モズメイメイ(2020.2.18)&タスティエーラ(2020.3.22)-2023年のクラシック候補生を確認する(No.18)-

Pedigree

モズメイメイ 牝 鹿毛 2020.2.18生 千歳市・社台ファーム生産 馬主・(株)キャピタル・システム 栗東・音無 秀孝厩舎

モズメイメイ(2020.2.18)の4代血統表
リアルインパクト
鹿毛 2008.5.14
種付け時活性値:0.75【11】
ディープインパクト
鹿毛 2002.3.25
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20
Alzao 1980.2.28
Burghclere 1977.4.26
トキオリアリティー
栗毛 1994.5.25
Meadowlake
栗毛 1983.3.12
Hold Your Peace 1969.1.24
Suspicious Native 1972.4.1
What a Reality
栗毛 1978.3.27
In Reality 1964.3.1
What Will Be 1970.4.17
インラグジュアリー
黒鹿毛 2014.4.7
仔受胎時活性値:1.25【5】
Frankel
鹿毛 2008.2.11
種付け時活性値:1.25【5】
Galileo
鹿毛 1998.3.30
Sadler’s Wells 1981.4.11
Urban Sea 1989.2.18
Kind
鹿毛 2001.4.21
デインヒル 1986.3.26
Rainbow Lake 1990.4.10
インランジェリー
鹿毛 2009.2.27
仔受胎時活性値:1.00【4】
★エンパイアメーカー
黒鹿毛 2000.4.27
種付け時活性値:0.00【8】
Unbridled 1987.3.5
Toussaud 1989.5.6
Cat Chat
鹿毛 1998.2.23
仔受胎時活性値:0.50【10】
Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
種付け時活性値:1.50【14】
Phone Chatter
栗毛 1991.2.23
仔受胎時活性値:1.50【6】

<5代血統表内のクロス:なし>

モズメイメイ(2020.2.18)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
リアルインパクト
(サンデーサイレンス系)
Frankel
(Galileo系)
★エンパイアメーカー
(Mr. Prospector系)
Storm Cat
(Storm Bird系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Storm Cat
(Cat Chat)
4.25
(【5】+【4】+【10】+【6】)
祖母、曾祖母、高祖母が米G勝ち馬
(No. 3-o)
2番仔
(2連産目)

*

2023年の第30回チューリップ賞(GII。阪神芝1600m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 9 モズメイメイ 牝3 54 武 豊 1:34.0 1-1 34.1 456
[0]
音無 秀孝 7
2 13 コナコースト 牝3 54 鮫島 克駿 1:34.0 ハナ 6-6 33.7 458
[-4]
清水 久詞 6
3 17 ペリファーニア 牝3 54 横山 武史 1:34.0 クビ 4-3 33.9 496
[0]
鹿戸 雄一 2
4 3 ルミノメテオール 牝3 54 M.デムーロ 1:34.1 3/4 3-3 34.0 446
[+4]
金成 貴史 3
5 14 ルカン 牝3 54 横山 典弘 1:34.1 ハナ 2-2 34.1 414
[-2]
安田 翔伍 14
2023年の第30回チューリップ賞(GII。阪神芝1600m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.5 – 11.0 – 11.7 – 12.3 – 12.4 – 11.3 – 10.9 – 11.9
ラップの
累計タイム
12.5 – 23.5 – 35.2 – 47.5 – 59.9 – 1:11.2 – 1:22.1 – 1:34.0
上り 4F 46.5 – 3F 34.1

福永祐一調教師が誘導馬ミツバ(2012.3.28)に騎乗されたことでも話題となったこの一戦。晴の良馬場、阪神芝1600m、17頭立てを好発から逃げ切ったのは武豊騎手騎乗のモズメイメイ。最後大外からコナコースト(2020.3.15)が凄い脚で迫り、エフフォーリア(2018.3.10)の半妹ペリファーニア(2020.3.25)も大外17番枠から先行して頑張りましたが、タイム差なしの「ハナ」「クビ」の僅差の勝負を制しました。モズメイメイ、2月のこぶし賞に続く連続逃亡劇により阪神芝1600mは2戦2勝。なんだかんだ言いながら、この舞台で負けていないという事実は覚えておきたいものです。

