Cachet(2019.3.21)-第209回英1000ギニー(GI)の勝ち馬-

Result

Cachet(カシェイ) 牝 鹿毛 2019.3.21生 愛国・Hyde Park Stud生産 馬主・Highclere T’Bred Racing – Wild Flower 英国・George Boughey厩舎

Cachet(2019.3.21)の4代血統表
Aclaim
鹿毛 2013.2.8
種付け時活性値:1.25【5】
Acclamation
鹿毛 1999.4.26
Royal Applause
鹿毛 1993.2.24
ワージブ 1983.5.20
Flying Melody 1979.5.17
Princess Athena
鹿毛 1985.3.30
Ahonoora 1975.4.12
Shopping Wise 1965
Aris
鹿毛 2008.3.13
Danroad(AUS)
鹿毛 1999.8.17
デインヒル 1986.3.26
Strawberry Girl 1993.5.15
Cumbres
鹿毛 1993.1.28
Kahyasi 1985.4.2
Floripedes 1985.5.11
Poyle Sophie
鹿毛 2011.5.2
仔受胎時活性値:1.75【7】
Teofilo
鹿毛 2004.2.9
種付け時活性値:1.50【6】
Galileo
鹿毛 1998.3.30
Sadler’s Wells 1981.4.11
Urban Sea 1989.2.18
Speirbhean
鹿毛 1998.5.25
デインヒル 1986.3.26
Saviour 1987.5.17
Lost In Lucca
鹿毛 1996.3.9
仔受胎時活性値:1.50【14】
Inchinor
栗毛 1990.2.16
種付け時活性値:1.25【5】
Ahonoora 1975.4.12
Inchmurrin 1985.1.30
Poyle Fizz
鹿毛 1989.3.3
仔受胎時活性値:1.50【6】
ダミスター
黒鹿毛 1982.5.4
種付け時活性値:1.50【6】
Tribal Feast
鹿毛 1972
仔受胎時活性値:2.00(0.00)【16】

<5代血統表内のクロス:Ahonoora4×4、デインヒル4×4>

Cachet(2019.3.21)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Aclaim
(トライマイベスト系)
Teofilo
(Galileo系)
Inchinor
(Clarion系)
ダミスター
(Mr. Prospector系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Teofilo
(Poyle Sophie)
6.75 or 4.75 従兄が米GIII勝ち馬
(No. 4-l)
2番仔?
(2連産目?)

*

2022年の第209回英1000ギニー(GI。ニューマーケット芝8F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 2 Cachet 牝3 57.2 James Doyle 1:36.55 George Boughey 8
2 9 Prosperous Voyage 牝3 57.2 Rob Hornby クビ Ralph Beckett 11
3 12 Tuesday 牝3 57.2 Frankie Dettori 1 3/4 A P O’Brien 2
4 14 Zellie 牝3 57.2 Tom Marquand 1/2 A Fabre 6
5 10 Sandrine 牝3 57.2 David Probert アタマ Andrew Balding 10
英1000ギニーは伏兵カシェイが逃げ切り | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト
現地1日、英ニューマーケット競馬場にてG1英1000ギニー(3歳牝馬、芝8ハロン)が行われ、J.ドイル騎乗の伏兵カシェイが鮮やかな逃げ切りを決めた。 ミザンセーヌが取り消して13頭立てとなったレース

2022年の第209回英1000ギニー。13頭立てで行われたニューマーケット芝8ハロンのローリーマイルコースの一戦、Cachet、好発から主導権を握ると一気呵成の逃げ切り。前走ニューマーケット芝7ハロンのネルグウィンS(英GIII)を1番人気で制して英1000ギニーに挑んでいましたが、本番となる今回は戦前8番人気を覆しての勝利を見せました。

Cachetと共に殊勲を立てた鞍上のジェームズ・ドイル騎手は、Coroebus(2019.3.19)の第214回英2000ギニー(GI)に続いて、連日のギニー制覇。

Coroebus(2019.3.19)-第214回英2000ギニー(GI)の勝ち馬+α-
Coroebus(コロエバス) 牡 鹿毛 2019.3.19生 愛国・Godolphin生産 馬主・Godolphin 英国・Charlie Appleby厩舎Native Trail(ネイティブトレイル) 牡 鹿毛 2019.2.3生 英国・Le Haras D'Haspel生産 馬主・Godolphin 英国・Charlie Appleby厩舎

