ジャスティンミラノ 牡 鹿毛 2021.4.9生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・三木 正浩氏 栗東・友道 康夫厩舎
キズナ 青鹿毛 2010.3.5 種付け時活性値:0.50【10】 |
ディープインパクト 鹿毛 2002.3.25 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 1969.2.7 |
Wishing Well 1975.4.12 | |||
ウインドインハーヘア 鹿毛 1991.2.20 |
Alzao 1980.2.28 | ||
Burghclere 1977.4.26 | |||
キャットクイル 鹿毛 1990.5.22 |
Storm Cat 黒鹿毛 1983.2.27 |
Storm Bird 1978.4.19 | |
Terlingua 1976.2.7 | |||
Pacific Princess 鹿毛 1973.5.10 |
★Damascus 1964.4.14 | ||
Fiji 1960 | |||
マーゴットディド 鹿毛 2008.3.17 仔受胎時活性値:1.00【12】 |
Exceed And Excel 鹿毛 2000.9.5 種付け時活性値:1.625【6.5】 |
デインヒル 鹿毛 1986.3.26 |
★Danzig 1977.2.12 |
Razyana 1981.4.18 | |||
Patrona 栗毛 1994.3.24 |
Lomond 1980.2.3 | ||
Gladiolus 1974.4.16 | |||
Special Dancer 鹿毛 1997.4.27 仔受胎時活性値:0.50【10】 |
★Shareef Dancer 鹿毛 1980.3.3 種付け時活性値:0.00【16】 |
Northern Dancer 1961.5.27 | |
Sweet Alliance 1974.5.14 | |||
Caraniya 黒鹿毛 1986.3.25 仔受胎時活性値:0.50【10】 |
Darshaan 黒鹿毛 1981.4.18 種付け時活性値:1.00【4】 |
||
Callianire 黒鹿毛 1974.3.12 仔受胎時活性値:0.75【11】 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×5×5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
キズナ (サンデーサイレンス系) |
Exceed And Excel (デインヒル系) |
★Shareef Dancer (Northern Dancer系) |
Darshaan (Mill Reef系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Exceed And Excel (Spring Adieu) |
2.75 (【12】+【10】+【10】+【11】) |
母が英GI勝ち馬 (No. 13-c) |
5番仔? (不受胎後) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 13 | ジャスティンミラノ | 牡3 | 57 | 戸崎 圭太 | 1:57.1 | レコード | 5-5-4-4 | 34.7 | 512 [+10] |
友道 康夫 | 2 |
2 | 12 | コスモキュランダ | 牡3 | 57 | J.モレイラ | 1:57.1 | クビ | 9-8-9-8 | 34.2 | 500 [-4] |
加藤 士津八 | 7 |
3 | 8 | ジャンタルマンタル | 牡3 | 57 | 川田 将雅 | 1:57.2 | 1/2 | 3-3-3-2 | 34.9 | 490 [-2] |
高野 友和 | 3 |
4 | 9 | アーバンシック | 牡3 | 57 | 横山 武史 | 1:57.5 | 1 1/2 | 13-13-13-10 | 34.1 | 510 [-6] |
武井 亮 | 6 |
5 | 14 | シンエンペラー | 牡3 | 57 | 坂井 瑠星 | 1:57.5 | クビ | 8-8-7-6 | 34.8 | 482 [+2] |