そうして、KBS京都澤武博之アナウンサーの騎手インタビューに対するユタカさんのコメントがサスガでした。

「今日の勝利は誘導馬が良かったと思います。開業したら乗せてください」。そんなユタカさんはモズメイメイによるチューリップ賞勝利により、デビュー年の1987年以来37年連続となる「JRA重賞年間3勝以上」を早々に達成となりました。やっぱり、サスガ。

人に関する部分のフィーチャーとなりましたけれど、モズメイメイはボトムラインがかなりしっかりした馬であることを併せてご案内しておきます。モズメイメイの祖母インランジェリーはスピンスターS(米GI)、ブラックアイドスーザンS(米GII)、ブルボネットオークス(米GIII)の勝ち馬、曾祖母Cat ChatはナッソーカウンティS(米GII)の勝ち馬、高祖母Phone Chatterはブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ(米GI)、オークリーフS(米GI)、ソレントS(米GIII)を勝ち1993年のエクリプス賞最優秀2歳牝馬に選出されています。良血をバックボーンに持つモズメイメイ、その馬名意味は「冠名+人名愛称」ということです。

#ミツバの祖母ゴールデンジャック(1991.3.31)は、福永騎手のデビュー年である1996年にマーメイドS(GIII)2着、小倉日経オープン(OP)1着とオープン馬の力を教えてくれた馬でもありました。ゴールデンジャックの全弟スターリングローズ(1997.3.20)、ゴールデンジャックの息子サイドワインダー(1998.4.2)、そして孫のミツバ。正に福永師の縁の血。ちなみにですが、ミツバの馬名意味は「植物名。本馬誕生日より連想」であり、馬名からも3月28日生まれであることを忘れない馬。ミツバ、2019年の川崎記念(JpnI)を制したジーワン馬です。

第68回川崎記念(JpnI)の勝ち馬-ミツバ(2012.3.28)-
ミツバ 牡 鹿毛 2012.3.28生 日高・タバタファーム生産 馬主・(株)協栄 栗東・加用正厩舎

*

タスティエーラ 牡 鹿毛 2020.3.22生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・(有)キャロットファーム 美浦・堀 宣行厩舎

タスティエーラ(2020.3.22)の4代血統表
サトノクラウン
黒鹿毛 2012.3.10
種付け時活性値:1.75【7】
Marju
黒鹿毛 1988.3.12
ラストタイクーン
黒鹿毛 1983.5.9
トライマイベスト 1975.4.28
Mill Princess 1977.5.21
Flame of Tara
鹿毛 1980.4.20
アーテイアス 1974.2.26
Welsh Flame 1973
ジョコンダ2
鹿毛 2003.3.28
Rossini
鹿毛 1997.2.17
Miswaki 1978.2.22
Touch of Greatness 1986.4.30
La Joconde
鹿毛 1999.2.8
Vettori 1992.2.18
Lust 1994.6.3
パルティトゥーラ
黒鹿毛 2014.2.2
仔受胎時活性値:1.25【5】
マンハッタンカフェ
青鹿毛 1998.3.5
種付け時活性値:1.75【15】
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
サトルチェンジ
黒鹿毛 1988.4.2
Law Society 1982.2.16
Santa Luciana 1973.4.4
フォルテピアノ
栗毛 2003.2.24
仔受胎時活性値:0.50【10】
フレンチデピュティ
栗毛 1992.1.30
種付け時活性値:0.50【10】
Deputy Minister 1979.5.17
Mitterand 1981.2.19
キョウエイフォルテ
栗毛 1994.3.15
仔受胎時活性値:2.00【8】
ノーザンテースト
栗毛 1971.3.15
種付け時活性値:1.50【22】
クラフテイワイフ
栗毛 1985.1.17
仔受胎時活性値:2.00(0.00)【8】

