シャマル(2018.2.23)-第36回かしわ記念(JpnI)の勝ち馬-

Result

シャマル 牡 鹿毛 2018.2.23生 新ひだか町・岡田スタツド生産 馬主・金山 敏也氏 栗東・松下 武士厩舎

シャマル(2018.2.23)の4代血統表
スマートファルコン
栗毛 2005.4.4
種付け時活性値:1.00【12】
ゴールドアリュール
栗毛 1999.3.3
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ニキーヤ
鹿毛 1993.4.4
Nureyev 1977.5.2
Reluctant Guest 1986.2.21
ケイシュウハーブ
芦毛 1988.3.6
★ミシシツピアン
鹿毛 1971.5.16
Vaguely Noble 1965.5.15
Gazala 1964
キヨウエイシラユキ
芦毛 1980.4.17
クラウンドプリンス 1969.1.31
アリアーン 1968
ネイティヴコード
鹿毛 2011.3.6
仔受胎時活性値:1.50【6】
アグネスデジタル
栗毛 1997.5.15
種付け時活性値:1.25【13】
Crafty Prospector
栗毛 1979.4.7
★Mr. Prospector 1970.1.28
Real Crafty Lady 1975.4.2
Chancey Squaw
鹿毛 1991.4.9
Chief’s Crown 1982.4.7
Allicance 1980.4.1
クラックコード
鹿毛 2004.1.28
仔受胎時活性値:1.50【6】
ダンスインザダーク
鹿毛 1993
種付け時活性値:0.50【10】
サンデーサイレンス 1986
ダンシングキイ 1983
マジックコード
栗毛 1995.4.19
仔受胎時活性値:2.00【8】
Lost Code
毛 1984
種付け時活性値:0.50【10】
Beautiful Pet
毛 1985
仔受胎時活性値:0.25【9】

<5代血統表内のクロス:サンデーサイレンス3×4、Raise a Native5×5>

シャマル(2018.2.23)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
スマートファルコン
(サンデーサイレンス系)
アグネスデジタル
(Mr. Prospector系)
ダンスインザダーク
(サンデーサイレンス系)
Lost Code
(Ribot系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
アグネスデジタル
(ネイティヴコード)
5.25
(【6】+【6】+【8】+【9】)
(No. 10-d) 初仔

*

2024年の第36回かしわ記念(JpnI。船橋ダート1600m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 5 シャマル 牡6 57 川須栄彦 1:39.0 1-1-1-1 39.1 505
[+1]
松下武士 6
2 2 タガノビューティー 牡7 57 石橋脩 1:39.5 2.1/2 10-10-6-5 38.4 519
[-1]
西園正都 5
3 10 ペプチドナイル 牡6 57 藤岡佑介 1:39.7 3/4 2-2-2-2 39.4 532
[+4]
武英智 3
4 13 キングズソード 牡5 57 J.モレイラ 1:39.8 3/4 3-3-3-3 39.4 523
[+3]
寺島良 1
5 6 ミックファイア 牡4 57 吉原寛人 1:41.1 6 9-9-10-6 40.0 491
[+5]
渡辺和雄 7
2024年の第36回かしわ記念(JpnI。ダート1600m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.0 – 11.6 – 12.0 – 12.2 – 12.1 – 12.4 – 13.1 – 13.6
ラップの
累計タイム
12.0 – 23.6 – 35.6 – 47.8 – 59.9 – 1:12.3 – 1:25.4 – 1:39.0
上り 4F 51.2 – 3F 39.1

船橋ダート1600m、雨の不良馬場、13頭立て。

胸熱くなるシャマルと川須栄彦騎手の絆 絶対にもう手放さない「結果を出すことに集中したい」/うま屋/デイリースポーツ online
結果が出なければ、上位騎手にあっさり乗り代わり。馬生を考えればそれ自体を否定するつもりは全くない。お金が絡むものなので、記者ももし馬主だったらそうするかもしれない。しかし、人馬の深いつながりを目にした時、やはり胸を熱くさせられてしまう。 今...

