アイネスフウジン(1987.4.10)-五十音にて名馬を辿る(No.0)-

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アイネスフウジン 牡 黒鹿毛 1987.4.10生~2004.4.5没 浦河町・中村 幸蔵氏生産 馬主・小林 正明氏 美浦・加藤 修甫厩舎

アイネスフウジン(1987.4.10)の4代血統表
シーホーク
芦毛 1963.3.16
種付け時活性値:1.75【23】
Herbager
鹿毛 1956.4.19
Vandale
鹿毛 1943
Plassy 1932
Vanille 1929
Flagette
栗毛 1951
Escamillo 1939
Fidgette 1939
Sea Nymph
芦毛 1957
★Free Man
鹿毛 1948
Norseman 1940
Fantine 1943
Sea Spray
芦毛 1947
Ocean Swell 1941
Pontoon 1940
テスコパール
栗毛 1976.4.22
仔受胎時活性値:0.50【10】
テスコボーイ
黒鹿毛 1963
種付け時活性値:1.00【12】
Princely Gift
鹿毛 1951
Nasrullah 1940.3.2
Blue Gem 1943
Suncourt
黒鹿毛 1952
Hyperion 1930.4.18
Inquisition 1936
ムツミパール
鹿毛 1965.3.25
仔受胎時活性値:0.50【10】
モンタヴアル
鹿毛 1953.1.28
種付け時活性値:0.75【11】
Norseman 1940
Ballynash 1946
マサリユウ
鹿毛 1955.6.7
仔受胎時活性値:0.25【9】
★トサミドリ
鹿毛 1946.5.20
種付け時活性値:0.00【8】
ユキツキ
鹿毛 1946.4.26
仔受胎時活性値:2.00(0.00)【8】

<5代血統表内のクロス:Norseman4×4、Nasrullah4×5(母方)、Firdaussi5×5(父方)、Blue Peter5×5>

アイネスフウジン(1987.4.10)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
シーホーク
(Herbager系)
テスコボーイ
(Princely Gift系)
モンタヴアル
(Blandford系)
トサミドリ
(Blandford系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
シーホーク
(Vandale)
3.25 or 1.25 ハクタイセイと同牝系
(No. 4-d プロポンチス系)
7番仔
(7連産目)

*

1989年の第41回朝日杯3歳S(GI。中山芝1600m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 8 アイネスフウジン 牡2 中野 栄治 1:34.4   加藤 修甫 5
2 12 サクラサエズリ 牝2 木藤 隆行 1:34.8 2・1/2 境 勝太郎 2
3 11 マイネルハイル 牡2 横山 典弘 1:34.9 クビ 稗田 研二 14
4 5 クロスキャスト 牡2 杉浦 宏昭 1:34.9 クビ 二本柳 俊夫 3
5 10 ホワイトストーン 牡2 柴田 政人 1:35.3 2・1/2 高松 邦男 4

1989年の第41回朝日杯3歳S。逃げた牝馬サクラサエズリ(1987.2.27)の作り出したペースが800m通過45秒1、1000m通過56秒9のハイラップ。追い駆ける側が大変になる逃げというのは確かに存在しますが、それを番手追走から悠々と捕まえに行ったアイネスフウジン。518kgの雄大な黒鹿毛、同期の桜を2馬身半差振り切った決勝点で刻んだ時計は、1分34秒4。かのマルゼンスキー(1974.5.19)の記録とタイレコードでの快勝でした。

*

1990年の第57回東京優駿(GI。東京芝2400m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 12 アイネスフウジン 牡3 中野 栄治 2:25.3   加藤 修甫 3
2 6 メジロライアン 牡3 横山 典弘 2:25.5 1・1/4 奥平 真治 1
3 4 ホワイトストーン 牡3 田面木 博公 2:25.7 1・1/2 高松 邦男 12
4 16 ツルマルミマタオー 牡3 田島 信行 2:25.7 クビ 橋口 弘次郎 10
5 19 ハクタイセイ 牡3 武 豊 2:25.9 1・1/2 布施 正 2

1990年の第57回東京優駿。東京競馬場に集まった観衆19万6517人は、今を以て世界レコードだそうな。そんな大観衆が見守る中で逃げた、アイネスフウジンと中野栄治騎手。府中の杜に住まいし競馬の神様は、芝2400mに「逃げ」で挑む馬人に、時折、微笑み掛けます。そうして、競馬者の心を、掴んでやまないのです。