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×5>

タスティエーラ(2020.3.22)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
サトノクラウン
(トライマイベスト系)
マンハッタンカフェ
(サンデーサイレンス系)
フレンチデピュティ
(Deputy Minister系)
ノーザンテースト
(Northern Dancer系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
サトノクラウン 5.75 or 3.75
(【5】+【10】+【8】+【8】)
カンパニーと同牝系
(No. 9-a)
初仔

*

2023年の第60回報知杯弥生賞ディープインパクト記念(GII。中山芝2000m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 6 タスティエーラ 牡3 56 松山 弘平 2:00.4 3-4-3-2 34.7 484
[-2]
堀 宣行 3
2 4 トップナイフ 牡3 56 横山 典弘 2:00.6 1 3-2-3-4 34.9 484
[-10]
昆 貢 1
3 2 ワンダイレクト 牡3 56 C.ルメール 2:00.6 クビ 5-6-5-4 34.6 444
[-2]
藤岡 健一 2
4 3 アームブランシュ 牡3 56 吉田 豊 2:00.6 クビ 10-10-9-8 34.2 456
[-10]
竹内 正洋 9
5 5 フォトンブルー 牡3 56 戸崎 圭太 2:00.8 1 1/4 8-9-9-10 34.4 524
[+8]
武 幸四郎 10
2023年の第60回報知杯弥生賞ディープインパクト記念(GII。中山芝2000m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.3 – 11.2 – 12.4 – 12.6 – 12.5 – 12.3 – 12.1 – 11.6 – 11.5 – 11.9
ラップの
累計タイム
12.3 – 23.5 – 35.9 – 48.5 – 1:01.0 – 1:13.3 – 1:25.4 – 1:37.0 – 1:48.5 – 2:00.4
上り 4F 47.1 – 3F 35.0

クラシック第一弾と同じ舞台の前哨戦であるGIIレース、2023年はチューリップ賞と弥生賞共に武豊騎手が逃げ先導をするということになりました。ただ、曇の良馬場、中山芝2000m、10頭立ての舞台で待っていたのは父仔制覇。8年前の第52回を制したサトノクラウン、その初年度産駒であるタスティエーラが、前走共同通信杯(GIII)でファントムシーフ(2020.2.22)の4着から巻き返しを見せて、クラシック候補に名乗りを上げると共に、父に種牡馬としての重賞初勝利を贈りました。

第23回香港ヴァーズ(GI)の勝ち馬。
サトノクラウン 牡 黒鹿毛 2012.3.10生 安平・ノーザンファーム生産 馬主・里見治氏 美浦・堀宣行厩舎 サトノクラウン(2012.3.10)の4代血統表 Marju 黒鹿毛 1988.3.12 種付け時活性値:1.75 ラストタイク...
第58回宝塚記念(GI)の勝ち馬
サトノクラウン 牡 黒鹿毛 2012.3.10生 安平・ノーザンファーム生産 馬主・里見治氏 美浦・堀宣行厩舎 サトノクラウン(2012.3.10)の4代血統表 Marju 黒鹿毛 1988.3.12 種付け時活性値:1.75 ラストタイク...
ファントムシーフ(2020.2.22)&タッチウッド(2020.1.11)-2023年のクラシック候補生を確認する(No.15)-
ファントムシーフ 牡 鹿毛 2020.2.22生 浦河町・谷川牧場生産 馬主・(有)ターフ・スポート 栗東・西村 真幸厩舎タッチウッド 牡 鹿毛 2020.1.11生 新冠町・村田牧場生産 馬主・吉田 和美氏 栗東・武 幸四郎厩舎

しっかし、弥生賞は父仔制覇の舞台です。ディープインパクトの仔の数が多かった昨年2022年までは、マカヒキ(2013.1.28)カデナ(2014.3.30)ダノンプレミアム(2015.4.3)メイショウテンゲン(2016.3.10)サトノフラッグ(2017.2.26)アスクビクターモア(2019.4.1)と「出走機会6連覇」を遂げていたのですから。そしてディープインパクト産駒の出走が無いとなれば、サトノクラウンの仔であるタスティエーラが勝つ。仔の姿から父や母、あるいはもっと前の祖先の姿を思うのは、競馬の素敵なところのひとつですね。

