年度代表馬の同期生を辿る(其の参拾弐)-カワカミプリンセス(2003.6.5)-

Series

カワカミプリンセス 牝 鹿毛 2003.6.5生~2023.9.11没 三石町・三石川上牧場生産 馬主・(有)三石川上牧場 栗東・西浦 勝一厩舎

カワカミプリンセス(2003.6.5)の4代血統表
キングヘイロー
鹿毛 1995.4.28
種付け時活性値:1.75【7】
ダンシングブレーヴ
鹿毛 1983.5.11
Lyphard
鹿毛 1969.5.10
Northern Dancer 1961.5.27
Goofed 1960.3.29
Navajo Princess
鹿毛 1974.3.31
Drone 1966.4.1
Olmec 1966
グッバイヘイロー
栗毛 1985.2.12
Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Pound Foolish
鹿毛 1979.3.17
Sir Ivor 1965.5.5
Squander 1974.5.6
タカノセクレタリー
鹿毛 1996.4.16
仔受胎時活性値:1.50【6】
Seattle Slew
黒鹿毛 1974.2.15
種付け時活性値:1.25【21】
Bold Reasoning
黒鹿毛 1968.4.29
Boldnesian 1963.4.14
Reason to Earn 1963
My Charmer
鹿毛 1969.3.25
Poker 1963.3.20
Fair Charmer 1959.2.3
Summer Secretary
栗毛 1985.3.27
仔受胎時活性値:0.50【10】
Secretariat
栗毛 1970.3.30
種付け時活性値:1.50【14】
Bold Ruler 1954.4.6
Somethingroyal 1952.3.12 ♀
Golden Summer
栗毛 1979.3.25
仔受胎時活性値:1.25【5】
Key to the Mint
鹿毛 1969.3.9
種付け時活性値:0.25【9】
Summer Guest
栗毛 1969.3.18
仔受胎時活性値:0.25【9】

<5代血統表内のクロス:Hail to Reason4×5、Bold Ruler4×5(母方)、Sir Gaylord5×5(父方)>

カワカミプリンセス(2003.6.5)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
キングヘイロー
(Lyphard系)
Seattle Slew
(Bold Ruler系)
Secretariat
(Bold Ruler系)
Key to the Mint
(Ribot系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
キングヘイロー 3.50
(【6】+【10】+【5】+【9】)
祖母が米GIII2勝
(No. 4-m)
3番仔
(3連産目)

*

2006年の第67回優駿牝馬(GI。東京芝2400m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 9 カワカミプリンセス 牝3 55 本田 優 2:26.2 8-7-5-5 35.5 484
[-4]
西浦 勝一 3
2 2 フサイチパンドラ 牝3 55 福永 祐一 2:26.3 3/4 5-7-8-7 35.4 494
[+12]
白井 寿昭 5
3 10 アサヒライジング 牝3 55 柴田 善臣 2:26.4 クビ 2-2-2-2 36.3 488
[-6]
古賀 慎明 7
4 13 アドマイヤキッス 牝3 55 武 豊 2:26.6 1 1/4 13-12-10-8 35.5 444
[0]
松田 博資 1
5 5 ニシノフジムスメ 牝3 55 藤田 伸二 2:26.8 1 10-10-8-8 35.7 462
[+8]
藤原 英昭 6
2006年の第67回優駿牝馬(GI。東京芝2400m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.5 – 10.9 – 11.3 – 11.6 – 11.8 – 12.4 – 12.8 – 13.5 – 13.2 – 11.6 – 12.2 – 12.4
ラップの
累計タイム
12.5 – 23.4 – 34.7 – 46.3 – 58.1 – 1:10.5 – 1:23.3 – 1:36.8 – 1:50.0 – 2:01.6 – 2:13.8 – 2:26.2
上り 4F 49.4 – 3F 36.2

2006年の第67回優駿牝馬。カワカミプリンセス、年明け2月末の新馬戦、3月末の君子蘭賞、4月末のスイートピーS(OP)と3戦3勝で挑んだのが、第67回優駿牝馬でした。その勢いのままに4戦4勝、無敗での戴冠。無敗の優駿牝馬勝ちはミスオンワード(1954.3.8)以来49年ぶりのことでした。西浦勝一調教師と本田優騎手、5年前の第62回においてダンシングブレーヴ(1983.5.11)の仔で3着に敗れた借り、ダンシングブレーヴの孫でお返ししました。

*

2006年の第11回秋華賞(GI。京都芝2000m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 12 カワカミプリンセス 牝3 55 本田 優 1:58.2 9-8-5-6 34.4 492
[+8]
西浦 勝一 2
2 16 アサヒライジング 牝3 55 柴田 善臣 1:58.3 1/2 4-4-4-4 34.7 504
[前計不]
古賀 慎明 5
3 5 フサイチパンドラ 牝3 55 福永 祐一 1:58.5 1 1/4 8-8-8-6 34.6 496
[0]
白井 寿昭 4
4 9 アドマイヤキッス 牝3 55 武 豊 1:58.6 1/2 12-12-11-11 34.4 454
[+6]
松田 博資 1
5 4 シェルズレイ 牝3 55 岩田 康誠 1:58.6 アタマ 3-3-3-3 35.7 466
[+8]
松田 国英 9
2006年の第11回秋華賞(GI。京都芝2000m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.0 – 10.6 – 11.9 – 12.0 – 11.9 – 12.2 – 12.0 – 12.0 – 11.6 – 12.0
ラップの
累計タイム
12.0 – 22.6 – 34.5 – 46.5 – 58.4 – 1:10.6 – 1:22.6 – 1:34.6 – 1:46.2 – 1:58.2
上り 4F 47.6 – 3F 35.6

