スウィープフィート 牝 栗毛 2021.4.5生 新ひだか町・聖心台牧場生産 馬主・(株)YGGホースクラブ 栗東・庄野 靖志厩舎
スワーヴリチャード 栗毛 2014.3.10 種付け時活性値:1.50【6】 |
ハーツクライ 鹿毛 2001.4.15 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 1969.2.7 |
Wishing Well 1975.4.12 | |||
アイリッシュダンス 鹿毛 1990.3.26 |
トニービン 1983.4.7 | ||
ビユーパーダンス 1983.2.26 | |||
ピラミマ 黒鹿毛 2005.5.1 |
Unbridled’s Song 芦毛 1993.2.18 |
Unbridled 1987.3.5 | |
Trolley Song 1983.4.13 | |||
キャリアコレクション 鹿毛 1995.1.30 |
General Meeting 1988.4.3 | ||
River of Stars 1983.5.6 | |||
ビジュートウショウ 栗毛 2011.2.25 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
ディープスカイ 栗毛 2005.4.24 種付け時活性値:1.25【5】 |
アグネスタキオン 栗毛 1998.4.13 |
サンデーサイレンス 1986.3.25 |
アグネスフローラ 1987.6.18 | |||
アビ 栗毛 1995.5.5 |
Chief’s Crown 1982.4.7 | ||
Carmelized 1990.4.9 | |||
スイープトウショウ 鹿毛 2001.5.9 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
エンドスウィープ 鹿毛 1991.5.31 種付け時活性値:0.25【9】 |
フォーティナイナー 1985.5.11 | |
Broom Dance 1979.4.10 | |||
タバサトウショウ 鹿毛 1993.3.29 仔受胎時活性値:1.75【7】 |
ダンシングブレーヴ 鹿毛 1983.5.11 種付け時活性値:0.25【9】 |
||
サマンサトウショウ 黒鹿毛 1985.4.8 仔受胎時活性値:1.75【7】 |
<5代血統表内のクロス:サンデーサイレンス3×4、Lyphard5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
スワーヴリチャード (サンデーサイレンス系) |
ディープスカイ (サンデーサイレンス系) |
エンドスウィープ (Mr. Prospector系) |
ダンシングブレーヴ (Lyphard系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
スワーヴリチャード | 4.00 (【9】+【9】+【7】+【7】) |
祖母がGI3勝馬 (No. 5-j セヴアイン系) |
5番仔 (5連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | スウィープフィート | 牝3 | 55 | 武 豊 | 1:33.1 | 14-14 | 34.3 | 466 [+4] |
庄野 靖志 | 5 | |
2 | 8 | セキトバイースト | 牝3 | 55 | 藤岡 佑介 | 1:33.3 | 1 1/4 | 1-1 | 35.6 | 442 [-10] |
四位 洋文 | 9 |
3 | 11 | ハワイアンティアレ | 牝3 | 55 | 西村 淳也 | 1:33.4 | 1/2 | 13-11 | 34.7 | 420 [-2] |
松永 幹夫 | 15 |
4 | 16 | タガノエルピーダ | 牝3 | 55 | 団野 大成 | 1:33.6 | 1 1/2 | 3-3 | 35.6 | 440 [+2] |
斉藤 崇史 | 1 |
5 | 3 | エポックヴィーナス | 牝3 | 55 | 和田 竜二 | 1:33.6 | ハナ | 8-7 | 35.1 | 436 [-2] |
新谷 功一 | 14 |
1F毎の ラップ |
12.5 – 10.8 – 11.2 – 11.5 – 11.7 – 11.5 – 11.6 – 12.3 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.5 – 23.3 – 34.5 – 46.0 – 57.7 – 1:09.2 – 1:20.8 – 1:33.1 |
上り | 4F 47.1 – 3F 35.4 |
