ヴェロキラプトル(2021.4.28)&オーキッドロマンス(2021.4.1)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.9)-

Pedigree

ヴェロキラプトル 牡 栗毛 2021.4.28生 千歳市・社台ファーム生産 馬主・加藤 裕司氏 栗東・高野 友和厩舎

ヴェロキラプトル(2021.4.28)の4代血統表
スワーヴリチャード
栗毛 2014.3.10
種付け時活性値:1.50【6】
ハーツクライ
鹿毛 2001.4.15
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
アイリッシュダンス
鹿毛 1990.3.26
トニービン 1983.4.7
ビユーパーダンス 1983.2.26
ピラミマ
黒鹿毛 2005.5.1
Unbridled’s Song
芦毛 1993.2.18
Unbridled 1987.3.5
Trolley Song 1983.4.13
キャリアコレクション
鹿毛 1995.1.30
General Meeting 1988.4.3
River of Stars 1983.5.6
ルーヴインペリアル
栗毛 2007.6.23
仔受胎時活性値:1.25【13】
Giant’s Causeway
栗毛 1997.2.14
種付け時活性値:0.25【9】
Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
Storm Bird 1978.4.19
Terlingua 1976.2.7
Mariah’s Storm
鹿毛 1991.4.1
Rahy 1985.2.18
イメンス 1979.3.17
Louveterie
栗毛 1986.2.22
仔受胎時活性値:1.00【20】
Nureyev
鹿毛 1977.5.2
種付け時活性値:0.00【8】
Northern Dancer 1961.5.27
Special 1969.3.28
Lupe
鹿毛 1967
仔受胎時活性値:0.50【18】
プリメラ
鹿毛 1954
種付け時活性値:1.00【12】
Alcoa
栗毛 1957
仔受胎時活性値:0.25【9】

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×5(母方)>

ヴェロキラプトル(2021.4.28)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
スワーヴリチャード
(サンデーサイレンス系)
Giant’s Causeway
(Storm Cat系)
Nureyev
(Northern Dancer系)
プリメラ
(My Babu系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
スワーヴリチャード
(ピラミマ)
3.00
(【13】+【20】+【18】+【9】)
曾祖母が英オークス馬
(No. 1-k)
6番仔?
(4連産目?)

*

レース結果 JRA
2023年の野路菊S(OP。阪神芝1800m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 7 ヴェロキラプトル 牡2 55 鮫島 克駿 1:46.0   4-3 35.0 454
[-4]
高野 友和 2
2 3 メイショウゴーフル 牝2 55 秋山 真一郎 1:46.1 1 1-1 35.3 482
[-2]
高橋 亮 3
3 1 ヘルモーズ 牡2 55 団野 大成 1:46.2 1/2 6-5 35.0 506
[+6]
小林 真也 6
4 2 ラケダイモーン 牡2 55 川田 将雅 1:46.5 1 1/2 3-3 35.5 494
[-4]
須貝 尚介 1
5 5 フナデ 牡2 55 松山 弘平 1:46.7 1 5-5 35.5 430
[+6]
飯田 雄三 4
2023年の野路菊S(OP。阪神芝1800m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.6 – 11.3 – 11.6 – 12.0 – 11.8 – 11.5 – 11.2 – 11.5 – 12.5
ラップの
累計タイム
12.6 – 23.9 – 35.5 – 47.5 – 59.3 – 1:10.8 – 1:22.0 – 1:33.5 – 1:46.0
上り 4F 46.7 – 3F 35.2

阪神芝1800m、晴の良馬場、7頭立て。野路菊はキク科の多年草であり阪神競馬場の所在地である兵庫県の県花でもあります。「野路菊」という名前は2023年度前期のNHK連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルとなった植物学者・牧野富太郎が命名したそうです。そんな野路菊を冠とするレースの勝ち馬からはアインブライド(1995.4.14)ダンツフレーム(1998.4.19)メイショウサムソン(2003.3.7)ラブリーデイ(2010.1.30)ワグネリアン(2015.2.10)等が輩出されています。

