Diamond Necklace(ダイヤモンドネックレス) 牝 鹿毛 2023.2.9生 愛国・Ecurie Des Monceaux & Skymarc Farm Inc生産 馬主・M Tabor & D Smith & Mrs J Magnier & Westerberg 愛国・A P O’Brien厩舎
| St Mark’s Basilica 鹿毛 2018.3.18 種付け時活性値:1.00【4】 |
Siyouni 鹿毛 2007.2.14 |
Pivotal 栗毛 1993.1.19 |
Polar Falcon 1987.6.1 |
| Fearless Revival 1987.3.3 | |||
| Sichilla 鹿毛 2002.2.28 |
デインヒル 1986.3.26 | ||
| Slipstream Queen 1990.6.2 | |||
| Cabaret 鹿毛 2007.5.4 |
★Galileo 鹿毛 1998.3.30 |
★Sadler’s Wells 1981.4.11 | |
| Urban Sea 1989.2.18 | |||
| Witch of Fife 黒鹿毛 1993.1.28 |
Lear Fan 1981.2.2 | ||
| Fife 1988.4.26 | |||
| Prudenzia 鹿毛 2005.5.14 仔受胎時活性値:0.25【17】 |
★ Dansili 黒鹿毛 1996.1.27 種付け時活性値:0.00【8】 |
デインヒル 鹿毛 1986.3.26 |
★Danzig 1977.2.12 |
| Razyana 1981.4.18 | |||
| Hasili 鹿毛 1991.3.12 |
Kahyasi 1985.4.2 | ||
| Kerali 1984.3.4 | |||
| Platonic 鹿毛 1999.2.6 仔受胎時活性値:1.25【5】 |
★Zafonic 鹿毛 1990.4.1 種付け時活性値:0.00【8】 |
Gone West 1984.3.10 | |
| Zaizafon 1982.1.18 | |||
| Puce 鹿毛 1993.4.2 仔受胎時活性値:1.25【5】 |
Darshaan 黒鹿毛 1981.4.18 種付け時活性値:0.75【11】 |
||
| Souk 鹿毛 1988.4.27 仔受胎時活性値:1.00【4】 |
<5代血統表内のクロス:デインヒル4×3、Northern Dancer5×5>
| 父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
|---|---|---|---|
| St Mark’s Basilica (Nureyev系) |
★Dansili (デインヒル系) |
★Zafonic (Mr. Prospector系) |
Darshaan (Mill Reef系) |
| 形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
| St Mark’s Basilica | 3.75 (【17】+【5】+【5】+【4】) |
半姉Magic Wand (No. 21-a) |
10番仔? |
*
| 着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破時計 ・着差 |
調教師 | 人 気 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 8 | Diamond Necklace | 牝3 | 57 | Ryan Moore | 2:03.78 | A P O’Brien | 1 |
| 2 | 5 | Pink Panthera | 牝3 | 57 | Tony Piccone | 短クビ | P Cottier | 8 |
| 3 | 7 | Inis Mor | 牝3 | 57 | Oisin Murphy | 2 | David Menuisier | 6 |
| 4 | 3 | Habibi | 牝3 | 57 | Cristian Demuro | 1 | J-C Rouget | 10 |
| 5 | 4 | Evita | 牝3 | 57 | Christophe Soumillon | 1 1/4 | C & Y Lerner | 7 |

