グリーングラス(1973.4.5)-TTGの生誕50年に寄せて(No.3)-

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グリーングラス 牡 黒鹿毛 1973.4.5生~2000.6.19没 青森・諏訪牧場生産 馬主・半沢吉四郎氏 美浦・中野隆良厩舎

グリーングラス(1973.4.5)の4代血統表
インターメゾ
黒鹿毛 1966
種付け時活性値:1.50【6】
Hornbeam
栗毛 1953
Hyperion
栗毛 1930.4.18
Gainsborough 1915.1.24
Selene 1919
Thicket
鹿毛 1947
Nasrullah 1940.3.2
Thorn Wood 1942
Plaza
鹿毛 1958
Persian Gulf
鹿毛 1940
Bahram 1932.4.13
Double Life 1926
Wild Success
黒鹿毛 1949
Niccolo Dell’Arca 1938
Lavinia 1933
ダーリングヒメ
栗毛 1964.5.5
仔受胎時活性値:2.00【8】
ニンバス
黒鹿毛 1946
種付け時活性値:0.25【17】
Nearco
黒鹿毛 1935.1.24
Pharos 1920.4.4
Nogara 1928 ♀
Kong
芦毛 1933
Baytown 1925
Clang 1925
ダーリングクイン
栗毛 1958.3.19
仔受胎時活性値:1.25【5】
★ゲイタイム
栗毛 1949
種付け時活性値:0.00【8】
Rockefella 1941
Daring Miss 1939
ダーリング
栗毛 1947.5.12
仔受胎時活性値:0.50【10】
セフト
鹿毛 1932
種付け時活性値:1.50【14】
第弐タイランツクヰーン
芦毛 1934.4.26
仔受胎時活性値:1.00【12】

<5代血統表内のクロス:Hyperion3×5、Nearco3×5、Nogara(♀)4×5>

グリーングラス(1973.4.5)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
インターメゾ
(Hyperion系)
ニンバス
(Nearco系)
ゲイタイム
(Hyperion系)
セフト
(The Tetrarch系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
インターメゾ 4.75
(【8】+【5】+【10】+【12】)
母と妹も重賞勝ち馬
(No. 14-f タイランツクヰーン系)
3番仔
(3連産目)

*

1976年の第37回菊花賞(京都芝3000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 11 グリーングラス 牡3 安田 富男 3:09.9 中野 隆良 12
2 13 テンポイント 牡3 鹿戸 明 3:10.3 2・1/2 小川 佐助 3
3 7 トウシヨウボーイ 牡3 福永 洋一 3:10.7 2・1/2 保田 隆芳 1
4 18 コーヨーチカラ 牡3 高橋 成忠 3:10.7 アタマ 田中 良平 15
5 1 タニノレオ 牡3 小谷内 秀夫 3:10.8 1/2 戸山 為夫 13

*

【競馬】[1978年]天皇賞(春) グリーングラス
【競馬】天皇賞(春) グリーングラス 【youtube転載】今回も不調が伝えられ天皇賞は同馬にとって鬼門となりつつあったが、直前の調教で急...
1978年の第77回天皇賞・春(京都芝3200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 3 グリーングラス 牡5 岡部 幸雄 3:20.8 中野 隆良 1
2 12 トウフクセダン 牡5 宮田 仁 3:21.0 1 大久保 末吉 7
3 16 カシュウチカラ 牡5 出口 明見 3:21.0 クビ 矢倉 玉男 3
4 10 ジンクエイト 牡4 田島 良保 3:22.2 7 福島 勝 10
5 11 カミノカチドキ 牡4 小島 太 3:22.3 1/2 仲住 達弥 9

*

1979年の第24回有馬記念(中山芝2500m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 3 グリーングラス 牡6 大崎 昭一 2:35.4 中野 隆良 2
2 12 メジロファントム 牡4 横山 富雄 2:35.4 ハナ 大久保 洋吉 6
3 7 カネミノブ 牡5 加賀 武見 2:35.9 3 阿部 新生 7
4 6 ハシクランツ 牡3 柴田 光陽 2:36.1 1・1/4 内藤 繁春 8
5 4 ホクトボーイ 牡6 久保 敏文 2:36.4 1・3/4 久保 道雄 15

*

グリーングラス。確かに「第三の男」であったかも知れません。けれどトウショウボーイ(1973.4.15)、テンポイント(1973.4.19)、

トウシヨウボーイ(1973.4.15)-TTGの生誕50年に寄せて(No.1)-
トウシヨウボーイ(1973.4.15)-TTGの生誕50年に寄せて(No.1)-
テンポイント(1973.4.19)-TTGの生誕50年に寄せて(No.2)-
テンポイント(1973.4.19)-TTGの生誕50年に寄せて(No.2)-

グリーングラスというTTG3頭の中では唯一八大競走3勝を挙げ、3億2,845万1,000円と3頭の中では最も賞金を稼いでみせました。また菊花賞の次走となった古馬初戦のAJCCでは東京芝2400mを2分26秒3、夏の日本経済賞では中山芝2500mを2分33秒8とレコード勝ち2回を収める確かなスピードの持ち主でもありました。そしてTT2頭の姿がターフで見えなくなった後、天皇賞・春を勝ち、引退レースとなった有馬記念を勝つ。グリーングラス、三強の一角を占めたその矜持。男としての格好良さを思います。