矢作 芳人 | 5 |
1F毎の ラップ |
12.2 – 10.5 – 11.5 – 11.7 – 11.6 – 11.8 – 12.0 – 12.1 – 11.7 – 12.0 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.2 – 22.7 – 34.2 – 45.9 – 57.5 – 1:09.3 – 1:21.3 – 1:33.4 – 1:45.1 – 1:57.1 |
上り | 4F 47.8 – 3F 35.8 |
中山芝2000m、晴の良馬場、1頭除外となり17頭立て。
○ 皐月賞(GⅠ)
本競走は、イギリスのクラシックレース『2000 ギニー』に範をとり、1939 年に『横浜農林省賞典 4 歳呼馬競走』として創設された重賞競走。当初は、横浜競馬場(根岸競馬場)の距離 1850m で実施されていたが、1943 年以降は東京競馬場へ移設された。1949 年に中山競馬場へ舞台を移したのを機に競走名が『皐月賞』とされ、1950 年には距離が 2000m に延伸され現在に至る。
クラシック 3 冠競走(『皐月賞』・『東京優駿』・『菊花賞』)の第一関門となっており、その中でも「最も速い馬が勝つ」と言われている。なお、第 5 着までの馬には『東京優駿(日本ダービー)』への優先出走権が与えられる。
人の想いの結果の逃げだったと思います。浜中俊騎手騎乗のメイショウタバル(2021.4.20)が生み出したペースは入りの600m34秒2、半マイル45秒9、1000m通過57秒5のハイラップ。そのペースを道中外目の5番手追走から進んでいたジャスティンミラノ。中山芝Bコースの直線310mでは先んじて抜け出した2歳王者ジャンタルマンタル(2021.3.21)が良い形に持ち込んだように見えましたが、ラスト1ハロンを切ってから弥生賞(GII)馬コスモキュランダ(2021.2.23)と共に差し迫ったジャスティンミラノ。最後は「クビ」「2分の1馬身」の僅差を凌ぎ切ったところが決勝点。最も遅いラップでも12秒2というメチャクチャに締まった流れの結果、ラブリーデイ(2010.1.30)が持っていた1分57秒8を0秒7塗り替える中山芝2000mのコースレコード1分57秒1の決着。同時にコスモキュランダの父アルアイン(2014.5.1)が持っていた皐月賞レコード1分57秒8を0秒7塗り替えたという結末。ジャスティンミラノ、2023年11月の東京芝1800mの新馬戦、2024年2月の東京芝1800mの共同通信杯(GIII)に続いて3戦3勝の無敗で皐月賞制覇を遂げると共に、父キズナに種牡馬として初めてのクラシック勝利を贈りました。
ジャスティンミラノの能力の素晴らしさはもちろん、今回の皐月賞は人の想いが後押ししてくれたと思いたいです。
また、本馬には6日の落馬事故で亡くなった藤岡康太騎手が追い切りをつけており、今回も1・2週前に康太騎手が追い切りを行っていた。
1頭の馬に携わる人々の想いが1つになる瞬間、勝利は得られるものなのかも知れません。絆の結実、紡いだ人のひとりである藤岡康太騎手の姿はすでにこの世にはありません。けれど、藤岡騎手の想いは確かにジャスティンミラノに、戸崎圭太騎手に、友道康夫厩舎陣営に、その他多くの関係者と共にあるのでしょう。そう信じたいと思います。
*
ジャスティンミラノは史上21頭目の無敗の皐月賞馬となりました。昨年のソールオリエンス(2020.4.4)の記事の焼き直しになりますが、無敗の皐月賞馬21頭を確認しておきますと、
No. | 達成年 | 馬名(生年月日) | 東京優駿成績 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 1941 | セントライト(1938.4.2) | 1着 | 三冠馬 |
2 | 1942 | アルバイト(クリヒカリ)(1939.4.10) | 2着 | 半兄セントライト |
3 | 1951 | トキノミノル(1948.5.2) | 1着 | 二冠馬 |
4 | 1952 | クリノハナ(1949.5.18) | 1着 | 二冠馬 |
5 | 1954 | ダイナナホウシユウ(1951.5.11) | 4着 | 二冠馬 |
6 | 1960 | コダマ(1957.4.15) | 1着 | 二冠馬 |
