2017年のクラシック候補生を確認する(海外編・其の弐)

Pedigree

Churchill 牡 鹿毛 2014.1.31 生 愛国・Liberty Bloodstock生産 馬主・Michael Tabor & Derrick Smith & Mrs John Magnier 愛国・A P O’Brien厩舎

Churchill(2014.1.31)の4代血統表
Galileo
鹿毛 1998.3.30
種付け時活性値:1.75

Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Fairy Bridge
鹿毛 1975.5.4
Bold Reason 1968.4.8
Special 1969.3.28
Urban Sea
栗毛 1989.2.18
Miswaki
栗毛 1978.2.22
Mr. Prospector 1970.1.28
Hopespringseternal 1971.5.27
Allegretta
栗毛 1978.3.10
Lombard 1967
Anatevka 1969
Meow
鹿毛 2008.2.23
仔受胎時活性値:1.25

Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
種付け時活性値:0.00
Storm Bird
鹿毛 1978.4.19
Northern Dancer 1961.5.27
South Ocean 1967.4.8
Terlingua
栗毛 1976.2.7
Secretariat 1970.3.30
Crimson Saint 1969.3.15
Airwave
鹿毛 2000.2.12
仔受胎時活性値:1.75
Air Express
鹿毛 1994.4.26
種付け時活性値:1.25
★Salse 1985.2.24
Ibtisamm 1981.2.12
Kangra Valley
栗毛 1991.1.22
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
Indian Ridge
栗毛 1985.3.22
種付け時活性値:1.25
Thorner Lane
鹿毛 1985.4.1
仔受胎時活性値:1.25

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer3×4>

Churchill(2014.1.31)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Galileo
(Sadler’s Wells系)
Storm Cat
(Storm Bird系)
Air Express
(Northern Dancer系)
Indian Ridge
(Clarion系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Galileo
(Urban Sea)
6.25 or 4.25 祖母が英GI馬
(No. 19-a)
2番仔?
(前年産駒なし後?)

「ダービー馬のオーナーになることは一国の宰相になることより難しい」と、ウィンストン・チャーチルが述べたというのは、実は創作だそうで。ともあれ、確かにダービー馬のオーナーになることは、とても困難なこと。馬のChurchill、2016年のカルティエ賞最優秀2歳牡馬を引っ提げて、2017年の英国クラシック戦線に挑みます。

*

2016年のデューハーストS(英GI。ニューマーケット芝7F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 3 Churchill 牡2 57.6 Ryan Moore 1:23.80 A P O’Brien 1
2 2 Lancaster Bomber 牡2 57.6 Colm O’Donoghue 1 1/4 A P O’Brien 7
3 4 Blue Point 牡2 57.6 William Buick 1/2 Charlie Appleby 4
4 1 Thunder Snow 牡2 57.6 Jim Crowley クビ Saeed bin Suroor 6
5 5 Rivet 牡2 57.6 Andrea Atzeni 1 1/2 William Haggas 5

Churchill、先行4番手から抜け出し、内と外のロイヤルブルーの勝負服をゴール前で振り切り、タイロスS(愛GIII)、愛フューチュリティS(GII)、愛ナショナルS(GI)、そしてデューハーストSと、グループレース4連勝により全欧2歳王者を蹄中に収めた一戦でした。そうして成されたのは、ChurchillのステーブルメイトであるLancaster Bomber(2014.3.14)とのワンツーフィニッシュ。Lancaster Bomberは7頭立ての最低人気ということもあり、Churchillのペースメーカーを務めたようですが、最後まで諦めずに走り、決勝点手前で差し返しての2着でした。

#余談。Lancaster Bomberは、その次走ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフ(米GI)でも2着に入っており、単なるペースメーカーではない実力を見せています。むぅ、エイダン・パトリック・オブライエン厩舎の、なんという層の厚さ。

*

さて、Churchillの最優性先祖である父Galileoは現役時代に6勝を挙げ、その主な勝ち鞍に英ダービー(GI)、愛ダービー(GI)、”キング・ジョージ”(英GI)、愛ダービートライアルS(GIII)とグループレース4勝。父Sadler’s Wellsに悲願の英ダービー制覇を贈った最良後継馬、Galileo。その能力は種牡馬としても遺憾なく発揮され、

