モズメイメイ 牝 鹿毛 2020.2.18生 千歳市・社台ファーム生産 馬主・(株)キャピタル・システム 栗東・音無 秀孝厩舎
リアルインパクト 鹿毛 2008.5.14 種付け時活性値:0.75【11】 |
ディープインパクト 鹿毛 2002.3.25 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 1969.2.7 |
Wishing Well 1975.4.12 | |||
ウインドインハーヘア 鹿毛 1991.2.20 |
Alzao 1980.2.28 | ||
Burghclere 1977.4.26 | |||
トキオリアリティー 栗毛 1994.5.25 |
Meadowlake 栗毛 1983.3.12 |
Hold Your Peace 1969.1.24 | |
Suspicious Native 1972.4.1 | |||
What a Reality 栗毛 1978.3.27 |
In Reality 1964.3.1 | ||
What Will Be 1970.4.17 | |||
インラグジュアリー 黒鹿毛 2014.4.7 仔受胎時活性値:1.25【5】 |
Frankel 鹿毛 2008.2.11 種付け時活性値:1.25【5】 |
Galileo 鹿毛 1998.3.30 |
★Sadler’s Wells 1981.4.11 |
Urban Sea 1989.2.18 | |||
Kind 鹿毛 2001.4.21 |
デインヒル 1986.3.26 | ||
Rainbow Lake 1990.4.10 | |||
インランジェリー 鹿毛 2009.2.27 仔受胎時活性値:1.00【4】 |
★エンパイアメーカー 黒鹿毛 2000.4.27 種付け時活性値:0.00【8】 |
Unbridled 1987.3.5 | |
Toussaud 1989.5.6 | |||
Cat Chat 鹿毛 1998.2.23 仔受胎時活性値:0.50【10】 |
Storm Cat 黒鹿毛 1983.2.27 種付け時活性値:1.50【14】 |
||
Phone Chatter 栗毛 1991.2.23 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
<5代血統表内のクロス:なし>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
リアルインパクト (サンデーサイレンス系) |
Frankel (Galileo系) |
★エンパイアメーカー (Mr. Prospector系) |
Storm Cat (Storm Bird系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Storm Cat (Cat Chat) |
4.25 (【5】+【4】+【10】+【6】) |
祖母、曾祖母、高祖母が米G勝ち馬 (No. 3-o) |
2番仔 (2連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 9 | モズメイメイ | 牝3 | 54 | 武 豊 | 1:34.0 | 1-1 | 34.1 |
456 [0] |
音無 秀孝 | 7 | |
2 | 13 | コナコースト | 牝3 | 54 | 鮫島 克駿 | 1:34.0 | ハナ | 6-6 | 33.7 |
458 [-4] |
清水 久詞 | 6 |
3 | 17 | ペリファーニア | 牝3 | 54 | 横山 武史 | 1:34.0 | クビ | 4-3 | 33.9 |
496 [0] |
鹿戸 雄一 | 2 |
4 | 3 | ルミノメテオール | 牝3 | 54 | M.デムーロ | 1:34.1 | 3/4 | 3-3 | 34.0 |
446 [+4] |
金成 貴史 | 3 |
5 | 14 | ルカン | 牝3 | 54 | 横山 典弘 | 1:34.1 | ハナ | 2-2 | 34.1 |
414 [-2] |
安田 翔伍 | 14 |
1F毎の ラップ |
12.5 – 11.0 – 11.7 – 12.3 – 12.4 – 11.3 – 10.9 – 11.9 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.5 – 23.5 – 35.2 – 47.5 – 59.9 – 1:11.2 – 1:22.1 – 1:34.0 |
上り | 4F 46.5 – 3F 34.1 |
福永祐一調教師が誘導馬ミツバ(2012.3.28)に騎乗されたことでも話題となったこの一戦。晴の良馬場、阪神芝1600m、17頭立てを好発から逃げ切ったのは武豊騎手騎乗のモズメイメイ。最後大外からコナコースト(2020.3.15)が凄い脚で迫り、エフフォーリア(2018.3.10)の半妹ペリファーニア(2020.3.25)も大外17番枠から先行して頑張りましたが、タイム差なしの「ハナ」「クビ」の僅差の勝負を制しました。モズメイメイ、2月のこぶし賞に続く連続逃亡劇により阪神芝1600mは2戦2勝。なんだかんだ言いながら、この舞台で負けていないという事実は覚えておきたいものです。
そうして、KBS京都の澤武博之アナウンサーの騎手インタビューに対するユタカさんのコメントがサスガでした。