この第57回東京優駿の秘話について、かつてJRA50周年記念サイトのアサカオー(1965.5.12)のページで記載されていた内容が秀逸でしたので、引いておきます。

「アイネスフウジンが5枠の12番だと知ったときには、これは勝てるぞって確信しちゃったよ。なぜならな、中村牧場が出した菊花賞馬のアサカオーはよ、なんと5月12日生まれなんだわさ。おまけによ、アイネスに乗る中野栄治騎手の結婚記念日が5月12日なんだ。これは神さまが用意してくれた馬番だべ」

話にはまだ先があり、

「それがねえ、不思議なんだ。ダービーの日に羽田へ行く飛行機の席が12番で、競馬場の指定席も12番。これはアサカオーが用意してくれたんじゃねえべかって。ダービーで3着だったアサカオーの馬番は5だったな」

と幸蔵さんは笑った。

牧場の先輩が果たせなかった東京優駿制覇。アイネスフウジン、その2年前にサクラチヨノオー(1985.2.19)が記録した2分26秒3のレースレコードを1秒も塗り替える2分25秒3で、見事に逃げ切りました。前々週の安田記念(GI)ではオグリキャップ(1985.3.27)の1分32秒4、前週の優駿牝馬(GI)ではエイシンサニー(1987.3.29)の2分26秒1、そして東京優駿ではアイネスフウジンの2分25秒3と、3週続けてのレースレコード更新でした。馬場状態が良かったという背景があったにせよ、結局、東京競馬場の馬場改修が行われた2002年までに2分25秒3を破るダービー馬は現れませんでした。ついで申し上げれば、オグリキャップとエイシンサニーのレコードも、2002年までに更新する馬は現れませんでした。

 

マイルの2歳王者決定戦をタイレコードで勝ち、クラシックディスタンスの競馬の祭典をレースレコードで制す。

スピードとスタミナの類まれな融合ぶりを発揮した、アイネスフウジン。

自然発生を見せた「ナカノコール」と共に、競馬ファンの記憶に残って行く、名馬の1頭です。

 

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

*

[アイネスフウジン(1987.4.10)の主な競走成績]

  1. 東京優駿(GI)、朝日杯3歳S(GI)、共同通信杯4歳S(GIII)
  2. 皐月賞(GI)

通算8戦4勝、2着3回。

*

ワイルドブラスター
ワイルドブラスター

このサイトの管理人、加齢による記憶力の減退で、活躍馬の馬名をど忘れする機会が多くなっているらしいんです。

マイシンザン
マイシンザン

ほうほう。それでなんでまた「五十音にて名馬を辿る」という企画になったんやろか?

 

ワイルドブラスター
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ど忘れした馬名を思い出し直す時、愚直に「あ、い、う、え、お…」って、五十音を辿っていくそうで。で、五十音を何周かする内に、なんとか思い出すそうです。

 

マイシンザン
マイシンザン

むむ、時間の掛かりそうな思い出し方やな。でも、まぁ、人それぞれか。

ワイルドブラスター
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今回の企画は「クリスタルグリッターズの代表産駒。1992年2月27日生まれ、母バンシューウェー、祖母ポーロニアユミコ」って、アブクマポーロの名前をど忘れして思い出している時に、「あれ、これは考えてみたら企画になるわ」と思ったそうです。

マイシンザン
マイシンザン

アブクマポーロの誕生日は元より、お母さん、お祖母さんのほうが先に出てくるのが、サスガ、変な奴感が出てるな…。

ワイルドブラスター
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はい。あと、今回「No.0」になっているのは、例によって書きたい馬が増えてしまったからだそうです。

マイシンザン
マイシンザン

レオダーバン(1988.4.25)さんとイブキマイカグラ(1988.2.24)さんの時と同じパターンやな……。

思い出のGI1勝馬を辿る(其の零)-レオダーバン(1988.4.25)&イブキマイカグラ(1988.2.24)-
レオダーバン 牡 鹿毛 1988.4.25生 新冠・早田牧場新冠支場生産 馬主・田中竜雨氏 美浦・奥平真治厩舎イブキマイカグラ 牡 栗毛 1988.2.24生~2009.6.24没 千歳・社台フアーム生産 馬主・(有)伊吹 栗東・中尾正厩舎
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