バンブーメモリー(1985.5.14)-濁音・半濁音にてGI馬を辿る(No.9)-

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バンブーメモリー 牡 栗毛 1985.5.14生~2014.8.7没 浦河町・バンブー牧場生産 馬主・竹田 辰一氏 栗東・武 邦彦厩舎

バンブーメモリー(1985.5.14)の4代血統表
モーニングフローリツク
栃栗毛 1975.4.10
種付け時活性値:0.25【9】
Grey Dawn
芦毛 1962.3.13
Herbager
鹿毛 1956.4.19
Vandale 1943
Flagette 1951
Polamia
芦毛 1955.3.13
Mahmoud 1933
Ampola 1949
Timely Affair
黒鹿毛 1971.3.20
Bold Hour
黒鹿毛 1964
▲Bold Ruler 1954.4.6
Seven Thirty 1958.5.14
Friendly Relations
栗毛 1966.4.15
Nearctic 1954.2.11
Flaring Top 1947.3.27
マドンナバンブー
鹿毛 1978.3.23
仔受胎時活性値:1.50【6】
モバリツズ
黒鹿毛 1971.4.25
種付け時活性値:1.50【6】
Sing Sing
鹿毛 1957
Tudor Minstrel 1944.2.16
Agin the Law 1946
Musaka
鹿毛 1964
Guard’s Tie 1954.3.24
アーテミサ 1958
ニンバスバンブー
栗毛 1964.3.17
仔受胎時活性値:1.25【13】
ニンバス
黒鹿毛 1946
種付け時活性値:0.25【17】
Nearco 1935.1.24
Kong 1933
ヤシマテンプル
鹿毛 1947.5.22
仔受胎時活性値:2.00【16】
セフト
鹿毛 1932
種付け時活性値:1.50【14】
神正
栗毛 1938.4.10
仔受胎時活性値:2.00(0.00)【8】

<5代血統表内のクロス:Nearco4×5>

バンブーメモリー(1985.5.14)の0の理論的総括
母父祖母父曾祖母父
モーニングフローリツク
(Herbager系)
モバリツズ
(Owen Tudor系)
ニンバス
(Nearco系)
セフト
(The Tetrarch系)
形相の遺伝料の遺伝牝系母の何番仔?
モバリツズ
(Revolte)
6.75 or 4.75
(【6】+【13】+【16】+【8】)
半弟バンブーゲネシス
(No. 5-h 種正系)
初仔
(不受胎後)

*

1989年の第39回安田記念(GI。東京芝1600m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢騎手走破
時計
着差調教師
114バンブーメモリー牡4岡部 幸雄1:34.3武 邦彦10
211ダイゴウシュール牡4大崎 昭一1:34.51・1/2柴田 寛12
39ミスティックスター牡6山田 和広1:35.03坪 正直6
412ホクトヘリオス牡5柴田 善臣1:35.11/2中野 隆良1
51ハワイアンコーラル牡4増沢 末夫1:35.31・1/2中村 広14
1989年の第39回安田記念(GI。東京芝1600m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.2 – 10.9 – 11.1 – 11.6 – 12.0 – 12.3 – 12.0 – 12.2
ラップの
累計タイム
12.2 – 23.1 – 34.2 – 45.8 – 57.8 – 1:10.1 – 1:22.1 – 1:34.3
上り4F 48.5 – 3F 36.5

武邦彦調教師の重賞初制覇にしてGI初制覇となった、1989年の第39回安田記念。バンブーメモリーにとっては、芝に転じて3戦目、前走シルクロードS(OP)3着から連闘での初東上でした。10番人気馬の驚きの快走でしたが、「挑戦者の気持ちが成した一発」だけではなかったことは、後のバンブーメモリーの走りで証明して行きました。

*

1989年の第32回スワンS(GII。京都芝1400m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢
騎手走破
時計
着差通過
順位
上り
4F
馬体重
[増減]
調教師
115バンブーメモリー牡459松永昌博1:21.711-846.1496
[+8]
武邦彦1
28イーグルシャトー牝655田島良保1:22.33.1/211-1346.3500
[+6]
小原伊佐美11
37ホクトヘリオス牡557柴田善臣1:22.3ハナ16-1546.2464
[+4]
中野隆良2
46メイショウコブラ牡355本田優1:22.41/211-1146.8540
[+2]
高橋直10
511サンキンハヤテ牡557田島信行1:22.4クビ7-447.0440
[+6]
橋口弘次郎6
1989年の第32回スワンS(GII。京都芝1400m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.9 – 10.8 – 10.9 – 11.2 – 11.9 – 12.2 – 11.8
ラップの
累計タイム
12.9 – 23.7 – 34.6 – 45.8 – 57.7 – 1:09.9 – 1:21.7
上り4F 47.1 – 3F 35.9

*

1990年の第20回高松宮杯(GII。中京芝2000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢
騎手走破
時計
着差通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
12バンブーメモリー牡559武豊1:59.411-10-9-535.1498
[-2]
武邦彦1
213シンウインド牝656南井克巳1:59.724-4-1-136.0466
[-4]
二分久男4
37シーキャリアー牡657西浦勝一2:00.12.1/22-2-2-236.2454
[+2]
高橋直7
43センリョウヤクシャ牡457河内洋2:00.41.3/42-2-2-236.5482
[-2]
庄野穂積2
58サンドピアリス牝455岸滋彦2:00.4アタマ11-12-13-1235.6412
[0]
吉永忍10
1990年の第20回高松宮杯(GII。中京芝2000m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.4 – 10.9 – 11.6 – 12.6 – 12.5 – 11.8 – 11.9 – 11.9 – 12.0 – 11.8
ラップの
累計タイム
12.4 – 23.3 – 34.9 – 47.5 – 1:00.0 – 1:11.8 – 1:23.7 – 1:35.6 – 1:47.6 – 1:59.4
上り4F 47.6 – 3F 35.7

