日本に輸入された凱旋門賞馬を辿る(其の捌)-バゴ(2001.2.3)&ワークフォース(2007.3.14)-

Special feature

バゴ(Bago) 牡 黒鹿毛 2001.2.3生 仏国・Famille Niarchos生産 馬主・Famille Niarchos 仏国・Jonathan E.Pease厩舎

バゴ(2001.2.3)の4代血統表
Nashwan
栗毛 1986.3.1
種付け時活性値:1.50
Blushing Groom
栗毛 1974.4.8
Red God
栗毛 1954.2.15
Nasrullah 1940.3.2
Spring Run 1948
Runaway Bride
鹿毛 1962
Wild Risk 1940
Aimee 1957
Height of Fashion
鹿毛 1979.4.14
Bustino
鹿毛 1971
Busted 1963.3.16
Ship Yard 1963
Highclere
鹿毛 1971.4.9
Queen’s Hussar 1960
Highlight 1958
Moonlight’s Box
鹿毛 1996.2.2
仔受胎時活性値:1.00
Nureyev
鹿毛 1977.5.2
種付け時活性値:0.50
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26 ♀
Special
鹿毛 1969.3.28
Forli 1963.8.10
Thong 1964.4.23
Coup de Genie
鹿毛 1991.5.7
仔受胎時活性値:1.00
Mr. Prospector
鹿毛 1970.1.28
種付け時活性値:1.00
★Raise a Native 1961.4.18
Gold Digger 1962.5.28
Coup de Folie
鹿毛 1982.4.2
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
Halo
黒鹿毛 1969.2.7
種付け時活性値:1.00
Raise the Standard
鹿毛 1978.3.31
仔受胎時活性値:0.75

<5代血統表内のクロス:Natalma(♀)4×5(母方)、Nearco5×5、Native Dancer5×5(母方)>

バゴ(2001.2.3)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Nashwan
(Blushing Groom系)
Nureyev
(Northern Dancer系)
Mr. Prospector
(Raise a Native系)
Halo
(Hail to Reason系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Nashwan
(Height of Fashion)
4.75 or 2.75 半弟が仏GI2勝馬
(No. 2-d)
初仔?

*

2004年の第83回凱旋門賞(仏GI。ロンシャン芝2400m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 14 バゴ 牡3 56 Thierry Gillet 2:25.00 J E Pease 6
2 11 Cherry Mix 牡3 56 Christophe Soumillon 1/2 A Fabre 13
3 20 Ouija Board 牝3 54.5 Johnny Murtagh 1 Ed Dunlop 3
4 13 Acropolis 牡3 56 Jamie Spencer 2 A P O’Brien 18
5 9 North Light 牡3 56 Kieren Fallon 短アタマ Sir Michael Stoute 1

2004年の第83回凱旋門賞を制したのはバゴ。伊達や酔狂でデビュー6連勝は出来るものではない。英インターナショナルS(GI)3着、ニエル賞(仏GII)3着と人気を裏切った後、秋の大一番で復権。同じ2001年生まれ世代の馬たちを退けて見事に戴冠を果たしました。その勝ち時計2分25秒フラットは、第76回を制したパントレセレブル(1994.3.17)の2分24秒6に次ぐ当時史上2位の好時計。バゴ、父Nashwanは出走が叶わなかった凱旋門賞の優勝は、鞍上のティエリ・ジレ騎手、管理されるジョナサン・E.ピーズ調教師にとっても凱旋門賞初勝利となりました。

この第83回には日本からタップダンスシチー(1997.3.16)が出走しましたが、チャーター機のトラブルにより、レース2日前の10月1日に成田空港から飛び立つという強行スケジュール。果敢な挑戦でしたけれど、サスガのタップダンスシチーでも17着に終わりました。

終わらない挑戦/2004年タップダンスシチー凱旋門賞挑戦記 | 競馬コラム - netkeiba
2004年に雑誌「競馬王」に掲載された井内利彰氏による『タップダンスシチー凱旋門賞挑戦記』をnetkeiba.comで完全復刻! 遠征断念から一転して挑戦することになった真実、佐々木晶三調教師、佐藤哲… No.1競馬情報サイト「netkei...

閑話休題。バゴは日本では貴重なBlushing Groom直系の種牡馬として、

  1. ビッグウィーク(2007.3.20)
    →菊花賞(GI)ほか。ビッグウィークの菊花賞制覇により、管理された長浜博之調教師はクラシック牡馬三冠すべてを勝利
  2. クロノジェネシス(2016.3.6)
    →秋華賞(GI)、クイーンC(GIII)ほか
  3. オウケンサクラ(2007.3.31)
    →フラワーC(GIII)ほか。半姉フィーユドゥレーヴ(2001.4.20)と共に、祖母ミルフォードスルー(1988.3.18)、母ランフォザドリーム(1994.4.3)に続く母仔3代のJRA重賞制覇
  4. アクティビューティ(2007.3.1)
    →クイーン賞(JpnIII)ほか
  5. トロワボヌール(2010.3.23)
    →クイーン賞(JpnIII)2回、スパーキングレディーC(JpnIII)ほか
  6. クリスマス(2011.3.4)
    →函館2歳S(GIII)ほか
  7. タガノアザガル(2012.1.23)
    →ファルコンS(GIII)。千田輝彦調教師と松田大作騎手にJRA重賞初制覇をプレゼント
  8. コマノインパルス(2014.4.23)
    →京成杯(GIII)

