シンコウラブリイ 牝 鹿毛 1989.2.2生~2011.12.5没 愛国・B. R. and Mrs Firestone生産 馬主・安田修氏 美浦・藤沢和雄厩舎
★ Caerleon 鹿毛 1980.3.27 種付け時活性値:0.00 |
Nijinsky 鹿毛 1967.2.21 |
Northern Dancer 鹿毛 1961.5.27 |
Nearctic 1954.2.11 |
Natalma 1957.3.26 | |||
Flaming Page 鹿毛 1959.4.24 |
Bull Page 1947 | ||
Flaring Top 1947 | |||
Foreseer 黒鹿毛 1969.4.12 |
Round Table 鹿毛 1954.4.6 |
Princequillo 1940 | |
Knight’s Daughter 1941 | |||
Regal Gleam 黒鹿毛 1964.3.17 |
Hail to Reason 1958.4.18 | ||
Miz Carol 1953.6.1 | |||
ハッピートレイルズ 鹿毛 1984.5.29 仔受胎時活性値:1.00 |
ポツセ 栗毛 1977.5.15 種付け時活性値:1.50 |
Forli 栗毛 1963.8.10 |
Aristophanes 1948 |
Trevisa 1951 | |||
In Hot Pursuit 鹿毛 1971.5.12 |
★Bold Ruler 1954.4.6 | ||
Lady Be Good 1956.3.9 | |||
ロイコン 鹿毛 1975.3.4 仔受胎時活性値:2.00 |
High Top 鹿毛 1969 種付け時活性値:1.25 |
Derring-Do 1961 | |
Camenae 1961 | |||
Madelon 鹿毛 1970 仔受胎時活性値:1.00 |
セントクレスピン 栗毛 1956 種付け時活性値:1.25 |
||
Azurine 鹿毛 1957 仔受胎時活性値:1.00 |
<5代血統表内のクロス:なし>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
★Caerleon (Nijinsky系) |
ポツセ (Hyperion系) |
High Top (Dante系) |
セントクレスピン (Aureole系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
ポツセ (Riot) |
5.00 | 半弟タイキマーシャル (No. 4-d) |
初仔 |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 上り 3F |
馬体重 [前走比] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | シンコウラブリイ | 牝4 | 55 | 岡部幸雄 | 1:35.7 | 36.2 | 448 [+6] |
藤沢和雄 | 1 | |
2 | 8 | イイデザオウ | 牡4 | 57 | 角田晃一 | 1:35.9 | 1.1/4 | 36.6 | 464 [+2] |
大久保正陽 | 6 |
3 | 13 | ドージマムテキ | 牡3 | 55 | 小島貞博 | 1:36.0 | 1/2 | 36.1 | 486 [-2] |
森秀行 | 10 |
4 | 7 | マイスタージンガー | 牡4 | 57 | 蛯名正義 | 1:36.1 | 3/4 | 36.7 | 482 [0] |
前田禎 | 3 |
5 | 1 | トーヨーリファール | 牡3 | 55 | 松永昌博 | 1:36.1 | クビ | 36.6 | 472 [+4] |
松永善晴 | 5 |
1993年の第10回マイルチャンピオンシップ。雨中で不良馬場の決戦となったこのレース、真っ赤な帽子に真っ黒な勝負服を背中に乗せた鹿毛馬が、先行3番手から直線一途に先頭に立って、真っ先にゴールインしました。鞍上の岡部幸雄騎手はマイルチャンピオンシップ初制覇、管理された藤沢和雄調教師にとってはGI初制覇でした。また、シンコウラブリイは生産が愛国の「B. R. and Mrs Firestone」であり、つまりはファイアストーン夫妻ですね。日本では、ご主人のバートラムさんが第2回ジャパンカップ(現GI)を制したHalf Iced(ハーフアイスト。1979.3.14)のオーナーとしても知られています。
