ソニックスター 牡 黒鹿毛 2021.2.5生 米・Nancy C. Shuford生産 馬主・保坂 和孝氏 美浦・木村 哲也厩舎
Into Mischief 鹿毛 2005.3.28 種付け時活性値:1.75【15】 |
Harlan’s Holiday 鹿毛 1999.4.6 |
Harlan 黒鹿毛 1989.3.2 |
Storm Cat 1983.2.27 |
Country Romance 1976.3.2 | |||
Christmas in Aiken 鹿毛 1992.3.25 |
★Affirmed 1975.2.21 | ||
Dowager 1980.5.8 | |||
Leslie’s Lady 鹿毛 1996.3.10 |
Tricky Creek 鹿毛 1986.4.19 |
▲Clever Trick 1976.3.10 | |
Battle Creek Girl 1977.3.10 | |||
Crystal Lady 鹿毛 1990.5.12 |
Stop the Music 1970.3.23 | ||
One Last Bird 1980.4.30 | |||
Carolina Bertie 鹿毛 2017.2.11 仔受胎時活性値:0.75【3】 |
Speightstown 栗毛 1998.2.1 種付け時活性値:0.50【18】 |
Gone West 鹿毛 1984.3.10 |
Mr. Prospector 1970.1.28 |
Secrettame 1978.3.15 | |||
Silken Cat 栗毛 1993.3.25 |
▲Storm Cat 1983.2.27 | ||
Silken Doll 1980.4.11 | |||
Bashful Bertie 鹿毛 2007.4.27 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
Quiet American 鹿毛 1986.4.29 種付け時活性値:1.00【20】 |
★Fappiano 1977.5.19 | |
Demure 1977.4.4 | |||
Clever Bertie 鹿毛 1991.4.13 仔受胎時活性値:1.75【15】 |
Timeless Native 栗毛 1980.5.23 種付け時活性値:0.50【10】 |
||
Clever But Costly 黒鹿毛 1985.4.3 仔受胎時活性値:1.25【5】 |
<5代血統表内のクロス:Storm Cat4×4、Clever Trick4×5、Mr. Prospector4×5(母方)>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
Into Mischief (Storm Cat系) |
Speightstown (Mr. Prospector系) |
Quiet American (Mr. Prospector系) |
Timeless Native (Damascus系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Into Mischief (Christmas in Aiken) |
4.00 (【3】+【9】+【15】+【5】) |
伯父ビーチパトロール (No. 9-a) |
初仔 |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | ソニックスター | 牡3 | 57 | J.モレイラ | 1:36.2 | 3-3 | 37.4 | 550 [-6] |
木村 哲也 | 1 | |
2 | 2 | ソレルビュレット | 牡3 | 57 | 横山 武史 | 1:36.2 | クビ | 7-7 | 36.9 | 526 [+4] |
宮田 敬介 | 4 |
3 | 1 | ラタフォレスト | 牡3 | 57 | T.オシェア | 1:36.4 | 1 1/4 | 6-5 | 37.4 | 506 [+8] |
加藤 征弘 | 3 |
4 | 8 | ブシン | 牡3 | 57 | 戸崎 圭太 | 1:37.5 | 7 | 1-2 | 38.9 | 472 [+4] |
森 秀行 | 2 |
5 | 3 | セントラルヴァレー | 牡3 | 57 | 大野 拓弥 | 1:37.6 | 1/2 | 8-8 | 38.0 | 476 [-2] |
栗田 徹 | 6 |
1F毎の ラップ |
