2017年のクラシック候補生を確認する(番外編・其の参)

アダムバローズ 牡 黒鹿毛 2014.3.27生 新ひだか・服部牧場生産 馬主・猪熊広次氏 栗東・角田晃一厩舎

アダムバローズ(2014.3.27)の4代血統表
ハーツクライ
鹿毛 2001.4.15
種付け時活性値:1.00
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
アイリッシュダンス
鹿毛 1990.3.26
トニービン
鹿毛 1983.4.7
カンパラ 1976.2.19
Severn Bridge 1965
ビユーパーダンス
黒鹿毛 1983.2.26
Lyphard 1969.5.10
My Bupers 1967.6.1
チャチャリーノ
鹿毛 2003.4.8
仔受胎時活性値:0.50
Unbridled’s Song
芦毛 1993.2.18
種付け時活性値:0.25
Unbridled
鹿毛 1987.3.5
▲Fappiano 1977.5.19
Gana Facil 1981.2.9
Trolley Song
芦毛 1983.4.13
Caro 1967.4.11
Lucky Spell 1971.1.28
パーレイ
栗毛 1994.2.19
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
Mt. Livermore
栗毛 1981.4.21
種付け時活性値:1.00
Blushing Groom 1974.4.8
Flama Ardiente 1972.3.25
Sister Aggie
栗毛 1980.2.27
仔受胎時活性値:1.25
Great Above
黒鹿毛 1972.1.19
種付け時活性値:1.75
Space Gal
鹿毛 1967.3.6
仔受胎時活性値:1.00

<5代血統表内のクロス:なし>

アダムバローズ(2014.3.27)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ハーツクライ
(Halo系)
Unbridled’s Song
(Mr. Prospector系)
Mt. Livermore
(Red God系)
Great Above
(Rough’n Tumble系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Great Above
(Sister Aggie)
4.75 or 2.75 祖母が米GII勝ち馬
(No. 3-i)
6番仔
(6連産目)

若駒S(OP)、若葉S(OP)と芝2000mのオープン特別を連勝。逃げ先行策からのしぶとい粘り腰が板に付いて来た感もある、アダムバローズ。伊達や酔狂で3歳3月の時点で4勝は挙げられません。そして、角田晃一厩舎で池添謙一騎手という組み合わせ。ブンテキ一門の2人は、スイープトウショウ(2001.5.9)に実戦で騎乗したことがある、たった2人の騎手どうしでもあります。

アダムバローズの父ハーツクライは、今年2017年のクラシックに挑む2014年生まれ世代について、スワーヴリチャード(2014.3.10)リスグラシュー(2014.1.18)アドマイヤミヤビ(2014.1.14)と、牡牝問わず有力馬を送り込んでいます。牡馬のスワーヴリチャードとアダムバローズは共に「ハーツクライ×Unbridled’s Song牝馬」ということもあり、相性の良い組み合わせなのかも知れませんね。

さて、アダムバローズの最優性先祖である曾祖母父Great Aboveは、現役時代に13勝を挙げ、その主な勝ち鞍にダート6ハロン戦のポーモノクH(当時米GIII)があります。

競走馬としてはマイナー成績だったGreat Aboveですが、その代表産駒には、

  1. Holy Bull(1991.1.24)
    →トラヴァーズS(米GI)、フロリダダービー(米GI)、メトロポリタンH(米GI)、ハスケル招待H(米GI)、フューチュリティS(米GI)、ウッドワードS(米GI)ほか
  2. Love That Mac(1982.5.6)
    →カーターH(当時米GII、現米GI)ほか
  3. Nany(1980.4.29)
    →ベッドオーロージズH(米GIII)、ヴェイグランシーH(米GIII)ほか
  4. Great Smoke(1984.4.2)
    →モーヴェンS(米GIII)

1頭、超大物の名前が見えます。Holy Bull、1994年のエクリプス賞年度代表馬は、逃げ戦法でGI6勝、GII3勝と米国のグレードレースを勝ちまくりました。Holy Bullは、父Great Aboveがブリーダーズカップの種牡馬登録が無かったこともあり、ブリーダーズカップには出走しませんでした。しかし、種牡馬Holy Bullは直仔Macho Uno(1998.4.24)-Awesome Again(1994.3.29)の半弟-がブリーダーズカップ・ジュヴェナイル(米GI)を制し、Macho Unoの仔Mucho Macho Man(2008.6.15)がブリーダーズカップ・クラシック(米GI)を制しています。また、Macho Unoの仔ダノンレジェンド(2010.2.24)はJBCスプリント(JpnI)、東京盃(JpnII)、カペラS(GIII)、クラスターC(JpnIII)2回、黒船賞(JpnIII)2回、東京スプリント(JpnIII)、北海道スプリントC(JpnIII)と重賞9勝を挙げ、今年2017年からイーストスタッドにて種牡馬入りしています。

