第239回英ダービー(GI)の勝ち馬-Masar(2015.4.16)-

Result

Masar 牡 栗毛 2015.4.16生 愛国・Godolphin生産 馬主・Godolphin 英国・Charlie Appleby厩舎

Masar(2015.4.16)の4代血統表
New Approach
栗毛 2005.2.18
種付け時活性値:0.25
Galileo
鹿毛 1998.3.30
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
Northern Dancer 1961.5.27
Fairy Bridge 1975.5.4
Urban Sea
栗毛 1989.2.18 ♀
Miswaki 1978.2.22
Allegretta 1978.3.10
Park Express
黒鹿毛 1983.3.25
Ahonoora
栗毛 1975.4.12
▲Lorenzaccio 1965.2.23
Helen Nichols 1966
Matcher
黒鹿毛 1966
Match 1958
Lachine 1960
Khawlah
鹿毛 2008.1.10
仔受胎時活性値:1.50
Cape Cross
黒鹿毛 1994.3.13
種付け時活性値:1.25
Green Desert
鹿毛 1983.4.16
Danzig 1977.2.12
Foreign Courier 1979.4.11
Park Appeal
黒鹿毛 1982.4.9
Ahonoora 1975.4.12
Balidaress 1973.4.22
Villarrica
栗毛 2002.2.24
仔受胎時活性値:1.25
Selkirk
栗毛 1988.2.19
種付け時活性値:1.25
Sharpen Up 1969.3.17
Annie Edge 1980.3.24
Melikah
栗毛 1997.3.17
仔受胎時活性値:1.00
ラムタラ
栗毛 1992.2.2
種付け時活性値:1.00
Urban Sea
栗毛 1989.2.18 ♀
仔受胎時活性値:1.75

<5代血統表内のクロス:Ahonoora3×4、Urban Sea(♀)3×4、Northern Dancer4×5>

Masar(2015.4.16)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
New Approach
(Sadler’s Wells系)
Cape Cross
(Danzig系)
Selkirk
(エタン系)
ラムタラ
(Nijinsky系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Cape Cross
(Ahonoora)
5.50 母がUAE・Gレース2勝
(No. 9-h)
2番仔?
(2連産目?)

*

2018年の第239回英ダービー(GI。エプソムダウンズ芝12F6y)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 10 Masar 牡3 57.2 William Buick 2:34.93 Charlie Appleby 6
2 6 Dee Ex Bee 牡3 57.2 Silvestre De Sousa 1 1/2 Mark Johnston 9
3 5 Roaring Lion 牡3 57.2 Oisin Murphy 1/2 John Gosden 2
4 1 Saxon Warrior(JPN) 牡3 57.2 Ryan Moore 2 1/2 A P O’Brien 1
5 3 Hazapour 牡3 57.2 Frankie Dettori 2 1/2 D K Weld 4

2018年の第239回英ダービー。「ダービー馬はダービー馬から」の格言を地で行ったのは、2001年の第222回を制した祖父Galileo、2008年の第229回を制した父New Approachに続いて父仔3代の英ダービー制覇を遂げたMasar。前走第210回英2000ギニー(GI)1番人気3着からの巻き返し、欧州血統の底力をエプソムダウンズ芝12F6yで見せ付けました。サスガに伊達や酔狂でクレイヴンS(英GIII)において9馬身差の圧勝を収めていた訳ではありません。本邦期待のSaxon Warrior(2015.1.26)は4着に敗れましたが、それでもMasarの父New Approachがシンコウフォレスト(1993.4.29)の半弟、曾祖母父がラムタラと、日本に縁がある血の勝利でもありました。

Masarの鞍上であるウィリアム・ビュイック騎手。Jack Hobbs(2012.3.2)を応援していた私は、その鞍上を務められたビュイック騎手も気になる存在となり、欧州を主戦場とする騎手では活躍が嬉しくなる騎手のひとりです。そんなビュイック騎手と共に、管理されるチャーリー・アップルビー調教師、馬主であるゴドルフィン、いずれも英ダービー初制覇と相成りました。アップルビー師はゴドルフィン専属の調教師であり、昨年2017年の第57回サンタラリ賞(仏GI)を制したSobetsu(2014.3.1)、今年2018年の第21回ドバイシーマクラシックを制したHawkbill(2013.3.6)、第12回アルクォズスプリント(UAE・GI)を制したJungle Cat(2012.4.5)等の調教師としても知られています。そして、馬主のゴドルフィン。ロイヤルブルーの勝負服、世界中のGIを勝ちまくっていますが、遂に宿願を果たした、というところでしょう。皆様、おめでとうございました。

さて、Masarの配合の特徴は、Ahonoora3×4のクロス、Urban Sea3×4の牝馬クロスでしょう。欧州のTourbillon(1928)系を21世紀まで伝える原動力となった名種牡馬Ahonoora。最初期の代表産駒であるPark ExpressとPark Appeal。共にGI勝ち馬で、産駒もGI勝ち馬となる優れた牝馬でしたが、名前も「Park」で始まるどうしで、よく混同してしまいます^^;。前者のPark Expressは第11回フィーニクスチャンピオンS(現愛チャンピオンS、GI)、ナッソーS(当時英GII、現英GI)、ランカシャーオークス(当時英GIII、現英GII)を制してシンコウフォレスト、New Approachの母となりました。後者のPark Appealは第86回チェバリーパークS(英GI)、第15回モイグレアスタッドS(愛GI)を制してCape Crossの母となりました。2頭はMasarの血統表の中で出会い、Ahonoora3×4のクロスを生み出しました。そして、Urban Sea。言わずもがなの第72代凱旋門賞(仏GI)馬にして稀代の名繁殖牝馬。現代の欧州血統に深く入り込み、強い影響力を発揮しています。

では、以下にMasarのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。敢えて曾祖母からの分枝としておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。

Melikah 1997.3.17 1勝 愛オークス(GI)2着 英オークス(GI)3着
|Villarrica 2002.2.24 2勝
||Khawlah 2008.1.10 3勝 UAEダービー(GII) UAEオークス(GIII)ほか
|||Masar 2015.4.16 (本馬) 英ダービー(GI) クレイヴンS(英GIII) ソラリオS(英GIII)ほか
||Vancouverite 2010.3.2 6勝 ギョームドルナーノ賞(仏GII)ほか
|Masterstroke 2009.4.24 4勝 ドーヴィル大賞(仏GII)ほか
|Hidden Gold 2011.4.25 6勝 リリーラングトリーS(英GIII)2着 ロンズデールS(英GII)3着
|Moonlight Magic 2013.3.24 メルドS(愛GIII) デリンズタウンスタッドダービートライアル(愛GIII)ほか

欧米で継承されている9号族h分枝系。Masarの高祖母Urban Seaからの分枝ですと、 Urban SeaのGI勝ち産駒だけでGalileo、Black Sam Bellamy(1999.4.21)、My Typhoon(2002.5.7)、そしてSea The Stars(2006.4.6)と、目もくらむようなピッカピカのラインナップとなります。当世きっての名牝系と言えますでしょう。また、曾祖母Melikahはその父ラムタラの初年度産駒でもあります。何を付けても超良血と言われたであろうUrban Seaの仔ですが「父凱旋門賞馬×母凱旋門賞馬」というのは、おいそれと見られる訳ではありませんね^^;

父仔3代の英ダービー制覇を遂げ、関わる人たちに英ダービー初制覇をプレゼントしたMasar。栗毛の流星、ロイヤルブルーの勝負服、緑のターフに映えてMasar。これからも活躍を見せ続けて欲しいものです。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

<参考WEB>

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