「今日の勝利は誘導馬が良かったと思います。開業したら乗せてください」。そんなユタカさんはモズメイメイによるチューリップ賞勝利により、デビュー年の1987年以来37年連続となる「JRA重賞年間3勝以上」を早々に達成となりました。やっぱり、サスガ。
人に関する部分のフィーチャーとなりましたけれど、モズメイメイはボトムラインがかなりしっかりした馬であることを併せてご案内しておきます。モズメイメイの祖母インランジェリーはスピンスターS(米GI)、ブラックアイドスーザンS(米GII)、ブルボネットオークス(米GIII)の勝ち馬、曾祖母Cat ChatはナッソーカウンティS(米GII)の勝ち馬、高祖母Phone Chatterはブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ(米GI)、オークリーフS(米GI)、ソレントS(米GIII)を勝ち1993年のエクリプス賞最優秀2歳牝馬に選出されています。良血をバックボーンに持つモズメイメイ、その馬名意味は「冠名+人名愛称」ということです。
#ミツバの祖母ゴールデンジャック(1991.3.31)は、福永騎手のデビュー年である1996年にマーメイドS(GIII)2着、小倉日経オープン(OP)1着とオープン馬の力を教えてくれた馬でもありました。ゴールデンジャックの全弟スターリングローズ(1997.3.20)、ゴールデンジャックの息子サイドワインダー(1998.4.2)、そして孫のミツバ。正に福永師の縁の血。ちなみにですが、ミツバの馬名意味は「植物名。本馬誕生日より連想」であり、馬名からも3月28日生まれであることを忘れない馬。ミツバ、2019年の川崎記念(JpnI)を制したジーワン馬です。
*
タスティエーラ 牡 鹿毛 2020.3.22生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・(有)キャロットファーム 美浦・堀 宣行厩舎
サトノクラウン 黒鹿毛 2012.3.10 種付け時活性値:1.75【7】 |
Marju 黒鹿毛 1988.3.12 |
ラストタイクーン 黒鹿毛 1983.5.9 |
トライマイベスト 1975.4.28 |
Mill Princess 1977.5.21 | |||
Flame of Tara 鹿毛 1980.4.20 |
アーテイアス 1974.2.26 | ||
Welsh Flame 1973 | |||
ジョコンダ2 鹿毛 2003.3.28 |
Rossini 鹿毛 1997.2.17 |
Miswaki 1978.2.22 | |
Touch of Greatness 1986.4.30 | |||
La Joconde 鹿毛 1999.2.8 |
Vettori 1992.2.18 | ||
Lust 1994.6.3 | |||
パルティトゥーラ 黒鹿毛 2014.2.2 仔受胎時活性値:1.25【5】 |
マンハッタンカフェ 青鹿毛 1998.3.5 種付け時活性値:1.75【15】 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 1969.2.7 |
Wishing Well 1975.4.12 | |||
サトルチェンジ 黒鹿毛 1988.4.2 |
Law Society 1982.2.16 | ||
Santa Luciana 1973.4.4 | |||
フォルテピアノ 栗毛 2003.2.24 仔受胎時活性値:0.50【10】 |
フレンチデピュティ 栗毛 1992.1.30 種付け時活性値:0.50【10】 |
Deputy Minister 1979.5.17 | |
Mitterand 1981.2.19 | |||
キョウエイフォルテ 栗毛 1994.3.15 仔受胎時活性値:2.00【8】 |
ノーザンテースト 栗毛 1971.3.15 種付け時活性値:1.50【22】 |
||
クラフテイワイフ 栗毛 1985.1.17 仔受胎時活性値:2.00(0.00)【8】 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
サトノクラウン (トライマイベスト系) |
マンハッタンカフェ (サンデーサイレンス系) |
フレンチデピュティ (Deputy Minister系) |
ノーザンテースト (Northern Dancer系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
サトノクラウン |
5.75 or 3.75 (【5】+【10】+【8】+【8】) |
カンパニーと同牝系 (No. 9-a) |
初仔 |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | タスティエーラ | 牡3 | 56 | 松山 弘平 | 2:00.4 | 3-4-3-2 | 34.7 |
484 [-2] |
堀 宣行 | 3 | |
2 | 4 | トップナイフ | 牡3 | 56 | 横山 典弘 | 2:00.6 | 1 | 3-2-3-4 | 34.9 |
484 [-10] |
昆 貢 | 1 |
3 | 2 | ワンダイレクト | 牡3 | 56 | C.ルメール | 2:00.6 | クビ | 5-6-5-4 | 34.6 |
444 [-2] |
藤岡 健一 | 2 |
