セットアップ(2021.4.6)&ドナベティ(2021.3.10)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.7)-

Pedigree

セットアップ 牡 青鹿毛 2021.4.6生 新ひだか町・フジワラフアーム生産 馬主・嶋田 賢氏 美浦・鹿戸 雄一厩舎

セットアップ(2021.4.6)の4代血統表
デクラレーションオブウォー
鹿毛 2009.4.29
種付け時活性値:0.75【11】
War Front
鹿毛 2002.2.11
Danzig
鹿毛 1977.2.12
Northern Dancer 1961.5.27
Pas de Nom 1968.1.27
Starry Dreamer
芦毛 1994.2.26
Rubiano 1987.3.26
Lara’s Star 1981.5.10
Tempo West
栗毛 1999.1.21
Rahy
栗毛 1985.2.18
Blushing Groom 1974.4.8
Glorious Song 1976.4.22
Tempo
栗毛 1992.2.23
Gone West 1984.3.10
Terpsichorist 1975.3.10
スリーアロー
黒鹿毛 2011.4.10
仔受胎時活性値:0.25【9】
アルデバランII
鹿毛 1998.2.27
種付け時活性値:1.00【12】
Mr. Prospector
鹿毛 1970.1.28
★Raise a Native 1961.4.18
Gold Digger 1962.5.28
Chimes of Freedom
栗毛 1987.1.23
Private Account 1976.4.26
Aviance 1982.5.6
ピサノベネチアン
栗毛 2002.3.22
仔受胎時活性値:2.00【8】
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
種付け時活性値:1.75【15】
Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ストームザミント
黒鹿毛 1993.3.27
仔受胎時活性値:2.00【8】
Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
種付け時活性値:0.25【9】
Mint Cooler
鹿毛 1984.5.3
仔受胎時活性値:2.00【8】

<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector3×5、Halo4×5>

セットアップ(2021.4.6)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
デクラレーションオブウォー
(Danzig系)
アルデバランII
(Mr. Prospector系)
サンデーサイレンス
(Halo系)
Storm Cat
(Storm Bird系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
サンデーサイレンス
(Wishing Well)
6.25
(【9】+【8】+【8】+【8】)
ゴライコウと同牝系
(No. 2-s)
2番仔
(2連産目)

*

2023年の第58回札幌2歳S(GIII。札幌芝1800m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 4 セットアップ 牡2 55 横山 武史 1:50.5   1-1-1-1 36.5 474
[+2]
鹿戸 雄一 3
2 8 パワーホール 牡2 55 横山 典弘 1:51.2 4 2-2-2-2 36.8 474
[+6]
昆 貢 4
3 7 ギャンブルルーム 牡2 55 松山 弘平 1:51.8 3 1/2 3-3-3-3 37.3 496
[+4]
大久保 龍志 2
4 3 マーゴットソラーレ 牡2 55 佐々木 大輔 1:52.0 1 1/4 5-3-3-5 37.5 438
[-2]
伊坂 重信 6
5 5 トレミニョン 牝2 55 西村 淳也 1:52.0 クビ 6-6-5-6 37.3 442
[+4]
和田 勇介 9
2023年の第58回札幌2歳S(GIII。札幌芝1800m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.7 – 12.0 – 12.1 – 12.6 – 12.7 – 11.9 – 11.6 – 12.0 – 12.9
ラップの
累計タイム
12.7 – 24.7 – 36.8 – 49.4 – 1:02.1 – 1:14.0 – 1:25.6 – 1:37.6 – 1:50.5
上り 4F 48.4 – 3F 36.5

札幌芝1800m、曇の稍重馬場、10頭立て。JRAで行われる2歳重賞の3戦目は1800m戦として定着してから四半世紀以上経過した札幌2歳S。勝負はやはり機先を制するものが勝利を収めるもの。7月の函館芝1800mの新馬戦2着、8月の札幌芝1800mの未勝利戦1着とデビューからの2戦で逃亡劇を見せてきたセットアップと横山武史騎手。中1週で臨んだ札幌2歳S、1番人気のガイアメンテ(2021.4.5)が外枠で左を向き加減となり立ち遅れる中、小さめの黒いブリンカーを着けた青鹿毛の流星が落ち着いた逃げ。入りの600m36秒8、1000m通過1分2秒1と渋った馬場を小気味よいペースで行くと、札幌芝Cコースの直線269.1mに入った時には勝負あり。3年連続の札幌開催首位騎手を狙う横山武史騎手が鼓舞するとスイスイと脚を伸ばし続け、番手先行から粘った横山典弘騎手騎乗のパワーホール(2021.3.17)に4馬身差を着けたところが決勝点。セットアップ、出世レースで見事な逃げ切り勝ちを見せてくれました。