という訳で3年ぶりに阪神競馬場での開催に戻って来た2023年の一戦を、1分46秒0という阪神芝外回り1800mで行われるようになった2007年以降のレースレコードで制したのはヴェロキラプトル。6月の東京芝1800mの新馬戦を逃げ切ってスワーヴリチャード産駒のJRA初勝利を遂げたヴェロキラプトル、3ヶ月ぶりの実戦となった2戦目は道中4番手の外側を追走。阪神芝Bコース外回りの直線476.3mでも外から粘り強く脚を伸ばすと、ラスト200mで逃げたメイショウゴーフル(2021.3.10)を捉えて先頭。父と同じ栗毛の流星、決勝点では1馬身差を着けての勝利でデビュー2連勝。ヴェロキラプトル、見事な勝ちっぷりを見せて、これからへの楽しみが広がりました。

2023年の新種牡馬リーディングを邁進するスワーヴリチャード。JRAで最初に勝利を収めた牡馬ヴェロキラプトルが野路菊Sを勝ち、牝馬で最初に勝利を収めたコラソンビート(2021.2.26)がダリア賞(OP)を勝っています。

ゼルトザーム(2021.2.18)&コラソンビート(2021.2.26)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.3)-
ゼルトザーム(2021.2.18)&コラソンビート(2021.2.26)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.3)-

ハーツクライの国内の2世種牡馬にはジャスタウェイ(2009.3.8)ワンアンドオンリー(2011.2.23)シュヴァルグラン(2012.3.14)等もいますが、産駒の動きの良さを感じるスワーヴリチャード、さらなる活躍を期待したいものです。

野路菊S勝ち馬の先達の名前を出してみれば「出世レース」であり、ワンターンの芝1800mの舞台を速い時計で制した馬の能力は「間違いない」とも思えるヴェロキラプトル、その馬名意味は「機敏で足が速く最も知能の高い恐竜」ということです。

#逃げて0秒1差の2着に踏ん張ったメイショウゴーフル。直線の挙動で若さを見せましたけれど、こちらも強い牝馬と思います。次走以降も気にしておきたい馬の1頭です。

*

オーキッドロマンス 牡 鹿毛 2021.4.1生 浦河町・ミルファーム生産 馬主・(有)ミルファーム 美浦・手塚 貴久厩舎

オーキッドロマンス(2021.4.1)の4代血統表
ロジャーバローズ
鹿毛 2016.1.24
種付け時活性値:1.00【4】
ディープインパクト
鹿毛 2002.3.25
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20
Alzao 1980.2.28
Burghclere 1977.4.26
リトルブック
鹿毛 2008.4.22
Librettist
鹿毛 2002.4.17
Danzig 1977.2.12
Mysterial 1994.1.27
Cal Norma’s Lady
栗毛 1988.5.7
リフアーズスペシヤル 1980.2.17
June Darling 1983.4.18
エキナシア
鹿毛 2008.2.15
仔受胎時活性値:1.00【12】
スニッツェル
鹿毛 2002.8.24
種付け時活性値:1.125【4.5】
Redoute’s Choice
鹿毛 1996.8.15
デインヒル 1986.3.26
Shantha’s Choice 1992.10.28
Snippets’ Lass
鹿毛 1993.9.16
★Snippets 1984.11.1
Snow Finch 1984.4.21
ニシノマリア
鹿毛 1997.3.17
仔受胎時活性値:0.50【10】
★Take Me Out
鹿毛 1988.4.19
種付け時活性値:0.00【8】
Cure the Blues 1978.4.27
White Feather 1980.3.3
セナリオ
鹿毛 1992.2.10
仔受胎時活性値:1.00【4】
フォーティナイナー
栗毛 1985.5.11
種付け時活性値:1.50【6】
Recital
黒鹿毛 1987.5.13
仔受胎時活性値:1.00【4】

<5代血統表内のクロス:Danzig4×5×5、Lyphard5×5(父方)>

オーキッドロマンス(2021.4.1)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ロジャーバローズ
(サンデーサイレンス系)
スニッツェル
(デインヒル系)
★Take Me Out
(Hail to Reason系)
フォーティナイナー
(Mr. Prospector系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
フォーティナイナー
(ニシノマリア)
3.50
(【12】+【10】+【4】+【4】)
大叔母タシロスプリング
(No. 16-h)
5番仔
(流産後)

