2017年のクラシック候補生を確認する(其の拾伍)

ウインブライト 牡 芦毛 2014.5.12生 新冠・コスモヴューファーム生産 馬主・(株)ウイン 美浦・畠山吉宏厩舎

ウインブライト(2014.5.12)の4代血統表
ステイゴールド
黒鹿毛 1994.3.24
種付け時活性値:0.75
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
ゴールデンサッシュ
栗毛 1988.4.23
デイクタス
栗毛 1967.4.11
Sanctus 1960.2.28
Doronic 1960.3.25
ダイナサツシユ
鹿毛 1979.3.16
ノーザンテースト 1971.3.15
ロイヤルサツシユ 1966
サマーエタニティ
芦毛 2005.4.17
仔受胎時活性値:2.00(0.00)

アドマイヤコジーン
芦毛 1996.4.8
種付け時活性値:0.00
Cozzene
芦毛 1980.5.8
Caro 1967.4.11
Ride the Trails 1971.5.28
アドマイヤマカディ
栗毛 1991.6.12
ノーザンテースト 1971.3.15
ミセスマカディー 1974.3.10
オールフォーゲラン
黒鹿毛 1993.5.15
仔受胎時活性値:0.75
ジェイドロバリー
黒鹿毛 1987.3.14
種付け時活性値:1.25
★Mr. Prospector 1970.1.28
Number 1979.5.5
ミスゲラン
鹿毛 1981.5.3
仔受胎時活性値:0.75
マルゼンスキー
鹿毛 1974.5.19
種付け時活性値:1.50
ゲラン
栗毛 1964.5.30
仔受胎時活性値:2.00

<5代血統表内のクロス:ノーザンテースト4×4、Nijinsky5×5(母方)>

ウインブライト(2014.5.12)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ステイゴールド
(Halo系)
★アドマイヤコジーン
(フオルテイノ系)
ジェイドロバリー
(Mr. Prospector系)
マルゼンスキー
(Nijinsky系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
マルゼンスキー
(ミスゲラン)
5.50 or 3.50 全姉ウインファビラス
(No. 18 ミスブゼン系)
4番仔
(4連産目)

2017年の第66回スプリングS(GII)。中山芝の非根幹距離のレースは、やはりステイゴールド産駒なのでしょうか。前走同じ中山芝1800mのひいらぎ若竹賞を制してここに挑んだ5番人気のウインブライト、マイナス12kgのスッキリ仕上げ、道中後方4番手からのマクリ一発。同じように後方から進めた2番人気のアウトライアーズ(2014.3.24)の追撃を半馬身振り切り、快勝を収めました。

不思議な血の連動はあるもので、スプリングSの前日に第31回ファルコンS(GIII)を制したのは「ヴィクトワールピサ×アドマイヤコジーン牝馬」のコウソクストレート(2014.2.27)でしたが、スプリングSは「ステイゴールド×アドマイヤコジーン牝馬」のウインブライトが勝ち、ヴィクトワールピサ(2007.3.31)産駒のアウトライアーズが2着。また、0の理論的には、コウソクストレートの母メジロアリス(2005.2.12)と、ウインブライトの母サマーエタニティは、共にアドマイヤコジーンが満8歳時交配のミニモの遺伝馬です。

さて、ウインブライトの最優性先祖である曾祖母父マルゼンスキーは、現役時代に8勝を挙げ、その主な勝ち鞍に第28回朝日杯3歳S(現朝日杯フューチュリティS、GI)、日本短波賞(現ラジオNIKKEI賞、GIII)。生涯8戦無敗、8戦の2着との着差合計は61馬身、走る時代が30年は早かった、本物のスーパーカー。

