Deputy Minister(1979.5.17)-北の踊り子とその子孫を辿る(No.9)-

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Deputy Minister(デピュティミニスター) 牡 黒鹿毛 1979.5.17生~2004.9.10没 加国・Centurion Farms生産 馬主・Due Process Stable 加国・Bill Marko厩舎 → 米国・John J. Tammaro Jr.厩舎 → 加国・Reynaldo H. Nobles厩舎

Deputy Minister(1979.5.17)の4代血統表
Vice Regent
栗毛 1967.4.29
種付け時活性値:0.75【11】
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic
黒鹿毛 1954.2.11
Nearco 1935.1.24
Lady Angela 1944
Natalma
鹿毛 1957.3.26
Native Dancer 1950.3.27
Almahmoud 1947.5.18
Victoria Regina
栗毛 1958.5.18
Menetrier
黒鹿毛 1944
Fair Copy 1934
La Melodie 1939
Victoriana
鹿毛 1952
★Windfields 1943
Iribelle 1942
Mint Copy
黒鹿毛 1970.2.24
仔受胎時活性値:2.00(0.00)【8】

Bunty’s Flight
黒鹿毛 1953.4.26
種付け時活性値:0.00【16】
Bunty Lawless
鹿毛 1935
Ladder 1928
Mintwina 1930
Broomflight
青毛 1947
Deil 1936
Air Post 1938
Shakney
黒鹿毛 1964
仔受胎時活性値:1.25【5】
Jabneh
鹿毛 1952
種付け時活性値:0.75【11】
Bimelech 1937.2.27
Bellesoeur 1945
Grass Shack
青毛 1951
仔受胎時活性値:1.00【12】
Polynesian
黒鹿毛 1942.3.8
種付け時活性値:0.00【8】
Good Example
黒鹿毛 1944
仔受胎時活性値:1.50【6】

<5代血統表内のクロス:Polynesian5×4、Bunty Lawless5×3>

Deputy Minister(1979.5.17)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Vice Regent
(Northern Dancer系)
Bunty’s Flight
(Fair Play系)
Jabneh
(Black Toney系)
★Polynesian
(Sickle系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Vice Regent 5.75 or 3.75
(No. 10-a)
2番仔?
(2連産目?)

*

1981年のローレルフューチュリティ(米GI。ローレルパーク・ダート8.5F)の結果(上位3頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 3 Deputy Minister 牡2 55.3 Don MacBeth 1:44.60 John J. Tammaro Jr. 1
2 5 Laser Light 牡2 55.3 D Montoya ハナ Patrick J. Kelly 3
3 1 Majesty’s Prince 牡2 55.3 Eddie Maple 9+1/4 Joseph B.Cantey 2

*

1981年のヤングアメリカS(米GI。メドウランズ・ダート8.5F)の結果(上位3頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 7 Deputy Minister 牡2 55.3 Don MacBeth 1:44.60 John J. Tammaro Jr. 1
2 9 Laser Light 牡2 54.0 Eddie Maple 3 Patrick J. Kelly 1
3 4 Real Twister 牡2 54.0 M Gonzales 1 4

*

deputy ministerの意味・使い方
deputy minister 〈カナダ〉次官◆カナダ連邦政府の省における官僚の最高職。国会議員・政治家でない点が日... - アルクがお届けするオンライン英和・和英辞書検索サービス。

Deputy Minister、1981年のエクリプス賞最優秀2歳牡馬にして、ソヴリン賞年度代表馬及び最優秀2歳牡馬に選出された加国生まれの快速馬。上述のGI2勝はドン・マクベス騎手騎乗によるものですが、マクベス騎手といえば1982年の第2回ジャパンカップをHalf Iced(1979.3.14)で制したことでも知られています。

「栴檀は双葉より芳し」というのは「大成する人は幼少の時から優れている」という例えですが、Deputy Minister、2歳戦で見せたその豊なスピードが確かなものであったことは、種牡馬として1997年と1998年の北米首位種牡馬に輝いたことにより証明されました。そんなDeputy Ministerの代表産駒を確認しておきますと、

