Lambourn(ランボーン。2022.4.24)-第246回英ダービー(GI)の勝ち馬-

Result

Lambourn(ランボーン) 牡 鹿毛 2022.4.24生 愛国・Coolmore生産 馬主・Mrs John Magnier & Michael Tabor & Derrick Smith 愛国・A P O’Brien厩舎

Lambourn(2022.4.24)の4代血統表
Australia
栗毛 2011.4.8
種付け時活性値:0.50【10】
Galileo
鹿毛 1998.3.30
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
Northern Dancer 1961.5.27
Fairy Bridge 1975.5.4
Urban Sea
栗毛 1989.2.18
Miswaki 1978.2.22
Allegretta 1978.3.10
Ouija Board
黒鹿毛 2001.3.6
Cape Cross
黒鹿毛 1994.3.13
Green Desert 1983.4.16
Park Appeal 1982.4.9
Selection Board
鹿毛 1982.4.21
Welsh Pageant 1966.4.3
Ouija 1971
Gossamer Wings
黒鹿毛 2016.5.14
仔受胎時活性値:1.25【5】
Scat Daddy
黒鹿毛 2004.5.11
種付け時活性値:0.75【11】
ヨハネスブルグ
鹿毛 1999.2.23
ヘネシー 1993.3.25
Myth 1993.2.26
Love Style
栗毛 1999.3.22
Mr. Prospector 1970.1.28
Likeable Style 1990.1.30
Lavender Baby
芦毛 1999.4.2
仔受胎時活性値:2.00(0.00)【16】
Rubiano
芦毛 1987.3.26
種付け時活性値:0.75【11】
Fappiano 1977.5.19
Ruby Slippers 1982.3.18
Mighty Milk
芦毛 1986.2.22
仔受胎時活性値:1.00【12】
Hero’s Honor
鹿毛 1980.4.28
種付け時活性値:1.25【5】
Hot Milk
芦毛 1981.4.9
仔受胎時活性値:1.00【4】

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×5、Mr. Prospector4×5×5、Nijinsky5×5(母方)>

Lambourn(2022.4.24)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Australia
(Galileo系)
Scat Daddy
(Storm Cat系)
Rubiano
(Mr. Prospector系)
Hero’s Honor
(Northern Dancer系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Hero’s Honor
(Mighty Milk)
5.25 or 3.25
(【5】+【16】+【12】+【4】)
伯母が米GIII勝ち馬
(No. 7-f)
2番仔
(2連産目)

*

2025年の第246回英ダービー(GI。エプソムダウンズ芝12F6y) 1m4f)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 5 Lambourn 牡3 58.1 Wayne Lordan 2:38.50 A P O’Brien 3
2 6 Lazy Griff 牡3 58.1 Christophe Soumillon 3 3/4 Charlie Johnston 12
3 16 Tennessee Stud 牡3 58.1 Dylan Browne McMonagle 1 Joseph Patrick O’Brien 8
4 8 New Ground 牡3 58.1 Alexis Pouchin クビ H-F Devin 12
5 15 Stanhope Gardens 牡3 58.1 Hector Crouch クビ Ralph Beckett 6
僚友たちの影に隠れていたランボーン、英ダービーでスポットライトを奪う | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト
第246回英ダービー(3歳、セン馬不可、芝12ハロン)が現地7日にエプソム競馬場で行われ、W.ローダン騎乗の3番人気ランボーンがゲートを決めてハナを主張すると、道中3番手から追いすがるレイジーグリフ

気が付けば弊サイトで紹介する当年の英ダービー勝ち馬も10頭目。Harzand(2013.3.6)Wings of Eagles(2014.3.17)Masar(2015.4.16)Anthony Van Dyck(2016.5.19)Serpentine(2017.3.20)アダイヤー(2018.3.31)Desert Crown(2019.3.2)Auguste Rodin(2020.1.26)City of Troy(2021.3.7)に続いての紹介となったのはLambourn。

前走5月のチェスターヴァーズ(英GIII)を制してやって来た「別路線からの挑戦者」であったLambourn。英2000ギニー(GI)馬Ruling Court(2022.2.8)が馬場悪化を理由にスクラッチして18頭立てとなった一戦、逃げの手に出たLambournとウェイン・ローダン騎手。ローダン騎手にとっては前日の英オークス(GI)に続いてエプソムダウンズ芝12ハロン6ヤードの逃げとなった訳ですが、前日のレースが良い予行演習となったのでしょうか。マイペースで逃げた馬人、タッテナムコーナーを回ってからの直線3ハロンでもまったく脚色は衰えず。道中内ラチ沿いの3、4番手に構えていたLazy Griff(2022.2.6)が迫ろうとしたものの、前との差は縮まらず。終わってみれば3と4分の3馬身差、濃紺の帽子に濃紺の勝負服を背にした鹿毛の流星Lambourn、鮮やかな逃げ切り勝ちを決めて第246代の英ダービー馬の栄誉を蹄中に収めたという結末でした。

Lambournは祖父Galileo、父Australiaに続いて父仔3代の英ダービー制覇を果たしました。「英ダービー 歴代勝ち馬【おうまのアイコン wire-to-wire】」の記事を参考に、父仔3代英ダービー馬たちを確認してみますと、

父仔3代英ダービー馬たち
No. 1代目(生年月日) 2代目(生年月日) 3代目(生年月日)
1 Waxy(1790)★ Whalebone(1807)★ Lap-dog(1823)
2 Waxy(1790)★ Whalebone(1807)★ Spaniel(1828)
3 Bay Middleton(1833)★ The Flying Dutchman(1846.2.27) Ellington(1853)
4 Doncaster(1870) Bend Or(1877) Ormonde(1883.3.18)
5 Gainsborough(1915.1.24)★ Hyperion(1930.4.18) Owen Tudor(1938)
6 Mill Reef(1968.2.23) Shirley Heights(1975.3.1) Slip Anchor(1982.4.5)
7 Galileo(1998.3.30) New Approach(2005.2.18) Masar(2015.4.16)
8 Galileo(1998.3.30) Australia(2011.4.8) Lambourn(2022.4.24)

