平成の首位種牡馬を辿る(其の玖)-ディープインパクト(2002.3.25)-

Special feature

ディープインパクト(Deep Impact) 牡 鹿毛 2002.3.25生~2019.7.30没 早来・ノーザンファーム生産 馬主・金子真人氏→金子真人ホールディングス(株) 栗東・池江泰郎厩舎

ディープインパクト(2002.3.25)の4代血統表
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
種付け時活性値:1.75【15】

Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason
黒鹿毛 1958.4.18
Turn-to 1951
Nothirdchance 1948
Cosmah
鹿毛 1953.4.4
★Cosmic Bomb 1944
Almahmoud 1947.5.18 ♀
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding
栗毛 1963.2.17
★Promised Land 1954.3.31
Pretty Ways 1953.3.21
Mountain Flower
鹿毛 1964.3.23
Montparnasse 1956
Edelweiss 1959.2.15
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20
仔受胎時活性値:0.50【10】
Alzao
鹿毛 1980.2.28
種付け時活性値:0.50【10】
Lyphard
鹿毛 1969.5.10
Northern Dancer 1961.5.27
Goofed 1960.3.29
Lady Rebecca
鹿毛 1971.2.28
Sir Ivor 1965.5.5
Pocahontas 1955.2.19
Burghclere
鹿毛 1977.4.26
仔受胎時活性値:1.25【13】
Busted
鹿毛 1963
種付け時活性値:1.25【13】
★Crepello 1954
Sans Le Sou 1957
Highclere
鹿毛 1971.4.9
仔受胎時活性値:1.25【5】
Queen’s Hussar
鹿毛 1960
種付け時活性値:0.50【10】
Highlight
鹿毛 1958
仔受胎時活性値:1.00【12】

<5代血統表内のクロス:なし>

ディープインパクト(2002.3.25)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
サンデーサイレンス
(Halo系)
Alzao
(Lyphard系)
Busted
(Blenheim系)
Queen’s Hussar
(Fairway系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
サンデーサイレンス
(Wishing Well)
4.00
(【10】+【13】+【5】+【12】)
母が独GI勝ち馬
(No. 2-f)
7番仔
(7連産目)