*

2023年のカンナS(OP。中山芝1200m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 6 オーキッドロマンス 牡2 55 内田 博幸 1:08.9   5-4 35.1 482
[+8]
手塚 貴久 7
2 3 マスクオールウィン 牝2 55 C.ルメール 1:09.0 クビ 7-6 34.9 486
[+2]
牧 光二 2
3 8 ビッグドリーム 牡2 55 幸 英明 1:09.2 1 1/4 3-2 35.6 520
[+2]
西園 正都 1
4 1 モンシュマン 牡2 55 菅原 明良 1:09.5 2 1-1 36.2 462
[+6]
上村 洋行 4
5 5 オンザヴィーナス 牝2 55 戸崎 圭太 1:09.6 クビ 3-4 36.0 426
[+6]
大和田 成 5
2023年のカンナS(OP。中山芝1200m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
11.8 – 10.3 – 11.2 – 11.8 – 11.5 – 12.3
ラップの
累計タイム
11.8 – 22.1 – 33.3 – 45.1 – 56.6 – 1:08.9
上り 4F 46.8 – 3F 35.6

中山芝1200m、曇の稍重馬場、10頭立て。カンナは初夏から秋にかけてに白や赤や黄や橙や桃などの鮮やかな花を咲かせる、カンナ科の球根植物。カンナは英語で「Canna」と綴りますが元々はラテン語等で「葦」を意味するそうです。また「カンナ」という音を聞きますと、現代の日本人女性の名前にも用いられることもある、ということを想起します。

そんなカンナの花言葉のひとつに「情熱」がありますけれど、カンナを冠とするレースの2023年の一戦を制したのは、馬名意味が「バラの品種名」というオーキッドロマンス。近年、(有)ミルファームの「白、赤格子、赤袖」の勝負服を乗せて活躍する馬が増えてきた印象も強いのですが、最初期の生産馬であるユーワファルコン(1997.4.7)が中日スポーツ賞4歳S(GIII)を制した際、岡田繁幸さんが(有)ミルファーム代表取締役・清水敏さんに贈られた言葉を、今一度、再掲しておきます。

一途な情熱に、神様は少しの花を贈ってくれるのかもしれませんね。

月刊『優駿』、2000年10月号P112、河村清明著「生産者として、さらには経営者として」より

前走7月の福島芝1200mの未勝利戦を逃げ切ってロジャーバローズ産駒のJRA初勝利を遂げたオーキッドロマンス、2ヶ月ぶりの実戦となった4戦目は道中5、6番手を追走。中山芝Cコースの直線310mを迎えた際には1番人気のビッグドリーム(2021.3.18)を外から追うような形となり、鞍上の内田博幸騎手が左ムチを放つと辛抱強く脚を伸ばすと、最後は追い込み脚見せたマスクオールウィン(2021.4.25)を「クビ」だけ封じたところが決勝点。父と同じ鹿毛の流星、芝1200mに距離短縮して2連勝。オーキッドロマンス、孝行息子が父に産駒のJRAオープン特別初勝利も贈りました。

本稿で紹介した2頭、ヴェロキラプトルもオーキッドロマンスも、共に父にとって産駒の初勝利をプレゼントしたことが共通しています。新種牡馬の初勝利を遂げた仔というのは、そのまま代表産駒の1頭に名を連ねる印象もあります。まま、オールドファンに足を踏み入れた私は、オグリキャップ(1985.3.27)の初年度産駒で初勝利を遂げたオグリワン(1992.2.9)がその原体験だった訳です。小倉芝1000mで勝ち上がったオグリワン、小倉3歳S(GIII)2着からききょうS(OP)1着。またオグリワンを負かして小倉3歳Sを制したエイシンサンサン(1992.3.7)は、キャロルハウス(1985.3.5)の初年度産駒で初勝利を遂げた馬。お話がつながりますが、エイシンサンサンの半弟で小倉3歳S姉弟制覇を果たしたエイシンイットオー(1993.3.20)は、ヘクタープロテクター(1988.3.4)の初年度産駒でやはり初勝利を遂げた馬。早い時期にデビューして能力を示した馬たちということもありますけれど、競馬者として「不思議だなぁ」と思うことのひとつですね^^;

ともあれ、オーキッドロマンス。父ロジャーバローズの名を高めるべく、これからも頑張ってほしいものです。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

#オグリワンはオグリキャップ産駒として最初にこの世に生を受けた仔でもありました。そしてまた昨年2022年、30歳まで生きた長命馬でもありました。

#エイシンサンサンは2023年現在も31歳で存命です。素晴らしい。

引退名馬
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