Molvedo(1958)-凱旋門賞(仏GI)が100回を迎えるに当たり(No.2)-

Special feature

Molvedo(モルヴェド) 牡 鹿毛 1958生~1987没 伊国・Razza Ticino生産 馬主・Egidio Vergo 伊国・Arturo Maggi厩舎

Molvedo(1958)の4代血統表
Ribot
鹿毛 1952.2.27
種付け時活性値:1.25【5】
Tenerani
鹿毛 1944
Bellini
鹿毛 1937
Cavaliere d’Arpino 1926
Bella Minna 1923
Tofanella
栗毛 1931
Apelle 1923
Try Try Again 1922
Romanella
栗毛 1943
★El Greco
栗毛 1934
Pharos 1920.4.4
Gay Gamp 1923
Barbara Burrini
鹿毛 1937
★Papyrus 1920
Bucolic 1926
Maggiolina
黒鹿毛 1946
仔受胎時活性値:0.75【11】
Nakamuro
鹿毛 1940
種付け時活性値:1.25【5】
Cameronian
鹿毛 1928
Pharos 1920.4.4
Una Cameron 1922
Nogara
鹿毛 1928
Havresac 1915
Catnip 1910
Murcia
栗毛 1940
仔受胎時活性値:1.25【5】
Pilade
栗毛 1930
種付け時活性値:0.25【9】
▲Captain Cuttle 1919
Piera 1924
Muci
栗毛 1924
仔受胎時活性値:1.75【15】
Tetrameter
栗毛 1917
種付け時活性値:1.50【6】
Pearl Maiden
黒鹿毛 1918
仔受胎時活性値:1.25【5】

<5代血統表内のクロス:Pharos4×4、Havresac4×5>

Molvedo(1958)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Ribot
(Rabelais系)
Nakamuro
(Pharos系)
Pilade
(Hurry On系)
Tetrameter
(The Tetrarch系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Tetrameter
(Maggiolina)
5.00
(No. 16-b)
6番仔?
(2連産目?)

*

1961年の第40回凱旋門賞(ロンシャン芝2400m)の結果(上位3頭)

馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 Molvedo 牡3 55.5 E. Camici 2:38.44 A. Maggi
2 Right Royal 牡3 55.5 R. Poincelet 2 E. Pollet
3 Misti 牡3 55.5 M. Larraun 1/2 G. Bridgland

*

Molvedo。父Ribotが1956年の第35回において凱旋門賞連覇と有終の美を飾ってから5年後、初年度産駒のMolvedoが史上3例目となる凱旋門賞親仔制覇を果たしました。

Ribot(1952.2.27)-凱旋門賞(仏GI)が100回を迎えるに当たり(No.1)-
Ribot(リボー) 牡 鹿毛 1952.2.27生~1972.4.28没 英国・Federico Tesio生産 馬主・Lydia Tesio & Mario della Rocchetta 伊国・Ugo Penco厩舎

凱旋門賞の99回までの歴史において親仔制覇を果たした馬たちを、改めて確認しておきますと、、、

  1. Biribi(1923)&Le Pacha(1938)
  2. Djebel(1937)&Coronation(1946)
  3. Ribot(1952.2.27)&Molvedo(1958)
  4. Ribot(1952.2.27)&プリンスロイヤル(1961)
  5. Sea-Bird(1962.3.8)&Allez France(1970.5.24)
  6. Rainbow Quest(1981.5.15)&Saumarez(1987.3.28)
  7. Detroit(1977.2.24)&カーネギー(1991.2.26) ※母仔制覇
  8. Montjeu(1996.4.4)&Hurricane Run(2002.4.13)
  9. Urban Sea(1989.2.18)&Sea The Stars(2006.4.6) ※母仔制覇

99回の歴史で9例、2頭の凱旋門賞勝ち産駒を送り出したのはRibot唯1頭。

日本に輸入された凱旋門賞馬を辿る(其の壱)-セントクレスピン(1956)&プリンスロイヤル(1961)-
セントクレスピン(Saint Crespin) 牡 栗毛 1956生~1981没 英国・Prince Aly Khan生産 馬主・Prince Aly Khan 仏国・Alec Head厩舎プリンスロイヤル(Prince Royal) 牡 鹿毛 1961生~1983.8.4没 英国・Charles W. Wacker III生産 馬主・Rex Ellsworth 仏国・Georges Bridgland厩舎

そんなRibotの最初の孝行息子となったMolvedoは、日本での知名度はそれほど高いものではないと思われますが、Wikipedia英語版のMolvedoの記事から引いておきますと、

In their book A Century of Champions, based on a modified version of the Timeform system, John Randall and Tony Morris rated Molvedo the third-best Italian racehorse of the 20th century behind Ribot and Nearco. They also rated him the best horse foaled in 1958 and the best horse in the world in 1961.[5]

Molvedo – Wikipedia

「タイムフォームシステムの修正版に基づいた彼らの著書『A Century of Champions』で、ジョン・ランドールとトニー・モリスは、MolvedoをRibotとNearcoに次ぐ、20世紀のイタリアの競走馬として3番目に優れていると評価しました。彼らはまた、Molvedoを1958年生まれの最高の馬、1961年における世界で最高の馬と評価しました。」と訳されるように、伊国の競走馬としてはフェデリコ・テシオの傑作2頭に次ぐ強豪馬としてアセスメントされています。

そしてまたWikipedia日本語版の「ヴァレンヌ (競走馬) – Wikipedia」の記事でも紹介されているように、Ribot、Tornese(1952)、Varenne(1995.5.19)と並び、Molvedoは2003年に伊国で発行された記念切手の対象馬4頭のうちの1頭に選ばれました。なお、TorneseとVarenneは繋駕速歩競走で活躍したトロッターです。余談ですが、かつてVarenneの4代血統表を作成していたのは、微妙にポイントが高いですね^^;

Molvedoの記事を書くにあたり、親近感を覚えたのは母父Nakamuroでした。その母Nogaraからお分かりのように、Nearco(1935.1.24)の半弟であるNakamuro。その馬名は日本の洋画家・書家である中村不折から取られたそうな。芸術家の名前を好んで馬名に付けたというテシオ、Molvedoの血統表の中にあるNakamuroの馬名が、21世紀の極東の血統ファンの心に響きました。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[Molvedo(1958)の主な競走成績]

  1. 凱旋門賞、伊ジョッキークラブ大賞、ドーヴィル大賞、伊グラン・クリテリウム

通算8戦7勝、3着1回。

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