アスコリピチェーノ 牝 黒鹿毛 2021.2.24生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・(有)サンデーレーシング 美浦・黒岩 陽一厩舎
| ダイワメジャー 栗毛 2001.4.8 種付け時活性値：0.75【19】 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 黒鹿毛 1969.2.7 |
Hail to Reason 1958.4.18 |
| Cosmah 1953.4.4 | |||
| Wishing Well 鹿毛 1975.4.12 |
Understanding 1963.2.17 | ||
| Mountain Flower 1964.3.23 | |||
| スカーレットブーケ 栗毛 1988.4.11 |
★ノーザンテースト 栗毛 1971.3.15 |
Northern Dancer 1961.5.27 | |
| Lady Victoria 1962.2.20 | |||
| スカーレツトインク 栗毛 1971.5.5 |
Crimson Satan 1959.5.4 | ||
| Consentida 1962.4.6 | |||
| アスコルティ 黒鹿毛 2011.3.10 仔受胎時活性値：0.25【9】 |
Danehill Dancer 鹿毛 1993.1.30 種付け時活性値：0.25【17】 |
デインヒル 鹿毛 1986.3.26 |
★Danzig 1977.2.12 |
| Razyana 1981.4.18 | |||
| Mira Adonde 黒鹿毛 1986.4.19 |
★Sharpen Up 1969.3.17 | ||
| Lettre d’Amour 1979.4.23 | |||
| リッスン 鹿毛 2005.2.3 仔受胎時活性値：1.25【5】 |
Sadler’s Wells 鹿毛 1981.4.11 種付け時活性値：1.75【23】 |
Northern Dancer 1961.5.27 | |
| Fairy Bridge 1975.5.4 | |||
| Brigid 栗毛 1991.3.17 仔受胎時活性値：1.25【13】 |
Irish River 栗毛 1976.4.2 種付け時活性値：1.50【14】 |
||
| Luv Luvin’ 栗毛 1977.4.20 仔受胎時活性値：1.25【13】 |
<5代血統表内のクロス：Northern Dancer4×4×5>
| 父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
|---|---|---|---|
| ダイワメジャー (サンデーサイレンス系) |
Danehill Dancer (デインヒル系) |
Sadler’s Wells (Northern Dancer系) |
Irish River (Riverman系) |
| 形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
| Sadler’s Wells (Fairy Bridge) |
4.00 (【9】+【5】+【13】+【13】) |
祖母が英GI馬 (No. 9-b) |
5番仔 (5連産目) |
*
| 着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 7 | アスコリピチェーノ | 牝2 | 55 | 北村 宏司 | 1:32.6 | 8-8 | 33.7 | 468 [-4] |
黒岩 陽一 | 3 | |
| 2 | 6 | ステレンボッシュ | 牝2 | 55 | C.ルメール | 1:32.6 | クビ | 11-10 | 33.5 | 466 [-6] |
国枝 栄 | 5 |
| 3 | 10 | コラソンビート | 牝2 | 55 | 横山 武史 | 1:32.8 | 1 1/4 | 6-5 | 34.1 | 438 [-4] |
加藤 士津八 | 2 |
| 4 | 14 | サフィラ | 牝2 | 55 | 松山 弘平 | 1:33.3 | 3 | 11-10 | 34.2 | 442 [0] |
池添 学 | 1 |
| 5 | 12 | シカゴスティング | 牝2 | 55 | 鮫島 克駿 | 1:33.4 | 1/2 | 1-1 | 35.2 | 428 [0] |
