ドゥレッツァ 牡 青鹿毛 2020.4.24生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・(有)キャロットファーム 美浦・尾関 知人厩舎
ドゥラメンテ 鹿毛 2012.3.22 種付け時活性値:1.75【7】 |
キングカメハメハ 鹿毛 2001.3.20 |
Kingmambo 鹿毛 1990.2.19 |
Mr. Prospector 1970.1.28 |
Miesque 1984.3.14 | |||
マンファス 黒鹿毛 1991.2.23 |
ラストタイクーン 1983.5.9 | ||
Pilot Bird 1983.2.9 | |||
アドマイヤグルーヴ 鹿毛 2000.4.30 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 1969.2.7 | |
Wishing Well 1975.4.12 | |||
エアグルーヴ 鹿毛 1993.4.6 |
トニービン 1983.4.7 | ||
ダイナカール 1980.5.10 | |||
モアザンセイクリッド(AUS) 青鹿毛 2009.9.26 仔受胎時活性値:0.375【9.5】 |
More Than Ready 黒鹿毛 1997.4.4 種付け時活性値:0.875【11.5】 |
サザンヘイロー 鹿毛 1983.2.9 |
Halo 1969.2.7 |
Northern Sea 1974.3.13 | |||
Woodman’s Girl 鹿毛 1990.4.30 |
Woodman 1983.2.17 | ||
Becky Be Good 1981.2.26 | |||
Danalaga(AUS) 鹿毛 2000.8.11 仔受胎時活性値:2.00(0.00)【8】 |
デインヒル 鹿毛 1986.3.26 種付け時活性値:1.375【13.5】 |
★Danzig 1977.2.12 | |
Razyana 1981.4.18 | |||
Tamarino(IRE) 鹿毛 1995.5.31 仔受胎時活性値:1.125【4.5.】 |
Caerleon 鹿毛 1980.3.27 種付け時活性値:1.50【14】 |
||
Fruition(IRE) 鹿毛 1978.2.19 仔受胎時活性値:2.00(0.00)【16】 |
<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector4×5、Halo4×4、Northern Dancer5×5(母方)>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
ドゥラメンテ (Mr. Prospector系) |
More Than Ready (Halo系) |
デインヒル (Danzig系) |
Caerleon (Nijinsky系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
ドゥラメンテ | 5.50 or 3.50 or 1.50 (【9.5】+【8】+【4.5】+【16】) |
母が新オークス馬 (No. 2-f) |
4番仔 (5連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 17 | ドゥレッツァ | 牡3 | 57 | C.ルメール | 3:03.1 | 1-1-3-2 | 34.6 | 468 [+12] |
尾関 知人 | 4 | |
2 | 7 | タスティエーラ | 牡3 | 57 | J.モレイラ | 3:03.7 | 3 1/2 | 9-11-9-8 | 34.8 | 480 [+2] |
堀 宣行 | 2 |
3 | 14 | ソールオリエンス | 牡3 | 57 | 横山 武史 | 3:04.0 | 1 1/2 | 11-12-12-8 | 35.1 | 464 [+4] |
手塚 貴久 | 1 |
4 | 6 | リビアングラス | 牡3 | 57 | 坂井 瑠星 | 3:04.1 | 3/4 | 3-3-1-1 | 35.9 | 498 [-2] |
矢作 芳人 | 9 |
5 | 8 | サヴォーナ | 牡3 | 57 | 池添 謙一 | 3:04.1 | ハナ | 15-15-3-2 | 35.6 | 536 [+8] |
中竹 和也 | 7 |
1F毎の ラップ |
12.7 – 11.7 – 11.1 – 12.3 – 12.6 – 12.9 – 13.1 – 13.0 – 12.8 – 12.3 – 12.1 – 11.6 – 11.7 – 11.4 – 11.8 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.7 – 24.4 – 35.5 – 47.8 – 1:00.4 – 1:13.3 – 1:26.4 – 1:39.4 – 1:52.2 – 2:04.5 – 2:16.6 – 2:28.2 – 2:39.9 – 2:51.3 – 3:03.1 |
上り | 4F 46.5 – 3F 34.9 |