そんな父仔制覇を確認してみれば、父サトノクラウンも仔タスティエーラも3戦目で弥生賞を勝っています。

3戦目で弥生賞を制した先達のアグネスタキオン(1998.4.13)、ディープインパクト、サトノクラウン、マカヒキの4頭、確かにいずれも後にGI馬に登り詰めています。先達4頭は弥生賞まで不敗であったという点が相違していますけれど、それでも能力が無ければ3戦目で弥生賞は勝てません。タスティエーラの未来に幸多かれと祈るばかりです。アグネスタキオンの名前を出して気付いてみれば、タスティエーラの母父であるマンハッタンカフェも弥生賞に出走していて、まだまだ本格化前だったマンハッタンカフェは4着でした。そうしてタスティエーラが弥生賞を制した日付は2023年3月5日。存命であれば25歳であったマンハッタンカフェの誕生日、孫タスティエーラが重賞勝ちでお祝いしたというところです。

タスティエーラの直父系はサトノクラウン~Marju~ラストタイクーン~トライマイベストと辿れます。トライマイベストの分枝系はしぶとく世代交代を果たしており、欧州や大洋州(オセアニア)では現代のNorthern Dancer(1961.5.27)系におけるひとつの勢力として存在感を放っています。弊サイトでも昨年

Cachet(2019.3.21)-第209回英1000ギニー(GI)の勝ち馬-
Cachet(カシェイ) 牝 鹿毛 2019.3.21生 愛国・Hyde Park Stud生産 馬主・Highclere T'Bred Racing - Wild Flower 英国・George Boughey厩舎
Pyledriver(2017.3.14)-第72回"キング・ジョージ"(英GI)の勝ち馬-
Pyledriver(パイルドライヴァー) 牡 鹿毛 2017.3.14生 英国・Knox & Wells Limited & R. Devlin生産 馬主・La Pyle Partnership 英国・William Muir & Chris Grassick厩舎
Romantic Warrior(2018.3.18)-第36回香港カップ(GI)の勝ち馬-
Romantic Warrior(浪漫勇士/ロマンチックウォリアー) せん 鹿毛 2018.3.18生 愛国・Corduff Stud & T. J. Rooney生産 馬主・Peter Lau Pak Fai 香港・C S Shum厩舎

英1000ギニー(GI)馬Cachet(2019.3.21)、キング・ジョージ(英GI)勝ち馬Pyledriver(2017.3.14)、香港カップ(GI)勝ち馬Romantic Warrior(2018.3.18)を紹介しています。8ハロン、12ハロン、2000mと、根幹距離をまんべんなくこなしているのが素晴らしい。実のところ、種牡馬サトノクラウンはその父Marjuが23歳時交配という高齢時の仔だけに「世代を重ねる時、果たしてどうなるのか」と、若干心配していたのです。しかしサトノクラウン、初年度産駒からしっかり弥生賞勝ち馬を送り込んだのですから、サスガ。恐れ入りました。

弥生賞を制してクラシック挑戦権を掴んだタスティエーラ、その馬名意味は「(楽器の)キーボード(伊)。母名より連想」とのこと。そうなりますと母パルティトゥーラの馬名意味が気になりますが、パルティトゥーラは「楽譜(伊)。母名より連想」。「むぅ。では祖母フォルテピアノの馬名意味は?」となりますと「初期のピアノの便宜的な呼称」。こうして母方を辿ってみれば、曾祖母キョウエイフォルテも懐かしい。ビッグショウリ(1991.4.5)やビッグテースト(1998.3.9)の全きょうだい、関西の準オープンからオープンの短距離ダートをしぶく走っていた印象も残ります。「キョウエイフォルテ、確か6勝、挙げていたよね」と思い、調べてみれば相違ありませんでした。若かりし頃の記憶は、割合にしっかりしているものです笑

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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