第40回帝王賞(JpnI)の勝ち馬

Result

ケイティブレイブ 牡 栗毛 2013.5.11生 新ひだか・岡野牧場生産 馬主・瀧本和義氏 栗東・目野哲也厩舎

ケイティブレイブ(2013.5.11)の4代血統表
アドマイヤマックス
鹿毛 1999.4.10
種付け時活性値:1.25
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
ダイナシユート
栗毛 1982.5.13
ノーザンテースト
栗毛 1971.3.15
Northern Dancer 1961.5.27
Lady Victoria 1962.2.20
シヤダイマイン
黒鹿毛 1973.4.9
ヒツテイングアウエー 1958.4.9
フアンシミン 1967.4.21
ケイティローレル
栗毛 2006.5.12
仔受胎時活性値:1.50
サクラローレル
栃栗毛 1991.5.8
種付け時活性値:1.50
Rainbow Quest
鹿毛 1981.5.15
Blushing Groom 1974.4.8
I Will Follow 1975.4.29
ローラローラ
栗毛 1985.3.23
Saint Cyrien 1980.4.22
Bold Lady 1974.2.27
ビーマイフアイア
栗毛 1986.4.2
仔受胎時活性値:0.75
Be My Guest
栗毛 1974.4.12
種付け時活性値:0.75
Northern Dancer 1961.5.27
What a Treat 1962.5.22
Fire and Ice
栗毛 1976.4.16
仔受胎時活性値:0.25
Reliance
鹿毛 1962.4.11
種付け時活性値:1.25
Glorifying
栗毛 1971.5.18
仔受胎時活性値:1.00

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×4>

ケイティブレイブ(2013.5.11)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
アドマイヤマックス
(Halo系)
サクラローレル
(Blushing Groom系)
Be My Guest
(Northern Dancer系)
Reliance
(Teddy系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
サクラローレル
(ケイティローレル)
3.50 伯父ビーマイナカヤマ
(No. 1-s)
初仔

*

第40回帝王賞(JpnI)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 3 ケイティブレイブ 牡4 57 福永祐一 2:04.4    36.5 504
[0]
目野哲也 6
2 10 クリソライト 牡7 57 戸崎圭太 2:04.7 1.3/4 37.9 500
[-4]
音無秀孝 5
3 2 アウォーディー 牡7 57 武豊 2:05.3 3 38.4 511
[0]
松永幹夫 1
4 15 サウンドトゥルー せん7 57 大野拓弥 2:05.4 1/2 38.3 473
[-1]
高木登 3
5 6 アポロケンタッキー 牡5 57 内田博幸 2:05.8 2 38.8 567
[0]
山内研二 2

2017年の第40回帝王賞。「初めて買ったCDが『淋しい熱帯魚』」と、当日のプレゼンター・相田翔子さんに関するエピソードを交えて述べられたのは、勝利騎手インタビューでの福永祐一騎手。出負けした瞬間、多くのファンは型にはまらなかった時のケイティブレイブの「脆さ」を思われたのではないでしょうか。けれど、4歳6月末にして21戦目のケイティブレイブ、これまでの経験が糧になったのか、今までとは全く違う末脚勝負で、目の覚めるような素晴らしい豪脚を見せてくれました。

ケイティブレイブ、兵庫チャンピオンシップ(JpnII)、白山大賞典(JpnIII)、浦和記念(JpnII)、名古屋大賞典(JpnIII)に続いての重賞5勝目が嬉しいジーワン初制覇となりました。生産の岡野牧場、馬主瀧本和義氏も、ジーワン初優勝。冠名「ケイティ」の瀧本オーナーの持ち馬では、1997年の第119回中山大障害・秋(現中山大障害、J・GI)を勝ったケイティタイガー(1989.3.6)が思い出されます。また、管理される目野哲也調教師は、1999年の第12回マイルチャンピオンシップ南部杯(現JpnI)を制したニホンピロジュピタ(1995.5.3)以来18年ぶりのジーワン勝利。来年2018年に定年を迎えられる目野師にとっては、久しぶりのビッグタイトルと相成りました。

