Alleged(1974.5.4)-凱旋門賞(仏GI)が100回を迎えるに当たり(No.5)-

Special feature

Alleged(アレッジド) 牡 鹿毛 1974.5.4生~2000.6.23没 米国・Mrs. June H. McKnight生産 馬主・Robert Sangster et al. 愛国・Vincent O’Brien厩舎

Alleged(1974.5.4)の4代血統表
Hoist the Flag
鹿毛 1968.3.31
種付け時活性値:1.25【5】
Tom Rolfe
鹿毛 1962.4.14
Ribot
鹿毛 1952.2.27
Tenerani 1944
Romanella 1943
Pocahontas
黒鹿毛 1955.2.19
Roman 1937
How 1948
Wavy Navy
鹿毛 1954.3.9
War Admiral
黒鹿毛 1934.5.2
★Man o’ War 1917.3.29
Brushup 1929
Triomphe
鹿毛 1947
Tourbillon 1928
Melibee 1938
Princess Pout
鹿毛 1966.3.29
仔受胎時活性値:1.75【7】
Prince John
栗毛 1953.4.6
種付け時活性値:1.00【12】
Princequillo
鹿毛 1940
Prince Rose 1928
Cosquilla 1933
Not Afraid
黒鹿毛 1948
Count Fleet 1940.3.24
Banish Fear 1932
Determined Lady
黒鹿毛 1959.5.10
仔受胎時活性値:1.50【6】
Determine
芦毛 1951.4.7
種付け時活性値:1.75【7】
Alibhai 1938
Koubis 1946
Tumbling
鹿毛 1953
仔受胎時活性値:1.25【5】
War Admiral
黒鹿毛 1934.5.2
種付け時活性値:0.50【18】
Up the Hill
黒鹿毛 1938
仔受胎時活性値:1.50【14】

<5代血統表内のクロス:War Admiral3×4、Princequillo3×5>

Alleged(1974.5.4)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Hoist the Flag
(Ribot系)
Prince John
(Princequillo系)
Determine
(Hyperion系)
War Admiral
(Man o’ War系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Determine
(Determined Lady)
6.00 Mairzy Doatesと同牝系
(No. 2-s)
初仔?

*

1977年の第56回凱旋門賞(仏GI。ロンシャン芝2400m)の結果(上位3頭)

馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 Alleged 牡3 56 Lester Piggott 2:30.60 Vincent O’Brien
2 Balmerino 牡5 59 Ron Hutchinson 1 1/2 John Dunlop
3 クリスタルパレス 牡3 56 Alain Badel 2 Francois Mathet

*

1978年の第57回凱旋門賞(仏GI。ロンシャン芝2400m)の結果(上位3頭)

馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 Alleged 牡4 59 Lester Piggott 2:36.50 Vincent O’Brien
2 Trillion 牝4 57 Bill Shoemaker 2 Maurice Zilber
3 Dancing Maid 牝3 54 Freddy Head 2 Alec Head

Alleged。「疑わしい」という意味の馬名とは裏腹に、その能力の高さは真実信頼に足るものでした。1977年の第56回、1978年の第57回の凱旋門賞連覇は、直径曽祖父Ribotが果たした1955年の第34回、1956年の第35回以来となる、史上5頭目の凱旋門賞連覇と相成りました。

Ribot(1952.2.27)-凱旋門賞(仏GI)が100回を迎えるに当たり(No.1)-
Ribot(リボー) 牡 鹿毛 1952.2.27生~1972.4.28没 英国・Federico Tesio生産 馬主・Lydia Tesio & Mario della Rocchetta 伊国・Ugo Penco厩舎

改めて、凱旋門賞で連覇を果たした名馬たちを確認しておきますと、、、

  1. Ksar(1918)
    →1921年の第2回と1922年の第3回。Tourbillon(1928)の父
  2. Corrida(1932)
    →1936年の第17回と1937年の第18回。牝馬による初めての連覇
  3. Tantieme(1947)
    →1950年の第29回と1951年の第30回。メジロデュレン(1983.5.1)の直系高祖父
  4. Ribot(1952.2.27)
    →1955年の第34回と1956年の第35回。16戦16勝、言わずと知れた史上に残る超名馬。Allegedの直系曽祖父
  5. Alleged(1974.5.4)
    →1977年の第56回と1978年の第57回。本稿の主役
  6. Treve(2010.4.7)
    →2013年の第92回と2014年の第93回。連覇は36年ぶり、牝馬による連覇は77年ぶりという快挙
  7. Enable(2014.2.12)
    2017年の第96回2018年の第97回

