ファストフォース(2016.5.9)-第53回高松宮記念(GI)の勝ち馬-

Result

ファストフォース 牡 黒鹿毛 2016.5.9生 浦河町・三嶋牧場生産 馬主・安原 浩司氏 栗東・西村 真幸厩舎

ファストフォース(2016.5.9)の4代血統表
ロードカナロア
鹿毛 2008.3.11
種付け時活性値:1.75【7】
キングカメハメハ
鹿毛 2001.3.20
Kingmambo
鹿毛 1990.2.19
Mr. Prospector 1970.1.28
Miesque 1984.3.14
マンファス
黒鹿毛 1991.2.23
ラストタイクーン 1983.5.9
Pilot Bird 1983.2.9
レディブラッサム
鹿毛 1996.3.4
Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
Storm Bird 1978.4.19
Terlingua 1976.2.7
サラトガデュー
鹿毛 1989.4.3
Cormorant 1974.4.21
Super Luna 1982.4.5
ラッシュライフ
黒鹿毛 2003.4.11
仔受胎時活性値:1.00【12】
サクラバクシンオー
鹿毛 1989.4.14
種付け時活性値:1.25【13】
サクラユタカオー
栗毛 1982.4.29
テスコボーイ 1963
アンジエリカ 1970.3.29
サクラハゴロモ
鹿毛 1984.4.13
ノーザンテースト 1971.3.15
クリアアンバー 1967.5.8
フレンドレイ
鹿毛 1997.4.11
仔受胎時活性値:1.25【5】
デインヒル
鹿毛 1986.3.26
種付け時活性値:0.50【10】
Danzig 1977.2.12
Razyana 1981.4.18
マーチンミユキ
鹿毛 1989.3.27
仔受胎時活性値:1.75【7】
マルゼンスキー
鹿毛 1974.5.19
種付け時活性値:1.50【14】
ミユキカマダ
黒鹿毛 1978.4.18
仔受胎時活性値:0.50【10】

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×5×5、His Majesty5×5>

ファストフォース(2016.5.9)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ロードカナロア
(Mr. Prospector系)
サクラバクシンオー
(テスコボーイ系)
デインヒル
(Danzig系)
マルゼンスキー
(Nijinsky系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ロードカナロア 4.50
(【12】+【5】+【7】+【10】)
半兄アデイインザライフ
(No. 9-e コランデイア系)
5番仔
(3連産目)

*

2023年の第53回高松宮記念(GI。中京芝1200m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 13 ファストフォース 牡7 58 団野 大成 1:11.5   7-5 35.5 518
[-8]
西村 真幸 12
2 15 ナムラクレア 牝4 56 浜中 俊 1:11.6 1 10-9 35.4 466
[-6]
長谷川 浩大 2
3 1 トゥラヴェスーラ 牡8 58 丹内 祐次 1:11.7 1/2 10-11 35.3 484
[-12]
高橋 康之 13
4 6 ナランフレグ 牡7 58 丸田 恭介 1:11.8 1/2 15-14 35.1 492
[-6]
宗像 義忠 9
5 16 グレナディアガーズ 牡5 58 岩田 望来 1:12.0 3/4 18-18 34.9 468
[-6]
中内田 充正 10
2023年の第53回高松宮記念(GI。中京芝1200m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.5 – 11.3 – 11.8 – 11.6 – 11.9 – 12.4
ラップの
累計タイム
12.5 – 23.8 – 35.6 – 47.2 – 59.1 – 1:11.5
上り 4F 47.7 – 3F 35.9

中京芝1200m、小雨の不良馬場、18頭立て。桶狭間における電撃の6ハロン戦、GIスプリントレースは4年連続で重ないし不良馬場という道悪での開催となりました。降りしきる雨の中でGIの頂きを掴んだのは、戦前12番人気だった7歳馬ファストフォース。2年前、小倉芝1200mで行われたCBC賞(GIII)で計時した1分6秒0は当時のJRAレコードであり、「ロードカナロア×サクラバクシンオー牝馬」という「これでもか!!」という短距離得意の血統馬。デビュー5年目の若武者・団野大成騎手に導かれると、道中中団位置で進み、直線では馬場中央を早めに抜け出して最後まで我慢仕切りました。ファストフォース、前走のシルクロードS(GIII)は10番人気でナムラクレア(2019.3.30)の2着、昨秋のセントウルS(GII)は6番人気でメイケイエール(2018.2.23)の2着と、団野騎手と共に挑んだ中京芝1200mでは連を外していなかったのですが、この大一番でついに1着を勝ち取りました。あぁ、だいたいレース後に馬と騎手とコース、その3つをセットにした相性に気付くものです(笑)

ゴールに飛び込む際、勝利を確信して早々と左腕でガッツポーズを見せた団野騎手。『あぁ、嬉しいやろうなぁ。でも、早すぎるん違うかと』。ヤマニンゼファー(1988.5.27)が1回目の安田記念(GI)を制した時、やはり早々とガッツポーズをした田中勝春騎手が後から注意を受けたという話がありましたので、オッサンは心配してしまいました^^;。とはいえ、自分の気持ちを素直に表すのは大切なことです。「新・黄金世代」と喧伝される競馬学校35期生の中で最も早くJRA・GI勝利を収めることになった団野騎手、勝利騎手インタビューで騎乗に関する反省も述べられていましたし、達者な若手としてこれからも頑張って欲しいもの。期待しています。

ファストフォースを管理される西村真幸調教師も開業9年目でGI初制覇となりました。今年は1月にタイセイビジョン(2017.2.26)が心不全で急死したり、2月にオーヴェルニュ(2016.5.8)が浦和競馬に移籍となったり、厩舎の看板馬たちとの別れもありましたが、3月にファストフォースが初めてのGI勝利を届けてくれました。そしてまたクラシック候補としてファントムシーフ(2020.2.22)もいますし、こちらも楽しみです。また馬主の安原浩司オーナーも、京都開催のJBCレディスクラシック(JpnI)をアンジュデジール(2014.5.1)で制されていましたけれど、JRA・GIは初優勝となりました。安原オーナーの持ち馬ではトップナイフ(2020.3.9)を応援していますが、こちらもクラシックが楽しみです。そしてまた生産の三嶋牧場。近年ダノンキングリー(2016.3.25)メイショウハリオ(2017.2.25)バスラットレオン(2018.3.25)アートハウス(2019.2.21)など活躍馬を続出させている浦河の老舗の一角、高松宮記念でJRA・GI2勝目と相成りました。皆々様、おめでとうございました。

JRAレコードを叩き出すスピードだけではなく、道悪もこなせるところも見せてのGI戴冠となったファストフォース。高松宮記念勝ちでGI馬となり、ロードカナロアの仔にしてサンデーサイレンスの血を含んでいないということもあり、繁殖界入りの道は開かれたようにも思います。ともあれ、7歳の熟年スプリンター、フォースと共にあらんことを。

  

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。