12.4 – 11.0 – 11.0 – 11.8 – 12.3 – 12.7 – 12.4 – 12.6 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.4 – 23.4 – 34.4 – 46.2 – 58.5 – 1:11.2 – 1:23.6 – 1:36.2 |
上り | 4F 50.0 – 3F 37.7 |
東京ダート1600m、晴の稍重馬場、8頭立て。
○ 青竜ステークス
青竜(せいりゅう)は、中国に伝わる神獣。天の四方の方角を司る四神のひとつであり、東を守護する。めでたいことの印としても知られている。
21世紀に入ってからの勝ち馬にはノンコノユメ(2012.3.28)の名前が見えます。レース名解説と言い、勝ち馬のご案内と言い、サラッとした感じで恐縮です。なお、四神は東の青竜、西の白虎、南の朱雀、北の玄武ですね。
そんな青竜Sの2024年の一戦を制したのはソニックスター。馬よりも人の話題が先行してやはり恐縮ですが、ソニックスターの鞍上を務めたジョアン・モレイラ騎手は、青竜Sが行われた2024年5月4日の東京競馬場の開催において12レース中8レースに騎乗し、すべて1番人気馬で[5-1-0-2]の成績を挙げ、5勝は騎乗機会5連勝(!!)で遂げられたのでした。まさに「マジックマン」の面目躍如というところで、ソニックスターの青竜Sは3連勝目でした。という訳でソニックスター、出走8頭中最重量となる550kgの巨漢馬は好発から3番手あたりをキープ。外のブシン(2021.2.7)、内のルディック(2021.4.3)がハナの争いを見せて作り出したペースは入りの600m34秒4、半マイル46秒2、1000m58秒5という速い通過。東京ダートの直線501.6mを迎えると、馬場中央でタイミングをじっと見計らっていたモレイラ騎手、ラスト300mあたりからムチを入れて追い出しに掛かると、ソニックスターも鋭敏さを見せて呼応。しっかりと抜け出しましたが、ソレルビュレット(2021.1.31)、ラタフォレスト(2021.4.15)という道中後方に構えた2頭が迫ると、最後はソレルビュレットとの勝負を「クビ」だけ凌いだところが決勝点。ソニックスター、1月の1勝クラスに続いて東京ダート1600mで連勝を決めてみせました。
ソニックスターのごく簡単な近親牝系図を示しておきますと、
Bashful Bertie 2007.4.27 0勝 |ビーチパトロール 2013.2.7 5勝 セクレタリアトS(米GI) ジョーハーシュターフクラシック(米GI) アーリントンミリオンS(米GI)ほか |Carolina Bertie 2017.2.11 不出走 ||ソニックスター 2021.2.5 (本馬) 青竜S(OP)
米国で継承されている9号族a分枝系。ソニックスターの伯父ビーチパトロールはセクレタリアトS、ジョーハーシュターフクラシック、アーリントンミリオンSと米国の芝GI3勝馬であり、輸入種牡馬として2024年現在はレックススタッドで繋養されています。
「ソニックスターの記事、早う書かないと」と思っていた本日2024年5月11日の土曜日、ビーチパトロールの代表産駒である芙蓉S(OP)勝ち馬シーウィザード(2020.4.7)が、新潟芝2000mの信濃川特別で久しぶりの勝利を収めました。ソニックスターのお話に戻りますと、伯父が芝の活躍馬だけに、ダートだけではなく芝の走りも見てみたいところ。ともあれダートで4戦3勝ですし、巨漢馬ですから、ダートに矛先が向いてしまいますね^^;
ソニックスターの血統構成にも触れておきますと、サンデーサイレンス(1986.3.25)を持っておらず、0の理論的には4代目に配された父8頭の内6頭が0化されるという上手い配合です。米国の大種牡馬Into Mischiefの仔ソニックスター、その馬名意味は「音速のスター」ということです。
#青竜S4着のブシンもInto Mischief産駒で「Into Mischief×Mr. Greeley×Wild Again×In Reality」という血統構成。藤田晋オーナーの持ち馬、良馬が揃っています。
*
ジューンテイク 牡 黒鹿毛 2021.3.27生 浦河町・ヒダカフアーム生産 馬主・吉川 潤氏 栗東・武 英智厩舎
キズナ 青鹿毛 2010.3.5 種付け時活性値:0.50【10】 |
ディープインパクト 鹿毛 2002.3.25 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 1969.2.7 |
Wishing Well 1975.4.12 | |||
ウインドインハーヘア 鹿毛 1991.2.20 |
Alzao 1980.2.28 | ||
Burghclere 1977.4.26 | |||
キャットクイル 鹿毛 1990.5.22 |
Storm Cat 黒鹿毛 1983.2.27 |