ウィリアム・ビュイック騎手と共にゴドルフィンの主戦騎手として活躍をされているドイル騎手、サスガの手腕。なお、同一騎手の英2000ギニーと英1000ギニーの同一年の優勝は、

  1. ジョージ・ムーア騎手
    →1967年。Royal Palace(1964)&Fleet(1964)
  2. レスター・ピゴット騎手
    →1970年。Nijinsky(1967.2.21)&Humble Duty(1967)
  3. キーレン・ファロン騎手
    →2005年。Footstepsinthesand(2002.2.15)&Virginia Waters(2002.2.15)
  4. ライアン・ムーア騎手
    →2015年。Gleneagles(2012.1.12)&Legatissimo(2012.4.22)
  5. ジェームズ・ドイル騎手
    →2022年。Coroebus(2019.3.19)&Cachet(2019.3.21)

と史上5人目の快挙でした。CoroebusとCachet、ドイル騎手に初めての英2000ギニー、英1000ギニー制覇をもたらせた2頭の血統を見ると、母父Teofiloが共通していますね。

*

Cachetの直父系は、短距離得意の馬を輩出してメールラインを伸ばしているトライマイベスト(1975.4.28)系。Northern Dancer(1961.5.27)系の分枝の中では、しぶとく父系存続しており、21世紀に入ってから存在感を増しつつあります。Cachetの5代父にあたるトライマイベスト以降の直父系の父の戦績を辿ってみますと、

  1. トライマイベスト(1975.4.28)
    →デューハーストS(英GI)、ヴォクソールトライアルS(愛GIII)、ラークスパーS(愛GIII)
  2. ワージブ(1983.5.20)
    →クイーンアンS(英GII)、ダイオメドS(英GIII)、ロンポワン賞(仏GIII)ほか
  3. Royal Applause(1993.2.24)
    →スプリントC(英GI)、ミドルパークS(英GI)、ジムクラックS(英GII)、コーク&オラリーS(英GIII)、デュークオブヨークS(英GIII)、コヴェントリーS(英GIII)ほか
  4. Acclamation(1999.4.26)
    →ダイアデムS(英GII)ほか
  5. Aclaim(2013.2.8)
    →フォレ賞(仏GI)、英パークS(GII)、英チャレンジS(GII)ほか

5代父トライマイベスト、4代父ワージブとカタカナ馬名が続くように、父仔共に種牡馬として日本に輸入されています。トライマイベストは日本供用初年度が17歳時、ワージブは日本供用初年度が13歳時と齢重ねてからの輸入種牡馬でしたが、ワージブが輸入される前に欧州で残した血が21世紀に花開いています。

トライマイベストは自身デューハーストSの勝ち馬ではあるものの、El Gran Senor(1981.4.21)の全兄という印象も強くあります。それでもトライマイベスト、兄の威厳を見せてかワージブ、そしてラストタイクーン(1983.5.9)の2頭が21世紀現在も父系存続を果たしました。ラストタイクーンの系統では、社台スタリオンステーションで繋養されているサトノクラウン(2012.3.10)の初年度産駒が今年2022年から走っています。

ワージブは英国の主要マイル戦であるクイーンアンSの勝ち馬ですが、彼が制した1988年当時はGIIでした。日本ではマル外として走ったプレストシンボリ(1992.3.6)がラジオたんぱ賞(GIII)の勝ち馬として頑張りました。プレストシンボリは0の理論的には満8歳時交配のミニモの遺伝を受けた活躍馬。そんなプレストシンボリの父ワージブがクールモアスタッド供用時に残した産駒唯一のGI馬がRoyal Applause。

Royal Applauseは上述の通り英国GI2勝を含むグループレース6勝の名短距離馬。種牡馬としても確認できるだけで15頭以上のステークスウイナーを輩出していますけれど、牝馬ティッカーテープ(2001.1.26)がアメリカンオークス招待(米GI)、クイーンエリザベス2世チャレンジCS(米GI)と米国でGI2勝を挙げたものの、牡馬産駒にはGI勝ち馬は現れませんでした。