*

2012年~2018年の全日本首位種牡馬、ディープインパクト。言わずもがな、ですね。

それでは、ディープインパクトの代表産駒を生年順に記しますと、、、

  1. リアルインパクト(2008.5.14)
    →安田記念(GI)、ジョージライダーS(豪GI)、阪神C(GII)2回ほか
  2. マルセリーナ(2008.2.17)
    →桜花賞(GI)、マーメイドS(GIII)ほか
  3. トーセンラー(2008.4.21)
    →マイルチャンピオンシップ(GI)、京都記念(GII)、きさらぎ賞(GIII)ほか
  4. ダノンシャーク(2008.3.9)
    →マイルチャンピオンシップ(GI)、富士S(GIII)、京都金杯(GIII)ほか
  5. ディープブリランテ(2009.5.8)
    →東京優駿(GI)、東京スポーツ杯2歳S(GIII)ほか
  6. ジェンティルドンナ(2009.2.20)
    →ジャパンカップ(GI)2回、有馬記念(GI)、優駿牝馬(GI)、桜花賞(GI)、秋華賞(GI)、ドバイシーマクラシック(UAE・GI)、ローズS(GII)、シンザン記念(GIII)ほか
  7. スピルバーグ(2009.5.12)
    →天皇賞・秋(GI)ほか
  8. ヴィルシーナ(2009.3.5)
    →ヴィクトリアマイル(GI)2回、クイーンC(GIII)
  9. ジョワドヴィーヴル(2009.5.13)
    →阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)ほか
  10. レッドキングダム(2009.2.23)
    →中山大障害(J・GI)
  11. Beauty Parlour(2009.2.28)
    →仏1000ギニー(GI)、グロット賞(仏GIII)ほか
  12. キズナ(2010.3.5)
    →東京優駿(GI)、産経大阪杯(GII)、京都新聞杯(GII)、ニエル賞(仏GII)、毎日杯(GIII)ほか
  13. アユサン(2010.2.21)
    →桜花賞(GI)ほか
  14. ラキシス(2010.1.31)
    →エリザベス女王杯(GI)、産経大阪杯(GII)ほか
  15. ショウナンパンドラ(2011.3.10)
    →ジャパンカップ(GI)、秋華賞(GI)、オールカマー(GII)ほか
  16. エイシンヒカリ(2011.5.3)
    →イスパーン賞(仏GI)、香港カップ(GI)、毎日王冠(GII)、エプソムC(GIII)
  17. トーセンスターダム(2011.3.14)
    →マッキノンS(豪GI)、トゥーラックH(豪GI)、チャレンジC(GIII)、きさらぎ賞(GIII)ほか
  18. マリアライト(2011.2.19)
    →宝塚記念(GI)、エリザベス女王杯(GI)ほか
  19. ミッキーアイル(2011.3.12)
    →マイルチャンピオンシップ(GI)、NHKマイルカップ(GI)、スワンS(GII)、阪急杯(GIII)、シンザン記念(GIII)、アーリントンC(GIII)ほか
  20. ハープスター(2011.4.24)
    →桜花賞(GI)、札幌記念(GII)、チューリップ賞(GIII)、新潟2歳S(GIII)ほか
  21. サトノアラジン(2011.2.16)
    →安田記念(GI)、京王杯スプリングC(GII)、スワンS(GII)ほか
  22. ミッキークイーン(2012.2.8)
    →優駿牝馬(GI)、秋華賞(GI)、阪神牝馬S(GII)ほか
  23. リアルスティール(2012.3.1)
    →ドバイターフ(UAE・GI)、毎日王冠(GII)、共同通信杯(GIII)ほか
  24. ダノンプラチナ(2012.3.23)
    →朝日杯フューチュリティS(GI)、富士S(GIII)ほか
  25. ショウナンアデラ(2012.2.10)
    →阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)
  26. マカヒキ(2013.1.28)
    →東京優駿(GI)、弥生賞(GII)、ニエル賞(仏GII)ほか
  27. サトノダイヤモンド(2013.1.30)
    →有馬記念(GI)、菊花賞(GI)、京都大賞典(GII)、阪神大賞典(GII)、神戸新聞杯(GII)、きさらぎ賞(GIII)ほか
  28. ヴィブロス(2013.4.9)
    →秋華賞(GI)、ドバイターフ(UAE・GI)ほか
  29. ディーマジェスティ(2013.3.24)
    →皐月賞(GI)、朝日杯セントライト記念(GII)、共同通信杯(GIII)ほか
  30. シンハライト(2013.4.11)
    →優駿牝馬(GI)、ローズS(GII)、チューリップ賞(GIII)ほか
  31. ジュールポレール(2013.5.2)
    →ヴィクトリアマイル(GI)ほか
  32. Fierce Impact(2014.3.6)
    →マカイビーディーヴァS(豪GI)、カンターラS(豪GI)、トゥーラクH(豪GI)、サマーC(豪GIII)ほか
  33. アルアイン(2014.5.1)
    →皐月賞(GI)、大阪杯(GI)、毎日杯(GIII)ほか
  34. サトノアレス(2014.2.25)
    →朝日杯フューチュリティS(GI)ほか
  35. アンジュデジール(2014.5.1)
    →JBCレディスクラシック(JpnI)、エンプレス杯(JpnII)、マリーンC(JpnIII)、スパーキングレディーC(JpnIII)ほか
  36. ワグネリアン(2015.2.10)
    →東京優駿(GI)、神戸新聞杯(GII)、東京スポーツ杯2歳S(GIII)ほか
  37. フィエールマン(2015.1.20)
    →菊花賞(GI)、天皇賞・春(GI)2回ほか
  38. グローリーヴェイズ(2015.3.2)
    →香港ヴァーズ(GI)2回、京都大賞典(GII)、日経新春杯(GII)ほか
  39. ケイアイノーテック(2015.4.7)
    →NHKマイルカップ(GI)ほか
  40. ダノンプレミアム(2015.4.3)
    →朝日杯フューチュリティS(GI)、マイラーズC(GII)、金鯱賞(GII)、弥生賞(GII)、サウジアラビアロイヤルC(GIII)ほか
  41. Saxon Warrior(2015.1.26)
    →英2000ギニー(GI)、レーシングポストT(英GI)、ベレスフォードS(愛GII)ほか
  42. Study of Man(2015.4.9)
    →ジョッケクルブ賞(仏GI)、グレフュール賞(仏GII)ほか
  43. ロジャーバローズ(2016.1.24)
    →東京優駿(GI)ほか
  44. グランアレグリア(2016.1.24)
    →桜花賞(GI)、安田記念(GI)、マイルチャンピオンシップ(GI)2回、スプリンターズS(GI)、ヴィクトリアマイル(GI)、阪神C(GII)、サウジアラビアRC(GIII)ほか
  45. ダノンファンタジー(2016.1.30)
    →阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)、スワンS(GII)、阪神C(GII)、ローズS(GII)、チューリップ賞(GII)、ファンタジーS(GIII)ほか
  46. ラヴズオンリーユー(2016.3.26)
    →優駿牝馬(GI)、香港カップ(GI)、ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ(米GI)、クイーンエリザベス2世カップ(香GI)、京都記念(GII)ほか
  47. ワールドプレミア(2016.2.1)
    →菊花賞(GI)、天皇賞・春(GI)ほか
  48. ダノンキングリー(2016.3.25)
    →安田記念(GI)、中山記念(GII)、毎日王冠(GII)、共同通信杯(GIII)ほか
  49. コントレイル(2017.4.1)
    →ホープフルS(GI)、東京優駿(GI)、ジャパンカップ(GI)、皐月賞(GI)、菊花賞(GI)、神戸新聞杯(GII)、東京スポーツ杯2歳S(GIII)ほか
  50. レイパパレ(2017.1.28)
    →大阪杯(GI)、チャレンジC(GIII)ほか
  51. ポタジェ(2017.2.4)
    →大阪杯(GI)ほか
  52. Fancy Blue(2017.2.2)
    →ディアヌ賞(仏GI)、英ナッソーS(GI)ほか
  53. シャフリヤール(2018.4.13)
    →東京優駿(GI)、ドバイシーマクラシック(UAE・GI)、毎日杯(GIII)ほか
  54. アカイトリノムスメ(2018.4.16)
    →秋華賞(GI)、クイーンC(GIII)ほか
  55. Snowfall(2018.2.9)
    →英オークス(GI)、愛オークス(GI)、ヨークシャーオークス(英GI)ほか
  56. Glint of Hope(2018.8.20)
    →オーストラレシアンオークス(豪GI)ほか
  57. Profondo(2018.9.28)
    →スプリングチャンピオンS(豪GI)ほか
  58. アスクビクターモア(2019.4.1)
    →菊花賞(GI)、弥生賞ディープインパクト記念(GII)ほか
  59. ジャスティンパレス(2019.4.12)
    →天皇賞・春(GI)、阪神大賞典(GII)、神戸新聞杯(GII)ほか
  60. キラーアビリティ(2019.1.27)
    →ホープフルS(GI)、中日新聞杯(GIII)ほか
  61. Auguste Rodin(2020.1.26)
    →英ダービー(GI)、愛ダービー(GI)、ブリーダーズカップ・ターフ(米GI)、プリンスオブウェールズS(英GI)、愛チャンピオンS(GI)、フューチュリティトロフィS(英GI)、ゴールデンフリースS(愛GII)ほか