セットアップの父デクラレーションオブウォーは現役時代に7勝を挙げ、その主な勝ち鞍に英インターナショナルS(GI)、クイーンアンS(英GI)、愛ダイヤモンドS(GIII)があるマイルから10ハロン級の活躍馬。そんなデクラレーションオブウォーのGI勝ちを収めている代表産駒を記しておきますと、

  1. Vow And Declare(2015.10.17)
    →メルボルンカップ(豪GI)、ジッピングクラシック(豪GII)、タタソールズC(豪GIII)ほか。せん馬
  2. Olmedo(2015.4.11)
    →仏2000ギニー(GI)、ゴントービロン賞(仏GIII)ほか。牡馬
  3. Winning Ways(2015.8.19)
    →クイーンズランドオークス(豪GI)。牝馬
  4. Warning(2016.9.30)
    →ヴィクトリアダービー(豪GI)、クイーンエリザベスS(豪GIII)、チェアマンズH(豪GIII)ほか。せん馬
  5. Gufo(2017.2.28)
    →ソードダンサーS(米GI)2回、ベルモントダービー(米GI)、パンアメリカンS(米GII)、ケントS(米GIII)ほか。牡馬
  6. Decorated Invader(2017.3.16)
    →サマーS(加GI)、ホールオブフェイムS(米GII)、ペナインリッジS(米GII)ほか。牡馬
  7. Fire At Will(2018.4.27)
    →ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフ(米GI)、ピルグリムS(米GII)ほか。牡馬

デクラレーションオブウォー、距離の長短を問わず南北両半球で活躍馬を送り込んでいます。そんなデクラレーションオブウォーは2019年から日本軽種馬協会静内種馬場で繋養されており、日本供用初年度からタマモブラックタイ(2020.4.20)トップナイフ(2020.3.9)、2年度からセットアップと活躍馬を送り込んでいます。非サンデーサイレンスの血を導入してちゃんと結果を出すあたり、日本軽種馬協会、サスガの慧眼です。

セットアップについて上段で「青鹿毛の流星」と記しましたが、0の理論的には祖母父サンデーサイレンスが最優性先祖であり、セットアップの形はサンデーサイレンスが出ているのかなぁと強く思わされます。また、セットアップのボトムラインを見れば、累代母の4回の世代交代の内3回が満8歳時になされており、料的遺伝値も「6.25」という高い数値を示しています。

札幌2歳Sを制したことにより来春への楽しみが広がったセットアップ。鹿戸雄一厩舎と横山武史騎手のコンビと言えばエフフォーリア(2018.3.10)、そしてまた馬主の嶋田賢オーナーにとってもホエールキャプチャ(2008.2.24)ディーマジェスティ(2013.3.24)。果たせなかった東京芝2400mのGI制覇の夢を託したくなるセットアップ、その馬名意味は「開始する、計画する」ということです。父デクラレーションオブウォーは「宣戦布告」という意味ですから、仔セットアップの「開始する」は意味の連想もあるのでしょう。

#「セットアップ」と聞きますと「セタップ!!」という掛け声で変身する昭和の某仮面ライダーを想起するのは私だけでしょうか^^;

*

ドナベティ 牝 鹿毛 2021.3.10生 新ひだか町・下屋敷牧場生産 馬主・小川 眞査雄氏 栗東・矢作 芳人厩舎

ドナベティ(2021.3.10)の4代血統表

リアルスティール
鹿毛 2012.3.1
種付け時活性値:0.00【8】
ディープインパクト
鹿毛 2002.3.25
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20
Alzao 1980.2.28
Burghclere 1977.4.26
ラヴズオンリーミー
鹿毛 2006.2.19
Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
Storm Bird 1978.4.19
Terlingua 1976.2.7
Monevassia
鹿毛 1994.5.24
Mr. Prospector 1970.1.28
Miesque 1984.3.14
ドナルチア
栗毛 2013.5.11
仔受胎時活性値:1.75【7】
Malibu Moon
鹿毛 1997.2.23
種付け時活性値:1.75【15】
A.P. Indy
黒鹿毛 1989.3.31
Seattle Slew1974.2.15
Weekend Surprise 1980.4.8
Macoumba
鹿毛 1992.2.16
Mr. Prospector 1970.1.28
Maximova 1980.4.16
Lady Tak
栗毛 2000.4.5
仔受胎時活性値:1.00【12】
★Mutakddim
栗毛 1991.3.18
種付け時活性値:0.00【8】
Seeking the Gold 1985.4.7
Oscillate 1986.3.4
Star of My Eye
鹿毛 1990.3.28
仔受胎時活性値:0.25【9】
★Lucky North
鹿毛 1981.2.14
種付け時活性値:0.00【8】
Dangerous Star
鹿毛 1967.4.30
仔受胎時活性値:1.50【22】