阪神芝1600m、曇の稍重馬場、16頭立て。「チューリップ賞」という響きを聞くと春の訪れを思う桜花賞トライアル。
○ チューリップ賞(GⅡ)(桜花賞トライアル)
本競走は、1994 年にオープン競走より格上げされた重賞競走。2018 年からGⅡ競走に格付けされている。『桜花賞』と同じ舞台で実施されることから、同競走を目指す 3 歳牝馬にとって重要な競走となっている。なお、第 3 着までの馬には『桜花賞』への優先出走権が与えられる。
チューリップ(Tulip)は、ユリ科の球根植物。園芸植物としての人気が高く、品種改良によってさまざまな色や形が存在する。茎が出て幅広い葉が数枚つき、4~5 月頃に大きい花を 1 輪咲かせる。花言葉は「思いやり」「博愛」。
21世紀に入ってからの勝ち馬を確認してみても、テイエムオーシャン(1998.4.9)、スイープトウショウ、ウオッカ(2004.4.4)、ブエナビスタ(2006.3.14)、レーヴディソール(2008.4.8)、ハナズゴール(2009.4.24)、ハープスター(2011.4.24)、シンハライト(2013.4.11)、ソウルスターリング(2014.2.13)、ラッキーライラック(2015.4.3)、ダノンファンタジー(2016.1.30)、ナミュール(2019.3.2)等の姿が見えます。むぅ、活躍馬だらけ。しかし重賞格上げ後の初回、中京芝1700mで行われた第1回、アグネスパレード(1991.5.9)とオグリローマン(1991.5.20)、河内洋騎手と田原成貴騎手で決まったレースも30年前ですか。時は流れました^^;
という訳で2024年のチューリップ賞を制したのは戦前5番人気だったスウィープフィート。上段でも名前が上がったスイープトウショウの孫が、祖母を彷彿とさせる切れ味でライバル15頭を一掃しました。
スウィープフィート、テン乗りとなった武豊騎手に御されると道中は後方3番手。赤の帽子に「赤、白袖黒二本輪、黒鋸歯形」の勝負服を背にした栗毛の三白流星、黒のメンコに黄色いブリンカーが半マイル通過46秒0、1000m通過57秒7という稍重の馬場を考えると速い流れの中で力を溜めていました。そうして迎えた阪神芝Aコース外回りの直線473.6m、大外に持ち出されたスウィープフィート、武騎手のゴーサインに応えると内に切れ込みながら鋭脚を発揮。残り200mの地点で先頭に立つと最後までしっかりと伸びて、決勝点では逃げ粘ったセキトバイースト(2021.1.30)に1と4分の1馬身差を着けての快勝。自身の2勝目で重賞初制覇を飾ると共に2024年のクラシック戦線に名乗りを上げました。
スウィープフィートに初騎乗で一発回答を決めて見せられた武騎手は、重賞格上げ後のチューリップ賞5勝目で騎手としての最多勝。アドマイヤキッス(2003.2.20)、クロフネサプライズ(2010.2.25)、メイケイエール(2018.2.23)、モズメイメイ(2020.2.18)、そしてスウィープフィート。また武騎手はデビューの1987年以来38年連続でJRA重賞年間複数勝利を早々に達成されました。むぅ、ユタカさん、恐るべし^^;。そしてまたスウィープフィートを管理される庄野靖志調教師は、チューリップ賞が開催された2024年3月2日が54歳の誕生日。自身が管理されたスワーヴリチャードの仔による重賞制覇、これは最高のプレゼントだったのではないでしょうか。おめでとうございました(^^)
チューリップ賞の勝ちっぷりからも今後が楽しみとなったスウィープフィート、その馬名意味は「sweep off feet(心奪われる)より。母系より連想」ということです。
#武騎手のチューリップ賞初勝利は、重賞格上げ前の1988年のシヨノロマン(1985.3.14)によるもの。シヨノロマンは庄野穂積厩舎の所属で馬主は庄野昭彦氏。昭彦氏は靖志師の父君であり、穂積師は靖志師から見て大叔父の縁戚です。また武騎手のチューリップ賞2勝目は1993年のベガ(1990.3.8)によるもの。武騎手、重賞格上げ前から都合するとチューリップ賞7勝。サスガ。
*
コスモキュランダ 牡 黒鹿毛 2021.2.23生 新冠町・ビッグレッドファーム生産 馬主・(有)ビッグレッドファーム 美浦・加藤 士津八厩舎
アルアイン 鹿毛 2014.5.1 種付け時活性値:1.50【6】 |
ディープインパクト 鹿毛 2002.3.25 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 1969.2.7 |
Wishing Well 1975.4.12 | |||
ウインドインハーヘア 鹿毛 1991.2.20 |
Alzao 1980.2.28 | ||
Burghclere 1977.4.26 | |||