しかしそれでも繁殖界に入って能力を見せたのが、Royal Applauseの初年度産駒であるAcclamation。現役時代はアスコット芝6ハロンのGIIであったダイアデムS勝ちに留まったAcclamationでしたが、初年度産駒からミドルパークS(英GI)の勝ち馬Dark Angel(2005.4.4)、キングズスタンドS(英GI)2勝のEquiano(2005.2.27)と2頭の英国スプリントGI勝ち馬を輩出すると、以降も短距離戦を中心に活躍馬を送り込んでいます。種牡馬Acclamation、現在は今年のクイーンエリザベス2世カップ(香GI)を制したRomantic Warrior(2018.3.18)が目立った活躍馬でしょうか。

Dark Angelは種牡馬としてGI馬をバリバリ送り込んでいて、現在のトライマイベスト系の最活性父系というところ。本稿は意識的に初年度産駒という言葉を多用していますけれど、Dark Angelの初年度産駒Lethal Force(2009.4.10)はダイアモンドジュビリーS(英GI)、ジュライC(英GI)を制しており、0の理論でも述べられたことがある「長子継承」が如実に現れている父系でもあります。

そんな中、本稿の主役Cachetは、Acclamationの9年度産駒であるAclaimが初年度産駒として送り出した英国クラシックホース。直父系にカタカナ馬名が見える系統から送り出された海外の活躍馬は応援したくなるものです(^^)

という訳で、なお一層トライマイベスト系について確認なされたい方は、

父系馬鹿:海外版ホットリスト - トライマイベスト系 - livedoor Blog(ブログ)
父系馬鹿:トライマイベスト系 - サイアーラインで辿る世界競馬2020 - livedoor Blog(ブログ)

おなじみの父系馬鹿様にてm(_ _)m

*

英1000ギニー逃げ切りのカシェイ、次戦は仏1000ギニーが濃厚 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト
英1000ギニーを鮮やかな逃げ切りで制したカシェイの次戦は、仏1000ギニー(15日、パリロンシャン競馬場)になることが有力となった。  カシェイを所有するハイクレア・サラブレッドレーシングのH.

Cachet、次走は仏1000ギニー(GI)になる模様。果たしてImprudence(1944)、Miesque(1984.3.14)、Ravinella(1985.3.11)、Special Duty(2007.2.12)に続く、史上5頭目の英1000ギニーと仏1000ギニーのダブル制覇と相成りますでしょうか。鹿毛に星ひとつのCachet、パリロンシャン競馬場の芝1600mでどんな走りを見せてくれるのか、楽しみにしておきましょう。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

#今回はCachetの直父系にフォーカスした記事になりましたが、Cachetの5代血統表まで確認すると、5代目にはトライマイベスト、フロリバンダ(1958)、イルドブルボン(1975.5.23)、トライバルチーフ(1967)とカタカナ馬名が見えます。そしてまた6代血統表まで確認すると6代目にはサウンドトラック(1957)、キングスベンチ(1949)とカタカナ馬名が見えます。Cachetの曾祖母Poyle Fizzは、実は「ダミスター×トライバルチーフ×キングスベンチ×Nepenthe」と3代に渡り本邦輸入種牡馬が配されています。Cachet、母方からも親近感が湧く英1000ギニー馬です。

##英1000ギニーと仏1000ギニーのダブル制覇を遂げた4頭目のSpecial Duty。輸入種牡馬ヘネシー(1993.3.25)の娘、彼女は英1000ギニーでJacqueline Quest(2007.3.1)にハナ差敗れたと思われたところでJacqueline Questの進路妨害により2位入線1着繰り上がり、仏1000ギニーでリリサイド(2007.2.23)にアタマ差敗れたと思われたところでリリサイドの進路妨害により2位入線1着繰り上がり。世にも珍しい、2戦連続繰り上がり勝利による英仏クラシック制覇となったのでした。

###Special Dutyが繰り上がり優勝した仏1000ギニーで1位入線6着降着となったリリサイド。どこかで見た名前ですね。ええ、日本が誇る名花の一角、リスグラシュー(2014.1.18)の母馬です。

リスグラシュー(2014.1.18)-カンテレ競馬【公式】さんの良い仕事に乗る(No.6)-
リスグラシュー 牝 黒鹿毛 2014.1.18生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・(有)キャロットファーム 栗東・矢作 芳人厩舎
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