2006年の第11回秋華賞。1着カワカミプリンセス、2着アサヒライジング(2003.2.9)、3着フサイチパンドラ(2003.2.27)、4着アドマイヤキッス(2003.2.8)。いずれも秋華賞より前にGIレースで連対経験のある馬たちによる上位独占でした。実力のある馬たちが、実力を出しての結果だったのでしょう。そんな序列闘争の中、優駿牝馬以来のぶっつけで制したカワカミプリンセス。陣営の絶対の自信に応えての勝利でした。カワカミプリンセス、この勝利により5戦5勝の負け無し、そして牝馬二冠を達成しました。恐るべしは6月5日という遅生まれの才媛、カワカミプリンセス。

結局は「優駿牝馬の1着馬から4着馬で上位4頭を占めた」第11回秋華賞の結果でしたが、これはテイエムオーシャン(1998.4.9)の第6回秋華賞と同様で、テイエムオーシャンも優駿牝馬以来のぶっつけでしたね。カワカミプリンセス、厩舎の先輩に続いての見事な3歳牝馬GI二冠の達成でした。

テイエムオーシャン(1998.4.9)-五十音にて名馬を辿る(No.19)-
テイエムオーシャン 牝 鹿毛 1998.4.9生 浦河町・川越 敏樹氏生産 馬主・竹園 正繼氏 栗東・西浦 勝一厩舎

*

2006年の第31回エリザベス女王杯(GI。京都芝2200m)の結果(上位5頭+α)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 15 フサイチパンドラ 牝3 54 福永 祐一 2:11.6 8-8-7-4 34.8 502
[+6]
白井 寿昭 7
2 8 スイープトウショウ 牝5 56 池添 謙一 2:11.6 クビ 11-11-11-11 34.4 464
[+6]
鶴留 明雄 2
3 11 ディアデラノビア 牝4 56 岩田 康誠 2:11.7 クビ 7-7-8-7 34.6 436
[+2]
角居 勝彦 4
4 1 アサヒライジング 牝3 54 柴田 善臣 2:11.7 クビ 3-3-3-2 35.3 504
[0]
古賀 慎明 5
5 3 アドマイヤキッス 牝3 54 武 豊 2:12.0 1 3/4 5-5-3-2 35.6 460
[+6]
松田 博資 3
12 16 カワカミプリンセス 牝3 54 本田 優 2:11.4 (1位降着) 9-10-8-7 34.5 490
[-2]
西浦 勝一 1
2006年の第31回エリザベス女王杯(GI。京都芝2200m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.5 – 10.6 – 11.7 – 11.3 – 11.3 – 12.2 – 12.5 – 12.8 – 13.0 – 11.5 – 12.0
ラップの
累計タイム
12.5 – 23.1 – 34.8 – 46.1 – 57.4 – 1:09.6 – 1:22.1 – 1:34.9 – 1:47.9 – 1:59.4 – 2:11.4
上り 4F 49.3 – 3F 36.5

2006年の第31回エリザベス女王杯。ファインモーション(1999.1.27)に続く、無敗の6連勝による古馬GI制覇が成されたかのように見えた決勝点。けれど、競馬の神様は、時に厳しい裁定を下します。最後の直線でヤマニンシュクル(2001.4.1)に対するオブストラクションにより、1位入線12着降着。後に続いた同じ2003年生まれ世代のフサイチパンドラ(2003.2.27)が繰り上がりで1着。世代のレベルの高さを見せましたが、この降着劇がカワカミプリンセスに影を差してしまったようにも思います……。

フサイチパンドラ(2003.2.27)-思い出のGI1勝馬を辿る(其の拾伍)-
フサイチパンドラ 牝 栗毛 2003.2.27生~2017.10.28没 早来町・ノーザンファーム生産 馬主・関口 房朗氏 栗東・白井 寿昭厩舎

*

諦めずに忘れ物を取りに行こうとしたエリザベス女王杯。5歳時の2008年の第33回では1番人気2着、引退レースとなった6歳時の2009年の第34回では5番人気9着。どうしても届かなかった京都芝2200mのGI勝利。

流れる時の中で、いつか、カワカミプリンセスの子孫がその雪辱を果たしてくれることを期待したいものです。

2006年、彗星のように現れた三石川上牧場の生産所有馬、カワカミプリンセス。

川上のお姫様は、その強さと共に、人々の記憶にも残る名牝でした。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[カワカミプリンセス(2003.6.5)の主な競走成績]

  1. 優駿牝馬(GI)、秋華賞(GI)
  2. エリザベス女王杯(GI)、府中牝馬S(GIII)
  3. 産経大阪杯(GII)、金鯱賞(GII)

通算17戦5勝、2着2回、3着2回。

*

2006年牝馬2冠のカワカミプリンセスが死す、20歳…西浦勝一元調教師「名馬中の名馬という馬でした」 | 競馬ニュース - netkeiba
JRAは9月12日、2006年のオークスと秋華賞を制し、同年度のJRA最優秀3歳牝馬と最優秀父内国産馬を受賞したカワカミプリンセスが起立不能となり、11日に死んだことを発表した。20歳だった。現役引… No.1競馬情報サイト「netkeib...

管理された西浦勝一・元調教師曰く名馬中の名馬という馬だったカワカミプリンセス。京都芝2200mの忘れ物を取り戻してくれる子孫の登場を心から祈って。合掌。

#2017年12月13日(水)初出、2023年09月12日(火)記事改め。

タイトルとURLをコピーしました