Storm Bird 1978.4.19 | |
Terlingua 1976.2.7 | |||
Pacific Princess 鹿毛 1973.5.10 |
★Damascus 1964.4.14 | ||
Fiji 1960 | |||
アドマイヤサブリナ 芦毛 2010.2.11 仔受胎時活性値:0.50【10】 |
シンボリクリスエス 黒鹿毛 1999.1.21 種付け時活性値:0.50【10】 |
Kris S. 黒鹿毛 1977.4.25 |
Roberto 1969.3.16 |
Sharp Queen 1965.4.19 | |||
Tee Kay 黒鹿毛 1991.2.9 |
★Gold Meridian 1982.4.14 | ||
Tri Argo 1982.5.18 | |||
ツィンクルヴェール 芦毛 2001.4.11 仔受胎時活性値:2.00【8】 |
◆サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 種付け時活性値:1.50【14】 |
★Halo 1969.2.7 | |
Wishing Well 1975.4.12 | |||
ツィンクルブライド 芦毛 1991.1.24 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
◆Lyphard 鹿毛 1969.5.10 種付け時活性値:1.25【21】 |
||
デビルズブライド 芦毛 1984.2.8 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
<5代血統表内のクロス:サンデーサイレンス3×3、Lyphard4×5、Hail to Reason5×5×5、Northern Dancer5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
キズナ (サンデーサイレンス系) |
シンボリクリスエス (Roberto系) |
◆サンデーサイレンス (Halo系) |
◆Lyphard (Northern Dancer系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
サンデーサイレンス (Wishing Well) |
4.25 (【10】+【8】+【9】+【6】) |
曾祖母が桜花賞2着馬 (No. 10-e) |
3番仔 (2連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | ジューンテイク | 牡3 | 57 | 藤岡 佑介 | 2:11.2 | 3-4-4-5 | 33.6 | 486 [0] |
武 英智 | 8 | |
2 | 5 | ウエストナウ | 牡3 | 57 | 横山 典弘 | 2:11.4 | 1 | 1-1-1-2 | 34.0 | 474 [0] |
佐々木 晶三 | 5 |
3 | 7 | ヴェローチェエラ | 牡3 | 57 | 川田 将雅 | 2:11.5 | 1/2 | 10-10-11-8 | 33.7 | 492 [-6] |
須貝 尚介 | 2 |
4 | 14 | アドマイヤテラ | 牡3 | 57 | M.デムーロ | 2:11.7 | 1 1/2 | 10-11-8-2 | 34.3 | 490 [-2] |
友道 康夫 | 6 |
5 | 15 | キープカルム | 牡3 | 57 | 武 豊 | 2:11.7 | クビ | 12-13-11-8 | 33.9 | 484 [+6] |
中竹 和也 | 4 |
1F毎の ラップ |
12.5 – 11.1 – 12.1 – 12.2 – 12.4 – 12.7 – 12.6 – 11.8 – 11.2 – 11.3 – 11.3 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.5 – 23.6 – 35.7 – 47.9 – 1:00.3 – 1:13.0 – 1:25.6 – 1:37.4 – 1:48.6 – 1:59.9 – 2:11.2 |
上り | 4F 45.6 – 3F 33.8 |
京都芝2200m、晴の良馬場、15頭立て。
○ 京都新聞杯(GⅡ)
本競走は、1953 年に『京都盃』の名称で創設された重賞競走。1967 年に『菊花賞』のトライアルレースに指定され、1969 年にはそれまでの別定重量(1956 年・1959 年・1960年はハンデキャップ戦で実施)から定量に移行、1971 年に名称も『京都新聞杯』と変更された。さらに 1984 年には距離が 2200m に延伸されるとともにGⅡに格付けされた。2000年に『菊花賞』の実施時期が繰り上げられたのに伴い、春季に移設された。この際、競走条件についても 2000m・GⅢに変更されたが、2001 年から再びGⅡとなり、2002 年には2200m へと延伸された。2003 年に負担重量が馬齢重量となり、現在に至る。
