ザッツザプレンティ(2000.5.26)-濁音・半濁音にてGI馬を辿る(No.4)-

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ザッツザプレンティ 牡 鹿毛 2000.5.26生 千歳市・社台ファーム生産 馬主・(有)社台レースホース 栗東・橋口 弘次郎厩舎

ザッツザプレンティ(2000.5.26)の4代血統表
ダンスインザダーク
鹿毛 1993.6.5
種付け時活性値:1.50【6】
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
ダンシングキイ
鹿毛 1983.5.21
Nijinsky
鹿毛 1967.2.21
Northern Dancer 1961.5.27
Flaming Page 1959.4.24
Key Partner
黒鹿毛 1976.3.26
Key to the Mint 1969.3.9
Native Partner 1966.4.5
バブルプロスペクター
栗毛 1984.4.3
仔受胎時活性値:1.75【15】
Miswaki
栗毛 1978.2.22
種付け時活性値:1.25【5】
Mr. Prospector
鹿毛 1970.1.28
Raise a Native 1961.4.18
Gold Digger 1962.5.28
Hopespringseternal
栗毛 1971.5.27
Buckpasser 1963.4.28
Rose Bower 1958.3.24
バブルカンパニー
栗毛 1977.4.5
仔受胎時活性値:1.50【6】
Lyphard
鹿毛 1969.5.10
種付け時活性値:1.75【7】
Northern Dancer 1961.5.27
Goofed 1960.3.29
Prodice
栗毛 1969.2.2
仔受胎時活性値:1.75【7】
Prominer
栗毛 1962
種付け時活性値:1.50【6】
Euridice
栗毛 1962.4.14
仔受胎時活性値:1.50【6】

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×4、Raise a Native4×5>

ザッツザプレンティ(2000.5.26)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ダンスインザダーク
(サンデーサイレンス系)
Miswaki
(Mr. Prospector系)
Lyphard
(Northern Dancer系)
Prominer
(Hyperion系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Lyphard
(バブルプロスペクター)
6.50
(【15】+【6】+【7】+【6】)
叔父バブルガムフェロー
(No. 1-b)
8番仔
(不受胎後)

*

2003年の第64回菊花賞(GI。京都芝3000m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 8 ザッツザプレンティ 牡3 57 安藤 勝己 3:04.8 8-9-3-1 35.8 492
[0]
橋口 弘次郎 5
2 2 リンカーン 牡3 57 横山 典弘 3:04.9 3/4 8-8-12-11 35.0 466
[0]
音無 秀孝 4
3 17 ネオユニヴァース 牡3 57 M.デムーロ 3:05.0 クビ 12-12-6-2 35.6 492
[+2]
瀬戸口 勉 1
4 4 ゼンノロブロイ 牡3 57 O.ペリエ 3:05.3 2 6-6-10-11 35.6 494
[+2]
藤沢 和雄 2
5 18 マッキーマックス 牡3 57 藤田 伸二 3:05.4 1/2 14-14-10-5 35.9 482
[-16]
藤原 英昭 8
2003年の第64回菊花賞(GI。京都芝3000m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
13.0 – 11.1 – 11.7 – 12.7 – 12.1 –
12.2 – 13.0 – 13.0 – 12.7 – 12.8 –
12.9 – 11.8 – 11.5 – 12.0 – 12.3
ラップの
累計タイム
13.0 – 24.1 – 35.8 – 48.5 – 1:00.6 –
1:12.8 – 1:25.8 – 1:38.8 – 1:51.5 – 2:04.3 –
2:17.2 – 2:29.0 – 2:40.5 – 2:52.5 – 3:04.8
上り 4F 47.6 – 3F 35.8

三冠の夢破れて父仔制覇あり。クビの高いキリンさん走法も印象に残るザッツザプレンティ、牝馬三冠を遂げたスティルインラブ(2000.5.2)に続いて牡馬三冠を狙ったネオユニヴァース(2000.5.21)を3着に負かしての菊花賞勝利。果たされたのは父ダンスインザダークとの父仔制覇。

スティルインラブ(2000.5.2)-牝馬三冠馬を辿る(No.2)-
スティルインラブ 牝 栗毛 2000.5.2生~2007.8.2没 門別・下河辺牧場生産 馬主・(有)ノースヒルズマネジメント 栗東・松元省一厩舎
ネオユニヴァース(2000.5.21)
ネオユニヴァース 牡 鹿毛 2000.5.21生~2021.3.8没 千歳・社台ファーム生産 馬主・(有)社台レースホース 栗東・瀬戸口勉厩舎
ダンスインザダーク(1993.6.5)
ダンスインザダーク 牡 鹿毛 1993.6.5生~2020.1.2没 千歳・社台ファーム生産 馬主・(有)社台レースホース 栗東・橋口弘次郎厩舎

ザッツザプレンティの菊花賞については、安藤勝己騎手の正に「アンカツマジック」とも言うべき騎乗も瞠目するものでした。そのアンカツマジックについて考察されている、私が敬愛する先達の競馬者の方の記事をご紹介しておきます。

