2017年のクラシック候補生を確認する(其の弐拾)+α

Pedigree

タガノディグオ 牡 黒鹿毛 2014.2.10生 新冠・(有)新冠タガノファーム生産 馬主・八木良司氏 栗東・宮徹厩舎

タガノディグオ(2014.2.10)の4代血統表
エンパイアメーカー
黒鹿毛 2000.4.27
種付け時活性値:1.25
Unbridled
鹿毛 1987.3.5
Fappiano
鹿毛 1977.5.19
Mr. Prospector 1970.1.28
Killaloe 1970.3.17
Gana Facil
栗毛 1981.2.9
Le Fabuleux 1961
Charedi 1976.4.12
Toussaud
黒鹿毛 1989.5.6
El Gran Senor
鹿毛 1981.4.21
Northern Dancer 1961.5.27
Sex Appeal 1970.5.12
Image of Reality
鹿毛 1976.5.18
In Reality 1964.3.1
Edee’s Image 1969.3.21
タガノティアーズ
鹿毛 2004.3.27
仔受胎時活性値:0.25
タニノギムレット
鹿毛 1999.5.4
種付け時活性値:1.00
ブライアンズタイム
黒鹿毛 1985.5.28
Roberto 1969.3.16
Kelley’s Day 1977.5.11
タニノクリスタル
栗毛 1988.4.4
クリスタルパレス 1974.3.25
タニノシーバード 1972.4.27
タガノピアース
鹿毛 1999.4.21
仔受胎時活性値:1.00
ダンスインザダーク
鹿毛 1993.6.5
種付け時活性値:1.25
サンデーサイレンス 1986.3.25
ダンシングキイ 1983.5.21
タガノスリッパー
鹿毛 1994.4.8
仔受胎時活性値:1.00
Crafty Prospector
栗毛 1979.4.7
種付け時活性値:1.50
プライヴェイトスリッパー
鹿毛 1990.5.4
仔受胎時活性値:0.75

<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector4×5、In Reality4×5(父方)>

タガノディグオ(2014.2.10)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
エンパイアメーカー
(Mr. Prospector系)
タニノギムレット
(Roberto系)
ダンスインザダーク
(Halo系)
Crafty Prospector
(Mr. Prospector系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Crafty Prospector
(タガノティアーズ)
3.00 叔父タガノエルシコは重賞3着3回
(No. 3-o)
3番仔
(流産後)

2017年の第18回兵庫チャンピオンシップ(JpnII)。園田ダート1870mの一戦、12頭立てを5番手からの差し切り勝ちで制したのは、前走阪神ダート1800mの500万下を勝って挑んで来た3番人気のタガノディグオ。その馬名意味は「冠名+帝国(中国語)」ということ。これでダート戦は[3-5-1-0]と、安定した走りを見せ続けています。

さて、タガノディグオの最優性先祖である曾祖母父Crafty Prospectorは現役時代に7勝。グレードレース勝ちは無く、ガルフストリームパークH(米GI)2着が唯一目立つ戦績のマイナー成績で終わりました。このあたりは、その父Mr. Prospectorとも共通している感もあります。20世紀末から21世紀における、北米の父系争いをリードするMr. Prospector。彼も競走成績にグレードレース勝ちは無く、カーターH(米GII)2着、ファイアクラッカーH(米GIII)2着、ポーモノクH(米GIII)3着というマイナー成績に終わった馬でした。

閑話休題。Crafty Prospectorは種牡馬として能力を発揮し、多くの活躍馬を輩出しました。主な代表産駒を述べておきますと、

  1. アグネスデジタル(1997.5.15)
    →天皇賞・秋(GI)、香港カップ(GI)、安田記念(GI)、マイルチャンピオンシップ(GI)、フェブラリーS(GI)、マイルチャンピオンシップ南部杯(統一GI)ほか
  2. Devious Course(1992.2.13)
    →シガーマイル(米GI)、ナシュアS(米GIII)ほか
  3. Prospectors Gamble(1985.3.27)
    →ベルエアH(米GII)、トリプルベンドH(米GIII)、エイフェノメノンS(米GIII)ほか
  4. Mr. Bluebird(1991.5.2)
    →レッドスミスH(米GII)、ニッカボッカーH(米GIII)
  5. Miss Golden Circle(1992.3.3)
    →ディスタフH(米GII)、アスタリタS(米GII)、ジェニュインリスクH(米GII)、バーバラフリッチーH(米GII)他
  6. Prospect Bay(1992.5.16)
    →エイフェノメノンSほか
  7. Crafty Friend(1993.2.21)
    →フォアゴーH(米GII)、トムフールH(米GII)、ベルエアH、ブラワードH(米GIII)ほか
  8. Crafty C. T.(1998.4.5)
    →サンラファエルS(米GII)ほか
  9. ストーンステッパー(1993.5.9)
    →根岸S(GIII)、ガーネットS(GIII)、群馬記念(統一GIII)ほか
  10. ゴールデンチェリー(1994.5.14)
    →クラスターC(統一GIII)ほか
  11. レディステラ(1995.1.16)
    →フェアリーS(GIII)ほか
  12. タイキウルフ(1991.3.6)
    →菖蒲S(OP)、福島3歳S(OP)、クリスタルC(旧GIII)2着

