Mage(2020.4.18)-第149回ケンタッキーダービー(米GI)の勝ち馬-

Result

Mage(メイジ) 牡 栗毛 2020.4.18生 米国・Grandview Equine生産 馬主・OGMA Investments, LLC, Restrepo, Ramiro, Sterling Racing LLC and CMNWLTH 米国・Gustavo Delgado厩舎

Mage(2020.4.18)の4代血統表
Good Magic
栗毛 2015.3.1
種付け時活性値:1.00【4】
Curlin
栗毛 2004.3.25
Smart Strike
鹿毛 1992.5.21
Mr. Prospector 1970.1.28
Classy ‘n Smart 1981.520
Sherriff’s Deputy
鹿毛 1994.3.6
Deputy Minister 1979.5.17
Barbarika 1985.3.9
Glinda the Good
鹿毛 2009.2.17
ハードスパン
鹿毛 2004.5.10
Danzig 1977.2.12
Turkish Tryst 1991
Magical Flash
栗毛 1990.4.20
Miswaki 1978.2.22
Gils Magic 1983.2.1
Puca
鹿毛 2012.5.17
仔受胎時活性値:1.75【7】
Big Brown
鹿毛 2005.4.10
種付け時活性値:1.50【6】
Boundary
鹿毛 1990.4.21
Danzig 1977.2.12
Edge 1978.4.10
Mien
鹿毛 1999.4.6
Nureyev 1977.5.2
Miasma 1992.4.1
Boat’s Ghost
芦毛 2004.4.25
仔受胎時活性値:1.75【7】
Silver Ghost
芦毛 1982.3.31
種付け時活性値:1.25【21】
Mr. Prospector 1970.1.28
Misty Gallore 1976.4.12
Rocktheboat
黒鹿毛 1996.4.16
仔受胎時活性値:1.75【7】
★Summer Squall
鹿毛 1987.3.12
種付け時活性値:0.00【8】
Native Boat
黒鹿毛 1989.5.9
仔受胎時活性値:1.50【6】

<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector4×5×4、Danzig4×4、Northern Dancer5×5×5>

Mage(2020.4.18)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Good Magic
(Mr. Prospector系)
Big Brown
(Danzig系)
Silver Ghost
(Mr. Prospector系)
★Summer Squall
(Storm Bird系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Big Brown 6.75
(【7】+【7】+【7】+【6】)
伯父が米GI馬
(No. 5-g)
2番仔
(2連産目)

*

2023年の第149回ケンタッキーダービー(米GI。チャーチルダウンズ・ダート10F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 8 Mage 牡3 57.2 Javier Castellano 2:01.57 Gustavo Delgado 8
2 3 Two Phil’s 牡3 57.2 Jareth Loveberry 1 Larry Rivelli 4
3 14 Angel of Empire 牡3 57.2 Flavien Prat 1/2 Brad H Cox 1
4 11 Disarm 牡3 57.2 Joel Rosario 3 Steven Asmussen 12
5 1 Hit Show 牡3 57.2 Manuel Franco 1 3/4 Brad H Cox 11

チャーチルダウンズ・ダート10ハロン、晴の良馬場、18頭立て。最終的には日本から遠征したデルマソトガケ(2020.4.28)、マンダリンヒーロー(2020.3.20)の2頭が出走することになった”The Run for the Roses”。

デルマソトガケ(2020.4.28)-第23回UAEダービー(GII)の勝ち馬-
デルマソトガケ(Derma Sotogake) 牡 栗毛 2020.4.28生 千歳市・社台ファーム生産 馬主・浅沼 廣幸氏 栗東・音無 秀孝厩舎
コンティノアール(2020.3.7)&マンダリンヒーロー(2020.3.20)-2023年のクラシック候補生を確認する(No.9)-
コンティノアール 牡 栗毛 2020.3.7生 洞爺湖町・レイクヴィラファーム生産 馬主・ライオンレースホース(株) 栗東・矢作 芳人厩舎マンダリンヒーロー 牡 青鹿毛 2020.3.20生 新ひだか町・平野牧場生産 馬主・新井 浩明氏 大井・藤田 輝信厩舎