2026年の第177回ディアヌ賞。絶好の良馬場で行われた仏国牝馬クラシックは11頭立て。バリードイルのMoments of Joy(2023.3.14)が好スタートを切って先頭へ。圧倒的1番人気のDiamond Necklaceは馬群中程の6番手に控える形をとりました。逃げたMoments of Joyに対してEsna(2023.4.4)が雁行するように進むと、隊列は大きく変わることなく3コーナーから4コーナーのシャンティイ城を背にして勝負の直線へ。ブルードメアサイアーにディープインパクト(2002.3.25)を持つInis Mor(2023.2.12)がラスト400mで内から先に抜け出しましたが、ライアン・ムーア騎手のエスコートで馬場の外側へと持ち出されたDiamond Necklaceがスパート。しかし同時に大外からトニー・ピッコーヌ騎手のアクションに応えた、パントレセレブル(1994.3.17)の姪であるPink Panthera(2023.5.12)が猛烈な末脚で急襲。いったんはPink Pantheraの脚色が勝ったかのようにも見えましたけれど、「相手が迫れば迫るだけ伸びる」という感を見せたDiamond Necklaceが差し返し、最後は「ショートネック」だけ先んじたところがシャンティイ芝2100mのゴールポスト。Diamond Necklace、デビュー以来負け無しの5戦5勝、無敗でマルセルブサック賞(仏GI)、仏1000ギニー(GI)、そしてディアヌ賞と仏国の牝馬GI3連勝を果たしたという結末でした。
Diamond Necklaceは上述の通りマルセルブサック賞、仏1000ギニー、ディアヌ賞の仏国の牝馬GIを3つ制したのですが、この3つのレースを勝った牝馬たちを確認してみますと、
- Allez France(1970.5.24)
→凱旋門賞(仏GI)、ディアヌ賞(仏GI)、仏1000ギニー(GI)、ヴェルメイユ賞(仏GI)、イスパーン賞(仏GI)、ガネー賞(仏GI)2回、クリテリウム・ド・プーリッシュ(仏GI)ほか。ダニエル・ウィルデンシュタインが誇った「行け、フランス」 - Divine Proportions(2002.3.13)
→ディアヌ賞(仏GI)、仏1000ギニー(GI)、マルセルブサック賞(仏GI)、モルニ賞(仏GI)、アスタルテ賞(仏GI)ほか。全10戦の鞍上は若き日のクリストフ・ルメール騎手が務められました - Zarkava(2005.3.31)
→凱旋門賞(仏GI)、ディアヌ賞(仏GI)、仏1000ギニー(GI)、ヴェルメイユ賞(仏GI)、マルセルブサック賞(仏GI)ほか。アガ・カーン4世の粋を集めた2000年代屈指の名牝 - Blue Rose Cen(2020.1.27)
→ディアヌ賞(仏GI)、仏1000ギニー(GI)、マルセルブサック賞(仏GI)、オペラ賞(仏GI)ほか。オレリアン・ルメートル騎手に仏国クラシック勝利を贈った名牝 - Diamond Necklace(2023.2.9)
→ディアヌ賞(仏GI)、仏1000ギニー(GI)、マルセルブサック賞(仏GI)。本稿の主役はライアン・ムーア騎手に史上初となる「英愛仏クラシック完全制覇」という偉業を贈りました
いずれ違わぬ5頭、サスガに傑出馬の並びです。最後のDiamond Necklaceの項目で触れたようにDiamond Necklaceはムーア騎手に史上初となる「英愛仏クラシック完全制覇」を贈った馬にもなりました。2026年のディアヌ賞終了時点でのムーア騎手の各国のクラシックレースの制覇について確認してみますと、
| 競走名 | 騎乗馬 |
|---|---|
| 英1000ギニー(GI) | Homecoming Queen(2009.4.23)、Legatissimo(2012.4.22)、マインディング(2013.2.10)、Love(2017.4.13) |
| 英2000ギニー(GI) | Gleneagles(2012.1.12)、Churchill(2014.1.31) |
| 英オークス(GI) | Snow Fairy(2007.2.12)、マインディング(2013.2.10)、Love(2017.4.13)、Tuesday(2019.6.3)、Minnie Hauk(2022.4.13) |
| 英ダービー(GI) | ワークフォース(2007.3.14)、Ruler of the World(2010.3.17)、Auguste Rodin(2020.1.26)、City of Troy(2021.3.7) |
