2017年のクラシック候補生を確認する(其の拾壱)

アメリカズカップ 牡 黒鹿毛 2014.2.7生 千歳・社台ファーム生産 馬主・谷掛龍夫氏 栗東・音無秀孝厩舎

アメリカズカップ(2014.2.7)の4代血統表
マンハッタンカフェ
青鹿毛 1998.3.5
種付け時活性値:1.75
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo
黒鹿毛 1969.3.25
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
サトルチェンジ
黒鹿毛 1988.4.2
Law Society
黒鹿毛 1982.2.16
Alleged 1974.5.4
Bold Bikini 1969.4.11
Santa Luciana
黒鹿毛 1973
★Luciano 1964
Suleika 1954
ベガスナイト
栗毛 2000.5.10
仔受胎時活性値:1.25
コロナドズクエスト
栗毛 1995.2.15
種付け時活性値:1.00
フォーティナイナー
栗毛 1985.5.11
Mr. Prospector 1970.1.28
File 1976.4.30
Laughing Look
鹿毛 1986.4.16
Damascus 1964.4.14
Laughter 1970.4.8
Words of War
鹿毛 1989.3.2
仔受胎時活性値:0.50
Lord At War
栗毛 1980.10.1
種付け時活性値:1.875
General 1974
Luna de Miel 1974
Right Word
鹿毛 1982.3.31
仔受胎時活性値:1.50
★Verbatim
黒鹿毛 1965.2.10
種付け時活性値:0.00
Oratorio
鹿毛 1974.2.17
仔受胎時活性値:1.75

<5代血統表内のクロス:なし>

アメリカズカップ(2014.2.7)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
マンハッタンカフェ
(Halo系)
コロナドズクエスト
(Mr. Prospector系)
Lord At War
(Fairway系)
Verbatim
(Prince John系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
マンハッタンカフェ 5.00 伯母が米GI勝ち馬
(No. 17-b)
6番仔
(不受胎後)

2017年の第57回きさらぎ賞(GIII)。新馬、シクラメン賞を連勝していたサトノアーサー(2014.3.1)が単勝1.4倍の圧倒的な1番人気でしたが、それに「待った」を掛けたのがアメリカズカップ。重馬場の淀芝1800m、道中先行3番手から抜け出すと、最後までしっかりと足を伸ばし、メンバー中唯一となる上がり3ハロン35秒台(35秒9)の末脚でサトノアーサー以下を封じ込めました。鞍上の松若風馬騎手、デビュー4年目の乗れる若手は、音無秀孝厩舎の所属。このレースの前まで重賞3勝を挙げていましたが、自厩舎の馬での重賞勝利は初めて。師弟愛の結実が、出世レースで果たされました。

アメリカズカップの形相の対象は父マンハッタンカフェ。父マンハッタンカフェの種付け時活性値は15歳時の「1.75」、祖母父Lord At Warの種付け時活性値は7.5歳時の「1.875」と、Lord At Warのほうが種付け時活性値は高いのですが、

逆にその差が一世代分に満たない場合、つまり被遺伝世代深度が1未満の場合には交配する牡の形相を受けて遺伝することになる。

だから、もしマグニテュードの精子の活性値よりも母の先祖の種牡馬の精子の活性値の最高数値の方が高くても、差が0.25より小さかったなら、ミホノブルボンはマグニテュードの”形””相”を遺伝したことになる。

-KKベストセラーズ、中島国治著「血とコンプレックス」、P237より引用-

という原典の記述より、「1.875-1.75=0.125」と、差は0.25未満のため、形相の対象はマンハッタンカフェという判断です。

……って、2017年のクラシック候補生を確認する(番外編・其の壱)のミラアイトーン(2014.3.22)の記事のまんまですね^_^;

さて、マンハッタンカフェは現役時代に6勝を挙げ、その主な勝ち鞍に第125回天皇賞・春(GI)、第46回有馬記念(GI)、第62回菊花賞(GI)とGI3勝。日本のGIでは出走機会3戦3勝という勝負強さが光るサンデーサイレンス産駒は、父とよく似た青鹿毛の流星。2004年に関西テレビが制作した「運命の出会い サラブレッドにかけた夢」というドラマでは、父役として出演しました。

そんなマンハッタンカフェは2009年の日本リーディングサイアーにも輝いた名種牡馬でもあり、その主な代表産駒には、

  1. ヒルノダムール(2007.5.20)
    →天皇賞・春、大阪杯(GII。現GI)ほか。天皇賞・春は父仔制覇、大阪杯はレコード勝ち。0の理論的には父が8歳時のミニモの遺伝馬
  2. レッドディザイア(2006.4.19)
    →秋華賞(GI)、マクトゥームチャレンジラウンド3(当時UAE・GII、現UAE・GI)ほか
  3. ジョーカプチーノ(2006.4.11)
    →NHKマイルカップ(GI)、シルクロードS(GIII)、ファルコンS(GIII)ほか
  4. グレープブランデー(2008.4.11)
    →フェブラリーS(GI)、ジャパンダートダービー(JpnI)、東海S(GII)ほか
  5. クイーンズリング(2012.5.25)
    →エリザベス女王杯(GI)、府中牝馬S(GII)、フィリーズレビュー(GII)、京都牝馬S(GII)ほか
  6. メイショウクオリア(2005.4.12)
    →京都新聞杯(GII)ほか
  7. レッドアゲート(2005.3.14)
    →フローラS(GII)ほか
  8. イコピコ(2006.4.29)
    →神戸新聞杯(GII)ほか
  9. エーシンモアオバー(2006.3.11)
    →名古屋グランプリ(JpnII)2回、白山大賞典(JpnIII)2回ほか
  10. フミノイマージン(2006.3.14)
    →札幌記念(GII)、愛知杯(GIII)、マーメイドS(GIII)、福島牝馬S(GIII)ほか
  11. ベストメンバー(2006.4.14)
    →京都新聞杯ほか
  12. ゲシュタルト(2007.2.25)
    →京都新聞杯ほか
  13. ショウナンマイティ(2008.4.2)
    →大阪杯ほか
  14. シングウィズジョイ(2012.2.25)
    →フローラS、ターコイズS(現GIII)ほか
  15. ルージュバック(2012.4.22)
    →毎日王冠(GII)、エプソムC(GIII)、きさらぎ賞(GIII)ほか

等がいます。近いところでは、昨年2016年の、クイーンズリングとシングウィズジョイの第41回エリザベス女王杯におけるワンツーフィニッシュが印象に残りますが、シングウィズジョイの最期はただただ可哀想でした……。

閑話休題。アメリカズカップの馬名の意味は「セーリングマッチレース名」。私などでも知っている、国際ヨットレースですね。Wikipediaの記事によると、「継続して使用されている世界最古のスポーツトロフィーとして広く一般に認知されている」ということ。

アメリカズカップ、その馬名の由来に負けず、広く一般に認知される活躍馬になって欲しいものですね。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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