年度代表馬の同期生を辿る(其の捌)-ライスシャワー(1989.3.5)-。

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ライスシャワー 牡 黒鹿毛 1989.3.5生~1995.6.4没 登別・ユートピア牧場生産 馬主・栗林英雄氏 美浦・飯塚好次厩舎

ライスシャワー(1989.3.5)の4代血統表
リアルシヤダイ
黒鹿毛 1979.5.27
種付け時活性値:0.25【9】

Roberto
鹿毛 1969.3.16
Hail to Reason
黒鹿毛 1958.4.18
Turn-to 1951
Nothirdchance 1948
Bramalea
黒鹿毛 1959.4.12
Nashua 1952.4.14
Rarelea 1949
Desert Vixen
黒鹿毛 1970.4.19
In Reality
鹿毛 1964.3.1
Intentionally 1956.4.2
My Dear Girl 1957.2.17
Desert Trial
栗毛 1963.5.14
Moslem Chief 1957.3.24
Scotch Verdict 1960.5.12
ライラツクポイント
鹿毛 1979.3.26
仔受胎時活性値:0.25【9】
マルゼンスキー
鹿毛 1974.5.19
種付け時活性値:1.00【4】
Nijinsky
鹿毛 1967.2.21
Northern Dancer 1961.5.27
Flaming Page 1959.4.24
シル
鹿毛 1970.4.22
Buckpasser 1963.4.28
Quill 1956.2.24
クリカツラ
黒鹿毛 1962.4.21
仔受胎時活性値:2.00【16】
テイエポロ
鹿毛 1955.4.17
種付け時活性値:1.50【6】
Blue Peter 1936.4.30
Trevisana 1945
クリノホシ
鹿毛 1953.5.8
仔受胎時活性値:2.00【8】
プリメロ
鹿毛 1931
種付け時活性値:1.25【21】
オホヒカリ
栗毛 1943.4.15
仔受胎時活性値:0.25【9】

<5代血統表内のクロス:なし>

ライスシャワー(1989.3.5)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
リアルシヤダイ
(Roberto系)
マルゼンスキー
(Nijinsky系)
テイエポロ
(Fairway系)
プリメロ
(Blandford系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
テイエポロ
(Niccolo Dell’Arca)
4.50
(【9】+【16】+【8】+【9】)
半姉クリダリア
(No. 1-c アイリツシユアイズ系)
4番仔
(4連産目)

*

1991年8月10日の新馬戦(新潟芝1000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 8 ライスシャワー 牡2 50 水野貴広 0:58.6 3-2 34.8 446
[0]
飯塚好次 2
2 9 ダイイチリユモン 牡2 53 増沢末夫 0:58.7 クビ 2-2 35.2 458
[0]
戸山為夫 1
3 5 アイネストキオ 牡2 53 安田富男 0:59.4 4 4-4 35.1 454
[0]
嶋田功 5
4 10 アイネスブレーブ 牡2 53 中舘英二 0:59.9 3 1-1 36.7 464
[0]
加藤修甫 6
5 4 ギャロップリーダー 牡2 53 菅野昭夫 1:00.0 1/2 8-7 35.1 502
[0]
富田六郎 3
1991年8月10日の新馬戦(新潟芝1000m)の結果のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.3 – 10.9 – 11.8 – 12.1 – 11.5
ラップの
累計タイム
12.3 – 23.2 – 35.0 – 47.1 – 58.6
上り 4F 46.3 – 3F 35.4

後の名ステイヤーのデビュー戦は、まだ右回りだった新潟の芝1000mでした。ライスシャワーは、残した成績は確かに超長距離砲なのですが、「最後の直線、一瞬の切れ味を以て敵を屠る」というイメージもあるのです。その瞬発力の確かさは、デビューから垣間見えていたのでした。そして、見れば2着には戸山為夫厩舎の馬が。

*

ライスシャワー 1991年 芙蓉ステークス (優勝馬:ライスシャワー)
1991年9月21日 第4回中山5日目 第9レース 芙蓉ステークス(オープン)中山競馬場 芝右 外1600m / 天候 : 晴 / 芝 : 良 / 発走 : 11:008枠8番 ライスシャワー 牡3 53kg 水野貴広騎手 タイム1;36....
1991年の芙蓉S(中山芝1600m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 8 ライスシャワー 牡2 53 水野貴広 1:36.1 5-2-1 36.7 444
[-2]
飯塚好次 2
2 6 アララットサン 牝2 53 岡部幸雄 1:36.1 アタマ 4-4-4 36.4 410
[0]
田中良平 1
3 4 ハーバーリファール 牡2 53 柴田善臣 1:36.4 1.3/4 5-7-7 36.5 402
[-8]
佐々木亜良 8
4 2 タマアワー 牡2 53 中舘英二 1:36.7 2 2-4-4 37.0 430
[0]
境征勝 3
5 5 サクラミサキオー 牡2 53 小島太 1:37.2 3 7-4-4 37.5 464
[-2]
境勝太郎 5
1991年の芙蓉S(中山芝1600m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.2 – 11.5 – 11.7 – 11.8 – 12.2 – 12.1 – 12.1 – 12.5
ラップの
累計タイム
12.2 – 23.7 – 35.4 – 47.2 – 59.4 – 1:11.5 – 1:23.6 – 1:36.1
上り 4F 48.9 – 3F 36.7