格好良さということでは、容姿淡麗であったグリーングラス、その黒鹿毛の男前ぶりから、馬主である半沢吉四郎氏は「アランドロン」という馬名を申請したものの却下されたというエピソードもあります。そしてまた天皇賞・春を制した際に鞍上を務められた岡部幸雄騎手曰く、一度使うとコロッと変わる馬で、脚が痛くない時は競馬が違う。他馬もお構いなしで展開も何も関係ない。行きたい所から行けば押し切ってしまうんだという馬だったそうです。勝ったレースを見れば3角から4角にかけて自力でまくって早めに先頭に立ち、直線では内ラチを利用しながら脚を伸ばすというレースぶり。純然たるステイヤーによる強い走り。

素晴らしい、グリーングラス。

*

[グリーングラス(1973.4.5)の主な競走成績]

  1. 有馬記念、菊花賞、天皇賞・春、日本経済賞、AJCC
  2. 宝塚記念、AJCC2回、目黒記念・春
  3. 有馬記念、宝塚記念2回

通算26戦8勝、2着7回、3着4回。

*

TTGの生誕50年に寄せて
No. 馬名
(生年月日)
[F No.]
母の
何番仔?
[料の遺伝]
4代血統構成
母父 祖母父 曾祖母父
1 トウシヨウボーイ
(1973.4.15)
[1-w]
10番仔
(5連産目)
[6.75]
テスコボーイ
(Princely Gift系)
Your Host
(Hyperion系)
Easton
(Bay Ronald系)
Blue Larkspur
(Himyar系)
2 テンポイント
(1973.4.19)
[3 星若系]
2番仔
(2連産目)
[5.25]
コントライト
(Never Say Die系)
カバーラツプ二世
(Hyperion系)
セフト
(The Tetrarch系)
◆Sir Gallahad
(Teddy系)
3 グリーングラス
(1973.4.5)
[14-f タイランツクヰーン系]
3番仔
(3連産目)
[4.75]
インターメゾ
(Hyperion系)
ニンバス
(Nearco系)
ゲイタイム
(Hyperion系)
セフト
(The Tetrarch系)

鹿毛の天馬、栗毛の流星、黒鹿毛の美麗馬と、3頭共に眉目秀麗な馬たち。その美しさと共に、

TTGが同じレースに2頭以上揃った時の着順について
レース名 トウショウボーイ テンポイント グリーングラス
1976 新馬戦 1着 4着
1976 皐月賞 1着 2着
1976 東京優駿 2着 7着
1976 菊花賞 3着 2着 1着
1976 有馬記念 1着 2着
1977 天皇賞・春 1着 4着
1977 宝塚記念 1着 2着 3着
1977 天皇賞・秋 7着 5着
1977 有馬記念 2着 1着 3着

3頭が一緒に走った時は絶対に3頭の勝負。3頭で現在で言うGI級競走を3勝ずつで9勝、3頭いずれも有馬記念を勝ち、3頭いずれも優駿賞年度代表馬に輝くという凄さ。1973年4月5日から1973年4月19日までの2週間で、よくぞこの3頭がこの世に生を受けたもの。

トウショウボーイ、テンポイント、グリーングラス。

TTGの物語は日本の競馬者の中で永久に受け継がれていくのでしょう。

 

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

#トウショウボーイとグリーングラスの新馬戦にはシービークイン(1973.2.23)も一緒に走っていたのですから、これは「伝説の新馬戦」と言わざるを得ません。ミスターシービー(1980.4.7)、お父さんとお母さんが競走馬としてのデビュー戦を共にしたのです。

##グリーングラスの仔はトシグリーン(1987.5.5)が懐かしく思い出されます。1993年のCBC賞(GII)、代替開催となった京都芝1200mを1分7秒9のコースレコードで制しました。西浦勝一騎手の最後の重賞勝ちでしたが、表彰式での笑顔が素敵でした。しかし、ゴリゴリのステイヤー種牡馬から、よくぞスプリンターが生まれたもの。血統の不思議さを思ったものですが、トシグリーンを管理された柳田次男調教師が「この馬は鼻孔が小さいから適正が短距離になった(大意)」と、KBS京都の取材で答えられていたように記憶しています。

###グリーングラスは、かつて関西テレビ放送で放映されていた「私の名馬」という番組で草野仁さんが「私の名馬」として挙げられていました。草野さんご自身もNHKのアナウンサーとしてグリーングラスが制した菊花賞の実況を担当されましたが、その菊花賞の実況前に杉本清アナウンサーに教えを請うたエピソードを披露されていました。「NHKの先輩方はラジオ的な実況であり、テレビ的な実況ということでは関西テレビの杉本さんが素晴らしい(大意)」ということで、局の垣根を越えて師事されたそうです。

https://www.jra.go.jp/gallery/column/syouzou/pdf/2021-22.pdf

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