等を始めとする活躍馬を送り込んでいます。このあたり、サスガに名繁殖系を直牝系に持つ馬らしくもあります。今年2019年はクロノジェネシスのGI勝ちがありましたので、2020年は種付け頭数が伸びるかも知れませんね(^^)

[バゴ(2001.2.3)の主な競走成績]

  1. 凱旋門賞(仏GI)、パリ大賞(仏GI)、ガネー賞(仏GI)、ジャンプラ賞(仏GI)、クリテリウム・アンテルナシオナル(仏GI)、シェーヌ賞(仏GIII)
  2. タタソールズゴールドC(愛GI)
  3. 凱旋門賞(仏GI)、”キング・ジョージ”(英GI)、英インターナショナルS(GI)、サンクルー大賞(仏GI)、ニエル賞(仏GII)

通算16戦8勝、2着1回、3着5回。

バゴ(FR):日本軽種馬協会
日本軽種馬協会:バゴ(FR)のページです。

*

ワークフォース(Workforce) 牡 鹿毛 2007.3.14生 英国・Juddmonte Farms Ltd生産 馬主・K Abdullah 英国・Sir Michael Stoute厩舎

ワークフォース(2007.3.14)の4代血統表
キングズベスト
鹿毛 1997.1.24
種付け時活性値:0.25
Kingmambo
鹿毛 1990.2.19
Mr. Prospector
鹿毛 1970.1.28
★Raise a Native 1961.4.18
Gold Digger 1962.5.28
Miesque
鹿毛 1984.3.14
Nureyev 1977.5.2
Pasadoble 1979.4.1
Allegretta
栗毛 1978.3.10
▲Lombard
栗毛 1967
Agio 1955
Promised Lady 1961
Anatevka
栗毛 1969
▲Espresso 1958
Almyra 1962
Soviet Moon
鹿毛 2001.4.8
仔受胎時活性値:1.25
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
種付け時活性値:0.75
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Fairy Bridge
鹿毛 1975.5.4
Bold Reason 1968.4.8
Special 1969.3.28 ♀
Eva Luna
鹿毛 1992.5.9
仔受胎時活性値:2.00
Alleged
鹿毛 1974.5.4
種付け時活性値:0.25
Hoist the Flag 1968.3.31
Princess Pout 1966.3.29
Media Luna
鹿毛 1981.4.14
仔受胎時活性値:0.50
Star Appeal
鹿毛 1970.5.12
種付け時活性値:0.50
Sounion
鹿毛 1961
仔受胎時活性値:0.75

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer3×5、Special(♀)4×5、Native Dancer5×5>

ワークフォース(2007.3.14)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
キングズベスト
(Mr. Prospector系)
Sadler’s Wells
(Northern Dancer系)
Alleged
(Ribot系)
Star Appeal
(Herbager系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Sadler’s Wells 4.50 祖母が英GII勝ち馬
(No. 14-c)
3番仔?
(3連産目?)

*

2010年の第89回凱旋門賞(仏GI。ロンシャン芝2400m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 13 ワークフォース 牡3 56 Ryan Moore 2:35.30 Sir Michael Stoute 4
2 7 ナカヤマフェスタ 牡4 59.5 蛯名 正義 アタマ 二ノ宮 敬宇 10
3 20 サラフィナ 牝3 54.5 Gerald Mosse 2 1/2 A De Royer-Dupre 6
4 14 ベーカバド 牡3 56 Christophe-Patrice Lemaire 1 1/2 J-C Rouget 1
5 3 Fame And Glory 牡4 59.5 Johnny Murtagh 1 A P O’Brien 2

2010年の第89回凱旋門賞を制したのはワークフォース。2019年現在、日本調教馬が凱旋門賞の戴冠まで最も迫ったのがこの第89回でしたが、決勝点で「アタマ」だけ先んじたのは、当年の第231回英ダービー(GI)を7馬身差かつ2分31秒33のレコードタイムで制していたワークフォース。名伯楽サー・マイケル・スタウト調教師と名手ライアン・ムーア騎手の凱旋門賞初制覇の前に、日本の悲願は露と消えました。

メチャクチャ頑張った2着のナカヤマフェスタ(2006.4.5)。二ノ宮敬宇調教師&蛯名正義騎手のコンビにとっても、第78回においてエルコンドルパサー(1995.3.17)Montjeu(1996.4.4)に「2分の1馬身」敗れた悔しさを晴らしたい一戦でしたが、惜しくも届かず。

世界の壁は高く厚い。けれど、それでも諦めずに挑み続けていれば、いつの日にか叶う日はやって来るはず。そう信じています。

[ワークフォース(2007.3.14)の主な競走成績]