新潟3歳S(現新潟2歳S、GIII)を3番人気11着と敗れた後、反抗に打って出た舞台は中山芝1600mの芙蓉S。デビュー戦についで、1番人気馬を僅差でしのぎ切りました。今はマイネイサベル(2008.4.11)等の管理で知られる水野貴広調教師、騎手デビュー年である1991年、満2歳時のライスシャワーに騎乗して2戦2勝。満3歳以後は主戦が的場均騎手になったこともあり、実は水野師はライスシャワーに乗って負けていないのでした。

*

1992年の第53回菊花賞(GI。京都芝3000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 8 ライスシャワー 牡3 的場 均 3:05.0 レコード 飯塚 好次 2
2 7 ミホノブルボン 牡3 小島 貞博 3:05.2 1・1/4 戸山 為夫 1
3 10 マチカネタンホイザ 牡3 岡部 幸雄 3:05.2 アタマ 伊藤 雄二 3
4 2 メイキングテシオ 牡3 大崎 昭一 3:06.4 7 橋口 弘次郎 6
5 18 ダイイチジョイフル 牡3 千田 輝彦 3:06.7 2 伊藤 雄二 8
1992年の第53回菊花賞(GI。京都芝3000m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
13.1 – 11.4 – 11.5 – 11.8 – 11.9 –
12.3 – 13.1 – 13.1 – 13.2 – 13.3 –
13.0 – 12.3 – 11.6 – 11.8 – 11.6
ラップの
累計タイム
13.1 – 24.5 – 36.0 – 47.8 – 59.7 –
1:12.0 – 1:25.1 – 1:38.2 – 1:51.4 – 2:04.7 –
2:17.7 – 2:30.0 – 2:41.6 – 2:53.4 – 3:05.0
上り 4F 47.3 – 3F 35.0

私が競馬者として忘れることが出来ない日付。それは1992年11月8日、第53回菊花賞の日です。第53回菊花賞、私が初めて意識をして競馬中継を見たレースでした。私の競馬者としての出発点となったレース。生涯忘れることはありません。

*

1993年の第41回日経賞(GII。中山芝2500m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 11 ライスシャワー 牡4 58 的場均 2:35.8 2-2-2-1 34.9 442
[-6]
飯塚好次 1
2 3 イタリアンカラー 牡6 57 横山典弘 2:36.2 2.1/2 9-11-8-5 34.7 460
[0]
稗田研二 4
3 1 シャコーグレイド 牡5 57 蛯名正義 2:36.2 クビ 9-9-8-9 34.8 474
[0]
矢野照正 8
4 4 サクラセカイオー 牡4 56 小島太 2:36.3 3/4 6-6-4-3 35.1 468
[+6]
境征勝 3
5 9 アイルトンシンボリ 牡4 56 岡部幸雄 2:36.4 1/2 3-3-4-3 35.3 488
[+2]
畠山重則 2
1993年の第41回日経賞(GII。中山芝2500m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
7.8 – 12.3 – 12.5 – 12.7 – 12.7 – 13.3 – 12.8 – 12.6 – 12.1 – 12.1 – 11.5 – 11.8 – 11.6
ラップの
累計タイム
7.8 – 20.1 – 32.6 – 45.3 – 58.0 – 1:11.3 – 1:24.1 – 1:36.7 – 1:48.8 – 2:00.9 – 2:12.4 – 2:24.2 – 2:35.8
上り 4F 47.0 – 3F 34.9

今となっては懐かしい、2月の目黒記念(GII)でマチカネタンホイザ(1989.5.7)の2着とひと叩きして臨んだ日経賞。単勝1.8倍の断然人気に応えて、先行2番手から早め押し切りの横綱競馬での快勝でした。