  1. Frankel(2008.2.11)
    →英2000ギニー(GI)、英チャンピオンS(GI)、英インターナショナルS(GI)、サセックスS(英GI)2回、クイーンエリザベス2世S(英GI)、クイーンアンS(英GI)、ロッキンジS(英GI)、セントジェームズパレスS(英GI)、デューハーストSほか
  2. New Approach(2005.2.18)
    →英ダービー、英チャンピオンS、愛チャンピオンS(GI)、デューハーストS、愛ナショナルSほか
  3. Ruler of The World(2010.3.17)
    →英ダービー、フォワ賞(仏GII)ほか
  4. Australia(2011.4.8)
    →英ダービー、愛ダービー、英インターナショナルS、ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフトライアルS(愛GIII)ほか
  5. Found(2012.3.13)
    →凱旋門賞(仏GI)、ブリーダーズカップ・ターフ(米GI)、マルセルブサック賞(仏GI)、ムーアズブリッジS(愛GIII)、ロイヤルウィップS(愛GIII)ほか
  6. Highland Reel(2012.2.21)
    →ブリーダーズカップ・ターフ、”キング・ジョージ”、セクレタリアトS(米GI)、香港ヴァーズ(GI)、ヴィンテージS(英GII)、ゴードンS(英GIII)ほか
  7. Nathaniel(2008.4.24)
    →”キング・ジョージ”、エクリプスS(英GI)、キングエドワード7世S(英GII)ほか
  8. Magician(2010.4.24)
    →愛2000ギニー(GI)、ブリーダーズカップ・ターフ、ムーアズブリッジS、ディーS(英GIII)ほか
  9. Red Rocks(2003.4.8)
    →ブリーダーズカップ・ターフ、マンノウォーS(米GI)、ゴードンリチャーズS(英GIII)ほか
  10. ケープブランコ(2007.4.20)
    →愛ダービー、アーリントンミリオン(米GI)、マンノウォーS、ターフクラシック招待S(米GI)、愛チャンピオンS、ダンテS(英GII)、愛フューチュリティS、タイロスSほか
  11. Soldier of Fortune(2004.2.20)
    →愛ダービー、コロネーションC(英GI)、ニエル賞(仏GII)、ノアイユ賞(仏GII)、チェスターヴァーズ(英GIII)ほか
  12. Treasure Beach(2008.3.25)
    →愛ダービー、セクレタリアトS、チェスターヴァーズほか
  13. Gleneagles(2012.1.12)
    →英2000ギニー、愛2000ギニー、セントジェームズパレスS、愛ナショナルS、愛フューチュリティS、タイロスS
  14. Minding(2013.2.10)
    →英オークス(GI)、英1000ギニー(GI)、クイーンエリザベス2世S、愛プリティポリーS(GI)、英ナッソーS(GI)、フィリーズマイル(英GI)、モイグレアスタッドS(愛GI)ほか
  15. Was(2009.5.11)
    →英オークスほか
  16. Sixties Icon(2003.2.16)
    →英セントレジャーS(GI)、ジョッキークラブS(英GII)、カンバーランドロッジS(英GIII)、ジェフリーフリアS(英GIII)、グローリアスS(英GIII)、ゴードンSほか
  17. Intello(2010.4.14)
    →ジョッケクルブ賞(仏GI)、プランスドランジュ賞(仏GIII)、メシドール賞(仏GIII)ほか
  18. Seventh Heaven(2013.3.29)
    →愛オークス(GI)、ヨークシャーオークス(英GI)ほか
  19. Great Heavens(2009.4.28)
    →愛オークス、ランカシャーオークス(英GII)
  20. Misty For Me(2008.4.9)
    →愛1000ギニー(GI)、愛プリティポリーS、マルセルブサック賞、モイグレアスタッドSほか

ご承知の通り、他にも多数のGI勝ち産駒がいます。Galileo、恐るべきは、その遺伝力。0の理論的には、父Sadler’s Wellsが満16歳時のミニモの遺伝を受け、0リフレッシュされて父系に活力が入り直したというところでしょうか。

また、上記の20頭の代表産駒のうち、カタカナ馬名が1頭います。ケープブランコ。米愛GI5勝の実力馬は、Galileoが満8歳時の0遺伝馬。日本軽種馬協会が輸入した栗毛の流星、果たしてどんな仔を輩出してくれるでしょうか。こちらも楽しみです。 

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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