ドバイマジェスティ 黒鹿毛 2005.3.19 |
Essence of Dubai 黒鹿毛 1999.3.7 |
Pulpit 1994.2.15 | |
Epitome 1985.4.21 | |||
Great Majesty 黒鹿毛 1990.4.2 |
Great Above 1972.1.19 | ||
Mistic Majesty 1978.5.22 | |||
サザンスピード(AUS) 鹿毛 2007.8.28 仔受胎時活性値:1.125【12.5】 |
Southern Image(USA) 黒鹿毛 2000.4.7 種付け時活性値:1.625【6.5】 |
★Halo’s Image 黒鹿毛 1991.4.21 |
Halo 1969.2.7 |
Sugar’s Image 1981.3.7 | |||
Pleasant Dixie 黒鹿毛 1995.3.23 |
Dixieland Band 1980.3.20 | ||
Pleasant Jolie 1988.5.12 | |||
Golden Eagle(NZ) 鹿毛 2000.8.15 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
Zabeel(NZ) 鹿毛 1986.10.25 種付け時活性値:1.25【13】 |
Sir Tristram 1971.4.7 | |
Lady Giselle 1982.3.28 | |||
Rising Eagle(AUS) 鹿毛 1995.10.28 仔受胎時活性値:1.00【4】 |
▲デインヒル(USA) 鹿毛 1986.3.26 種付け時活性値:0.125【8.5】 |
||
Very Droll(AUS) 栗毛 1985.10.22 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
<5代血統表内のクロス:Halo4×4>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
アルアイン (サンデーサイレンス系) |
Southern Image (Halo系) |
Zabeel (Sir Tristram系) |
▲デインヒル (Danzig系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Southern Image (サザンスピード) |
3.875 (【12.5】+【6】+【4】+【9】) |
母が豪GI馬 (No. 1-m) |
6番仔 (4連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | コスモキュランダ | 牡3 | 57 | M.デムーロ | 1:59.8 | 9-7-2-2 | 34.9 | 504 [+6] |
加藤 士津八 | 6 | |
2 | 5 | シンエンペラー | 牡3 | 57 | 川田 将雅 | 2:00.0 | 1 1/4 | 4-3-5-5 | 34.8 | 480 [-2] |
矢作 芳人 | 3 |
3 | 8 | シリウスコルト | 牡3 | 57 | 三浦 皇成 | 2:00.2 | 1 1/4 | 1-1-1-1 | 35.5 | 482 [+2] |
宗像 義忠 | 9 |
4 | 4 | エコロレイズ | 牡3 | 57 | 横山 和生 | 2:00.2 | クビ | 7-7-7-7 | 34.8 | 498 [-8] |
岩戸 孝樹 | 11 |
5 | 3 | シュバルツクーゲル | 牡3 | 57 | 西村 淳也 | 2:00.5 | 1 3/4 | 2-2-2-3 | 35.6 | 492 [+18] |
鹿戸 雄一 | 5 |
1F毎の ラップ |
12.5 – 10.7 – 12.0 – 12.8 – 12.4 – 12.2 – 12.1 – 11.7 – 11.4 – 12.0 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.5 – 23.2 – 35.2 – 48.0 – 1:00.4 – 1:12.6 – 1:24.7 – 1:36.4 – 1:47.8 – 1:59.8 |
上り | 4F 47.2 – 3F 35.1 |
中山芝2000m、晴の良馬場、11頭立て。「弥生賞」という響きを聞くと「クラシック目前」というワクワク感を覚えるファン歴30年以上の競馬者です。
○ 報知杯弥生賞ディープインパクト記念(GⅡ)(皐月賞トライアル)