そんなバラの首飾りを賭けた18頭の優駿たちの一戦を制したのは、現地では8番人気、JRAでは4番人気に推されていたMage。8番枠からスタートすると、最初の2ハロン22秒35、4ハロン45秒73、6ハロン1分10秒11というペースの中での通過位置を見れば15、16、14と後方に構えていたMageとハビエル・カスティリャーノ騎手。流れが緩んだ8ハロン1分36秒6時点で外からマクリ加減に進出して6番手。チャーチルダウンズ・ダートの直線411.2ヤード、約376mを向いた時には馬場中央外から2番手の位置を猛然と駆け、先に抜け出していたTwo Phil’s(2020.3.16)-ハードスパンの仔-との差を詰めると、ゴールでは1馬身先んじていました。

現地でもJRAでも3番人気に推されたデルマソトガケは、スタート時に左にヨレてしまったのが痛かったように見えました。UAEダービー(GII)で見せたような逃げ先行策を取りたかったと思います。図らずも後方からになりましたが、最後まで諦めずに伸びて6着はマスターフェンサー(2016.2.21)と並ぶ日本調教馬の最高着順。勝ち馬Mageはデルマソトガケを仮想敵として道中走っていたようにも見えました。現地ではMageの次の9番人気、JRAでは6番人気だったTCK所属のマンダリンヒーロー。大外から2番目の22番枠からの発走、道中12番手あたりの外側追走から、よく頑張りましたが12着。事前に出走取消となったコンティノアール(2020.3.7)も走れていれば、というところけれど、日本調教馬の各陣営、本当にお疲れ様でした。

*

Mageは父Good Magicの初年度産駒の1頭。Good Magicは現役時代に3勝を挙げ、その主な勝ち鞍にブリーダーズカップ・ジュヴェナイル(米GI)、ハスケル招待S(米GI)があり、2018年の第144回ケンタッキーダービーでは2着でしたが、勝たれた相手がJustify(2015.3.28)では分が悪かった。それでもGood Magicが敗れた悔しさをMageが晴らしてくれました。Good Magic&Mage父仔の馬名連想はシンプルで、父が「良い魔法」、仔が「魔術師」ですね。

2018年のクラシック候補生を確認する(海外編・其の壱)
Good Magic 牡 栗毛 2015.3.1生 米国・Stonestreet Thoroughbred Holdings LLC生産 馬主・e Five Racing Thoroughbreds and Stonestreet Stab...
第144回ケンタッキーダービー(米GI)の勝ち馬-Justify(2015.3.28)-
Justify 牡 栗毛 2015.3.28生 米国・John D. Gunther生産 馬主・China Horse Club, Head of Plains Partners LLC, Starlight Racing, WinStar...

Mageは2023年1月にガルフストリームパーク・ダート7ハロンのメイドンでデビューして1着、3月のガルフストリームパーク・ダート8.5ハロンのファウンテンオブユースS(米GII)4着、4月のガルフストリームパーク・ダート9ハロンのフロリダダービー(米GI)でForte(2020.2.3)の2着と来て迎えた4戦目が5月のチャーチルダウンズ・ダート10ハロンのケンタッキーダービー。メイドン以来の2勝目が米国GIレースの最高峰とも言えるケンタッキーダービーと相成りました。また4戦目の勝利は、牝馬として初めてケンタッキーダービーを制した古の名牝Regret(1912.4.2)、Mageの母父であるBig Brown、上述のJustifyと並ぶ「史上最少キャリアのケンタッキーダービー制覇」でもあります。なおRegret、Big Brown、Justifyの3頭はケンタッキーダービーまで無敗の4戦4勝でしたので、Mageは「敗北を経験している馬によるケンタッキーダービー最少キャリア勝利」の最初のケースとなりました。そしてまた初出走が3歳の「年明けデビュー馬」によるケンタッキーダービー制覇は、Justify以来5年ぶりのことでした。

Mageの鞍上を務めたハビエル・カステリャーノ騎手はケンタッキーダービー初優勝。北米通算5000勝以上の名手は名馬Ghostzapper(2000.4.6)等の主戦としても知られていますが、16回目の騎乗で悲願を果たされました。そしてまた管理されるグスターボ・デルガド調教師もケンタッキーダービー初勝利。2014年から南フロリダに拠点を置いて米国で調教活動をされているデルガド師はベネズエラ出身で、カステリャーノ騎手もベネズエラ出身ということもあり、故郷を共にするトレーナーとジョッキーのタッグによるケンタッキーダービー制覇でもありました。

*

父Good Magicが2着に敗れた無念を晴らし、母父Big Brownに続いて最少キャリア4戦目でケンタッキーダービーを制したMage。素直に向かう先は米国三冠路線でしょう。プリークネスS(米GI)、ベルモントS(米GI)と続く勝負も楽しみにしたいと思います。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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