4 | 3 | アームブランシュ | 牡3 | 56 | 吉田 豊 | 2:00.6 | クビ | 10-10-9-8 | 34.2 |
456 [-10] |
竹内 正洋 | 9 |
5 | 5 | フォトンブルー | 牡3 | 56 | 戸崎 圭太 | 2:00.8 | 1 1/4 | 8-9-9-10 | 34.4 |
524 [+8] |
武 幸四郎 | 10 |
1F毎の ラップ |
12.3 – 11.2 – 12.4 – 12.6 – 12.5 – 12.3 – 12.1 – 11.6 – 11.5 – 11.9 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.3 – 23.5 – 35.9 – 48.5 – 1:01.0 – 1:13.3 – 1:25.4 – 1:37.0 – 1:48.5 – 2:00.4 |
上り | 4F 47.1 – 3F 35.0 |
クラシック第一弾と同じ舞台の前哨戦であるGIIレース、2023年はチューリップ賞と弥生賞共に武豊騎手が逃げ先導をするということになりました。ただ、曇の良馬場、中山芝2000m、10頭立ての舞台で待っていたのは父仔制覇。8年前の第52回を制したサトノクラウン、その初年度産駒であるタスティエーラが、前走共同通信杯(GIII)でファントムシーフ(2020.2.22)の4着から巻き返しを見せて、クラシック候補に名乗りを上げると共に、父に種牡馬としての重賞初勝利を贈りました。
しっかし、弥生賞は父仔制覇の舞台です。ディープインパクトの仔の数が多かった昨年2022年までは、マカヒキ(2013.1.28)、カデナ(2014.3.30)、ダノンプレミアム(2015.4.3)、メイショウテンゲン(2016.3.10)、サトノフラッグ(2017.2.26)、アスクビクターモア(2019.4.1)と「出走機会6連覇」を遂げていたのですから。そしてディープインパクト産駒の出走が無いとなれば、サトノクラウンの仔であるタスティエーラが勝つ。仔の姿から父や母、あるいはもっと前の祖先の姿を思うのは、競馬の素敵なところのひとつですね。
そんな父仔制覇を確認してみれば、父サトノクラウンも仔タスティエーラも3戦目で弥生賞を勝っています。
タスティエーラはデビュー3戦目での弥生賞V。過去にキャリア2戦で弥生賞を制したのはアグネスタキオン、ディープインパクト、サトノクラウン、マカヒキで、いずれものちのGI馬です。前記4頭は無敗なので戦歴の違いはありますが、父子制覇を果たしたタスティエーラの今後に期待が膨らみます。
— サンスポZBAT!競馬 (@sanspoyosouou) March 5, 2023
3戦目で弥生賞を制した先達のアグネスタキオン(1998.4.13)、ディープインパクト、サトノクラウン、マカヒキの4頭、確かにいずれも後にGI馬に登り詰めています。先達4頭は弥生賞まで不敗であったという点が相違していますけれど、それでも能力が無ければ3戦目で弥生賞は勝てません。タスティエーラの未来に幸多かれと祈るばかりです。アグネスタキオンの名前を出して気付いてみれば、タスティエーラの母父であるマンハッタンカフェも弥生賞に出走していて、まだまだ本格化前だったマンハッタンカフェは4着でした。そうしてタスティエーラが弥生賞を制した日付は2023年3月5日。存命であれば25歳であったマンハッタンカフェの誕生日、孫タスティエーラが重賞勝ちでお祝いしたというところです。
タスティエーラの直父系はサトノクラウン~Marju~ラストタイクーン~トライマイベストと辿れます。トライマイベストの分枝系はしぶとく世代交代を果たしており、欧州や大洋州(オセアニア)では現代のNorthern Dancer(1961.5.27)系におけるひとつの勢力として存在感を放っています。弊サイトでも昨年
英1000ギニー(GI)馬Cachet(2019.3.21)、キング・ジョージ(英GI)勝ち馬Pyledriver(2017.3.14)、香港カップ(GI)勝ち馬Romantic Warrior(2018.3.18)を紹介しています。8ハロン、12ハロン、2000mと、根幹距離をまんべんなくこなしているのが素晴らしい。実のところ、種牡馬サトノクラウンはその父Marjuが23歳時交配という高齢時の仔だけに「世代を重ねる時、果たしてどうなるのか」と、若干心配していたのです。しかしサトノクラウン、初年度産駒からしっかり弥生賞勝ち馬を送り込んだのですから、サスガ。恐れ入りました。
弥生賞を制してクラシック挑戦権を掴んだタスティエーラ、その馬名意味は「(楽器の)キーボード(伊)。母名より連想」とのこと。そうなりますと母パルティトゥーラの馬名意味が気になりますが、パルティトゥーラは「楽譜(伊)。母名より連想」。「むぅ。では祖母フォルテピアノの馬名意味は?」となりますと「初期のピアノの便宜的な呼称」。こうして母方を辿ってみれば、曾祖母キョウエイフォルテも懐かしい。ビッグショウリ(1991.4.5)やビッグテースト(1998.3.9)の全きょうだい、関西の準オープンからオープンの短距離ダートをしぶく走っていた印象も残ります。「キョウエイフォルテ、確か6勝、挙げていたよね」と思い、調べてみれば相違ありませんでした。若かりし頃の記憶は、割合にしっかりしているものです笑
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。