Nijinsky(1967.2.21)-北の踊り子とその子孫を辿る(No.2)-

Series

Nijinsky(ニジンスキー) 牡 鹿毛 1967.2.21生~1992.4.15没 加国・Edward P.Taylor生産 馬主・Charles W. Engelhard Jr. 愛国・Vincent O’Brien厩舎

Nijinsky(1967.2.21)の4代血統表
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
種付け時活性値:1.25【5】
Nearctic
黒鹿毛 1954.2.11
Nearco
黒鹿毛 1935.1.24
Pharos 1920.4.4
Nogara 1928
Lady Angela
栗毛 1944
Hyperion 1930.4.18
Sister Sarah 1930
Natalma
鹿毛 1957.3.26
Native Dancer
芦毛 1950.3.27
Polynesian 1942.3.8
Geisha 1943
Almahmoud
栗毛 1947.5.18
Mahmoud 1933
Arbitrator 1937
Flaming Page
鹿毛 1959.4.24
仔受胎時活性値:1.75【7】
Bull Page
鹿毛 1947
種付け時活性値:0.75【11】
Bull Lea
黒鹿毛 1935.3.11
Bull Dog 1927
Rose Leaves 1916
Our Page
鹿毛 1940
Blue Larkspur 1926
Occult 1931
Flaring Top
栗毛 1947.3.27
仔受胎時活性値:0.75【11】
Menow
黒鹿毛 1935.5.19
種付け時活性値:0.75【11】
Pharamond 1925.1.17
Alcibiades 1927
Flaming Top
栗毛 1941
仔受胎時活性値:1.25【5】
★Omaha
栗毛 1932.3.24
種付け時活性値:0.00【8】
Firetop
栗毛 1928
仔受胎時活性値:1.00【12】

<5代血統表内のクロス:Phalaris5×5、Selene5×5>

Nijinsky(1967.2.21)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Northern Dancer
(Nearctic系)
Bull Page
(Teddy系)
Menow
(Pharamond系)
★Omaha
(Teddy系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Northern Dancer
(Nearctic)
4.75 半弟ミンスキー
(No. 8-f)
2番仔
(前年産駒なし後)

*

1970年の第162回英2000ギニー(ニューマーケット芝8F)の結果(上位3頭)

馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 Nijinsky 牡3 57.2 L.Piggott 1:41.54 Vincent O’Brien 1
2 イエローゴツド 牡3 57.2 W. Williamson 2 1/2 P. Davey 
3 Roi Soleil 牡3 57.2 F. Head 2 1/2 

*

1970年の第191回英ダービー(エプソムダウンズ芝12F)の結果(上位5頭)

馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 Nijinsky 牡3 57.2 Lester Piggott 2:34.68 Vincent O’Brien 1
2 Gyr 牡3 57.2 Bill Williamson 2 1/2 E Pollet 2
3 ステインテイノ 牡3 57.2 Gerard Thiboeuf 3 Francois Boutin 4
4 Great Wall 牡3 57.2 Joe Mercer  A Breasley 9
5 Meadowville 牡3 57.2 Geoff Lewis  Michael Jarvis 5

*

1970年の第105回愛ダービー(カラ芝12F)の結果(上位3頭)

馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 Nijinsky 牡3 57.2 L. Ward 2:36.80 Vincent O’Brien 1
2 Meadowville 牡3 57.2 3 Michael Jarvis
3 Master Guy 牡3 57.2 3

*

1970年の第20回”キング・ジョージ”(アスコット芝12F)の結果(上位3頭)

馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 Nijinsky 牡3 54.0 L. Piggott 2:36.16 Vincent O’Brien 1
2 Blakeney 牡4 60.3 G. Lewis 2 A. M. Budgett
3 Crepellana 牝4 59.0 J. Deforge 4

*

1970年の第194回英セントレジャーS(ドンカスター芝14F127y)の結果(上位3頭)

馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 Nijinsky 牡3 57.2 L. Piggott 3:06.40 Vincent O’Brien 1
2 Meadowville 牡3 57.2 Johnny Seagrave Michael Jarvis
3 Politico 牡3 57.2 A. Barclay Noel Murless

*

20世紀最後の英三冠馬、「偉大なる」Nijinsky。↑で記した競走成績の一部分、そして↓で示す産駒成績。正に「偉大なる」Nijinsky。

  1. Caucasus(1972.5.14)
    →愛セントレジャー(GI)、サンセットH(米GI)、サンルイレイS(米GI)ほか。後述のマルゼンスキーの叔父
  2. Green Dancer(1972.4.14)
    →仏2000ギニー(GI)、オブザーヴァー金杯(英GI)、リュパン賞(仏GI)ほか。エイシンプレストン(1997.4.9)の父、スーパークリーク(1985.5.27)の祖父
  3. Quiet Fling(1972)
    →コロネーションC(英GI)ほか
  4. Upper Nile(1974.4.29)
    →サバーバンH(米GI)ほか。後述のDe la Roseの全兄
  5. マルゼンスキー(1974.5.19)
    →朝日杯3歳Sほか。時代を先取りした「夢のスーパー・カー」。上述のCaucasusの甥
  6. イルドブルボン(1975.5.23)
    →”キング・ジョージ”(英GI)、コロネーションC(英GI)ほか。英ダービー(GI)馬Kahyasi(1985.4.2)メモリージャスパー(1991.5.5)の父
  7. ニゾン(1975.2.21)
    →ローマ賞(伊GI)ほか。マウントニゾン(1983.4.19)、レイクブラック(1983.4.7)と2頭のJRA平地重賞勝ち馬を輩出
  8. Czaravich(1976.3.29)★
    →メトロポリタンH(米GI)ほか
  9. Niniski(1976.2.15)★
    →愛セントレジャー(GI)、ロワイヤルオーク賞(仏GI)ほか。Hernando(1990.2.8)の父、Danedream(2008.5.7)の祖父
  10. プリンセスリダ(1977.2.4)
    →モルニ賞(仏GI)、サラマンドル賞(仏GI)ほか。牝馬
  11. De La Rose(1978.3.23)
    →ハリウッドダービー(米GI)ほか。牝馬。上述のUpper Nileの全妹
  12. Kings Lake(1978.5.12)
    →愛2000ギニー(GI)、サセックスS(英GI)、ジョーマクグラス記念S(愛GI)ほか
  13. Nijinsky’s Secret(1978.2.11)
    →ハイアリアターフCH(米GI)2回ほか
  14. Golden Fleece(1979.4.1)
    →英ダービー(GI)ほか
  15. Hostage(1979.2.13)
    →アーカンソーダービー(米GI)。ゴールドアリュール(1999.3.3)の祖母父として印象に残っています
  16. Bemissed(1980.2.15)
    →セリマS(米GI)ほか。牝馬
  17. Caerleon(1980.3.27)
    →ジョッケクルブ賞(仏GI)、ベンソン&ヘッジズ金杯(英GI)ほか。日本にもシンコウラブリイ(1989.2.2)★、エルウェーウィン(1990.2.24)ビワハイジ(1993.3.7)フサイチコンコルド(1993.2.11)ゼンノエルシド(1997.3.26)★と5頭のGI勝ち産駒を送り込んだ名種牡馬。後述のヴィジョンの全兄
  18. Solford(1980.1.31)
    →エクリプスS(英GI)ほか
  19. ヴィジョン(1981.4.5)
    →セクレタリアトS(米GI)ほか。上述のCaerleonの全弟。目黒記念(GII)連覇のトシザブイ(1996.5.5)の父
  20. Fire of Life(1982.5.6)
    →ローマ賞(伊GI)ほか
  21. Folk Art(1982.3.29)
    →オークリーフS(米GI)ほか。牝馬。後述のMashaallahの全姉
  22. Shadeed(1982.3.21)
    →英2000ギニー(GI)ほか。Sayyedati(1990.1.26)の父
  23. シャーラスタニ(1983.3.27)
    →英ダービー(GI)、愛ダービー(GI)ほか
  24. ダンスオブライフ(1983.2.27)
    →マンノウォーS(米GI)ほか。マル外として走った産駒タイキマーシャル(1992.3.21)★-シンコウラブリイの半弟-はデビューから11戦目までは連を外さず、後にエプソムC(GIII)勝ち
  25. ファーディナンド(1983.3.12)
    →ケンタッキーダービー(米GI)、ブリーダーズカップ・クラシック(米GI)、ハリウッド金杯(米GI)ほか。その末路の報道が後に影を落とす
  26. Banker’s Lady(1985.3.9)
    →レディーズH(米GI)、トップフライトH(米GI)、シュヴィーH(米GI)ほか。牝馬
  27. Dancing Spree(1985.5.7)
    →ブリーダーズカップ・スプリント(米GI)、サバーバンH(米GI)、カーターH(米GI)ほか
  28. Jeanne Jones(1985.1.24)
    →ファンタジーS(米GI)ほか。牝馬
  29. メイプルジンスキー(1985.2.5)
    →アラバマS(米GI)、モンマスオークス(米GI)。牝馬。名短距離馬Dayjur(1987.2.6)の半姉
  30. Classic Fame(1986.3.29)
    →愛ナショナルS(GI)ほか
  31. Sky Classic(1987.3.17)
    →ロスマンズ国際S(加GI)、ターフクラシック招待S(米GI)ほか
  32. ロイヤルアカデミー(1987.2.21)
    →ブリーダーズカップ・マイル(米GI)、ジュライC(英GI)ほか。大種牡馬Storm Cat(1983.2.27)の叔父。自身もステークス勝ち産駒160頭以上の名種牡馬。日本で走った産駒にはBullish Luck(1999.4.3)、ロイヤルスズカ(1993.5.13)、イルバチオ(1997.3.28)、ダブルハピネス(1997.3.14)等
  33. Mashaallah(1988.3.9)
    →愛セントレジャー(GI)、バーデン大賞(独GI)、ミラノ大賞(伊GI)ほか。上述のFolk Artの全弟
  34. Likeable Style(1990.1.30)
    →ラスヴァージネスS(米GI)ほか。牝馬
  35. ラムタラ(1992.2.2)
    →英ダービー(GI)、凱旋門賞(仏GI)、”キング・ジョージ”(英GI)