菊花賞 | 穴馬発見☆資料置き場(倉庫) - 楽天ブログ
穴馬発見☆資料置き場(倉庫)の菊花賞のページです。

11ハロン目の12秒9から急激なペースアップとなった、12ハロン目の11秒8と13ハロン目の11秒5が勝負の分かれ目。これはですね、私、陸上の長距離をやっているのでよく分かるのですが、長距離は「ペースを一定」とするのが楽に走る基本なんです。長丁場で急にスピードアップされると追走する側は本当に大変。道中8、9番手の中団位置にいたザッツザプレンティ、改めてレース動画を見ると、実際に動きを見せ始めたのは1800mを通過したあたりから。ここで安藤騎手は勝ちに行くべく仕掛けられた。「淀の坂はゆっくり登り、ゆっくり下る」というセオリーがあるものの、勝負は勇気を持って攻めの姿勢を見せたものに微笑むことが多い。淀の池におわす競馬の神様は、安藤騎手の勇気と、それに応えようとしたザッツザプレンティに微笑んだのでしょう。果たせるかなザッツザプレンティ、残り800mを切って先頭に立つと、遠心力が働いて外に膨れるはずの京都の芝外回りもいとやせず、キレイに内ラチ沿いの最短距離を走らせた鞍上の技量も相まって、差し迫るライバルたちを振り切り、決勝点を先頭で駆け抜けました。父ダンスインザダークが1996年の第57回を制してから7年、菊花賞史上7例目の父仔制覇が成された瞬間。ダンスインザダーク、ザッツザプレンティと父仔2代に渡り管理された橋口弘次郎調教師も感無量だったのではないでしょうか。

ザッツザプレンティは私が競馬者としての歩みを始めてから初めてライブで出会った「私と同じ誕生日のGI馬」でした。名馬の誕生日ということでは影が薄い感もある5月26日ですが、ようやく目の当たりにした同じ誕生日の馬のGI勝利であるザッツザプレンティの菊花賞は本当に嬉しかったですね。ましてや10代の頃にその走りを見ていたダンスインザダークが父で、なおかつバブルガムフェロー(1993.4.11)が叔父なのですから。

バブルガムフェロー(1993.4.11)-カンテレ競馬【公式】さんの良い仕事に乗る(No.5)-
バブルガムフェロー 牡 鹿毛 1993.4.11生~2010.4.26没 千歳市・社台フアーム生産 馬主・(有)社台レースホース 美浦・藤沢 和雄厩舎

競馬の素敵なところのひとつは、過去が線となって現在に交差すること。それは間違いありません。

 

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

*

[ザッツザプレンティ(2000.5.26)の主な競走成績]

  1. 菊花賞(GI)、ラジオたんぱ杯2歳S(GIII)
  2. ジャパンカップ(GI)、阪神大賞典(GII)
  3. 東京優駿(GI)、金鯱賞(GII)

通算16戦3勝、2着3回、3着2回。

*

#菊花賞の父仔制覇を確認しておきますと、

  1. セントライト(1938.4.2)&セントオー(1949.5.27)
  2. トサミドリ(1946.5.20)&キタノオー(1953.5.15)
  3. トサミドリ(1946.5.20)&キタノオーザ(1957.6.30)
  4. トサミドリ(1946.5.20)&ヒロキミ(1959.6.20)
  5. シンザン(1961.4.2)&ミナガワマンナ(1978.5.15)★
  6. シンザン(1961.4.2)&ミホシンザン(1982.4.16)
  7. ダンスインザダーク(1993.6.5)&ザッツザプレンティ(2000.5.26)
  8. ダンスインザダーク(1993.6.5)&デルタブルース(2001.5.3)
  9. ダンスインザダーク(1993.6.5)&スリーロールス(2006.4.26)
  10. ディープインパクト(2002.3.25)&サトノダイヤモンド(2013.1.30)
  11. ディープインパクト(2002.3.25)&フィエールマン(2015.1.20)
  12. ディープインパクト(2002.3.25)&ワールドプレミア(2016.2.1)
  13. ディープインパクト(2002.3.25)&コントレイル(2017.4.1)
  14. ディープインパクト(2002.3.25)&アスクビクターモア(2019.4.1)

お、多いですね。特に近年はディープインパクト産駒が菊花賞を勝つ機会が多かったので^^;

*

マイシンザン
マイシンザン

ザッツザプレンティは河内洋騎手の最後の重賞勝利のお相手でもあったんよな。

ワイルドブラスター
ワイルドブラスター

ええ。2002年のラジオたんぱ杯2歳Sですね。

マイシンザン
マイシンザン

ザッツザプレンティを菊花賞馬に導いた安藤騎手は中央で騎乗する際に河内がどういったコースを取るかを参考にしながら騎乗していたそうな。

ワイルドブラスター
ワイルドブラスター

名手は名手を知る、ですね。

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