京都新聞は、京都新聞社より発行されている日刊紙。本競走は、同社より寄贈賞を受けて実施されている。
私が競馬を見始めた頃は菊花賞(GI)トライアル、2000年以降は東京優駿(GI)出走権を賭けての「東上最終便」。いずれにせよ3歳馬たちにとって大事なレースである京都新聞杯、21世紀に入ってからの勝ち馬にはハーツクライ(2001.4.15)、キズナ(2010.3.5)の姿が見えます。
そんな京都新聞杯の2024年の一戦はキズナの仔、戦前8番人気のジューンテイクと5番人気のウエストナウ(2021.5.2)によるワンツーフィニッシュ。実のところキズナ産駒は5頭出ていたのですが、数の多さを差し引いても見事。キズナ産駒は京都新聞杯というレース自体に強く、ディープボンド(2017.2.18)、アスクワイルドモア(2019.2.23)に続いて3回目の父仔制覇となりました。今年のレースは逃げたウエストナウが1角の入り口手前で外にヨレて後続の先行馬群が大きくバラけてしまう波乱の一幕もありましたが、なんとか流れて600m35秒7、1000m1分0秒3というミドルペース。淀の芝外回りはやはり坂を上った後、下りとなる残り800mを切ってから。ペースアップした流れの中、馬群外からアドマイヤテラ(2021.2.7)、ハヤテノフクノスケ(2021.4.7)、インザモーメント(2021.2.20)等が進出し、先頭を目指そうとして迎えた京都芝Aコース外回りの直線403.7m。外から襲い掛かろうとした馬たちに対して二の脚三の脚で粘り返したウエストナウでしたが、内ラチ側からスルスルと抜け出して来たのがジューンテイク。これは淀の4角で馬群が外に膨らむ中、じっと我慢させて脚を溜めた藤岡佑介騎手の好騎乗。ラスト200mを切ってトップに立ったジューンテイク、最後まで鋭脚を見せて最後は1馬身突き放したところが決勝点。2023年7月の中京芝1400mの新馬戦1着、12月の中京芝1600mのこうやまき賞1着のほか朝日杯フューチュリティS(GI)でジャンタルマンタル(2021.3.21)から0秒2差の4着、2024年2月のすみれS(L)ではサンライズアース(2021.2.6)の2着とオープンクラスでも好戦していたジューンテイク、デビュー9戦目での重賞初制覇となりました。
ジューンテイクの簡単な近親牝系図を示しておきますと、
ツィンクルブライド 1991.1.24 2勝 桜花賞(GI)2着 |フェリシタル 1997.3.14 6勝 京成杯(GIII)3着 |ツィンクルヴェール 2001.4.11 2勝 ||トーセンヴェール 2009.2.20 1勝 |||トーセンガーネット 2016.3.8 4勝 関東オークス(JpnII)3着ほか |||カイル 2019.4.3 現役 東京ダービーほか ||アドマイヤサブリナ 2010.2.11 3勝 |||ジューンベロシティ 2018.4.10 現役 阪神ジャンプS(J・GIII) 東京ジャンプS(J・GIII)ほか |||ジューンオレンジ 2020.3.14 現役 フィリーズレビュー(GII)3着 |||ジューンテイク 2021.3.27 (本馬) 京都新聞杯(GII) |ペールギュント 2002.4.13 5勝 デイリー杯2歳S(GII) シンザン記念(GIII)ほか |マドレボニータ 2005.3.21 不出走 ||ミッキースワロー 2014.2.26 5勝 日経賞(GII) セントライト記念(GII) 七夕賞(GIII)ほか
日本に根を下ろした10号族e分枝系。ジューンテイクの曾祖母ツィンクルブライドはその父Lyphardの持込馬として日本で走り、1994年の桜花賞では12番人気を跳ね返してタイム差無しの2着に頑張りました。勝ったのはオグリローマン(1991.5.20)。ペールギュント、ミッキースワロー等の名前も見えますが、ジューンテイクの母アドマイヤサブリナは初仔ジューンベロシティ、2番仔ジューンオレンジ、3番仔ジューンテイクと活躍馬を続出させています。名繁殖牝馬ですね。
馬名意味の「冠名+取る」のとおり、東京優駿への出走権をもぎ取ったジューンテイク。藤岡騎手と共に向かう「競馬の祭典」、[2-0-0-1]と得意の左回りで一発をカマしてくれるでしょうか。ジューンテイク、応援したい1頭です。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。