質量共に真の大種牡馬でもあったNijinsky。3年度産駒である「夢のスーパー・カー」マルゼンスキーが日本競馬において時代を30年は先取りしたであろう走りを見せたことにより、Nijinsky系馬の日本導入の機運が高まった結果、35頭のGI級レース勝ち馬の内11頭が輸入されました。

またマルゼンスキーと同じく「Nijinsky×Buckpasser牝馬」の組み合わせに着目されたヤマニンスキー(1975.4.28)、ラシアンルーブル(1980.3.30)は人気種牡馬となり、前者はヤエノムテキ(1985.4.11)ライトカラー(1986.3.27)、後者はイソノルーブル(1988.3.13)とクラシックホースを輩出しました。

そしてまたNijinsky系は芝だけではなくダートでも活躍馬を輩出し、ナグルスキー(1981.1.27)はナリタハヤブサ(1987.4.28)、ホクトベガ(1990.3.26)★の2頭の帝王賞勝ち馬、グランドオペラ(1984.2.11)★はメイセイオペラ(1994.6.6)とダートの強豪馬を送り込みました。ホクトベガは芝でもエリザベス女王杯(GI)をレコード勝ちするなど芝でもダートでも走ることが出来た名牝でしたが、長じて「砂の女王」となり、最後は砂の国に呼ばれるようにして彼の地で本当の星になってしまったのは、ただただ残念な出来事でした。