そんなマルゼンスキーの代表産駒には、

  1. サクラチヨノオー(1985.2.19)
    →東京優駿(GI)、朝日杯3歳S、弥生賞(GII)ほか
  2. ホリスキー(1979.4.13)
    →菊花賞(現GI)ほか
  3. レオダーバン(1988.4.25)
    →菊花賞ほか
  4. スズカコバン(1980.3.16)
    →宝塚記念(GI)、京都大賞典(GII)2回、神戸新聞杯(現GII)ほか
  5. ニシノスキー(1980.4.1)
    →朝日杯3歳S
  6. カリブソング(1986.4.13)
    →目黒記念(GII)、フェブラリーH(当時GIII。現フェブラリーS、GI)、金杯(現中山金杯、GIII)ほか
  7. サクラエイコウオー(1991.6.1)
    →弥生賞、七夕賞(GIII)ほか
  8. プロメイド(1980.3.8)
    →カブトヤマ記念(旧GIII)ほか
  9. サクラトウコウ(1981.3.11)
    →七夕賞、函館3歳S(現函館2歳S、GIII)ほか
  10. ブラツクスキー(1982.5.12)
    →新潟記念(GIII)、福島記念(GIII)ほか
  11. ケイフアイヤー(1982.5.13)
    →サファイヤS(旧GIII)
  12. インターアニマート(1985.4.28)
    →中京記念(GIII)ほか
  13. グリンモリー(1985.3.16)
    →新潟3歳S(現新潟2歳S、GIII)ほか
  14. バリエンテー(1986.3.1)
    →京王杯オータムH(現京成杯オータムH、GIII)ほか
  15. ダイイチオイシ(1987.2.18)
    →函館3歳S
  16. ネーハイビクトリー(1988.5.9)
    →中日新聞杯(GIII)ほか
  17. ユートジェーン(1989.3.25)
    →新潟3歳Sほか
  18. クラウンシチー(1990.3.23)
    →京王杯オータムHほか
  19. リードスキー(1997.3.23)
    →エーデルワイス賞(当時統一GIII、現JpnIII)
  20. タシロスプリング(1998.4.17)
    →ファンタジーS(GIII)
  21. ダイカツストーム(1990.4.5)
    →中山大障害・春(現中山グランドジャンプ、J・GI)

マルゼンスキー、上述した直仔の活躍はもちろんですがブルードメアサイアーとしても活躍し、

  1. ライスシャワー(1989.3.5)
    →菊花賞(GI)、天皇賞・春(GI)2回ほか
  2. スエヒロジョウオー(1990.4.16)
    →阪神3歳牝馬S(現阪神ジュベナイルフィリーズ、GI)
  3. ウイニングチケット(1990.3.21)
    →東京優駿ほか
  4. メジロブライト(1994.4.19)
    →天皇賞・春ほか
  5. スペシャルウィーク(1995.5.2)
    →東京優駿、天皇賞・春、天皇賞・秋(GI)、ジャパンカップ(GI)ほか
  6. プリモディーネ(1996.4.5)
    →桜花賞(GI)ほか
  7. メジロベイリー(1998.5.30)
    →朝日杯3歳S

がJRAGI勝ち馬として知られています。

*

ファンディーナ 牝 青鹿毛 2014.3.10生 浦河・谷川牧場生産 馬主・(有)ターフ・スポート 栗東・高野友和厩舎

ファンディーナ(2014.3.10)の4代血統表
ディープインパクト
鹿毛 2002.3.25
種付け時活性値:0.75
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20
Alzao
鹿毛 1980.2.28
Lyphard 1969.5.10
Lady Rebecca 1971.2.28
Burghclere
鹿毛 1977.4.26
Busted 1963.3.16
Highclere 1971.4.9
ドリームオブジェニー
青鹿毛 2008.5.15
仔受胎時活性値:1.25
Pivotal
栗毛 1993.1.19
種付け時活性値:1.50
Polar Falcon
黒鹿毛 1987.6.1
Nureyev 1977.5.2
Marie d’Argonne 1981.3.21
Fearless Revival
栗毛 1987.3.3
Cozzene 1980.5.8
Stufida 1981.3.12
Glia
鹿毛 1999.3.8
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
A.P. Indy
黒鹿毛 1989.3.31
種付け時活性値:0.25
Seattle Slew 1974.2.15
Weekend Surprise 1980.4.8
Coup de Genie
鹿毛 1991.5.7
仔受胎時活性値:1.75
Mr. Prospector
鹿毛 1970.1.28
種付け時活性値:1.00
Coup de Folie
鹿毛 1982.4.2
仔受胎時活性値:2.00(0.00)

<5代血統表内のクロス:Halo3×5、Northern Dancer5×5>

ファンディーナ(2014.3.10)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ディープインパクト
(Halo系)
Pivotal
(Nureyev系)
A.P. Indy
(Seattle Slew系)
Mr. Prospector
(Raise a Native系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Pivotal
(Fearless Revival)
7.00 or 5.00 or 3.00 曾祖母が仏2歳牝馬王者
(No. 2-d)
2番仔
(2連産目)