本稿の主役であるLambournは8組目の父仔3代の英ダービー制覇の模様。そうして約200年(!!)の時を経て祖父GalileoはWaxy以来史上2頭目となる2頭の父仔3代英ダービー馬の祖父となり、2代目が異なる祖父として史上初めて父仔3代英ダービー馬の祖父となりました。分かり辛い表現で恐縮ですが上表のNo. 1とNo. 2の3代目であるLap-dogとSpanielは母Canopus mare(1812)の全兄弟ですから、祖父も父も同じ組み合わせになるのですよね^^;

英ダービー 歴代勝ち馬【おうまのアイコン wire-to-wire】
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父系についてもう少しお話をしますと、Lambournの父であるAustraliaは父Galileo、母Ouija Boardという「父が英ダービー1着馬×母が英オークス1位入線1着馬」という組み合わせから生み出された、史上初めての英ダービー馬でした。Australiaの父Galileoは21世紀最初の英ダービー、愛ダービー(GI)、”キング・ジョージ”(英GI)勝ち馬であり、”キング・ジョージ”まで6戦無敗で駆け抜けたワンダーホースとして私の記憶に深く刻み込まれた馬。Australiaの母Ouija Boardは英オークス(GI)、愛オークス(GI)、プリンスオブウェールズS(英GI)、香港ヴァーズ(GI)、ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ(米GI)2回、英ナッソーS(GI)とGIレース7勝の名牝。そしてまた2005年のジャパンカップ(GI)5着、2006年のジャパンカップ3着と2年連続で来日を果たしてくれたことにより、やはり私の記憶に深く刻み込まれた馬。そうしてGalileoとOuija Boardの愛の結晶となったAustralia。英ダービー、愛ダービー、英インターナショナルS(GI)とGI3勝を遂げた栗毛の超々良血馬。その血筋の良さを改めて見せ付けた、Lambournによる父仔3代の英ダービー制覇でした。

Galileo(1998.3.30)
Galileo(ガリレオ) 牡 鹿毛 1998.3.30生~2021.7.10没 愛国・D Tsui and Orpendale生産 馬主・Mrs John Magnier & Michael Tabor 愛国・A P O'Brien厩舎
カルティエ賞年度代表馬を辿る(其の拾肆)-Ouija Board(2001.3.6)-
Ouija Board(ウィジャボード) 牝 黒鹿毛 2001.3.6生 英国・Stanley Estate & Stud Co. 生産 馬主・Lord Derby 英国・Edward A. L. Dunlop厩舎
Australia(2011.4.8)。
Australia 牡 栗毛 2011.4.8生 英国・スタンリーハウススタッド生産 馬主・D.スミス氏ほか 愛国・A.P.オブライエン厩舎Australia(2011.4.8)の4代血統表Galileo鹿毛 1998.3.30種付け時活性...

では、以下にLambournの簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。

Mighty Milk 1986.2.22 5勝
|Lavender Baby 1999.4.2 8勝
||Baby J 2010.3.6 4勝 ヴィクトリーライドS(米GIII)ほか
||Childhood 2014.4.20 2勝
|||Infancy 2020.8.9 現役 サファイアS(豪GII)
||Gossamer Wings 2016.5.14 1勝 クイーンメアリーS(英GII)2着 フライングチルダーズS(英GII)3着
|||Lambourn 2022.4.24 (本馬) 英ダービー(GI) チェスターヴァーズ(英GIII)

Lambournの牝系は7号族f分枝系。従姉Infancyが今年2025年4月12日に豪州のサファイアSを制した後、Lambournが5月7日にに英国のチェスターヴァーズ、そして6月7日に英ダービーを勝利しました。2ヶ月足らずの間に2頭でグループレースを3勝。半球の南北を越えて、同一牝系馬の連動する活躍を見せたというところでした。

 英ダービー3連覇で通算11勝目としたオブライエン師は、英競馬メディア『racingtv.com』のインタビューに「ウェイン(ローダン騎手)が信じられないような騎乗をしてくれた。彼は極めて勤勉な素晴らしい仲間だからうれしいよ」と殊勲のローダン騎手を祝福。そしてオーストラリア、その父ガリレオと手がけた馬での三代ダービー制覇を喜ぶと「彼は愛ダービー向きの馬だと思うが、もっと距離ももつだろう。彼は凄く素直だからね」と、英セントレジャーを見据えるような発言もしている。

僚友たちの影に隠れていたランボーン、英ダービーでスポットライトを奪う | JRA-VAN World – 海外競馬情報サイト

Lambourn、英ダービー馬として次に向かう舞台は父Australia、父父Galileo、父母Ouija Boardが制したカラ芝12ハロンの舞台の模様。そうして、その先にあるのは世界最古のクラシックレースになるのでしょうか。名伯楽エイダン・パトリック・オブライエン調教師が手掛けられた11頭目(!!)の英ダービー馬Lambourn、優駿の未来を楽しみにしたいと思います。

 

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

#オブライエン師が手掛けられた英ダービー馬11頭。Galileo、High Chaparral(1999.3.1)、Camelot(2009.3.5)、Ruler of the World(2010.3.17)、Australia、Wings of Eagles、Anthony Van Dyck、Serpentine、Auguste Rodin、City of Troy、そしてLambournの面々です。

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