2017年のクラシック候補生を確認する(其の伍)。

モンドキャンノ 牡 鹿毛 2014.2.8生 安平・ノーザンファーム生産 馬主・ユアストーリー 栗東・安田隆行厩舎

モンドキャンノ(2014.2.8)の4代血統表
キンシャサノキセキ
鹿毛 2003.9.24
種付け時活性値:0.375
フジキセキ
青鹿毛 1992.4.15
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ミルレーサー
鹿毛 1983.5.20
Le Fabuleux 1961
Marston’s Mill 1975.5.31
ケルトシャーン
鹿毛 1994.5.5
Pleasant Colony
黒鹿毛 1978.5.4
His Majesty 1968.4.15
Sun Colony 1968.2.25
Featherhill
鹿毛 1978.2.24
Lyphard 1969.5.10
Lady Berry 1970.4.13
レイズアンドコール
鹿毛 2001.3.19
仔受胎時活性値:1.00
サクラバクシンオー
栗毛 1989.4.14
種付け時活性値:0.75
サクラユタカオー
栗毛 1982.4.29
テスコボーイ 1963
アンジェリカ 1970.3.29
サクラハゴロモ
鹿毛 1984.4.13
ノーザンテースト 1971.3.15
クリアアンバー 1967.5.8
モーリストンベル
鹿毛 1989.3.27
仔受胎時活性値:0.75
Herat
鹿毛 1982.2.4
種付け時活性値:1.50
Northern Dancer 1961.5.27
Kashan 1977.4.28
Barkerville Belle
黒鹿毛 1980.4.12
仔受胎時活性値:2.00
Ruthie’s Native
鹿毛 1974.3.14
種付け時活性値:1.25
Celebrity Belle
黒鹿毛 1975.2.7
仔受胎時活性値:1.00

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×5×4>

モンドキャンノ(2014.2.8)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
キンシャサノキセキ
(Halo系)
サクラバクシンオー
(Princely Gift系)
Herat
(Northern Dancer系)
Ruthie’s Native
(Raise a Native系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Herat
(Durga)
4.75 祖母が加GII(独自)の勝ち馬
(No.4-m)
6番仔
(3連産目)

第52回京王杯2歳S(GII)を制したのは、モンドキャンノ。直線、先に行った1番人気レーヌミノル(2014.4.24)が、我慢して我慢して抜け出したところを、外から強襲。クリストフ・ルメール騎手、「相手は唯1頭だけ」と狙い済ましたかのようなレースぶり。鞍下も鞍上に応えて、最後は2分の1馬身差を着けていました。

モンドキャンノの馬名の意味は「世界(仏)+知ることができる。世界は知ることができる」ということです。「モンドキャンノ」は可愛らしい響きですけれど、馬名の英字表記を確認すると「Monde Can Know」でした。なるほど。

モンドキャンノの最優性先祖である祖母父Heratは、現役時代に8勝を挙げ、その主な勝ち鞍にダート10ハロンのニューオリンズH(米GII)があります。GIではハリウッドダービー(米GI)2着、サンタアニタH(米GI)2着と、あと一歩届きませんでした。

そんなHeratの種牡馬成績を確認したところ、産駒の重賞勝ち馬は

  1. Yappy(1990.3.14)
    →サンヴィセンテBCS(米GIII)の勝ち馬
  2. モーリストンベル
    →ナタルマS(当時加国内の独自GII。現加GI)の勝ち馬。上述のとおり、モンドキャンノの祖母

の2頭だけのようです。

ただ、2016年の牡馬クラシック勝ち馬であるマカヒキ(2013.1.28)&サトノダイヤモンド(2013.1.30)に見られるように、最優性先祖に「競走歴にGI勝ちのない種牡馬」を持ってくるのは、0の理論的にはむしろプラス要素のように思います。

*

ミスエルテ 牝 鹿毛 2014.4.7生 安平・ノーザンファーム生産 馬主・(有)サンデーレーシング 栗東・池江泰寿厩舎

ミスエルテ(2014.4.7)の4代血統表
Frankel
鹿毛 2008.2.11
種付け時活性値:1.25
Galileo
鹿毛 1998.3.30
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.1
Northern Dancer 1961.5.27
Fairy Bridge 1975.5.4
Urban Sea
栗毛 1989.2.18
Miswaki 1978.2.22
Allegretta 1978.3.10
Kind
鹿毛 2001.4.21
デインヒル
鹿毛 1986.3.26
Danzig 1977.2.12
Razyana 1981.4.18
Rainbow Lake
鹿毛 1990.4.10
Rainbow Quest 1981.5.15
Rockfest 1979.3.12
ミスエーニョ
黒鹿毛 2007.3.14
仔受胎時活性値:1.50
Pulpit
鹿毛 1994.2.15
種付け時活性値:1.00
A.P.Indy
黒鹿毛 1989.3.31
Seattle Slew 1974.2.15
Weekend Surprise 1980.4.8
Preach
鹿毛 1989.3.26
Mr.Prospector 1970.1.28
Narrate 1980.4.6
Madcap Escapade
鹿毛 2001.5.13
仔受胎時活性値:1.25
ヘネシー
栗毛 1993.3.25
種付け時活性値:1.75
Storm Cat 1983.2.27
Island Kitty 1976.2.23
Sassy Pants
鹿毛 1992.3.17
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
Saratoga Six
鹿毛 1982.4.13
種付け時活性値:0.25
Special Portion
鹿毛 1985.3.19
仔受胎時活性値:1.50