  1. 英ダービー(GI)、凱旋門賞(仏GI)、ブリガディアジェラードS(英GIII)
  2. “キング・ジョージ”(英GI)、エクリプスS(英GI)、ダンテS(英GII)

通算9戦4勝、2着3回。

WORKFORCE | Knockhouse Stud

*

という訳で、

日本に輸入された凱旋門賞馬を辿る
No. 馬名
(生年月日)
[F No.]
母の
何番仔?
[料の遺伝]
4代血統構成
母父 祖母父 曾祖母父
1 セントクレスピン
(1956)

[22-a]
5番仔?
[4.50]
Aureole
(Hyperion系)
★Nearco
(Pharos系)
◆Blandford
(Swynford系)
Farasi
(St. Simon系)
2 プリンスロイヤル
(1961)

[3-h]
2番仔?
(2連産目?)
[4.50]
Ribot
(Rabelais系)
キングスベンチ
(Fairway系)
His Grace
(Blandford系)
Prince Galahad
(St. Simon系)
3 ボンモー
(1963.3.12)

[1-t]
2番仔?
(2連産目?)
[5.25 or 3.25]
Worden
(Rabelais系)
Phil Drake
(Sundridge系)
Djebel
(Tourbillon系)
Nino
(Bend Or系)
4 トピオ
(1964.4.18)

[7-a]
初仔?
[5.00]
Fine Top
(Gainsborough系)
Delirium
(The Boss系)
Admiral Drake
(Sundridge系)
Vatout
(St. Simon系)
5 サンサン
(1969.4.9)

[7-c]
4番仔?
(2連産目?)
[4.50 or 2.50]
Bald Eagle
(Nasrullah系)
Princequillo
(Prince Rose系)
Devil Diver
(Swynford系)
★Sir Gallahad
(Teddy系)
6 ラインゴールド
(1969.5.11)

[10-c]
4番仔?
(2連産目?)
[5.50 or 3.50 or 1.50]
フアバージ
(Princely Gift系)
Supreme Court
(Hurry On系)
◆Nearco
(Pharos系)
★Cecil
(Dark Ronald系)
7 ダンシングブレーヴ
(1983.5.11)

[3-d]
3番仔
(3連産目)
[6.75 or 4.75]
Lyphard
(Northern Dancer系)
Drone
(Sir Gaylord系)
Pago Pago
(Fairway系)
Beau Max
(Teddy系)
8 トニービン
(1983.4.7)

[19-b]
5番仔?
[5.00]
カンパラ
(ゼダーン系)
Hornbeam
(Hyperion系)
Preciptic
(Hurry On系)
Fair Trial
(Fairway系)
9 キャロルハウス
(1985.3.5)

[14-c]
9番仔?
[5.00]
Lord Gayle
(Sir Gaylord系)
シルバーシヤーク
(Relic系)
ヴイミー
(Wild Risk系)
Ocean Swell
(Fairway系)
10 カーネギー
(1991.2.26)

[16-c]
6番仔?
(2連産目?)
[4.50]
Sadler’s Wells
(Northern Dancer系)
Riverman
(Never Bend系)
★Sunny Boy
(Teddy系)
Norseman
(Blandford系)
11 ラムタラ
(1992.2.2)

[22-b]
2番仔
(2連産目)
[4.50]
Nijinsky
(Northern Dancer系)
Blushing Groom
(Red God系)
Snow Knight
(Pharis系)
Northern Dancer
(Nearctic系)
12 エリシオ
(1993.1.24)

[10-c]
初仔?
[4.50]
Fairy King
(Northern Dancer系)
Slewpy
(Seattle Slew系)
Val de l’Orne
(Blandford系)
Cutlass
(Damascus系)
13 パントレセレブル
(1994.3.17)

[9]
2番仔
(2連産目)
[5.25]
Nureyev
(Northern Dancer系)
Alydar
(Raise a Native系)
Habitat
(Sir Gaylord系)
Le Haar
(Blandford系)
14 マリエンバード
(1997.5.26)

[12-g]
2番仔
(2連産目)
[5.00]
Caerleon
(Nijinsky系)
Darshaan
(Mill Reef系)
Lightning
(Owen Tudor系)
Petingo
(Fairway系)
15 バゴ
(2001.2.3)

[2-d]
初仔?
[4.75 or 2.75]
Nashwan
(Blushing Groom系)
Nureyev
(Northern Dancer系)
Mr. Prospector
(Raise a Native系)
Halo
(Hail to Reason系)
16 ワークフォース
(2007.3.14)

[14-c]
3番仔?
(3連産目?)
[4.50]
キングズベスト
(Mr. Prospector系)
Sadler’s Wells
(Northern Dancer系)
Alleged
(Ribot系)
Star Appeal
(Herbager系)

と辿って参りました「日本に輸入された凱旋門賞馬を辿る」の企画も、本投稿でお終いでございます。

短期集中投稿、お付き合いいただき、誠に有り難うございました。

また来年2020年も、どうぞよろしくお願いいたします。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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