2017年の第31回フラワーC(GIII)。先行2番手から4角先頭、後は気合を付けただけ。ノーステッキで2着のシーズララバイ(2014.4.21)に5馬身差。思わず「これは強い!!」と声が出たゴール前。年明けデビューで新馬、つばき賞-半兄ナムラシングン(2013.3.6)との兄妹制覇-、そしてフラワーCと3戦3勝。浦河の名門・谷川牧場が送り出した、遅れてやって来た大物ファンディーナ。その馬名意味は「良い夢を(タイ語)。母名より連想」とのことです。この重賞勝利を以て、やはり無敗の2歳女王ソウルスターリング(2014.2.13)に挑みます。

さて、ファンディーナの最優性先祖である母父Pivotalは現役時代に4勝を挙げ、その主な勝ち鞍にナンソープS(英GI)、キングズスタンドS(英GII)と英国の5ハロンのグループレース2勝があります。

そんなPivotalの真価は種牡馬として発揮され、

  1. Golden Apples(1998.4.9)
    →ビヴァリーD.S(米GI)、イエローリボンS(現ロデオドライブS、米GI)、デルマーオークス(米GI)ほか
  2. Kyllachy(1998.2.25)
    →ナンソープSほか
  3. Silvester Lady(1998.2.11)
    →独オークス(GI)
  4. Chorist(1999.2.11)
    →プリティポリーS(愛GI)ほか
  5. Megahertz(1999.5.4)
    →ジョン・C・マビーH(米GI)、イエローリボンSほか
  6. Somnus(2000.4.27)
    →スプリントC(英GI)、フォレ賞(仏GI)、モーリス・ド・ゲスト賞(仏GI)ほか
  7. Peeress(2001.2.1)
    →ロッキンジS(英GI)、サンチャリオットS(英GI)ほか
  8. Saoire(2002.4.29)
    →愛1000ギニー(GI)ほか
  9. Excellent Art(2004.2.25)
    →セントジェームズパレスS(英GI)ほか
  10. Regal Parade(2004.3.8)
    →スプリントC、モーリス・ド・ゲスト賞ほか
  11. Falco(2005.1.17)
    →仏2000ギニー(GI)
  12. Halfway to Heaven(2005.4.25)
    →愛1000ギニー、サンチャリオットS、ナッソーS(英GI)ほか
  13. Virtual(2005.5.10)
    →ロッキンジSほか
  14. Sariska(2006.2.14)
    →英オークス(GI)、愛オークス(GI)ほか
  15. African Story(2007.3.10)
    →ドバイワールドカップ(UAE・GI)、マクトゥームチャレンジラウンド3(UAE・GI)ほか
  16. Buzzword(2007.4.5)
    →独ダービー(GI)
  17. Maarek(2007.1.30)
    →アベイ・ド・ロンシャン賞(仏GI)ほか
  18. Siyouni(2007.2.14)
    →ジャン・リュック・ラガルデール賞(仏GI)ほか
  19. Farhh(2008.3.4)
    →チャンピオンS(英GI)、ロッキンジSほか
  20. Immortal Verse(2008.5.1)
    →ジャック・ル・マロワ賞(仏GI)、コロネーションS(英GI)ほか
  21. Izzi Top(2008.4.21)
    →プリティポリーS、ジャンロマネ賞(仏GI)ほか
  22. Talco(2011.3.13)
    →シューメイカーマイル(米GI)ほか
  23. Queen’s Jewel(2012.2.16)
    →サンタラリ賞(仏GI)ほか

等を始めとして、多数のステークスウイナーを送り込んでいます。Pivotal自身は生粋のスプリンターでしたが、クラシックディスタンスをこなす産駒も見られます。また、ブルードメアサイアーとして、2016年の第240回英セントレジャーS(GI)を制したHarbour Law(2013.3.30)を輩出しました。

閑話休題。ファンディーナの誕生日は2014年3月10日。近年は3月10日生まれのGI勝ち馬が多く輩出されている印象もあります。高野友和厩舎の先輩であり第35回ジャパンカップ(GI)と第19回秋華賞(GI)を制したショウナンパンドラ(2011.3.10)、2016年のJRA賞年度代表馬キタサンブラック(2012.3.10)、2016年の香港ヴァーズ(GI)でHighland Reel(2012.2.21)を負かしたサトノクラウン(2012.3.10)、GI3勝の強豪ロゴタイプ(2010.3.10)、第72回優駿牝馬(GI)勝ちのエリンコート(2008.3.10)。果たして、同じ誕生日の先達に続くことが出来るでしょうか、ファンディーナ。……って、スワーヴリチャード(2014.3.10)及びクリンチャー(2014.3.10)の記事と、ほとんど同じことを書いていますね。ともあれ、3月10日は名馬が生まれる誕生日であることは、相違ありません^^;

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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