着々と、頂上決戦への準備を整えていた、ライスシャワー。極限は、その次走で。

*

1993年の第107回天皇賞・春(GI。京都芝3200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 3 ライスシャワー 牡4 的場 均 3:17.1 レコード 飯塚 好次 2
2 14 メジロマックイーン 牡6 武 豊 3:17.5 2・1/2 池江 泰郎 1
3 9 メジロパーマー 牡6 山田 泰誠 3:17.6 3/4 大久保 正陽 4
4 5 マチカネタンホイザ 牡4 岡部 幸雄 3:18.6 6 伊藤 雄二 3
5 10 レットイットビー 牡5 佐藤 哲三 3:19.4 5 吉岡 八郎 10
1993年の第107回天皇賞・春(GI。京都芝3200m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
13.0 – 12.0 – 12.3 – 12.3 – 12.3 –
12.1 – 12.3 – 12.8 – 12.6 – 12.3 –
12.1 – 12.4 – 12.1 – 12.5 – 11.4 –
12.6
ラップの
累計タイム
13.0 – 25.0 – 37.3 – 49.6 – 1:01.9 –
1:14.0 – 1:26.3 – 1:39.1 – 1:51.7 – 2:04.0 –
2:16.1 – 2:28.5 – 2:40.6 – 2:53.1 – 3:04.5 –
3:17.1
上り 4F 48.6 – 3F 36.5

薄皮を1枚ずつ剥ぐようにして、さながら戦いに挑むボクサーのように。自身の刃を研いだ、ライスシャワーの馬体重は自身最低タイの430kg。標的は唯1頭。3年連続盾制覇の大偉業を狙っていた、メジロマックイーン(1987.4.3)。最後の直線、あっという間の瞬発力を見せ付けた、ライスシャワー。まさに、刺客。

*

1995年の第111回天皇賞・春(GI。京都芝3200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 3 ライスシャワー 牡6 的場 均 3:19.9 飯塚 好次 4
2 15 ステージチャンプ 牡5 蛯名 正義 3:19.9 ハナ 矢野 進 6
3 17 ハギノリアルキング 牡5 武 豊 3:20.0 3/4 小林 稔 3
4 13 インターライナー 牡4 横山 典弘 3:20.2 1・1/4 柄崎 孝 2
5 1 エアダブリン 牡4 岡部 幸雄 3:20.4 1・1/4 伊藤 雄二 1
1995年の第111回天皇賞・春(GI。京都芝3200m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.9 – 12.9 – 11.8 – 13.0 – 13.1 –
12.6 – 12.4 – 13.3 – 12.8 – 12.4 –
11.8 – 12.7 – 12.2 – 12.0 – 11.5 –
12.5
ラップの
累計タイム
12.9 – 25.8 – 37.6 – 50.6 – 1:03.7 –
1:16.3 – 1:28.7 – 1:42.0 – 1:54.8 – 2:07.2 –
2:19.0 – 2:31.7 – 2:43.9 – 2:55.9 – 3:07.4 –
3:19.9
上り 4F 48.2 – 3F 36.0

思えば、同じ2枠3番。2年前は徹底マークの末に有無を言わせぬ切れ味で強敵を屠ったライスシャワー。2年後は、自身が長距離の王者たるべく姿を見せるかのように、その矜持のままに、向こう正面で先頭に立って、受けて立つ競馬。見直す度に美しい、その走る姿、その身体の使い方。長距離を走る為に生まれて来た、ライスシャワー。ステージチャンプ(1990.5.17)の猛追を、ゴール板、ハナだけ退けて、再びの盾奪取。終わってみれば、リアルシヤダイ産駒のワンツースリーフィニッシュ。勝ったのは、ライスシャワー。

2度の天皇賞・春制覇を改めて確認すれば、共に2800mから3000mでレース最速ラップを記録しています。1度目は強敵を一瞬で突き放し、2度目は必死の逃走。様相は異なりますが、京都芝直線の入口から半ばで、その瞬発力を発揮していたライスシャワー。思えば、同じ2枠3番。

*

京都芝3000m以上のレースでは3戦3勝。淀を愛し、淀に散った、最後のステイヤー。

私は、淀に出向いた時は、やはり、石碑のところまで足を運んで、手を合わせてしまうのです。

生涯忘れ得ぬ馬、ライスシャワー。

黒鹿毛のその疾走、心の中で、永遠に。

  

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

*

[ライスシャワー(1989.3.5)の主な競走成績]

  1. 菊花賞(GI)、天皇賞・春(GI)2回、日経賞(GII)
  2. 東京優駿(GI)、日経賞(GII)、目黒記念(GII)、京都新聞杯(GII)、セントライト記念(GII)
  3. 有馬記念(GI)、オールカマー(GIII)

通算25戦6勝、2着5回、3着2回。

#2023年02月23日(木)記事改め。

20世紀の名馬 第11位 ライスシャワー
20世紀の名馬 第11位 ライスシャワー 何故死んだ!!(´;ω;`)ウッ…   【追記2021/02/27】ウマ娘アニメ2期7話・8話、ありがとう……...

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