+6]
石坂 正 1
2 15 アマノチェリーラン 牝3 54 池添 謙一 1:22.2 2 1/2 2-2 35.6 480
[+2]
湯窪 幸雄 10
3 4 ハギノルチェーレ 牝3 54 武 幸四郎 1:22.4 1 1/4 11-11 35.2 482
[-4]
松永 幹夫 5
4 3 ヒカルアモーレ 牝3 54 岩田 康誠 1:22.4 ハナ 14-13 34.9 492
[-8]
松田 博資 4
5 11 クーヴェルチュール 牝3 54 福永 祐一 1:22.4 クビ 8-6 35.4 464
[-4]
国枝 栄 8
2007年の第41回報知杯フィリーズレビュー(阪神芝1400m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.5 – 10.9 – 11.4 – 11.7 – 11.4 – 11.7 – 12.2
ラップの
累計タイム
12.5 – 23.4 – 34.8 – 46.5 – 57.9 – 1:09.6 – 1:21.8
上り 4F 47.0 – 3F 35.3

*

2007年の第41回スプリンターズS(GI。中山芝1200m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 7 アストンマーチャン 牝3 53 中舘 英二 1:09.4 1-1 36.3 486
[+10]
石坂 正 3
2 6 サンアディユ 牝5 55 川田 将雅 1:09.5 3/4 2-3 36.1 510
[+2]
音無 秀孝 1
3 1 アイルラヴァゲイン 牡5 57 松岡 正海 1:09.6 クビ 2-2 36.2 518
[+8]
手塚 貴久 5
4 16 キングストレイル 牡5 57 田中 勝春 1:09.6 アタマ 9-8 35.8 500
[+6]
藤沢 和雄 4
5 5 タマモホットプレイ 牡6 57 石橋 脩 1:09.8 1 14-8 35.7 464
[-10]
南井 克巳 16
2007年の第41回スプリンターズS(GI。中山芝1200m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.0 – 10.3 – 10.8 – 11.1 – 12.0 – 13.2
ラップの
累計タイム
12.0 – 22.3 – 33.1 – 44.2 – 56.2 – 1:09.4
上り 4F 47.1 – 3F 36.3

アストンマーチャン。2歳戦から見せていた短距離戦での能力の確かさを、3歳秋のスプリンターズSでまざまざと見せてくれました。当時のコメントを確認しておきますと、、、

1着アストンマーチャン(2004.3.5)アドマイヤコジーン(1996.4.8)の娘のGI制覇、成る。秋に昇るフォルティノ(1959.4.19)系の末えい、魅せてくれました。超抜のスタートを切ったローエングリン(1999.6.8)が控えた為、二の脚、三の脚で先頭に立ち、そのまま押し切ってしまいました。彼女のピッチ走法の繰り出す推進力は、雨ニモマケズ、不良馬場ニモマケズ、中山ノ急坂ニモ、負けませんでした。中山芝1200mを1分9秒4の電撃の逃げ、お見事でした。

(中略)

それにしても、現3歳牝馬勢は、これでGI(JpnI含む)勝ち馬が5頭目ですか。ウオッカ(2004.4.4)を筆頭として、ダイワスカーレット(2004.5.13)ピンクカメオ(2004.4.24)ローブデコルテ(2004.4.28)、そしてアストンマーチャン。豊かな才能が、よくぞこの1世代に揃ったものです。

(中略)

そんな世代の旗頭として、昨年の阪神JF(現JpnI)では圧倒的1番人気だったアストンマーチャン。ウオッカとクビ差の勝負を演じた快速娘、やはりタダモノではありませんでした。

それにしても強い3歳牝馬たち。

距離の長短を問わず、本当に強い牝馬が揃っていた2004年生まれ世代。その中でもアストンマーチャン。鹿毛の流星、青の帽子に「白、海老襷、海老袖」を乗せてきらめいた姿。雨、不良馬場を物ともせず中山芝1200mを逃げ切った様は、星霜を経ても色褪せず、ただただ鮮やか。15年以上経過して振り返っても、お見事でした。