初年度である2008年生まれ世代から最終世代となる2020年生まれ世代まで13世代すべてでGI勝ち馬を送り込んだのは「サスガ」のひとこと。なお13世代の内、GI勝ち馬を最も多く輩出している世代は2年度の2009年生まれ世代と4年度の2011年生まれ世代の「7頭」です。ただ、こと平地GI勝ち馬ということであれば、最多は2011年生まれ世代となり、0の理論的にはディープインパクトが8歳時交配のミニモの遺伝を受けた世代です。

ともあれ、種牡馬ディープインパクトが凄みを見せたのは、最終世代となる2020年生まれ世代12頭の内の1頭がAuguste Rodinであることでしょう。英ダービー、愛ダービー、ブリーダーズカップ・ターフ、プリンスオブウェールズS、愛チャンピオンS、フューチュリティトロフィSというGI勝利の並びを見ますと本物の名馬であることが伺えます。

[ディープインパクト(2002.3.25)の主な競走成績]

  1. 東京優駿(GI)、ジャパンカップ(GI)、有馬記念(GI)、皐月賞(GI)、菊花賞(GI)、天皇賞・春(GI)、宝塚記念(GI)、阪神大賞典(GII)、神戸新聞杯(GII)、弥生賞(GII)
  2. 有馬記念(GI)

通算14戦12勝、2着1回。

*

という訳で、

平成の首位種牡馬を辿る
馬名
(生年月日)
[F No.]
母の
何番仔?
4代血統構成
母父 祖母父 曾祖母父
1989 ミルジヨージ
(1975.4.12)

[6-b]
3番仔?
(2連産目?)
Mill Reef
(Never Bend系)
Ragusa
(Ribot系)
Grey Sovereign
(Nasrullah系)
Fairey Fulmar
(Fair Trial系)
1990

1992
ノーザンテースト
(1971.3.15)
[14-c]
4番仔?
(2連産目?)
Northern Dancer
(Nearctic系)
Victoria Park
(Teddy系)
Hyperion
(Gainsborough系)
Abbots Trace
(Rock Sand系)
1993 リアルシヤダイ
(1979.5.27)