  1. オープンマインド(1986.3.8)
    →ケンタッキーオークス(米GI)、ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ(米GI)、エイコーンS(米GI)、マザーグースS(米GI)、CCAオークス(米GI)、アラバマS(米GI)、デムワゼルS(米GI)ほか。牝馬。産駒イージーマインド(1992.2.28)は忘れな草賞(OP)勝ち馬
  2. Go for Wand(1987.4.6)
    →ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ(米GI)、マザーグースS(米GI)、アッシュランドS(米GI)、ベルデイムS(米GI)、アラバマS(米GI)、テストS(米GI)、マスケットS(米GI)ほか。牝馬。1990年のブリーダーズカップ・ディスタフ(米GI)で若き命を散らした悲運の名牝
  3. Salt Lake(1989.3.12)
    →ホープフルS(米GI)ほか。アパパネ(2007.4.20)の母父
  4. デヒア(1991.4.13)
    →シャンペンS(米GI)、ホープフルS(米GI)ほか。ケイアイガード(2001.5.16)、ウエスタンダンサー(2004.2.24)の父
  5. Clear Mandate(1992.2.8)
    →スピンスターS(米GI)、シュヴィーH(米GI)、ジョンAモリスH(米GI)ほか。牝馬。Tiznow(1997.3.12)との仔Strong Mandate(2011.2.8)はホープフルS(米GI)勝ち馬
  6. Mr Purple(1992.1.29)
    →サンタアニタH(米GI)ほか
  7. Always a Classic(1993.6.9)
    →アーリータイムズターフクラシックS(米GI)ほか
  8. ヴィクトリースピーチ(1993.4.12)
    →ストラブS(米GI)ほか。プリンシパルS(OP)を制したヴィクトリーラン(2003.4.2)の父
  9. トーヨーシアトル(1993.4.4)
    →東京大賞典(統一GI)ほか。松永善晴調教師&松永昌博騎手の父子に初のGIタイトルを贈りました
  10. Awesome Again(1994.3.29)
    →ブリーダーズカップ・クラシック(米GI)、ホイットニーH(米GI)ほか。仔Ghostzapper(2000.4.6)と共に父仔2代のブリーダーズカップ・クラシック制覇
  11. Deputy Commander(1994.4.15)
    →トラヴァーズS(米GI)、スーパーダービー(米GI)ほか。統一GIII5勝の牝馬グラッブユアハート(2000.4.30)の父
  12. Fabulously Fast(1994.5.16)
    →テストS(米GI)ほか。牝馬。甥にCity of Light(2014.5.7)
  13. Touch Gold(1994.5.26)
    →ベルモントS(米GI)、ハスケル招待H(米GI)ほか。フェラーリピサ(2004.4.28)の父
  14. Keeper Hill(1995.4.18)
    →ケンタッキーオークス(米GI)、スピンスターS(米GI)、ラスヴァージネスS(米GI)ほか。牝馬
  15. Well Chosen(1995.5.15)
    →アッシュランドS(米GI)ほか。牝馬
  16. Hello Seattle(1997.3.18)
    →マザリーンBCS(加GI)。牝馬
  17. Go Deputy(2000.1.25)
    →ソードダンサー招待S(米GI)ほか
  18. Miss Shop(2003.3.30)
    →パーソナルエンスンS(米GI)ほか。牝馬

18頭のGI馬のうち牡馬10頭、牝馬8頭の仔出し。1994年生まれ世代にAwesome Again、Deputy Commander、Touch Goldと強力な牡馬産駒が揃っていますが、種牡馬最初期に輩出したオープンマインドとGo for Wandの名牝2頭がDeputy Ministerの種牡馬としての飛躍のきっかけになったのでしょう。

私がDeputy Ministerを意識したのは、2頭の産駒、トーヨーシアトルとトーヨーレインボー(1994.5.30)によるもの。2頭共に「(有)トーヨークラブ&松永善晴厩舎&松永昌博騎手」の組み合わせでした。トーヨーシアトルは東京大賞典(統一GI)、東海菊花賞(統一GII)、平安S(GIII)、ウインターS(GIII)とダート重賞4勝を挙げ、上述の通り松永父子に初のGIタイトルを贈りました。なお、トーヨーシアトルが制した1997年の東京大賞典は距離2800mで施行された最後の東京大賞典であり、1997年の平安Sはシンコウウインディ(1993.4.14)との1着同着でした。また、トーヨーレインボーは中京記念(GIII)、シリウスS(GIII)と芝とダートで重賞勝ちを収め、1997年のマイルチャンピオンシップ(GI)ではタイキシャトル(1994.3.23)キョウエイマーチ(1994.4.19)に続いて3着に入り現年齢表記3歳馬による馬券圏内の独占の一翼を担いました。1990年代の(有)トーヨークラブは日本にあまり馴染みのない米国の血を上手に持ち込んで活躍馬を送り込んでいた印象もあります。

さて、Deputy Ministerの血はNorthern Dancerの分枝系の中では近年の日本では最も活力のある系統ではないでしょうか。競走馬としてはジェロームH(米GII)勝ちに留まったDeputy Minister産駒のフレンチデピュティ(1992.1.30)がノボジャック(1997.3.24)クロフネ(1998.3.31)エイシンデピュティ(2002.4.9)アドマイヤジュピタ(2003.3.1)フレンドシップ(2003.5.9)ピンクカメオ(2004.4.24)レジネッタ(2005.5.11)サウンドトゥルー(2010.5.15)等を始めとして活躍馬を多数輩出しました。フレンチデピュティの仔クロフネも名種牡馬となり、フサイチリシャール(2003.4.6)スリープレスナイト(2004.2.7)カレンチャン(2007.3.31)★、ホエールキャプチャ(2008.2.24)、アップトゥデイト(2010.2.18)、クラリティスカイ(2012.3.7)ホワイトフーガ(2012.3.28)アエロリット(2014.5.17)、そしてソダシ(2018.3.8)というジーワン勝ち馬たちを送り込みました。またDeputy Ministerを母父に持つ馬にはカネヒキリ(2002.2.26)、カジノドライヴ(2005.3.7)、ミスターメロディ(2015.3.29)等がいます。

若干余談的となりますが、左回りオンリーの米国、加国の血が凝縮されたDeputy Ministerを血統表に持つ馬は、左回りのレースで頑張る印象もあります。まま私の場合、クロフネとグラスエイコウオー(1998.3.27)の「フレンチデピュティワンツー」となったNHKマイルカップ(GI)や、クロフネのジャパンカップダート(GI)の印象が強く残っているのは否めません^^;

年度代表馬の同期生を辿る(其の弐拾肆)-クロフネ(1998.3.31)-
クロフネ 牡 芦毛 1998.3.31生~2021.1.17没 米・Nicholas M. Lotz生産 馬主・金子 真人氏 栗東・松田 国英厩舎

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[Deputy Minister(1979.5.17)の主な競走成績]

  1. ヤングアメリカS(米GI)、ローレルフューチュリティ(米GI)、ドンH(米GII)、トムフールS(米GII)
  2. メドウランズC(米GI)、スタイヴァサントH(米GII)
  3. ヴォスバーグS(米GI)

通算22戦12勝、2着2回、3着2回。

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