本競走は、1964年に創設された3歳馬の重賞競走。幾度かの距離変更を経て、1984年に現行の2000mとなった。2020年には、ディープインパクト号の功績を称え、競走名を改称した。同馬は、無敗でクラシック三冠を制するなどJRA・GI 7 勝を記録し、2008年には顕彰馬に選出され、種牡馬としても 2012年以来 11年連続リーディングサイアーを獲得するなど輝かしい実績を残した。
なお、第 3 着までの馬には『皐月賞』への優先出走権が与えられる。
弥生(やよい)は、陰暦で 3 月の呼称。
報知新聞社は、東京と大阪に本社を置く新聞社。本競走は、同社より寄贈賞を受けて実施されている。
21世紀に入ってからの勝ち馬を眺めて見てもアグネスタキオン(1998.4.13)、エイシンチャンプ(2000.3.23)、コスモバルク(2001.2.10)、ディープインパクト、アドマイヤムーン(2003.2.23)、ロジユニヴァース(2006.3.11)、ヴィクトワールピサ(2007.3.31)、サダムパテック(2008.3.30)、サトノクラウン(2012.3.10)、マカヒキ(2013.1.28)、ダノンプレミアム(2015.4.3)、タイトルホルダー(2018.2.10)、アスクビクターモア(2019.4.1)、タスティエーラ(2020.3.22)等が名を連ねています。さ、サスガのメンバー。
そんな弥生賞の2024年の一戦を制したのは戦前6番人気だったコスモキュランダ。上段でも名前が上がったディープインパクトの孫が、祖父の名前を冠したレースで「自分から勝ちに行く」という強い勝ち方を見せてくれました。
コスモキュランダ、テン乗りとなったミルコ・デムーロ騎手に御されると入りの600mでは後方3番手。緑の帽子に「赤、緑格子、赤袖」の勝負服を乗せた、黒鹿毛に黒メンコと黒いオーストラリアンブリンカーが1000m通過1分0秒4の流れの中で外の6番手まで位置を上げると、残り800mを切った辺りでマクるようにして一気に進出。逃げた芙蓉S(OP)勝ち馬シリウスコルト(2021.3.22)に並びかけるようにして迎えた中山芝Aコースの直線310m。コスモキュランダ、デムーロ騎手の左右のムチに応えると残り200mの地点で先頭に立ち、差し迫った京都2歳S(GIII)勝ち馬シンエンペラー(2021.4.30)を1と4分の1馬身差で封じたところが決勝点。その勝ち時計1分59秒8は弥生賞のレースレコードでした。コスモキュランダ、自身の2勝目で重賞初制覇を飾ると共に2024年のクラシック戦線に名乗りを上げました。
コスモキュランダに初騎乗で一発回答を決めて見せられたデムーロ騎手は、皐月賞(GI)4勝を始めとして中山競馬場も上手な印象もありますが、意外なことに弥生賞初勝利。自分から積極的に動いて勝つというレースぶりは、先月のすみれS(L)でサンライズアース(2021.2.6)を導いた時にも見られましたが、その「デムーロスペシャル」とも言うべき「動いてマクって脚を溜めて最後にもうひと伸び」は、先に述べたスウィープフィートの父スワーヴリチャードによる2018年の大阪杯(GI)勝ちが印象に残るものでした。
そうしてスワーヴリチャードが制した大阪杯では3着だったアルアイン。右回りの芝2000mのプロフェッショナルとも言うべきでしょうか、2017年の中山芝2000mの皐月賞を1分57秒8のレースレコードで勝つと、2019年の阪神芝2000mの大阪杯では9番人気を跳ね返しました。
アルアイン、皐月賞では松山弘平騎手に、大阪杯では北村友一騎手に、それぞれGI初勝利をプレゼントした馬となりました。GI2勝を手土産に2020年からブリーダーズ・スタリオン・ステーションで種牡馬入りしたアルアイン、初年度種付頭数104頭、生産頭数69頭の中からコスモキュランダを送り込みました。
そしてまたコスモキュランダを管理される加藤士津八調教師も弥生賞初優勝。2024年のクラシックは牡馬がコスモキュランダ、牝馬がコラソンビート(2021.2.26)と、牡牝共にビッグレッドファームとのタッグで楽しみとなりました。……あ、コラソンビートはスワーヴリチャード産駒でしたね。加藤師の元に2014年生まれ世代のGI馬たちの代表産駒が集まっている、というところでしょうか(^^)
弥生賞の勝ち方は地力が無いと果たせないと思わせたコスモキュランダ、その馬名意味は「冠名+オーストラリア北東部の熱帯雨林。世界遺産」とのこと。母サザンスピードがコーフィールド芝2400mのコーフィールドC(豪GI)の勝ち馬であり、母系から豪州の連想となったのでしょう。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。
#デムーロ騎手の皐月賞4勝はネオユニヴァース(2000.5.21)、ダイワメジャー(2001.4.8)、ロゴタイプ(2010.3.10)、ドゥラメンテ(2012.3.22)によるもの。いずれも複数GIを勝っている強者が揃っていますね^^;