合わせて、父アドマイヤマックス。彼は、2001年に発刊されたKKベストセラーズのPOG本-名前失念。全体に黒い本だったと思います-で、故・中島国治氏が「期待できるサンデーサイレンス産駒」として、名前を挙げられていた10頭のうちの1頭でした。他には後のチアズシュタルク(1999.3.30)やチャペルコンサート(1999.1.31)、モノポライザー(1999.4.4)の名前が挙がっていたのを覚えています。彼ら彼女らに共通しているのは、母が前年産駒なし後の仔、ということです。アドマイヤマックスに話を戻しますと、重賞3勝の名牝ダイナシユートの仔である同馬は4勝を挙げ、第35回高松宮記念(GI)、富士S(GIII)、東京スポーツ杯2歳S(GIII)と重賞3勝。デビュー当初はクラシックタイプでしたが、長じて短距離にシフトして行きました。3歳秋、セントライト記念(GII)2着の後、第63回菊花賞(GI)で本命にしていたのは、ここだけのお話です^^;。ポン駆けとなった4歳初戦の第53回安田記念(GI)はもう少しで勝ちそうでしたが、アグネスデジタル(1997.5.15)に「クビ」だけ差されてしまいました。それでも6歳春の高松宮記念勝ちにより、フアンシミンをボトムラインに持つ馬として、初めてのGI馬となりました。その2週間後、アドマイヤマックス満6歳の誕生日に姪のラインクラフト(2002.4.4)が第65回桜花賞(GI)を制したのですから、「同一牝系の連動する活躍」を思ったものです。さて、ケイティブレイブは、アドマイヤマックス産駒初のジーワン勝ち馬となりました。アドマイヤコスモス(2007.3.3)、メイショウマシュウ(2008.4.1)、モンストール(2009.4.8)、ショウナンアポロン(2010.4.26)と、初年度から4年目までは、世代に1頭は重賞勝ち馬を輩出するというシブい活躍を見せていたアドマイヤマックス。5年目、6年目と産駒に重賞勝ち馬が現れなかった後、アドマイヤコスモスとモンストールが重賞勝ちを収めた2011年の翌年、2012年に種付けされて生まれた7年目産駒が、稼ぎ頭となったケイティブレイブでした。また、初年度のアドマイヤコスモスは大物感たっぷりでしたけれど、故障に泣いたのが残念ではありました。

#ケイティブレイブとアドマイヤコスモスに共通する点として、ケイティブレイブは祖母父がBe My Guest、アドマイヤコスモスは母父がBe My Guestと、共に母方にBe My Guestを持っていることが挙げられますね。

ケイティブレイブの最優性先祖である母父サクラローレルは現役時代に9勝を挙げ、その主な勝ち鞍に第113回天皇賞・春(GI)、第41回有馬記念(GI)、オールカマー(GII)、中山記念(GII)、金杯(現中山金杯、GIII)と重賞5勝。1996年のJRA賞年度代表馬まで登り詰めたサクラローレルは、未勝利戦からオープン競走まで各クラスを勝ち上がるという、珍しいタイプの名馬でした。私が生まれて初めて競馬場に行った日、1994年11月20日に京都芝2200mの比良山特別を勝ったのも懐かしい思い出です。さて、サクラローレルの代表産駒には、日経新春杯(GII)、アルゼンチン共和国杯(GII)、鳴尾記念(GIII)と重賞3勝のサクラセンチュリー(2000.4.3)、フローラS(GII)を勝ち第64回優駿牝馬(GI)では3着だったシンコールビー(2000.3.19)、ブリーダーズゴールドC(当時JpnII)を制したギルガメッシュ(2003.5.2)、ユニコーンS(GIII)の勝ち馬ロングプライド(2004.3.30)、京成杯(GIII)の勝ち馬ローマンエンパイア(1999.2.26)-ヤマニンセラフィム(1999.4.13)と1着同着-などがいます。

伯父に重賞8勝を挙げ息の長い活躍を見せたビーマイナカヤマ(1994.5.25)がいる、ケイティブレイブ。4歳半ばで重賞5勝を挙げている力量馬が、これからどれくらい重賞勝ちを積み上げられるのか、さらなる活躍を楽しみにしたいと思います。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。