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×5、Mr.Prospector5×4>

ミスエルテ(2014.4.7)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Frankel
(Sadler’s Wells系)
Pulpit
(Seattle Slew系)
ヘネシー
(Storm Cat系)
Saratoga Six
(Raise a Native系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ヘネシー
(Madcap Escapade)
6.25 or 4.25 母と祖母が米GI馬
(No.23-b)
3番仔?

第21回ファンタジーS(GIII)。ふわっとした発馬になってしまった圧倒的1番人気馬ミスエルテ、道中は慌てず騒がず後方3番手。直線、大外にぶん回したら、ムチを振るうこともなく、上がり3ハロン33秒6の末脚でまとめて差し切っていました。これが良血馬の底力なのか、はたまた川田将雅騎手がミスエルテの将来を見据える手だったのか。兎にも角にも、新馬から重賞の2連勝でエリートコースに乗ったミスエルテ、楽しみな牝馬です。

ミスエルテ、「Mi Suerte」と綴るその馬名の意味はスペイン語で「私の幸運」ということです。母のミスエーニョが「Mi Sueno」であり、スペイン語で「私の夢」ということでしょうから、母からの連想と思います。

ミスエルテの最優性先祖である祖母父ヘネシーは、現役時代に4勝を挙げ、ホープフルS(米GI)、ハリウッドジュヴェナイルチャンピオンシップS(米GII)、サプリングS(米GII)と2歳戦で重賞3勝。2歳王者決定戦であるブリーダーズカップ・ジュヴェナイル(米GI)では、Unbridled’s Song(1993.2.18)の2着でした。

そんな仕上がり早の活躍を見せたヘネシーの代表産駒には

  1. Grand Armee(1998.8.31)
    →クイーンエリザベスS(豪GI)2回、マッキノンS(豪GI)、ランヴェットS(豪GI)、ジョージメインS(豪GI)、ドンカスターH(豪GI)、チッピングノートンS(豪GI)ほか
  2. Harmony Lodge(1998.3.5)
    →バレリーナH(米GI)、ギャラントブルームH(米GII)、ファーストレディH(米GIII)2回、シャーリージョーンズH(米GIII)ほか
  3. ヨハネスブルグ(1999.2.23)
    →ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル、ミドルパークS(英GI)、モルニー賞(仏GI)、フィーニクスS(愛GI)ほか
  4. Half Hennessy(1999.9.26)
    →クイーンズランドダービー(豪GI)、グランプリS(豪GII)、ミンダイナスティクオリティH(豪GII)ほか
  5. Madcap Escapade(2001.5.13)
    →アッシュランドS(米GI)、プリンセスルーニーH(米GII)、フォワードギャルS(米GII)、シャーリージョーンズH(米GII)、マディソンS(米GIII)ほか。上述のとおり、ミスエルテの祖母にして形相の遺伝の対象
  6. サンライズバッカス(2002.4.30)
    →フェブラリーS(GI)、武蔵野S(GIII)ほか
  7. ヘニーヒューズ(2003.4.5)
    →ヴォスバーグS(米GI)、キングズビショップS(米GI)、サラトガスペシャルS(米GII)ほか
  8. Immaculate(2006.8.21)
    →オノール大賞(亜GI)、クラシコフォルリ(亜GII)
  9. Special Duty(2007.2.12)
    →英1000ギニー(GI)、仏1000ギニー(GI)、チェヴァリーパークS(英GI)ほか。英1000ギニーと仏1000ギニーは共に2位入線からの繰り上がりによる優勝

というGI勝ち馬たちをはじめとして、多数のステークスウイナーがいます。ヘネシー自身は2歳戦で8.5ハロンまでの競走しか経験がありませんでしたが、2000m超級をこなす産駒も見られます。日本ではStorm Catの軽さと速さが好まれたのか、ヨハネスブルグ、ヘニーヒューズという2頭の米GI馬が種牡馬として供用されています。また、ヘネシーが満8歳時のミニモの遺伝を受けたサンライズバッカスは、2016年現在ではキタサンブラック(2012.3.10)コパノリッキー(2010.3.24)コパノリチャード(2010.4.15)で知られるヤナガワ牧場の初めてのJRAGI勝ち馬です。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

#余談。ヘネシーの代表産駒の1頭であるSpecial Dutyが仏1000ギニー2位入線1着繰り上がりとなった際の1位入線馬は、今年2016年のアルテミスS(GIII)を制したリスグラシュー(2014.1.18)の母であるリリサイド(2007.2.23)です。

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