| 英セントレジャーS(GI) | Capri(2014.2.7)、Kew Gardens(2015.1.20)、Continuous(2020.3.25) |
| 競走名 | 騎乗馬 |
|---|---|
| 愛1000ギニー(GI) | Marvellous(2011.1.9)、Winter(2014.2.15)、Hermosa(2016.5.6)、Lake Victoria(2022.3.22) |
| 愛2000ギニー(GI) | Gleneagles(2012.1.12)、Churchill(2014.1.31)、Paddington(2020.4.2)、Gstaad(2023.3.22) |
| 愛オークス(GI) | Snow Fairy(2007.2.12)、Snowfall(2021.2.9)、Savethelastdance(2023.3.2)、Minnie Hauk(2025.4.13) |
| 愛ダービー(GI) | Auguste Rodin(2020.1.26)、Los Angeles(2021.2.22)、Lambourn(2022.4.24) |
| 愛セントレジャー(GI) | Order of St George(2012.2.22)、Flag of Honour(2015.2.7)、Kyprios(2018.5.18)※2回 |
| 競走名 | 騎乗馬 |
|---|---|
| 仏1000ギニー(GI) | Diamond Necklace(2023.2.9) |
| 仏2000ギニー(GI) | The Gurkha(2013.3.31)、Henri Matisse(2022.3.21) |
| ディアヌ賞(仏GI) | Diamond Necklace(2023.2.9) |
| ジョッケクルブ賞(仏GI) | The Grey Gatsby(2011.3.14)、Camille Pissarro(2022.2.5)、Constitution River(2023.3.28) |
| ロワイヤルオーク賞(仏GI) | Allegretto(2003.1.31)、Ask(2003.3.23) |
……もはや訳が分かりませんが、とにかくムーア騎手は欧州クラシックレースを勝ちまくっている、と^^;。Diamond Necklaceでは仏1000ギニー、ディアヌ賞と最後に残っていた2レースをポンポンと連勝して一気に決められたところがサスガです。上記の15レースでは最初に勝たれたのは仏国伝統のロワイヤルオーク賞でしたが、最後まで残ったのが仏国牝馬クラシック2つでした。仏国クラシック勝ちということでは、ジョッケクルブ賞初勝利となったThe Grey Gatsbyはムーア騎手が陣営にジョッケクルブ賞行きを進言されたと記憶しています。
また上表3つで名前を挙げた馬たちの中で最も印象に残っているのは、やはりSnow Fairyでしょうか。ムーア騎手に英愛オークスの初勝利を贈ったエリザベス女王杯(GI)連覇の雪の妖精。ムーア騎手が騎乗した際は6戦5勝、失格1回であり、レースで他馬に先着されることはありませんでした。

*
Diamond Necklaceは父St Mark’s Basilicaの初年度産駒にして父同様に仏国クラシック二冠馬となりました。またDiamond Necklaceは半姉Chicquita(2010.1.31)が愛オークス馬、半姉Magic Wand(2015.3.31)がマッキノンS(豪GI)の勝ち馬という良血馬でもあります。ボトムラインのディアヌ賞との因縁を思うところですが、Chicquitaは愛オークスの前走に挑んだレースがディアヌ賞であり4馬身差の2着だったのでした。Chicquita、勝ち馬がTreve(2010.4.7)では相手が悪すぎました。そんなTreveが制したディアヌ賞の勝ち時計は2分3秒77というスーパーレコードでしたが、今回のDiamond Necklaceの勝ち時計は2分3秒78とTreveのレースレコードまで0.01秒差の快時計。本稿で名前を出した先達であるAllez France、Zarkava、Treveを思えば、今後の進路も気になるDiamond Necklace。半姉がGIを制した12ハロン級への距離延長か、はたまた父が突き進んだ10ハロン級への転戦か。そのダイヤモンドの輝きが再び放たれる次の舞台を楽しみにしたいと思います。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。