*

テイエムヒッタマゲ 牡 栗毛 2014.4.4生 鹿児島・テイエム牧場生産 馬主・竹園正繼氏 栗東・福島信晴厩舎

テイエムヒッタマゲ(2014.4.4)の4代血統表
テイエムオペラオー
栗毛 1996.3.13
種付け時活性値:0.25
オペラハウス
鹿毛 1988.2.24
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
Northern Dancer 1961.5.27
Fairy Bridge 1975.5.4
Colorspin
鹿毛 1983.3.16
High Top 1969
Reprocolor 1976.5.14
ワンスウエド
栗毛 1984.3.18
▲Blushing Groom
栗毛 1974.4.8
Red God 1954.2.15
Runaway Bride 1962
Noura
黒鹿毛 1978.3.25
Key to the Kingdom 1970.3.12
River Guide 1971.3.16
テイエムクレナイ
栗毛 2005.3.17
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
ティンバーカントリー
栗毛 1992.4.12
種付け時活性値:1.00
★Woodman
栗毛 1983.2.17
Mr. Prospector 1970.1.28
プレイメイト 1975.4.12
Fall Aspen
栗毛 1976.3.9
Pretense 1963.4.19
Change Water 1969.4.7
グラヴィール
栗毛 1996.2.28
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
トニービン
鹿毛 1983.4.7
種付け時活性値:1.00
カンパラ 1976.2.19
Severn Bridge 1965
クライングフォーモア
黒鹿毛 1989.1.24
仔受胎時活性値:1.50
Always Run Lucky
栗毛 1978.4.1
種付け時活性値:0.50
オールドスタッフ
鹿毛 1985.2.5
仔受胎時活性値:0.75

<5代血統表内のクロス:なし>

テイエムヒッタマゲ(2014.4.4)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
テイエムオペラオー
(Sadler’s Wells系)
ティンバーカントリー
(Mr. Prospector系)
トニービン
(ゼダーン系)
Always Run Lucky
(Bold Ruler系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ティンバーカントリー
(Fall Aspen)
6.25 or 4.25 or 2.25 近親サトノノブレス
(No. 9-f)
2番仔
(2連産目)

9番人気で挑んだ中京ダート1400mの昇竜S(OP)。逃げ先行策で上手さを見せられる感もある田中健騎手に導かれて先手を取ると、最後まで粘り切りました。テイエムヒッタマゲ、その馬名の意味は「冠名+たいへん驚いた(鹿児島弁)」。鹿児島県産馬による3歳オープン特別の勝利に、たいへん驚いたファンも多かったはずです。また、「世紀末覇王」テイエムオペラオーにとっては、ダイナミックグロウ(2004.3.17)、テイエムキュウコー(2011.4.17)に続く、JRA平地オープン特別勝ちの産駒となりました。

さて、テイエムヒッタマゲの最優性先祖である母父ティンバーカントリーは、現役時代に5勝を挙げ、その主な勝ち鞍にプリークネスS(米GI)、ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル(米GI)、シャンペンS(米GI)、バルボアS(当時米GIII。現ベストパルS、米GII)とグレードレース4勝があります。GIレース勝ち馬を4頭産んだ名牝Fall Aspenの直仔ティンバーカントリー、ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルの勝ち馬として、初めて米国の3歳牡馬クラシックレース(=プリークネスS)を制した馬でもありました。

そんなティンバーカントリーの代表産駒には、

  1. アドマイヤドン(1999.5.17)
    →フェブラリーS(GI)、朝日杯フューチュリティS(GI)、帝王賞(JpnI)、JBCクラシック(JpnI)3回、マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI)ほか
  2. ムガムチュウ(1998.2.26)
    →ダービーグランプリ(当時統一GI)、北海道3歳優駿(当時統一GIII。現北海道2歳優駿、JpnIII)ほか
  3. Eremein(2001.11.6)
    →オーストラリアンダービー(GI)、ローズヒルギニー(豪GI)、クイーンエリザベスS(豪GI)、ザ・BMW(豪GI)、ランヴェットS(豪GI)ほか
  4. Balletto(2002.3.22)
    →フリゼットS(米GI)ほか
  5. ギルデットエージ(1997.5.6)
    →中山大障害(J・GI)
  6. ヤマカツリリー(2000.2.15)
    →フィリーズレビュー(GII)ほか
  7. トウショウナイト(2001.5.29)
    →アルゼンチン共和国杯(GII)ほか
  8. トーセンジョウオー(2001.3.25)
    →エンプレス杯(JpnII)、関東オークス(当時JpnIII、現JpnII)、スパーキングレディーC(JpnIII)2回、マリーンC(JpnIII)2回ほか
  9. チャームアスリープ(2003.3.19)
    →関東オークス
  10. ボランタス(2004.4.21)
    →浦和記念(JpnII)ほか
  11. エリモカントリー(2000.5.30)
    →東京ハイジャンプ(J・GII)、京都ジャンプS(J・GIII)
  12. アドマイヤタッチ(1997.1.14)
    →兵庫ジュニアグランプリ(当時統一GIII、現JpnII)
  13. ヒシアトラス(2000.3.20)
    →平安S(GIII)、マーチS(GIII)、エルムS(GIII)ほか
  14. スズノマーチ(2000.2.20)
    →エプソムC(GIII)ほか
  15. パラダイスフラワー(2004.5.11)
    →エーデルワイス賞(当時統一GIII、現JpnIII)

ティンバーカントリーの代表産駒の筆頭に挙げたアドマイヤドンは、名牝ベガ(1990.3.8)が空胎後の3番仔。テイエムヒッタマゲの5代母は、ベガの母でもあるアンテイツクヴアリユー(1979.2.25)ですから、同牝系ですね。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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