99回の歴史で僅かに7頭だけ。Allegedの直系曽祖父であるRibotは競走において自身が連覇、そして99回の歴史の中で凱旋門賞親仔制覇を果たした種牡馬のうち、唯1頭だけ2頭の凱旋門賞勝ち産駒を輩出し、

Molvedo(1958)-凱旋門賞(仏GI)が100回を迎えるに当たり(No.2)-
Molvedo(モルヴェド) 牡 鹿毛 1958生~1987没 伊国・Razza Ticino生産 馬主・Egidio Vergo 伊国・Arturo Maggi厩舎
日本に輸入された凱旋門賞馬を辿る(其の壱)-セントクレスピン(1956)&プリンスロイヤル(1961)-
セントクレスピン(Saint Crespin) 牡 栗毛 1956生~1981没 英国・Prince Aly Khan生産 馬主・Prince Aly Khan 仏国・Alec Head厩舎プリンスロイヤル(Prince Royal) 牡 鹿毛 1961生~1983.8.4没 英国・Charles W. Wacker III生産 馬主・Rex Ellsworth 仏国・Georges Bridgland厩舎

そして直曾孫も連覇を果たすという凄さ。またAllegedの勝利は、直系祖父Tom Rolfeが1965年の第44回でSea-Bird(1962.3.8)の6着に破れた無念を晴らすという浪花節でもありました。

Sea-Bird(1962.3.8)+α-凱旋門賞(仏GI)が100回を迎えるに当たり(No.3)-
Sea-Bird(シーバード) 牡 栗毛 1962.3.8生~1973.3没 仏国・J. Ternynck生産 馬主・J. Ternynck 仏国・Etienne Pollet厩舎Allez France(アレフランス) 牝 鹿毛 1970.5.24生~1989.2.11没 米国・Bieber-Jacobs Stable生産 馬主・Daniel Wildenstein 仏国・Albert Klimscha厩舎 → Angel Penna, Sr.厩舎

Allegedは、レスター・ピゴット騎手が騎乗した名馬のうち、5本の指に入る馬だったと記憶しています。Sir Ivor(1965.5.5)がピゴット騎手にとっての1番の馬だったことはよく知られるところです。後はNijinsky(1967.2.21)Roberto(1969.3.16)The Minstrel(1974.3.11)、そしてAllegedの名前が挙がっていたように思うのですが、記憶があいまいです。大阪の梅田にあるGate J.が開館していれば、蔵書にある1995年12月号の月刊『優駿』において今井壽惠さんがピゴット騎手にロングインタビューをされた記事で、名前を挙げられていた馬を確認できるのですが……。

ともあれ、Alleged。日本でその血を意識したのは、直父系からはワイズカウンセラー(1983.4.10)とフェアジャッジメント(1984.3.27)という、直仔の輸入種牡馬2頭。前者は京都新聞杯(GII)でナリタブライアン(1991.5.3)を負かしてあっと言わせたスターマン(1991.5.12)、後者はエリザベス女王杯(GI)2着1回、3着1回のフェアダンス(1992.4.29)。スターマンは屈腱炎がなければ、中距離GIの1つや2つは勝っていたのではないかと思わせた馬でした。またAllegedは母父としてシンコウキング(1991.4.24)、ウインドフィールズ(1991.4.23)、ヒシナタリー(1993.2.16)というJRA平地重賞勝ち馬と、フジノスラッガー(1990.5.4)、ブランディス(1997.3.20)の中山大障害勝ち馬2頭を送り込んでいます。そしてまた母方にAllegedを持つ馬といえば、母父にAlleged直仔の愛ダービー(GI)馬Law Society(1982.2.16)を持つエアスマップ(1995.4.4)&マンハッタンカフェ(1998.3.5)兄弟、ハイアーゲーム(2001.2.27)&ダイワマッジョーレ(2009.1.17)兄弟、シロキタクロス(1993.3.13)、ローマンエンパイア(1999.2.26)、上述のワイズカウンセラーを母父に持つトロットスター(1996.5.11)等がJRA重賞勝ち馬として活躍していました。こうして見ますと、Ribot系はやはり母方で良い仕事をしてくれていますね(^^)

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[Alleged(1974.5.4)の主な競走成績]

  1. 凱旋門賞(仏GI)2回、ガリニュールS(愛GII)、グレートヴォルティジュールS(英GII)、ロイヤルホイップS(愛GIII)2回、プランスドランジュ賞(仏GIII)
  2. 英セントレジャーS(GI)

通算10戦9勝、2着1回。

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