京都芝3000m、晴の良馬場、17頭立て。アグネスフライト(1997.3.2)とエアシャカール(1997.2.26)の2000年の第61回以来23年ぶりの東京優駿(GI)勝ち馬と皐月賞(GI)勝ち馬の対決、ディープインパクト(2002.3.25)の2005年の第66回以来18年ぶりのフルゲート割れとなった2023年の第84回菊花賞。終わってみれば大外17番枠から発進した「別路線からの挑戦者」であったドゥレッツァが「激しさ、厳しさ」という馬名意味に相応しい破天荒な勝ちっぷりで、自身の5連勝目を重賞初挑戦となったクラシック最終戦で決めてみせました。重賞初挑戦馬の菊花賞制覇はメジロマックイーン(1987.4.3)の1990年の第51回以来33年ぶりのこと。不思議なシンクロはあるもので、33年前は4番人気メジロマックイーン、2番人気ホワイトストーン(1987.4.2)、1番人気メジロライアン(1987.4.11)の決着でしたが、今年2023年も4番人気ドゥレッツァ、2番人気タスティエーラ(2020.3.22)、1番人気ソールオリエンス(2020.4.4)の決着。そして1番人気馬に騎乗していたのは共に横山家の騎手。と書いてみて33年前の1番人気馬に騎乗していた横山典弘騎手が現在も現役バリバリなのが、やっぱり凄い。
今回の菊花賞、ドゥレッツァの勝ち方はかなり衝撃的でした。
1周目は静かな騎乗をしたかったのですが馬がとても元気で、すぐ前の方に行ったので逃げた方がいいと思いハナを切る判断をしました。3、4コーナーの手応えは良く、いい結果を出せると思いました。直線向いてからまた加速して、勝てると思いました。
【菊花賞】(京都)未勝利戦から連勝で挑んだドゥレッツァが奇策な競馬で淀の3000mを走り切り新星誕生|競馬実況web|競馬|ラジオNIKKEI
大外枠から五分のスタートを決めると、最初の坂の下りでのドゥレッツァの行き脚を見るや、ハナに立たせたクリストフ・ルメール騎手の判断力と胆力。自分でペースを作ると1000m通過1分0秒4、向こう正面に入ってマイル通過1分39秒4あたりでパクスオトマニカ(2020.2.12)、リビアングラス(2020.2.20)に前を譲ると最内3番手でじっと折り合い。2000m通過2分4秒5と1000mから2000mは1分4秒1と息が入ると、再加速に向けて虎視眈々。「まだよ、まだよ」ばかりに2回目の坂をやり過ごして迎えた京都芝Aコース外回りの直線403.7m。若武者の気迫とそれに応じようとするリビアングラスの外から伸びて来た、桃の帽子に「緑、白二本輪、白袖赤一本輪」の勝負服を乗せた青鹿毛の流星に青のシャドーロール、軽やかなフットワークも鮮やかにドゥレッツァ。上がり3ハロン34秒6というメンバー随一の末脚を前に行った馬に披露されては、後に続いた日本ダービー馬も皐月賞馬も為す術なし。ルメール騎手の好騎乗にして巧騎乗が光りましたが、それに応えたドゥレッツァが素晴らしかった。東京芝2000mの2歳未勝利戦、中山芝2200mの山吹賞、東京芝2000mのホンコンジョッキークラブT、新潟芝2200mの日本海S、そして京都芝3000mの菊花賞。ドゥレッツァの5連勝はいずれも最速の上がり脚を使ってのものでしたが、菊花賞は最初は自分のペースで逃げ、道中でいったん3番手に控え、そして最後に鋭脚で封じるという、とんでもなく強い競馬。ドゥレッツァ、これは恐れ入りました。
*
ドゥレッツァの父であるドゥラメンテ。タイトルホルダー(2018.2.10)、スターズオンアース(2019.2.27)、ヴァレーデラルナ(2019.1.17)、リバティアイランド(2020.2.2)、ドゥラエレーデ(2020.1.29)、シャンパンカラー(2020.3.3)に続いて、ドゥレッツァが7頭目のジーワン級競走勝ち馬となりました。3世代で7頭ですが特に3世代目の2020年生まれ世代からは4頭が輩出されています。2020年生まれ世代の4頭の内3頭はノーザンファームの生産馬ですが、リバティアイランドとドゥレッツァは母が大洋州(オセアニア)のGI勝ち馬、ドゥラエレーデは祖母が亜国GI勝ち馬と、南半球で世代交代された血との組み合わせにより送り出されています。このあたり、サスガというところ。しかし、ドゥラメンテは種牡馬としてもスゴイ才能を発揮したものです。GI勝ちを収めた産駒は強烈な能力を見せていますので、2021年、9歳時の早世が本当に惜しまれます。
そしてまた今回の菊花賞の1着から3着を見れば、それぞれの父がドゥラメンテ、サトノクラウン(2020.3.10)、キタサンブラック(2012.3.10)と、父どうしも2012年生まれ世代の同期生。朝日杯セントライト記念(GII)を制したレーベンスティール(2020.3.8)の記事をアップした際にも記しました。
#ソールオリエンスを軸としてタスティエーラ、レーベンスティールの(有)キャロットファームの2頭を思うと、父仔2代の戦いを思いますね。キタサンブラック(2012.3.10)の仔ソールオリエンス、サトノクラウン(2012.3.10)の仔タスティエーラ、リアルスティールの仔レーベンスティール。父も仔も同期生ですから。ここにドゥラメンテ(2012.3.22)の牡の仔が加わると完全に代理闘争というところでしょうか。……あ、ドゥレッツァ(2020.4.24)がいますね。この4連勝中の素質馬もやはり(有)キャロットファームの持ち馬です^^;
マスクトディーヴァ(2020.5.12)&レーベンスティール(2020.3.8)-2023年のクラシック候補生を確認する(No. 36)-
ドゥラメンテとドゥレッツァ、サトノクラウンとタスティエーラ、キタサンブラックとソールオリエンス、リアルスティールとレーベンスティール。父仔2代に渡るボス争い、仔どうしはこれからも競走でぶつかり合うこともあるでしょう。血の物語、やはり競馬の醍醐味のひとつです(^^)
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3000mの菊花賞で初タイトルを獲得したドゥレッツァですが、これまでの戦績やその瞬発力からは「2000mから2400mもどんと来い」のようにも見えます。「強い馬が勝つ」菊花賞を制したドゥレッツァ、結局、なんだかんだ言いながらタレントが揃っている2020年生まれ世代の牡馬代表の一角として、今後の活躍も期待しています。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。