*

1990年の第24回スプリンターズS(GI。中山芝1200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢騎手走破
時計
着差調教師
11バンブーメモリー牡5武 豊1:07.8レコード武 邦彦1
26ルイテイト牡5柴田 善臣1:08.01・1/2増本 豊5
311リンドホシ牡5加藤 和宏1:08.21・1/4佐藤 林次郎7
49ナルシスノワール牡4菅原 泰夫1:08.31/2田之上 勲8
510ダイタクヘリオス牡3岸 滋彦1:08.51・1/2梅田 康雄4
1990年の第24回スプリンターズS(GI。中山芝1200m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
11.7 – 10.2 – 10.5 – 11.5 – 11.8 – 12.1
ラップの
累計タイム
11.7 – 21.9 – 32.4 – 43.9 – 55.7 – 1:07.8
上り4F 45.9 – 3F 35.4

GIに昇格した初回、1990年の第24回スプリンターズS。電撃の6ハロン戦、中団やや後方、内ラチ沿いを長手綱で構えた武豊騎手の姿にア然としたファンもいらしたようですけれど、直線で見せた瞬発力がサスガの強者ぶり。終わってみれば、1分7秒8という日本レコード勝ち。それはまた、デビュー4年目の武騎手にとっても、中山競馬場での初勝利でした。

*

1989年と1990年、2年連続でJRA賞最優秀スプリンターを受賞したバンブーメモリー。1985年生まれ世代、最強世代の短距離路線の代表馬とも言える強豪でした。また、今ほどに距離の棲み分けがなされていなかった時代ということもありますが、1200m、1400m、1600m、2000mという異なる距離の重賞を制しています。距離適性の範囲が広い名馬でした。

JRA賞年度代表馬」シリーズでイナリワン(1984.5.7)の記事もアップしていますけれど、イナリワンとバンブーメモリーは、共に4代母を神正を持つ、御料牧場の種正(1920)系の子孫です。

JRA賞になって以降の年度代表馬を辿る(其の参)-イナリワン(1984.5.7)-。
イナリワン 牡 鹿毛 1984.5.7生~2016.2.7没 門別・山本実儀氏生産 馬主・保手浜弘規氏 大井・福永二三雄厩舎→美浦・鈴木清厩舎

私は、この5号族h分枝系の馬を好きになる傾向があるようで、マイシンザン(1990.3.7)やスプリングバンブー(1990.5.26)は、バンブーメモリーの曾祖母であるヤシマテンプルを高祖母に持つ馬たちです。まま、スプリングバンブーは、ニンバスバンブーからの別分枝で同じバンブー牧場さんの同牝系馬です^^;

御料の基礎繁殖馬に見る0遺伝-其の壱-。 - 中島理論コラムの裏ページ
皇室ゆかりの地である京都で行われるクラシック最終戦、菊花賞(JpnI)...

そしてまた近時の5号族h分枝系の活躍馬といえば、21世紀の超名牝に登り詰めようとしているリバティアイランド(2020.2.2)ですね。

リバティアイランド(2020.2.2)-第84回優駿牝馬(GI)の勝ち馬-
リバティアイランド 牝 鹿毛 2020.2.2生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・(有)サンデーレーシング 栗東・中内田 充正厩舎

*

第二次競馬ブームの活躍馬たちも、既に空の上で駆けている時代。

35歳まで生きたナイスネイチャ(1988.4.16)が逝ってしまった報せを受けて、なお一層、時の流れを感じざるを得ません。

けれど、競馬の素敵なところのひとつは、人それぞれに思い出に残る馬やレースがあること。

ライバルたちと激烈な勝負を見せたバンブーメモリー、彼の走りの記憶もまた、競馬ファンの心の中で永遠に。

 

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

*

[バンブーメモリー(1985.5.14)の主な競走成績]

  1. 安田記念(GI)、スプリンターズS(GI)、高松宮杯(GII)、スワンS(GII)
  2. マイルチャンピオンシップ(GI)2回、高松宮杯(GII)、CBC賞(GII)
  3. 天皇賞・秋(GI)、安田記念(GI)

通算39戦8勝、2着7回、3着5回。

*

ワイルドブラスター
ワイルドブラスター

「種正系の上級馬はスピード決着に強い印象もある」と、このサイトの管理人が言ってました。

マイシンザン
マイシンザン

イナリワンさんの天皇賞・春(GI)と有馬記念(GI)、バンブーメモリーさんのスプリンターズS。サスガやな。

ワイルドブラスター
ワイルドブラスター

兄さんがスプリングバンブーさんとワンツーフィニッシュした、1995年の朝日チャレンジC(GIII)もレコードでしたね。

マイシンザン
マイシンザン

あぁ。GI馬の両先輩とは比較にならんけれど、俺もこぶし賞は3歳コースレコード、NHK杯(GII)はレースレコード、朝日チャレンジCはコースレコードやったなぁ……。