コガネタイフウ(1987.6.12)-タイム差なしの好勝負を辿る(No.21)-

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コガネタイフウ 牡 鹿毛 1987.6.12生 伊達・黄金牧場生産 馬主・瀬古 孝雄氏 栗東・中村 好夫厩舎

コガネタイフウ(1987.6.12)の4代血統表
マグニテユード
鹿毛 1975.3.16
種付け時活性値:0.75【11】
Mill Reef
鹿毛 1968.2.23
Never Bend
鹿毛 1960.3.15
Nasrullah1940.3.2
Lalun 1952
Milan Mill
鹿毛 1962.2.10
Princequillo 1940
Virginia Water 1953.4.18
Altesse Royale
栗毛 1968
セントクレスピン
栗毛 1956
Aureole 1950.4.14
Neocracy 1944
Bleu Azur
栗毛 1959
Crepello 1954
Blue Prelude 1951
コガネポプラ
黒鹿毛 1980.5.21
仔受胎時活性値:1.50【6】
カブラヤオー
黒鹿毛 1972.6.13
種付け時活性値:1.75【7】
フアラモンド
黒鹿毛 1957.2.8
★Sicambre 1948
Rain 1946
カブラヤ
黒鹿毛 1965.4.4
ダラノーア 1960
ミスナンバイチバン 1959.5.9
セントシグマ
栗毛 1974.5.22
仔受胎時活性値:1.25【5】
Supreme Sovereign
芦毛 1964
種付け時活性値:0.25【9】
Sovereign Path 1956
Valtellina 1953
デイオブレコニング
鹿毛 1970
仔受胎時活性値:0.75【3】
Busted
鹿毛 1963
種付け時活性値:1.50【6】
Atonement
芦毛 1962
仔受胎時活性値:1.75【7】

<5代血統表内のクロス:Crepello4×5、Nearco5×5(父方)>

コガネタイフウ(1987.6.12)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
マグニテユード
(Mill Reef系)
カブラヤオー
(Sicambre系)
Supreme Sovereign
(Grey Sovereign系)
Busted
(Crepello系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
カブラヤオー
(Rain)
5.25
(【6】+【5】+【3】+【7】)
コガネ3兄弟の次兄
(No. 7-d)
4番仔
(4連産目)

*

1989年の第41回阪神3歳S(GI。阪神芝1600m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 10 コガネタイフウ 牡2 田原 成貴 1:35.7 中村 好夫 7
2 5 ダイタクヘリオス 牡2 武 豊 1:35.7 アタマ 梅田 康雄 4
3 2 ツルマルミマタオー 牡2 河内 洋 1:36.0 2 橋口 弘次郎 1
4 6 ニチドウサンダー 牡2 増井 裕 1:36.3 1・3/4 白井 壽昭 3
5 3 ダンディスピリット 牡2 加用 正 1:36.5 1・1/2 北橋 修二 10
1989年の第41回阪神3歳S(GI。阪神芝1600m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.5 – 11.1 – 11.1 – 11.4 – 12.0 – 12.3 – 12.7 – 12.6
ラップの
累計タイム
12.5 – 23.6 – 34.7 – 46.1 – 58.1 – 1:10.4 – 1:23.1 – 1:35.7
上り 4F 49.6 – 3F 37.6

1987年生まれ世代の西の現年齢表記2歳王者を決める一戦。絶妙な逃げを打ったのは後のGI2勝馬ダイタクヘリオス(1987.4.10)と「平成の天才」武豊騎手のコンビ。ユタカさんをして「本気で走ったら、あの馬が一番強い」と言わしめたという黒鹿毛馬は、平坦時代の阪神芝1600mを逃げ粘ろうとしていました。が、ゴール前で追い詰めて来たのは、出走12頭中最も軽量の432kgかつ最も遅生まれの6月12日生まれだったコガネタイフウ。黄金牧場が送り込んだ台風は、メンバー中最速となる上がり4ハロン推定48秒8の末脚を以て、決勝点ではタイム差なしの勝負を「アタマ」だけ差し切っていました。

コガネタイフウと言いますと、やはり「父マグニテュード×母コガネポプラ」という全兄弟の組み合わせで、3頭のJRAオープン馬を輩出したニックを思うところ。「Phalaris系とSt.Simon系のニックス」が端的に表されていますね。

コガネポプラ 1980.5.21 不出走
|コガネターボ 1984.5.1 11勝 京王杯SC(GII)2着 阪急杯(GIII)2着 中山記念(GII)3着
|コガネタイフウ 1987.6.12 (本馬) 4勝 阪神3歳S(GI) きさらぎ賞(GIII)2着
|コガネパワー 1988.4.30 3勝 京都4歳特別(GIII) 中日スポーツ賞4歳S(GIII)

コガネタイフウは皐月賞(GI)でハクタイセイ(1987.4.17)の4着、コガネパワーは東京優駿(GI)でトウカイテイオー(1988.4.20)の4着と、クラシックでも善戦しました。

また、コガネタイフウがジャンプに回って勝利を収めたことは、何故だかよく覚えているのです。関西テレビ放送の中継で杉本清アナウンサーが「GI馬、コガネタイフウが障害に降りて来ました」と、伝えられたように記憶しています。「なんで覚えているのかな」と思い日付を調べてみれば、1993年5月9日。マイシンザン(1990.3.7)がNHK杯(GII)を勝ち、ケイウーマン(1990.2.13)が京都4歳特別を勝った日のことでした。コガネタイフウ、古小路重男騎手を背に2着に1秒7差の圧勝は、平地脚の違いを見せ付けるに充分でしたが、結果的に、彼の生涯最後の勝利となったのでした。

 

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[コガネタイフウ(1987.6.12)の主な競走成績]

  1. 阪神3歳S(GI)
  2. きさらぎ賞(GIII)

通算33戦4勝、2着3回、3着2回。

*

ワイルドブラスター
ワイルドブラスター

コガネタイフウさんが最後の勝利を収められた日、兄さんは初めての重賞制覇を遂げられたんですね。

マイシンザン
マイシンザン

ああ、もう30年以上前のお話やな。思えばコガネタイフウさんが勝たれた阪神3歳Sは阪神ジュベナイルフィリーズになったし、NHK杯も無くなってNHKマイルカップ(GI)になったし、ケイウーマンが勝った京都4歳特別は廃止されてしまった。

ワイルドブラスター
ワイルドブラスター

時は流れますね。ただ、それでも辿れる蹄跡があるのですから。

マイシンザン
マイシンザン

そうやな。競馬はずっと現在進行系やけれども、過去を振り返ることが出来るのも、素敵なところのひとつやな。

ワイルドブラスター
ワイルドブラスター

はい。「いま」を走る後輩たちの走りを見守りつつ、時に「むかし」の競馬もお伝えしていきましょう。このサイトの管理人と共に。

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