庄野 靖志 | 12 |
| 1F毎の ラップ |
12.4 – 10.7 – 11.3 – 12.0 – 11.8 – 11.3 – 11.4 – 11.7 |
|---|---|
| ラップの 累計タイム |
12.4 – 23.1 – 34.4 – 46.4 – 58.2 – 1:09.5 – 1:20.9 – 1:32.6 |
| 上り | 4F 46.2 – 3F 34.4 |
阪神芝1600m、晴の良馬場、18頭立て。
桜花賞(GI)と同じ仁川のマイル戦、2歳牝馬女王を決めるレースを制したのは新潟2歳S(GIII)1着以来3ヶ月半振りだったアスコリピチェーノ。道中前にコラソンビート(2021.2.26)、後ろにステレンボッシュ(2021.2.12)、サフィラ(2021.2.1)と、馬群中程に構えた馬たちが4着までを占めたという結果でしたが、その中でもアスコリピチェーノ、中団8番手でじっと我慢すると、阪神芝外回りAコースの直線473.6mでは外目をコラソンビートと共に伸び、ゴール前100mあたりで先頭。内からステレンボッシュがものすごい脚で交わしそうな勢いを見せましたが、北村宏司騎手の鼓舞に応えたアスコリピチェーノ、最後まで頑張り抜いて「クビ」だけ先んじたところが決勝点。阪神芝1600mの勝ち時計1分32秒6はレシステンシア(2017.3.15)が刻んだ1分32秒7をコンマ1秒塗り替えるレースレコード。アスコリピチェーノ、6月の東京芝1400mの新馬戦、8月の新潟2歳S、そして12月の阪神ジュベナイルフィリーズと3戦3勝、無敗で2021年生まれ世代最初のJRA・GI勝ち馬に駆け上りました。
前段でレシステンシアの名前を出しましたが、アスコリピチェーノはレシステンシアと同じくダイワメジャー産駒。種牡馬ダイワメジャーはメジャーエンブレム(2013.3.26)、レシステンシア、アスコリピチェーノと3頭の阪神ジュベナイルフィリーズ勝ち馬を輩出。やはり日本で走る仔はマイル戦を始めとした短距離戦得意ということになりますでしょうか。今年2023年のロワイヤルオーク賞(仏GI)を制したDouble Major(2020.3.2)の鬼っ子ぶりが浮き彫りになりますね^^;
またアスコリピチェーノ鞍上の北村騎手は2015年のキタサンブラック(2012.3.10)の菊花賞(GI)以来8年ぶりのJRA・GI勝利となりました。北村騎手、アスコリピチェーノの新潟2歳Sが5年ぶりのJRA重賞制覇でしたが、アスコリピチェーノは久しぶりのGI優勝もプレゼントしてくれました。そしてまたアスコリピチェーノを管理される黒岩陽一調教師は開業12年目の嬉しいJRA・GI初勝利となりました。おめでとうございました(^^)
では、以下にアスコリピチェーノのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。
リッスン 2005.2.3 フィリーズマイル(英GI)ほか ｜アスコルティ 2011.3.10 2勝 ｜｜アスコルターレ 2018.4.4 現役 マーガレットS(L)ほか ｜｜アスコリピチェーノ 2021.2.24 (本馬) 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI) 新潟2歳S(GIII) ｜タッチングスピーチ 2012.2.21 ローズS(GII)ほか ｜｜キングズレイン 2020.2.21 現役 ホープフルS(GI)3着 ｜ムーヴザワールド 2014.3.9 3勝 共同通信杯(GIII)3着 東京スポーツ杯2歳S(GIII)3着 ｜サトノルークス 2016.3.11 3勝 すみれS(L) 菊花賞(GI)2着 朝日杯セントライト記念(GII)2着
アスコリピチェーノの牝系は9号族b分枝系。9号族のb分枝系とc分枝系は12号族と同じハプロタイプを持つことで知られ、本来12号族の牝馬を9号族としてしまった模様。ともあれアスコリピチェーノの近親馬には祖母リッスン、叔母タッチングスピーチ、叔父サトノルークス、兄アスコルターレと活躍馬が見えます。叔母や叔父は距離をこなしていますけれど、アスコリピチェーノは果たして、というところです。
#祖母リッスン(Listen)は「聞く(英)」、母アスコルティ(Ascolti)は「聞いてください(伊)」、兄アスコルターレ(Ascoltare)は「聴く(伊)」と来て、アスコリピチェーノ(Ascoli Piceno)は「イタリアの都市名」が馬名意味です。意味の連鎖から、Ascolで始まる単語の連鎖に移行したというところでしょうか。