筆頭であるアグネスデジタルのオールラウンダーの強さは言わずもがなですけれど、タイキウルフのクリスタルCは相手が悪かったとしか言いようがありませんね……。ヒシアマゾン(1991.3.26)

*

リゾネーター 牡 鹿毛 2014.4.23生 米国・Hubert Vester生産 馬主・有限会社シルク 美浦・牧光二厩舎

リゾネーター(2014.4.23)の4代血統表
Blame
鹿毛 2006.5.2
種付け時活性値:1.75
Arch
黒鹿毛 1995.1.31
Kris S.
黒鹿毛 1977.4.25
Roberto 1969.3.16
Sharp Queen 1965.4.19
Aurora
鹿毛 1988.5.15
Danzig 1977.2.12
Althea 1981.5.20
Liable
鹿毛 1995.5.10
Seeking the Gold
鹿毛 1985.4.7
Mr. Prospector 1970.1.28
Con Game 1974.3.20
Bound
鹿毛 1984.6.1
Nijinsky 1967.2.21
Special 1969.3.28
Bluegrass Sara
鹿毛 2001.3.10
仔受胎時活性値:1.00
タバスコキャット
栗毛 1991.4.15
種付け時活性値:0.25
Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
Storm Bird 1978.4.19
Terlingua 1976.2.7
Barbicue Sauce
鹿毛 1983.2.26
Sauce Boat 1975.5.2
Lady Barbizon 1970.3.7
Saratoga Babe
黒鹿毛 1989.2.2
仔受胎時活性値:0.75
Saratoga Six
鹿毛 1982.4.13
種付け時活性値:1.50
Alydar 1975.3.23
Priceless Fame 1975.5.2
Video Babe
鹿毛 1973.5.23
仔受胎時活性値:1.75
T. V. Commercial
栗毛 1965.3.2
種付け時活性値:1.75
Joe’s Lil Girl
黒鹿毛 1967.4.21
仔受胎時活性値:1.25

<5代血統表内のクロス:Alydar5×4、Northern Dancer5×5×5、Raise a Native5×5>

リゾネーター(2014.4.23)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Blame
(Roberto系)
タバスコキャット
(Storm Cat系)
Saratoga Six
(Alydar系)
T. V. Commercial
(Nasrullah系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Blame 4.75
(No. 3-d)
7番仔?
(前年産駒なし後?)

ええ、記事を用意していたのです。新潟ダート1800mの未勝利戦、中山ダート1800mの500万下、そして中山ダート1800mの伏竜S(OP)と3連勝で挑んだ兵庫チャンピオンシップを1番人気4着だった、リゾネーター。その馬名意味は「ブルーグラス・ミュージックの代表楽器名。母名より連想」。

リゾネーターの最優性先祖である父Blameは現役時代に9勝を挙げ、その主な勝ち鞍にブリーダーズカップ・クラシック(米GI)、ホイットニーH(米GI)、スティーブンフォスターH(米GI)、ファイエットS(米GII)、クラークH(米GII)、ウィリアムDシェーファーS(米GIII)と米国のグレードレース6勝があります。特に稀代の名牝Zenyatta(2004.4.1)を打ち破った2010年のブリーダーズカップ・クラシックは、「ブリーダーズカップに強いKris S.系」の真骨頂を見せた一戦でした。

Zenyattaに唯一の黒星を付けたBlame、その馬名意味は名詞では「非難、とがめ、責任、罪」だそうで。Roberto系は、その開祖RobertoがBrigadier Gerard(1968.3.5)に唯一の黒星を付けたり、ライスシャワー(1989.3.5)ミホノブルボン(1989.4.25)に唯一の黒星を付けたり、ある意味、ヒールに回る役者が揃っている感もあります。もちろん、ナリタブライアン(1991.5.3)マヤノトップガン(1992.3.24)もいますけれど。

さて、Blameの代表産駒には

  1. March(2012.2.25)
    →ウッディスティーヴンスS(米GII)、ベイショアS(米GIII)
  2. Far From Over(2012.5.9)
    →ウィザーズS(米GIII)
  3. Onus(2012.2.15)
    →コモンウェルスオークス(米GIII)
  4. Senga(2014.3.15)
    →ラグロット賞(仏GIII)

というところがいます。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

#余談。「リゾネーター」と聞きましたら、アリソン・クラウスとショーン・コルヴィンがカバーした「The Boxer」で、ジェリー・ダグラスが弾いている姿を思い浮かべました。好きなカバー。