第1回ジ・エベレストの勝ち馬

Redzel せん 鹿毛 2012.9.19生 豪州・Mr. LJ Fleming生産 馬主・Triple Crown Syndicate, Walfam No 2 Et Al 豪州・Peter & Paul Snowden厩舎

Redzel(2012.9.19)の4代血統表
スニッツェル(AUS)
鹿毛 2002.8.24
種付け時活性値:0.25
Redoute’s Choice
鹿毛 1996.8.15
デインヒル
鹿毛 1986.3.26
Danzig 1977.2.12
Razyana 1981.4.18
Shantha’s Choice
鹿毛 1992.10.28
Canny Lad 1987.9.1
Dancing Show 1983.3.19
Snippets’ Lass
鹿毛 1993.9.16
★Snippets
鹿毛 1984.11.1
Lunchtime 1970
Easy Date 1977.10.12
Snow Finch
鹿毛 1984.4.21
Storm Bird 1978.4.19
A Realgirl 1976.3.22
Millrich(AUS)
黒鹿毛 1992.8.14
仔受胎時活性値:0.75

Rubiton(AUS)
黒鹿毛 1983.10.18
種付け時活性値:0.00
Century
黒鹿毛 1969
Better Boy 1951
Royal Suite 1960
Ruby
鹿毛 1977.8.19
Seventh Hussar 1966
Briar’s Toddy 1971
Mill Rani(AUS)
鹿毛 1981.9.20
仔受胎時活性値:0.50
Millionaire(IRE)
鹿毛 1974
種付け時活性値:1.625
Mill Reef 1968.2.23
State Pension 1967
Sana Rani(NZ)
鹿毛 1969
仔受胎時活性値:0.50
Pakistan II(GB)
栗毛 1958
種付け時活性値:0.625
Skewe(NZ)
鹿毛 1950
仔受胎時活性値:0.50

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×5>

Redzel(2012.9.19)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
スニッツェル
(デインヒル系)
Rubiton
(My Babu系)
Millionaire
(Mill Reef系)
Pakistan II
(Fair Trial系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Millionaire
(Life Sentence)
2.50 母が豪GIII勝ち馬
(No. 27)
9番仔?

*

第1回ジ・エベレスト(ランドウィック芝1200m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 3 Redzel せん5 58.5 Kerrin McEvoy 1:08.36 Peter & Paul Snowden 4
2 2 Vega Magic せん5 58.5 Craig A Williams 3/4 David A & B Hayes & Tom Dabernig 1
3 8 ブレイブスマッシュ 牡5 58.5 Jamie Spencer アタマ Darren Weir 10
4 1 Chautauqua せん7 58.5 Brenton Avdulla 1/2 Michael, Wayne & John Hawkes 3
5 12 Tulip 牝3 51 Timothy Clark 1 David A & B Hayes & Tom Dabernig 11

2017年の第1回ジ・エベレスト。芝の世界最高賞金レース、その初回を制したのは、今年2017年のドゥームベン10000(豪GI)勝ち馬でもあったRedzel。好発から終始先行2番手、直線も力強く抜け出すと、後はRedzelとケリン・マカヴァイ騎手の世界。そんなRedzelを、直線半ばから必死に追い掛けたのは、本邦生まれのブレイブスマッシュ(2013.3.22)。英国首位騎手2回の名手ジェイミー・スペンサー騎手の鼓舞に応え、めちゃくちゃ頑張りましたが、最後はVega Magic(2012.9.26)とクレイグ・ウィリアムズ騎手に僅かに差されて3着まで。それでも勝ち馬のRedzelから4分の3馬身とアタマ差まで詰め寄ったのですから、ブレイブスマッシュ、大したもの。本当にお疲れ様でした。

