JRA賞年度代表馬を辿る(其の拾玖)-アドマイヤムーン(2003.2.23)-

Horse of the Year

アドマイヤムーン 牡 鹿毛 2003.2.23生 早来・ノーザンファーム生産 馬主・近藤利一氏、吉田勝己氏→ダーレー・ジャパン・ファーム(有)→ダーレー・ジャパン 栗東・松田博資厩舎

アドマイヤムーン(2003.2.23)の4代血統表
エンドスウィープ
鹿毛 1991.5.31
種付け時活性値:0.75【11】
フォーティナイナー
栗毛 1985.5.11
Mr. Prospector
鹿毛 1970.1.28
★Raise a Native 1961.4.18
Gold Digger 1962.5.28
File
栗毛 1976.4.30
Tom Rolfe 1962.4.14
Continue 1958.2.23
Broom Dance
鹿毛 1979.4.10
Dance Spell
鹿毛 1973.3.29
Northern Dancer 1961.5.27
Obeah 1965.4.15
Witching Hour
鹿毛 1960.3.31
Thinking Cap 1952
Enchanted Eve 1949
マイケイティーズ
黒鹿毛 1998.5.18
仔受胎時活性値:1.00【4】
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
種付け時活性値:0.75【11】
★Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
ケイティーズファースト
鹿毛 1987.3.6
仔受胎時活性値:0.50【10】
Kris
栗毛 1976.3.23
種付け時活性値:0.50【10】
Sharpen Up 1969.3.17
Doubly Sure 1971.5.3
Katies
黒鹿毛 1981.4.22
仔受胎時活性値:1.25【5】
ノノアルコ
鹿毛 1971.4.6
種付け時活性値:0.25【9】
Mortefontaine
鹿毛 1969.4.21
仔受胎時活性値:0.75【11】

<5代血統表内のクロス:Nearctic5×5>

アドマイヤムーン(2003.2.23)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
エンドスウィープ
(Mr. Prospector系)
サンデーサイレンス
(Halo系)
Kris
(エタン系)
ノノアルコ
(Nearctic系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
エンドスウィープ 3.50 近親ヒシアマゾン
(No. 7-f)
2番仔
(2連産目)

*

第12回ドバイデューティーフリー(UAE・GI。ナド・アルシバ芝1777m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 10 アドマイヤムーン 牡4 57 武豊 1:47.94 松田博資
2 16 Linngari 牡5 57 K Shea 1/2 H J Brown
3 13 ダイワメジャー 牡6 57 安藤勝己 4 1/4 上原博之
4 1 Seihali 牡8 57 Johnny Murtagh 2 D Selvaratnam
5 7 Kapil せん5 57 Robbie Fradd ハナ M F De Kock

2007年の第12回ドバイデューティーフリー。見上げれば夜空に輝く中東の月。ナド・アルシバ競馬場の芝1777mで勝利を収めたアドマイヤムーン、のちにJRAが彼に与えたキャッチコピーは「世界が見上げた月。」。アドマイヤムーン、異国の地における、見事なGI初制覇でした。

*

第58回宝塚記念(GI。阪神芝2200m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 6 アドマイヤムーン 牡4 58 岩田康誠 2:12.4 36.2 468
[+8]
松田博資 3
2 17 メイショウサムソン 牡4 58 石橋守 2:12.5 1/2 36.6 518
[+2]
高橋成忠 2
3 5 ポップロック 牡6 58 武豊 2:12.8 2 36.5 498
[+8]
角居勝彦 4
4 9 アドマイヤフジ 牡5 58 福永祐一 2:12.9 クビ 36.4 518
[0]
橋田満 13
5 13 ファストタテヤマ 牡8 58 小牧太 2:13.0 1/2 36.4 470
[0]
安田伊佐夫 16

2007年の第58回宝塚記念。蜜月が途切れた後の鞍上には岩田康誠騎手の姿がありました。岩田騎手、テン乗りとなったアドマイヤムーンを巧みに御し、道中後方待機から3角4角で進出、直線は外から抜け出しに掛かり、内のメイショウサムソン(2003.3.7)を抑えてJRAGI初勝利を収めました。