[2-c]
2番仔? Roberto
(Hail to Reason系)
In Reality
(Intent系)
Moslem Chief
(Hyperion系)
Alsab
(Himyar系)
1994 トニービン
(1983.4.7)

[19-b]
5番仔? カンパラ
(ゼダーン系)
Hornbeam
(Hyperion系)
Preciptic
(Hurry On系)
Fair Trial
(Fairway系)
1995

2007
サンデーサイレンス
(1986.3.25)

[3-e]
血統登録された初めての仔 Halo
(Hail to Reason系)
Understanding
(Teddy系)
Montparnasse
(Hyperion系)
Hillary
(Khaled系)
2008 アグネスタキオン
(1998.4.13)

[1-l]
5番仔
(4連産目)
サンデーサイレンス
(Halo系)
ロイヤルスキー
(Bold Ruler系)
リマンド
(Alycidon系)
Sallymount
(Owen Tudor系)
2009 マンハッタンカフェ
(1998.3.5)

[16-c]
5番仔
(流産後)
サンデーサイレンス
(Halo系)
Law Society
(Ribot系)
Luciano
(Owen Tudor系)
Ticino
(Sterling系)
2010

2011
キングカメハメハ
(2001.3.20)

[22-d]
4番仔
(3連産目)
Kingmambo
(Mr. Prospector系)
ラストタイクーン
(Northern Dancer系)
Blakeney
(Djebel系)
Green Dancer
(Nijinsky系)
2012

2018
ディープインパクト
(2002.3.25)
[2-f]
7番仔
(7連産目)
サンデーサイレンス
(Halo系)
Alzao
(Lyphard系)
Busted
(Blenheim系)
Queen’s Hussar
(Fairway系)

と、辿って参りました「平成の首位種牡馬を辿る」ですが今回のディープインパクトを以て、終了です。短期集中企画、お付き合いいただき、有り難うございました。皆様、どうぞ良い改元を。

 

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

平成の首位種牡馬を辿る(其の壱)-ミルジョージ(1975.4.12)-
ミルジョージ(Mill George) 牡 鹿毛 1975.4.12生~2007.10.19没 米国・Warnerton Farms生産 馬主・中村和夫氏 米国・A. Thomas Doyle厩舎
平成の首位種牡馬を辿る(其の弐)-ノーザンテースト(1971.3.15)-
ノーザンテースト(Northern Taste) 牡 栗毛 1971.3.15生~2004.12.11没 加国・E. P. Taylor生産 馬主・吉田善哉氏 仏国・John Cunnington, Jr.厩舎
平成の首位種牡馬を辿る(其の参)-リアルシヤダイ(1979.5.27)-
リアルシヤダイ(Real Shadai) 牡 黒鹿毛 1979.5.27生~2004.5.26没 米国・North Ridge Farm生産 馬主・吉田善哉氏 仏国・John Cunnington, Jr.厩舎
平成の首位種牡馬を辿る(其の肆)-トニービン(1983.4.7)-
トニービン(Tony Bin) 牡 鹿毛 1983.4.7生~2000.3.10没 愛国・P. J. B. O'Callaghan生産 馬主・Allevamento White Star 伊国・Luigi Camici厩舎
平成の首位種牡馬を辿る(其の伍)-サンデーサイレンス(1986.3.25)-
サンデーサイレンス(Sunday Silence) 牡 青鹿毛 1986.3.25生~2002.8.19没 米国・Oak Cliff Thoroughbreds, Ltd. 生産 馬主・Gaillard-Hancock III-Whittingham & 吉田善哉氏 米国・Charles E. Whittingham厩舎
平成の首位種牡馬を辿る(其の陸)-アグネスタキオン(1998.4.13)-
アグネスタキオン 牡 栗毛 1998.4.13生~2009.6.22没 千歳・社台ファーム生産 馬主・渡辺孝男氏 栗東・長浜博之厩舎
平成の首位種牡馬を辿る(其の漆)-マンハッタンカフェ(1998.3.5)-
マンハッタンカフェ(Manhattan Cafe) 牡 青鹿毛 1998.3.5生~2015.8.14没 千歳・社台ファーム生産 馬主・西川清氏 美浦・小島太厩舎
平成の首位種牡馬を辿る(其の捌)-キングカメハメハ(2001.3.20)-
キングカメハメハ 牡 鹿毛 2001.3.20生 早来・ノーザンファーム生産 馬主・金子真人氏 栗東・松田国英厩舎

#2025年04月30日(水)初出、2025年08月16日(土)記事改め。

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