阪神ジュベナイルフィリーズまで負け無しで駆けたアスコリピチェーノ。思えばダイワメジャー産駒の阪神ジュベナイルフィリーズ勝ち馬の先達2頭は共に桜花賞からNHKマイルカップ(GI)に向かっています。黒鹿毛の流星の美麗馬アスコリピチェーノ、来春の向かう先が気になるところですけれど、まずは激戦の疲れを癒やしてください。
*
今回は阪神ジュベナイルフィリーズの2着馬についても、その4代血統構成を確認しておきます。
ステレンボッシュ 牝 鹿毛 2021.2.12生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・吉田 勝己氏 美浦・国枝 栄厩舎
| エピファネイア 鹿毛 2010.2.11 種付け時活性値：0.50【10】 |
シンボリクリスエス 黒鹿毛 1999.1.21 |
Kris S. 黒鹿毛 1977.4.25 |
Roberto 1969.3.16 |
| Sharp Queen 1965.4.19 | |||
| Tee Kay 黒鹿毛 1991.2.9 |
★Gold Meridian 1982.4.14 | ||
| Tri Argo 1982.5.18 | |||
| シーザリオ 青毛 2002.3.31 |
スペシャルウィーク 黒鹿毛 1995.5.2 |
★サンデーサイレンス 1986.3.25 | |
| キャンペンガール 1987.4.19 | |||
| キロフプリミエール 鹿毛 1990.4.15 |
★Sadler’s Wells 1981.4.11 | ||
| Querida 1975.3.14 | |||
| ブルークランズ 鹿毛 2014.1.22 仔受胎時活性値：1.50【6】 |
ルーラーシップ 鹿毛 2007.5.15 種付け時活性値：1.50【6】 |
キングカメハメハ 鹿毛 2001.3.20 |
Kingmambo 1990.2.19 |
| マンファス 1991.2.23 | |||
| エアグルーヴ 鹿毛 1993.4.6 |
トニービン 1983.4.7 | ||
| ダイナカール 1980.5.10 | |||
| ランズエッジ 鹿毛 2006.4.2 仔受胎時活性値：1.75【7】 |
ダンスインザダーク 鹿毛 1993.6.5 種付け時活性値：1.00【12】 |
サンデーサイレンス 1986.3.25 | |
| ダンシングキイ 1983.5.21 | |||
| ウインドインハーヘア 鹿毛 1991.2.20 仔受胎時活性値：1.50【14】 |
Alzao 鹿毛 1980.2.28 種付け時活性値：0.50【10】 |
||
| Burghclere 鹿毛 1977.4.26 仔受胎時活性値：1.25【13】 |
<5代血統表内のクロス：サンデーサイレンス4×4>
| 父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
|---|---|---|---|
| エピファネイア (Roberto系) |
ルーラーシップ (Mr. Prospector系) |
ダンスインザダーク (サンデーサイレンス系) |
Alzao (Lyphard系) |
| 形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
| ルーラーシップ (ダイナカール) |
6.00 (【6】+【7】+【14】+【13】) |
大伯父ディープインパクト (No. 2-f) |
2番仔 (不受胎後) |
ステレンボッシュ、7月の札幌芝1800mの新馬戦1着、10月の中山芝1600mのサフラン賞2着、11月の東京芝1600mの赤松賞1着として向かった阪神ジュベナイルフィリーズでは惜しくも2着。その4代血統表を開けば「むぅ、クラシックタイプ」と思ってしまいますので来年が楽しみです。ステレンボッシュ、その馬名意味は「南アフリカの都市名」ということです。
2023年の阪神ジュベナイルフィリーズはアスコリピチェーノとステレンボッシュという海外の都市名を名前に戴いた2頭のワンツーフィニッシュでした。ステレンボッシュの国枝栄調教師は悔しかったと思いますけれど、アスコリピチェーノの母アスコルティを管理されていた縁もありましたし、北村騎手を笑顔で迎えられていましたね(^^)
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。