7 | 1964 | シンザン(1961.4.2) | 1着 | 三冠馬 |
8 | 1973 | ハイセイコー(1970.3.6) | 3着 | |
9 | 1974 | キタノカチドキ(1971.3.27) | 3着 | 二冠馬 |
10 | 1976 | トウシヨウボーイ(1973.4.15) | 2着 | 当年の有馬記念勝ち |
11 | 1984 | シンボリルドルフ(1981.3.13) | 1着 | 三冠馬 |
12 | 1985 | ミホシンザン(1982.4.16) | 不出走 | 父シンザン&二冠馬 |
13 | 1991 | トウカイテイオー(1988.4.20) | 1着 | 父シンボリルドルフ&二冠馬 |
14 | 1992 | ミホノブルボン(1989.4.25) | 1着 | 二冠馬 |
15 | 2001 | アグネスタキオン(1998.4.13) | 不出走 | |
16 | 2005 | ディープインパクト(2002.3.25) | 1着 | 三冠馬 |
17 | 2019 | サートゥルナーリア(2016.3.21) | 4着 | |
18 | 2020 | コントレイル(2017.4.1) | 1着 | 三冠馬 |
19 | 2021 | エフフォーリア(2018.3.10) | 2着 | 当年の天皇賞・秋(GI)&有馬記念(GI)勝ち |
20 | 2023 | ソールオリエンス(2020.4.4) | 2着 | |
21 | 2024 | ジャスティンミラノ(2021.4.9) | ? |
先達の無敗の皐月賞馬が東京優駿(GI)に出走した時の成績は18頭で[10-4-2-2]。既に東京コースを2回経験しているジャスティンミラノ、祖父ディープインパクト、父キズナに続く「父仔三代東京優駿制覇」となりますでしょうか。果たされれば史上初。
*
では、以下にジャスティンミラノの簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。
Caraniya 1986.3.25 2勝 |Cajarian 1991.3.7 5勝 メルドS(愛GIII) レパーズタウンS(愛GIII)ほか |Caraiyma 1992.4.2 1勝 ||Carallia 1999.5.26 1勝 |||Divine 2011.4.23 5勝 バリーオーガンS(愛GIII)ほか ||Caradak 2001.2.23 8勝 フォレ賞(仏GI) セレブレーションマイル(英GII) デズモンドS(愛GIII) ミンストレルS(愛GIII)ほか |Special Dancer 1997.4.27 3勝 ||マーゴットディド 2008.3.17 5勝 ナンソープS(英GI)ほか |||Mission Impassible 2015.3.17 4勝 サンドリンガム賞(仏GII)ほか |||マジックアティテュード 2017.3.29 4勝 ベルモントオークス(米GI) シープスヘッドベイS(米GII) ヴァントー賞(仏GIII)ほか |||ジャスティンミラノ 2021.4.9 (本馬) 皐月賞(GI) 共同通信杯(GIII)
主に欧州で継承されている13号族c分枝系。ジャスティンミラノの母マーゴットディドは英国伝来のヨーク芝5ハロンのスプリントGIであるナンソープSの勝ち馬。マーゴットディドは名繁殖牝馬でもあり、シャンティイ芝1600mのサンドリンガム賞の勝ち馬Mission Impassible、ベルモントパーク芝10ハロンのベルモントオークス馬マジックアティテュード、そして中山芝2000mの皐月賞を制したジャスティンミラノと3頭のGレース勝ち馬を送り込んでいます。マーゴットディドの仔どもたちは「距離が伸びても大丈夫」という感じですね。
*
無敗で皐月賞馬に登り詰めたジャスティンミラノ。思えば父キズナが第80回東京優駿を制した日付は2013年5月26日。今年の第91回の開催日は2024年5月26日。丸11年の時を経て、父仔の絆が結ばれるのであれば、それもまたドラマ。
ジャスティンミラノ、決戦までの1ヶ月あまり、本当に無事に過ごして欲しいもの。最も速い馬が勝つと言われる三冠第一関門を、最も速い時計で制した皐月賞馬の未来に幸多からんことを。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。