Japan(ジャパン) 牡 鹿毛 2016.2.22生 英国・Newsells Park Stud生産 馬主・Derrick Smith & Mrs John Magnier & Michael Tabor 愛国・A P O’Brien厩舎
Galileo 鹿毛 1998.3.30 種付け時活性値:0.25 |
★ Sadler’s Wells 鹿毛 1981.4.11 |
Northern Dancer 鹿毛 1961.5.27 |
Nearctic 1954.2.11 |
Natalma 1957.3.26 ♀ | |||
Fairy Bridge 鹿毛 1975.5.4 |
Bold Reason 1968.4.8 | ||
Special 1969.3.28 | |||
Urban Sea 栗毛 1989.2.18 |
▲Miswaki 栗毛 1978.2.22 |
Mr. Prospector 1970.1.28 | |
Hopespringseternal 1971.5.27 | |||
Allegretta 栗毛 1978.3.10 |
▲Lombard 1967.1.31 | ||
Anatevka 1969.2.13 | |||
Shastye 鹿毛 2001.4.5 仔受胎時活性値:1.50 |
デインヒル 鹿毛 1986.3.26 種付け時活性値:1.50 |
★Danzig 鹿毛 1977.2.12 |
Northern Dancer 1961.5.27 |
Pas de Nom 1968.1.27 | |||
Razyana 鹿毛 1981.4.18 |
His Majesty 1968.4.15 | ||
Spring Adieu 1974.5.10 | |||
Saganeca 黒鹿毛 1988.3.8 仔受胎時活性値:1.00 |
Sagace 鹿毛 1980.5.26 種付け時活性値:1.75 |
Luthier 1965.3.22 | |
Seneca 1973.2.16 | |||
Haglette 鹿毛 1978.4.30 仔受胎時活性値:0.25 |
Hagley 鹿毛 1967.4.13 種付け時活性値:0.50 |
||
Sucrette 鹿毛 1958.4.17 仔受胎時活性値:0.75 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer3×4、Natalma(♀)4×5×5、Buckpasser5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
Galileo (Sadler’s Wells系) |
デインヒル (Danzig系) |
Sagace (Luthier系) |
Hagley (Relic系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Sagace (Pantheon) |
3.50 |
伯父Sagamix (No. 11-d) |
9番仔? (7連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破時計 ・着差 |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | Japan | 牡3 | 58 | Ryan Moore | 2:27.07 | A P O’Brien | 1 |
2 | 8 | Slalom | 牡3 | 58 | Maxime Guyon | 1/2 | A Fabre | 2 |
3 | 5 | Jalmoud | 牡3 | 58 | James Doyle | 3/4 | Charlie Appleby | 4 |
4 | 6 | Roman Candle | 牡3 | 58 | Mickael Barzalona | クビ | A Fabre | 2 |
5 | 7 | Soft Light | 牡3 | 58 | Cristian Demuro | 2 1/2 | J-C Rouget | 5 |
2019年の第154回パリ大賞。凱旋門賞(仏GI)と同じパリロンシャン芝2400mで行われる3歳限定のこの一戦、2019年のレースを1番人気で制したのは、その名もJapan。昨年2018年にはベレスフォードS(愛GII)を勝ち、今年2019年はダンテS(英GII)4着、第240回英ダービー(GI)3着、キングエドワード7世S(英GII)1着と来て、仏国の舞台で見事にGI初制覇を遂げました。
さて、Japanの最優性先祖と判断した祖母父Sagaceは現役時代に8勝を挙げ、その主な勝ち鞍に凱旋門賞、イスパーン賞(仏GI)、ガネー賞(仏GI)、コンセイユドパリ賞(仏GII)、フォワ賞(仏GIII)2回、ニエル賞(仏GIII)と仏グループレース7勝がある、Lutierの代表産駒。Sagaceのよく知られるエピソードとしては、連覇を果たしたかに思われた1985年の第64回凱旋門賞で、Rainbow Quest(1981.5.15)に対するインターフェアにより2着降着となったことでしょうか。
走行妨害と判定される程には見えませんけれど、兎にも角にも、Sagaceの凱旋門賞連覇は露と消えてしまいました。ともあれ、1980年代中期の仏国の名馬であることには相違なく、そしてまたLuthierラインの継承者としても期待されたSagaceでしたが、種牡馬入り後僅か3年で夭折。ただ、それでも能力の片鱗は見せ、
- アルカング(1988.3.12)
→ブリーダーズカップ・クラシック(米GI)、イスパーン賞(仏GI)、ジョンヘンリーH(米GII)、ウジェーヌアダム賞(仏GII)、プランスドランジュ賞(仏GIII)ほか - Saganeca(1988.3.8)
→ロワイヤリュー賞(仏GII)。↑の4代血統表の通り、Japanの祖母
と、2頭のGレース勝ち産駒を残しました。特にアルカングが制した1993年の第10回ブリーダーズカップ・クラシックは、仏国調教馬アルカングが自身初のダート挑戦でいきなり米国の最高峰のGIレース勝利を収め、競馬ファンをあっと言わせました。
「別路線からの挑戦者」「芝からダート替わり」。国は変われど、馬の習性は変わらず。アルカング、見事なジャイアントキリングでした。
では、以下にJapanのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。
Saganeca 1988.3.8 1勝 ロワイヤリュー賞(仏GII)ほか
|Sagamix 1995.3.15 4勝 凱旋門賞(仏GI) ニエル賞(仏GII)ほか
|Sage et Jolie 1996.3.25 3勝 マルレ賞(仏GII)ほか
||Sageburg 2004.3.19 4勝 イスパーン賞(仏GI)ほか
|Sagacity 1998.4.6 2勝 クリテリウム・ド・サンクルー(仏GI) 凱旋門賞(仏GI)3着ほか
|Sagalina 2000.4.1 0勝
||Sagawara 2009.4.28 2勝 サンタラリ賞(仏GI)ほか
|Shastye 2001.4.5 2勝
||Secret Gesture 2010.1.22 4勝 ミドルトンS(英GII)ほか
||Maurus 2011.2.1 キングストンタウンS(豪GIII)2着ほか
||Sir Isaac Newton 2012.2.12 インターナショナルS(愛GIII)ほか
||Japan 2016.2.22 (本馬) パリ大賞(仏GI) キングエドワード7世S(英GII) ベレスフォードS(愛GII)ほか
Japanの牝系は11号族d分枝系。祖母Saganeca自身がロワイヤリュー賞の勝ち馬であり、その仔孫にも基本頭文字Sの活躍馬が居並びます。Japanの伯父Sagamixが制した1998年の第77回凱旋門賞は、第75回のエリシオ(1993.1.24)、第76回のパントレセレブル(1994.3.17)に続く、オリビエ・ペリエ騎手の凱旋門賞3連覇でした。また、伯父Sagacityが3着を果たした2001年の第80回凱旋門賞の折の鞍上は武豊騎手でした。
パリロンシャン芝2400mの舞台で勝利を収めたことにより、秋の進路の楽しみが増えました。Japan、その名を更に轟かせるべく、これからも強いところを見せ続けて欲しいもの。その馬名の由来となった、極東の国の空の下から祈願しています。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。