<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector4×4×5、Seattle Slew4×5(母方)、Northern Dancer5×5、Secretariat5×5>

ドナベティ(2021.3.10)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
リアルスティール
(サンデーサイレンス系)
Malibu Moon
(A.P. Indy系)
★Mutakddim
(Mr. Prospector系)
★Lucky North
(Northern Dancer系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Malibu Moon
(Sir Gaylord)
4.50
(【7】+【12】+【9】+【22】)
祖母が米GI2勝馬
(No. 21-a)
2番仔
(不受胎後)

*

レース結果 JRA
2023年のすずらん賞(OP。札幌芝1200m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 6 ドナベティ 牝2 55 武 豊 1:10.4   10-8 35.1 424
[+2]
矢作 芳人 2
2 11 レガテアドール 牡2 55 斎藤 新 1:10.6 1 1/4 4-4 36.5 428
[0]
吉田 直弘 3
3 3 スカイキャンバス 牝2 55 横山 武史 1:10.6 クビ 1-1 36.8 418
[-4]
武井 亮 1
4 14 ビコーズウイキャン 牡2 55 阿部 龍 1:10.7 クビ 7-7 36.3 414
[+2]
佐久間 雅貴 14
5 1 ピコサン 牡2 55 鮫島 克駿 1:10.8 3/4 3-3 36.8 458
[-2]
上原 佑紀 4
2023年のすずらん賞(OP。札幌芝1200m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.1 – 10.5 – 11.2 – 11.8 – 12.0 – 12.8
ラップの
累計タイム
12.1 – 22.6 – 33.8 – 45.6 – 57.6 – 1:10.4
上り 4F 47.8 – 3F 36.6

札幌芝1200m、晴の良馬場、14頭立て。札幌開催の最終日に行われる2歳のオープン特別すずらん賞。現在はキジカクシ科スズラン亜科として分類されている多年草のすずらん(鈴蘭)、俯いた白い鈴が連なったような可憐な花で知られますが、札幌競馬場の所在する札幌市の市の花でもあり、すずらんの花言葉のひとつに「希望」があるようです。そんなすずらんを名に持つレースの2023年の一戦を制したのは、戦前2番人気だったドナベティ。発馬後は行き脚が付かなかったのか後方2番手。入りの600m33秒8という淀みない流れの中で捲るように進出しましたが、4コーナーの入口では大外を回って8番手。札幌芝Cコース269.1mの短い直線、内ラチ沿いの最短距離を走ったピコサン(2021.2.10)、馬場中央を逃げたスカイキャンバス(2021.3.17)、外から詰め寄ったレガテアドール(2021.2.2)とコーナー通過順位4番手までの前々で走っていた馬たちの決着かと思われたところで、ラスト100mを切ってから猛然と追い込んだドナベティ。最後は他馬が止まったかのように見えた末脚で、決勝点ではレガテアドールに1と4分の1馬身差。上述の札幌2歳Sでは悔しい思いをされたであろう武豊騎手、札幌最終日は6鞍騎乗で4勝の固め打ち。最後は騎乗機会3連勝を見せられましたが、その2連勝目がドナベティのすずらん賞でした。

ドナベティは0の理論的には4代血統表の近い代で先祖が0化される良配合馬です。また祖母Lady TakがバレリーナH(米GI)、テストS(米GI)、ギャラントブルームH(米GII)、フェアグラウンズオークス(米GII)と米グレードレース4勝の活躍馬。そしてまた2021年生まれ世代のここまでのオープン特別勝ち馬で触れる機会が多い「空胎後に名馬あり」。ドナベティの前走であったクローバー賞(OP)を制したコスモディナー(2021.3.17)も母が不受胎後の仔でした。

エコロヴァルツ(2021.2.14)&コスモディナー(2021.3.17)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.5)-
エコロヴァルツ(2021.2.14)&コスモディナー(2021.3.17)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.5)-

父リアルスティールが矢作芳人厩舎の所属馬であったこともあり、矢作師の思いも一入ではないかと思われるドナベティ。その馬名意味は「冠名+人名より」とのこと。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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