#「夢のスーパー・カー」も結果的に引退レースとなった現年齢表記3歳7月の短距離Sで、札幌ダート1200mを1分10秒1という超抜の時計で10馬身差勝ちしていますね^^;

「芝だけではなくダートでも」と書いてみて、上述の代表産駒を眺めてみれば、1983年生まれ世代にシャーラスタニとファーディナンドが見えます。かたや英ダービー馬、こなたケンタッキーダービー馬。同一年に英ダービー馬とケンタッキーダービー馬を送り込める種牡馬などそういるはずもなく、2021年現時点でNijinskyが唯1頭だけ成し遂げている偉業です。

正に「偉大なる」Nijinsky。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[Nijinsky(1967.2.21)の主な競走成績]

  1. 英ダービー、英2000ギニー、英セントレジャー、愛ダービー、”キング・ジョージ”、デューハーストS、ベレスフォードS、グラッドネスS、アングルシーS、レイルウェイS
  2. 凱旋門賞、英チャンピオンS

通算13戦11勝、2着2回。

#長めの余談。日本で種牡馬稼働したNijinsky系馬で、GI級レースを勝った仔を輩出できたのは、結果的にマイナーな競走成績に終わった馬たちでした。

  1. マルゼンスキー(1974.5.19)
    →中央8勝。朝日杯3歳S。致し方なかったとはいえ、クラシックなどの大レースには出走できず。代表産駒にホリスキー(1979.4.13)、スズカコバン(1980.3.16)、サクラチヨノオー(1985.2.19)レオダーバン(1988.4.25)
  2. ラッキーソブリン(1974.1.28)
    →英愛1勝。ダンテS(英GIII)。代表産駒にロングハヤブサ(1981.3.19)、ラッキーゲラン(1986.4.29)の阪神3歳S(GI)勝ち馬2頭。ロングハヤブサが制した折はまだ格付けがありませんでしたが、ロングハヤブサは1983年の優駿賞最優秀3歳(現年齢表記2歳)牡馬
  3. ヤマニンスキー(1975.4.28)
    →中央5勝。条件戦までの勝利。実は安藤勝己騎手の中央競馬初騎乗初勝利のお相手。ヤエノムテキ、ライトカラーの父(上述)
  4. ノーアテンション(1978.3.1)
    →仏独6勝(平地4勝+障害2勝)。オイロパ賞(独GI)2着の他ドーヴィル大賞(仏GII)ではリアルシャダイ(1979.5.27)の2着。スーパークリークの父
  5. ラシアンルーブル(1980.3.30)
    →英2勝。キングエドワード7世S(英GII)2着、ゴードンS(英GIII)3着。イソノルーブルの父(上述)
  6. ナグルスキー(1981.1.27)
    →北米7勝。ウッドローンS(米GIII)。実はE.P.テイラーの生産馬で、勝利を収めたウッドローンSは芝8ハロンのGレース。ナリタハヤブサ、ホクトベガ★の父(上述)
  7. サクラトウコウ(1981.3.11)
    →中央4勝。七夕賞(GIII)、函館3歳S。サクラチヨノオーの全兄。ネーハイシーザー(1990.4.27)★の父
  8. シアトルダンサー(1984.4.22)★
    →愛仏2勝。愛ダービートライアルS(GII)、ガリニュールS(愛GII)。Seattle Slew(1974.2.15)の半弟にしてセリにて1310万ドル(当時のレートで約31億円)で落札されたことで知られます。マル外馬としてタイキフォーチュン(1993.2.9)★を輩出
  9. グランドオペラ(1984.2.11)★
    →愛0勝。母が名牝Glorious Song(1976.4.22)でありRahy(1985.2.18)、Singspiel(1992.2.25)の半兄。メイセイオペラの父(上述)