レースの前にコラムを読んでいたのもありましたが「シャマルと川須、頑張ってほしいなぁ」と思っていましたら、「不良馬場の鬼」シャマル、川須栄彦騎手と共に一気呵成の逃げ切り勝ち。好発から二の脚を使ってハナに立つと入りの600m35秒6、1000m59秒9という通過。その1000m通過時の2番手ペプチドナイル(2018.4.24)、3番手キングズソード(2018.4.4)という後続の上位人気馬のほうがアクションが大きくなっていて、3角から4角で上手く息が入った感もあったシャマル、船橋ダートの直線308mに先頭で入った時には「勝負あり」。差し込みを見せた古豪タガノビューティー(2017.3.16)が鋭く迫りましたが、セーフティリードを保っていたシャマルの末脚は最後まで止まらず。決勝点手前から右手で握りこぶしを作っていた川須騎手、ゴールした瞬間に右腕を大きく振り上げてのガッツポーズ。シャマル6歳でのJpnI初勝利は、そのままデビュー15年目の川須騎手のJpnI初制覇となり、そしてまた父スマートファルコンにも産駒のJpnI初優勝を贈りました。

スマートファルコン(2005.4.4)-タイム差なしの好勝負を辿る(No.24)-
スマートファルコン 牡 栗毛 2005.4.4生 静内町・岡田スタツド生産 馬主・大川 徹氏 栗東・小崎 憲厩舎

上段で「不良馬場の鬼」と記しましたけれど、シャマルの重賞勝利を確認してみますと、

  1. 東京スプリント(JpnIII)/2022年 → 不良馬場
  2. サマーチャンピオンシップ(JpnIII)/2022年 → 不良馬場
  3. テレ玉杯オーバルスプリント(JpnIII)/2022年 → 重馬場
  4. 黒船賞(JpnIII)/2023年 → 不良馬場
  5. 黒船賞(JpnIII)/2024年 → 不良馬場
  6. かしわ記念(JpnI)2024年 → 不良馬場

重賞全6勝は不良馬場で5勝、重馬場で1勝とすべて馬場が悪くなった時に収めています。馬場が「不良」「重」となった時のシャマルの全成績は[6-0-1-2]。1着6回は上述のとおりで、3着1回はカフェファラオ(2017.3.3)が制した2022年のマイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI)、着外2回は2021年の新馬戦12着と、2023年のさきたま杯(JpnII)の競走中止(右後肢ハ行)の2回。「雨雨降れ降れガーサント」という、20世紀の名種牡馬の産駒を捉えた替え歌ではありませんけれど、シャマルと陣営にとっては「雨雨降れ降れ♪♪」という戦前だったのではないでしょうか。

シャマルと共に殊勲を立てた川須騎手。デビュー15年目の初めてのGI級競走勝ちとなった訳ですが、2年目の2011年に91勝、3年目に69勝でエーシンジーライン(2005.4.16)による小倉大賞典(GIII)で重賞初制覇を遂げたあたりまでは波乗りでした。けれど2022年はボンボヤージ(2017.4.25)による北九州記念(GIII)勝利はあったもののデビュー以来初めてとなるJRA年間1ケタ勝利の9勝、2023年は5勝と近年は辛い状況が続いていました。そんな中でのシャマルによるかしわ記念の優勝、それは一入だったでしょう。魂のこもったガッツポーズを見せられた川須騎手、さらなる巻き返しを期待したいものです。

今年2024年のGI級レースの勝ち馬を見直しますと「2018年生まれ世代も層が厚い世代」と思わされます。改めて確認しておきますと、

  1. ペプチドナイル(2018.4.24)
    →フェブラリーS(GI)
  2. テーオーロイヤル(2018.3.6)
    →天皇賞・春(GI)
  3. シャマル(2018.2.23)
    →かしわ記念(JpnI)。本稿の主役

6歳にしてGI級レースの初勝利を収めた馬たちが3頭います。ペプチドナイルと藤岡佑介騎手、テーオーロイヤルと菱田裕二騎手、シャマルと川須栄彦騎手と応援したくなる馬人たちばかりでもあり、今後も「ますます盛ん」というところを見せてほしいと願います。

「ペルシャ湾岸地域に吹く風」という馬名意味の如く、颯爽とかしわ記念を逃げ切ったシャマル。今まで勝利して来たレースの距離を思うと、やはり次なる目標は6月のさきたま杯(JpnI)となりますでしょうか。昨年は悔しい思いをしたレースですけれど同じ浦和ダート1400mの舞台ではテレ玉杯オーバルスプリント勝ちもあるシャマル、JpnI昇格初回でもある今年のさきたま杯はメンバーが揃いそうですが、川須騎手と共に向かう次なる戦いも楽しみにしています。

 

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

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