*

第27回ジャパンカップ(GI。東京芝2400m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 4 アドマイヤムーン 牡4 57 岩田康誠 2:24.7 33.9 480
[+8]
松田博資 5
2 2 ポップロック 牡6 57 O.ペリエ 2:24.7 アタマ 33.9 502
[+6]
角居勝彦 4
3 10 メイショウサムソン 牡4 57 武豊 2:24.7 クビ 33.9 518
[0]
高橋成忠 1
4 11 ウオッカ 牝3 53 四位洋文 2:24.9 1 33.6 488
[-4]
角居勝彦 2
l5 18 デルタブルース 牡6 57 川田将雅 2:25.1 1.1/4 34.4 526
[+2]
角居勝彦 14

2007年の第27回ジャパンカップ。アドマイヤムーンの4歳初戦となった雨中の京都記念(GII)。第100回となった正に記念の京都記念、淀芝2200mを59kgを背負いながら制した際、「あぁ強いなぁ」と、単純に思ったのでした。その時のタイム差なしの2着がポップロック(2001.3.19)。9ヶ月後、今度は舞台を晴天の東京芝2400mに移しましたが、やっぱりタイム差なしで1着、2着となりました。3歳時は良家のお坊ちゃん然とした感じだったアドマイヤムーンに、凌ぎ切る強さが、加わっていました。

そしてまた、内枠を利して、2400mを2400mとして走らせた岩田康誠騎手の好騎乗も光りました。上位3頭は4コーナーの位置が同じ4番手あたりでしたが、同じ上がり3ハロン33秒9の鋭脚を使っても、同じ2分24秒7の走破時計でも、内を通った順に1着、2着、3着となったのでした。終わってみれば、「アタマ」「クビ」の勝負だけに、オリビエ・ペリエ騎手、武豊騎手は悔しい思いをされたのではないでしょうか。

併せて、角居勝彦厩舎は3頭出しで2着、4着、5着。勝つことは出来なかったものの、いずれもが頑張り、すべて掲示板に乗りました。後のジャパンカップにつながるということでは、やはりウオッカ(2004.4.4)。出走メンバー中最速の上り3F33秒6で詰め寄りましたが4着まで。全戦績を辿ると東京芝12戦6勝、2着3回、3着2回という府中の申し子が、唯一府中で複勝圏に入ることが出来なかったレース。それがこの第27回ジャパンカップでした。

*

4歳半ばにダーレーに40億円という巨額でトレードされたアドマイヤムーン。引退後はダーレー・ジャパン・スタリオン・コンプレックスで供用され

  1. セイウンコウセイ(2013.3.8)
    →高松宮記念(GI)ほか
  2. ハクサンムーン(2009.2.14)
    →セントウルS(GII)、京阪杯(GIII)、アイビスサマーダッシュ(GIII)ほか
  3. レオアクティブ(2009.2.22)
    →京王杯2歳S(GII)、京成杯AH(GIII)ほか。芝1600mの日本レコードホルダー(1分30秒7)
  4. ファインニードル(2013.4.26)
    →セントウルS
  5. アルキメデス(2009.3.24)
    →朝日チャレンジC(GIII)ほか
  6. ファインチョイス(2009.1.24)
    →函館2歳S(GIII)ほか
  7. オースミムーン(2009.4.9)
    →東京ハイジャンプ(J・GII)、阪神ジャンプS(J・GIII)2回、東京ジャンプS(J・GIII)、京都ジャンプS(J・GIII)、小倉サマージャンプ(J・GIII)

等を始めとして、活躍馬を送り込んでいます。アドマイヤムーン自身は選手権距離をこなしましたが、産駒は短距離で好成績を残す馬が多い印象ですね。

アドマイヤムーン、男盛りの14歳、これからも良い仔を送り込み続けて欲しいものです。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[アドマイヤムーン(2003.2.23)の主な競走成績]

  1. ジャパンカップ(GI)、宝塚記念(GI)、ドバイデューティフリー(UAE・GI)、京都記念(GII)、札幌記念(GII)、弥生賞(GII)、共同通信杯(GIII)、札幌2歳S(GIII)
  2. 香港カップ(GI)、ラジオたんぱ杯2歳S(GIII)
  3. 天皇賞・秋(GI)、クイーンエリザベス2世カップ(香GI)

通算17戦10勝、2着2回、3着2回。

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