第239回英オークス(GI)の勝ち馬+α

Enable 牝 鹿毛 2014.2.12生 英国・Juddmonte Farms Ltd生産 馬主・K Abdullah 英国・John Gosden厩舎

Enable(2014.2.12)の4代血統表
Nathaniel
鹿毛 2008.4.24
種付け時活性値:1.25
Galileo
鹿毛 1998.3.30
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
Northern Dancer 1961.5.27
Fairy Bridge 1975.5.4
Urban Sea
栗毛 1989.2.18
Miswaki 1978.2.22
Allegretta 1978.3.10
Magnificient Style
黒鹿毛 1993.3.21
Silver Hawk
鹿毛 1979.4.20
Roberto 1969.3.16
Gris Vitesse 1966.3.2
Mia Karina
黒鹿毛 1983.3.21
Icecapade 1969.4.4
Basin 1972.2.29
Concentric
鹿毛 2004.4.3
仔受胎時活性値:0.25
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
種付け時活性値:1.50
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Fairy Bridge
鹿毛 1975.5.4
Bold Reason 1968.4.8
Special 1969.3.28
Apogee
鹿毛 1990.2.8
仔受胎時活性値:1.25
Shirley Heights
鹿毛 1975.3.1
種付け時活性値:1.50
Mill Reef 1968.2.23
Hardiemma 1969
Bourbon Girl
鹿毛 1984.2.9
仔受胎時活性値:1.25
★イルドブルボン
黒鹿毛 1975.5.23
種付け時活性値:0.00
Fleet Girl
栗毛 1975.4.1
仔受胎時活性値:2.00

<5代血統表内のクロス:Sadler’s Wells2×3、Nearctic4×5×5、Hail to Reason5×5>

Enable(2014.2.12)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Nathaniel
(Sadler’s Wells系)
Sadler’s Wells
(Northern Dancer系)
Shirley Heights
(Mill Reef系)
★イルドブルボン
(Nijinsky系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Sadler’s Wells
(Concentric)
4.75 従兄Flintshire
(No. 4-m)
5番仔?
(5連産目?)

*

↑英国ジョッキークラブの第239回英オークスの動画ページ。リンク先の動画は自動再生されますのでご注意願います。

第239回英オークス(GI。エプソムダウンズ芝12F6y)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 9 Enable 牝3 57.2 Frankie Dettori 2:34.13 John Gosden 2
2 5 Rhododendron 牝3 57.2 Ryan Moore 5 A P O’Brien 1
3 7 Alluringly 牝3 57.2 Seamie Heffernan 6 A P O’Brien 7
4 3 Horseplay 牝3 57.2 Oisin Murphy 3 3/4 Andrew Balding 6
5 6 Coronet 牝3 57.2 Andrea Atzeni 1 John Gosden 4

2017年の第239回英オークス。雨中の決戦、9頭の3歳牝馬の争いを制したのは、ランフランコ・デットーリ騎手騎乗のEnable。道中先行3番手から、直線ではライアン・ムーア騎手騎乗の1番人気Rhododendron(2014.2.11)との叩き合い。と、思われたのも束の間、力強く抜け出すと後はEnableとフランキーの独擅場。終わってみれば2着Rhododendronに5馬身差を着ける圧勝。その勝ち時計2分34秒13は、Intrepidity(1990.2.19)が持っていた2分34秒19を0秒06塗り替える、エプソムダウンズ芝12F6yのオークスレコードでした。

Enableの4代血統表を開くと、むぅ、「Sadler’s Wells3×2」のクロスがどうしても目に付いてしまいますね^_^;。どのような血統理論使いの方でも、初見は「むぅ」と思ってしまうはずです。0の理論的には、Enableの直系祖父GalileoがSadler’s Wells満16歳時のミニモの遺伝を受けているため、この3×2のクロスはキレイに0化されているという解釈です。

日本で走った馬で同様の例としては、シンコウキング(1991.4.24)がいます。第213代英ダービー(GI)馬ドクターデヴィアス(1989.3.10)の半弟としても知られる同馬は、「Northern Dancer2×3」のクロスを持っていましたが、父Fairy Kingから満8歳時の0交配を受けたため、やはりキレイに0化されました。まま、「Fairy Kingは0の理論的にはダミーなんだろ?」という声も上がるかもと思いますけれど、シンコウキングの4代血統もご案内しておきます。

シンコウキング 牡 鹿毛 1991.4.24生 愛国・Ron Con Ltd and Swettenham Stud生産 馬主・安田修氏 美浦・藤沢和雄厩舎

シンコウキング(1991.4.24)の4代血統表

Fairy King
鹿毛 1982.3.4
種付け時活性値:0.00
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic
黒鹿毛 1954.2.11
Nearco 1935.1.24
Lady Angela 1944
Natalma
鹿毛 1957.3.26
Native Dancer 1950.3.27
Almahmoud 1947.5.18
Fairy Bridge
鹿毛 1975.5.4
Bold Reason
鹿毛 1968.4.8
Hail to Reason 1958.4.18
Lalun 1952
Special
鹿毛 1969.3.28
Forli 1963.8.10
Thong 1964.4.23
Rose of Jericho
鹿毛 1984.3.14
仔受胎時活性値:1.50
Alleged
鹿毛 1974.5.4
種付け時活性値:0.25
Hoist the Flag
鹿毛 1968.3.31
Tom Rolfe 1962.4.14
Wavy Navy 1954.3.9
Princess Pout
鹿毛 1966.3.29
Prince John 1953.4.6
Determined Lady 1959.5.10
Rose Red
栗毛 1979.4.28
仔受胎時活性値:1.00
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
種付け時活性値:0.25
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Cambrienne
鹿毛 1969.2.28
仔受胎時活性値:0.25
Sicambre
黒鹿毛 1948
種付け時活性値:1.00
Torbella
黒鹿毛 1955.3.13
仔受胎時活性値:1.25

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer2×3>

シンコウキング(1991.4.24)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Fairy King
(Northern Dancer系)
Alleged
(Ribot系)
Northern Dancer
(Nearctic系)
Sicambre
(Prince Bio系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Sicambre
4.00 半兄ドクターデヴィアス
(No. 1-t)
4番仔
(4連産目)

*

閑話休題。Enableの血統を見ると、父Nathanielにも目が行きます。同馬は現役時代にEnableと同じジョン・ゴスデン厩舎の所属馬として4勝を挙げ、その主な勝ち鞍に”キング・ジョージ”(英GI)、エクリプスS(英GI)、キングエドワード7世S(英GII)と英グループレース3勝があります。Nathanielが制した2011年の第61回”キング・ジョージ”は、アラムシャー(2000.4.18)以来8年ぶりの3歳馬による勝利であり、父Galileoとの父仔制覇でもありました。Enableは、種牡馬Nathanielの初年度産駒となります。Nathaniel、競走馬としては同世代で同父のFrankel(2008.2.11)に敵いませんでしたが、種牡馬としては先んじて欧州のクラシックホースを送り込みました。

Enable。その名のとおり、ますますの活躍を「可能にさせる」と思わせる、強く速い競馬を見せてくれた、2017年の第239回英オークスでした。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

2017/06/04追記及び訂正。英オークスの距離記載について、12F10yから12F6yに改めました。

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