スプリンターズSがGI昇格したのは1990年でしたから30年以上経過した訳ですが、同一世代の異なる馬たちで3年連続制覇を果たしたのは、現在のところ2004年生まれ世代のみ。2007年の第41回のアストンマーチャンを皮切りとして、2008年の第42回のスリープレスナイト(2004.2.7)、2009年の第43回のローレルゲレイロ(2004.5.3)。特に3年目の第43回は2着にビービーガルダン(2004.3.10)、3着にカノヤザクラ(2004.3.31)が続き、同一世代で馬券圏内を占めました。速く強いスプリンターたちが揃った世代でもありました。

  

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

*

[アストンマーチャン(2004.3.5)の主な競走成績]

  1. スプリンターズS(GI)、フィリーズレビュー(JpnII)、ファンタジーS(GIII)、小倉2歳S(GIII)
  2. 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)

通算11戦5勝、2着2回。

#2022年02月10日(木)初出、2023年11月04日(土)記事改め。

*

長めの余談。「アストンマーチャン」「サンアディユ」と、第41回スプリンターズSの結果に名前を並べて書いてみて、2008年春に感じた「切ない想い」が改めて胸を刺しました。

逝くにはまだまだ早かった馬たち。
帰宅途中に購入した大スポ(≒東スポ、九スポ等)の競馬欄で「トウショウナイト安楽死」の記事を見て、絶句してしまったオオハシでございます。 現在作成中の第137回天皇賞・春(GI)の記事において、トウショウナイト(2001.5.29)に関する内

トウショウギア(2000.6.3)、トウショウナイト(2001.5.29)、サンアディユ(2002.3.26)、アドマイヤキッス(2003.2.8)、そしてアストンマーチャン(2004.3.5)。1歳ずつ年が違う馬たち5頭。トウショウ勢の牡馬2頭は0の理論的な良馬であり応援していたものです。サンアディユ(Sans Adieu)、その馬名意味は「さよならは言わないで(仏)」。オーシャンS(GIII)出走翌日の、不意のさよならに、びっくりしてしまいました……。アドマイヤキッスはサンデーサイレンス(1986.3.25)のラストクロップのミニモの遺伝馬であり、栗毛の流星が麗しい可愛い馬でした。中京代替開催のローズS(GII)、レイパパレ(2017.1.28)のお母さんをきっちり差し切ったレースが印象に残っています。

↓トウショウナイトと武士沢友治騎手が重賞初制覇を果たした2006年のアルゼンチン共和国杯(GII)では、2着のアイポッパー(2000.3.21)を必死に応援していたテレビ観戦者。そして、続いて行われたファンタジーS(GIII)でアストンマーチャンの速さと強さに驚くテレビ観戦者。

*

マイシンザン
マイシンザン

世代で言うと、俺の同期生の1990年生まれ世代も強いと思う。

ワイルドブラスター
ワイルドブラスター

僕の同期生の1992年生まれ世代もサンデーサイレンスさんの初年度産駒が揃っていて、随分強いですよ。

マイシンザン
マイシンザン

お前の同期生のジェニュイン(1992.4.28)、1995年の毎日王冠(GII)で先んじてやったわ。

ワイルドブラスター
ワイルドブラスター

ぐぅ。ジェニュイン、その次走の天皇賞・秋(GI)でも、サクラチトセオー(1990.5.11)さんにねじ伏せられました。

マイシンザン
マイシンザン

1995年の天皇賞・秋、ホンマは俺も走りたかったんやけどなぁ。屈腱炎には勝てんかった…。

思い出のGI1勝馬を辿る(其の弐)-サクラチトセオー(1990.5.11)&サクラキャンドル(1992.4.9)-
サクラチトセオー 牡 黒鹿毛 1990.5.11生~2014.1.30没 静内・谷岡牧場生産 馬主・(株)さくらコマース 美浦・境勝太郎厩舎サクラキャンドル 牝 鹿毛 1992.4.9生~2019.3.4没 静内・谷岡牧場生産 馬主・(株)さくらコマース 美浦・境勝太郎厩舎→小島太厩舎