この第10回マイルチャンピオンシップ当日は、マイルチャンピオンシップの3レース前の京都3歳S(OP)でナリタブライアン(1991.5.3)が京都芝1800mを1分47秒8という現年齢表記2歳のレコードで駆けるほどの良い馬場でしたが、その後に土砂降りとなり、マイルチャンピオンシップのレース時には不良馬場と化していました。ただ、それでも愛国生まれのシンコウラブリイ。レース後に岡部騎手がインタビューで「調教をアイルランドの柔らかい芝の上でやって来ましたので、対応できると思っていました(大意)」とおっしゃっていて、「サスガにマル外」と思ったものです。
雨も滴るイイ女、シンコウラブリイ。ジョッキー岡部のエスコートにしっかり応え、自身のGI初勝利を以て、引退の花道を飾ったのでした。
*
シンコウラブリイは思い出深い牝馬です。オールドファンにとっての目千両はタマミ(1967.5.8)でしょうけれど、私にとっての目千両はシンコウラブリイでした。その鹿毛の立ち居振る舞い、ピンと立った耳、顔の額に星ひとつ。ホントに可愛い牝馬でしたね。
そしてまた、走っている姿は、名牝そのもの。現年齢表記4歳秋、上述の引退レースとなったマイルチャンピオンシップも見事でしたし、1分45秒5という当時の東京芝1800mのレコードを叩き出した毎日王冠(GII)も、ため息が出るほど美しく強く速かった。
「シンコウラブリイが勝ったレースをどれかひとつ選べ」と言われたら、私は毎日王冠を推したいですね。
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 上り 3F |
馬体重 [前走比] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | シンコウラブリイ | 牝4 | 56 | 岡部幸雄 | 1:45.5 | レコード | 34.8 | 448 [+4] |
藤沢和雄 | 1 |
2 | 2 | セキテイリュウオー | 牡4 | 57 | 田中勝春 | 1:45.8 | 1.3/4 | 34.8 | 456 [-2] |
藤原敏文 | 8 |
3 | 12 | ナイスネイチャ | 牡5 | 58 | 松永昌博 | 1:45.9 | 1/2 | 35.0 | 494 [-2] |
松永善晴 | 4 |
4 | 11 | マイスタージンガー | 牡4 | 57 | 蛯名正義 | 1:46.1 | 1 | 35.6 | 482 [+2] |
前田禎 | 5 |
5 | 9 | ニフティダンサー | 牡5 | 57 | 竹原啓二 | 1:46.3 | 1.1/4 | 34.7 | 480 [-12] |
松山康久 | 7 |
*
後にJRA重賞100勝の金字塔を打ち立てる、当代の名伯楽・藤沢和雄調教師に初の重賞制覇と初のGI制覇をプレゼントした馬、シンコウラブリイ。
私にとっても忘れ難き、愛国からのベストマイラーでした。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。
#余談。シンコウラブリイの生産者であるファイアストーン夫妻についての英語版Wikipediaの記事を見ていましたら、奥様のダイアナさんの父方の祖父は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの創業者のひとりであるRobert Wood Johnson Iという記載がありました。むぅ、これは良血。また、ファイアストーン夫妻の生産馬や持ち馬には名馬が見えますが、General Assembly(1976.4.30)、Genuine Risk(1977.2.15)、Blue Wind(1978.5.3)、Theatrical(1982.3.13)、フラッシュオブスティール(1983.3.10)などが代表として挙げられますでしょうか。名前を挙げた中で、Blue Windはシンコウラブリイの高祖母であるAzurineの直仔であり、1981年の第203回英オークス(GI)、第87回愛オークス(GI)を制した名牝でした。
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[シンコウラブリイ(1989.2.2)の主な競走成績]
- マイルチャンピオンシップ(GI)、毎日王冠(GII)、スワンS(GII)、ニュージーランドT4歳S(GII)、ラジオたんぱ賞(GIII)、クイーンS(GIII)
- マイルチャンピオンシップ(GI)、京王杯スプリングC(GII)
- 安田記念(GI)、阪神3歳牝馬S(GI)
通算15戦10勝、2着2回、3着2回。
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シンコウラブリイさん、可愛いなぁ。
ホントにLovelyって感じです。