0の理論的には不思議な符牒のようにも感じますが、Redzelの最優性先祖は祖母父Millionaireと判断しました。ええ、大富豪や百万長者という意味の「ミリオネア」ですね。Millionaireは現役時代に4勝を挙げ、その主な勝ち鞍にクイーンズヴァーズ(当時英GIII。現英GII)があります。Mill Reefの仔、芝16Fのグループレース勝ちという長距離砲でした。Millionaire、種牡馬として豪州に送り込まれたようですが、私が確認できる範囲では、活躍馬は見当たりませんでした。そんなMillionaireですが、日本にも縁がある血統であり、母State Pension、すなわちカンパラ(1976.2.19)の半兄でもあります。カンパラ、言わずもがなで、トニービン(1983.4.7)の父。

Redzelの血統を、もっと素直に確認すると、Redzelは父がスニッツェルです。スニッツェル、カタカナ表記のとおり、日本で種牡馬供用実績もある豪州のスプリントGI勝ち馬。スニッツェルが制した2006年のオークレイプレート(豪GI)は、3着にTakeover Target(1999.9.27)の姿が見えます。ええ、2006年の第40回スプリンターズS(GI)を1番人気で制したテイクオーバーターゲットですね。

さて、スニッツェルが種牡馬としての本領を発揮している豪州繋養時の代表産駒には、

  1. Hot Snitzel(2008.10.15)
    →BTCカップ(豪GI)ほか
  2. Sizzling(2009.8.27)
    →ザ・T.J.スミス(豪GI)ほか
  3. Snitzerland(2009.9.7)
    →ライトニングS(豪GI)ほか
  4. Shamus Award(2010.10.28)
    →コックスプレート(豪GI)、オーストラリアンギニー(GI)ほか
  5. Sweet Idea(2010.9.22)
    →ザ・ギャラクシー(豪GI)ほか
  6. Wandjina(2011.9.2)
    →オーストラリアンギニーほか
  7. Redzel(2012.9.19)
    →ドゥームベン10000ほか。本稿の紹介馬
  8. Russian Revolution(2013.10.3)
    →ザ・ギャラクシーほか
  9. Invader(2014.10.1)
    →サイアーズプロデュースS(豪GI)ほか
  10. Trapeze Artist(2014.9.17)
    →ゴールデンローズS(豪GI)ほか

等を始めとして、多くのグループレース勝ち馬を送り込んでいます。なお、代表産駒と共に示したGIレースのレース名および格付けは、いずれも施行当時のものです。また、スニッツェルの日本での代表産駒は、ヤングマンパワー(2012.4.14)。富士S(GIII)、関屋記念(GIII)、アーリントンC(GIII)とマイル重賞3勝を挙げる現役馬、クビの高い走法と青いシャドーロールでおなじみですね。

併せて、Redzelは「父スニッツェル×母父Rubiton」という組み合わせから、いわゆる「Phalaris系×Tourbillon系」というマルセル・ブサックのニックスです。近年、日本でも「父ステイゴールド×母父メジロマックイーン」の組み合わせからドリームジャーニー(2004.2.24)&オルフェーヴル(2008.5.14)兄弟、ゴールドシップ(2009.3.6)というド級の馬たちが現れましたが、今一度、異系を配する意味を考えさせられます。ちなみに、ホーリックス(1983.10.7)ベタールースンアップ(1985.8.29)という南半球からやって来た2頭のジャパンカップ(GI)勝ち馬も、「Phalaris系×Tourbillon系」のニックスから生まれた名馬です。最後に、Redzelの母父Rubitonは、現役時代に10勝を挙げ、その主な勝ち鞍にコックスプレート、マッキノンS(豪GI)、アンダーウッドS(豪GI)、フューチュリティS(豪GI)がある1980年代の豪州の名馬。第23回ジャパンカップにも出走したFields of Omagh(1997.9.22)を始めとして、多くの活躍馬を送り込んだ名種牡馬でもありました。その功績から、豪州ではRubitonの名前を冠したルビトンSというGIIレースが毎年2月に行われています。

*

1着賞金5,800,000豪ドル、日本円に直すとおよそ5億1千万円を荒稼ぎしたRedzel。ジ・エベレストの勝利を以て5連勝とした、現在の強さと速さは本物なのでしょう。Redzel、芝の世界最高賞金レースの初代王者として、これからの走りにも期待したいと思います。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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