ステレンボッシュ 牝 鹿毛 2021.2.12生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・吉田 勝己氏 美浦・国枝 栄厩舎
エピファネイア 鹿毛 2010.2.11 種付け時活性値:0.50【10】 |
シンボリクリスエス 黒鹿毛 1999.1.21 |
Kris S. 黒鹿毛 1977.4.25 |
Roberto 1969.3.16 |
Sharp Queen 1965.4.19 | |||
Tee Kay 黒鹿毛 1991.2.9 |
★Gold Meridian 1982.4.14 | ||
Tri Argo 1982.5.18 | |||
シーザリオ 青毛 2002.3.31 |
スペシャルウィーク 黒鹿毛 1995.5.2 |
★サンデーサイレンス 1986.3.25 | |
キャンペンガール 1987.4.19 | |||
キロフプリミエール 鹿毛 1990.4.15 |
★Sadler’s Wells 1981.4.11 | ||
Querida 1975.3.14 | |||
ブルークランズ 鹿毛 2014.1.22 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
ルーラーシップ 鹿毛 2007.5.15 種付け時活性値:1.50【6】 |
キングカメハメハ 鹿毛 2001.3.20 |
Kingmambo 1990.2.19 |
マンファス 1991.2.23 | |||
エアグルーヴ 鹿毛 1993.4.6 |
トニービン 1983.4.7 | ||
ダイナカール 1980.5.10 | |||
ランズエッジ 鹿毛 2006.4.2 仔受胎時活性値:1.75【7】 |
ダンスインザダーク 鹿毛 1993.6.5 種付け時活性値:1.00【12】 |
サンデーサイレンス 1986.3.25 | |
ダンシングキイ 1983.5.21 | |||
ウインドインハーヘア 鹿毛 1991.2.20 仔受胎時活性値:1.50【14】 |
Alzao 鹿毛 1980.2.28 種付け時活性値:0.50【10】 |
||
Burghclere 鹿毛 1977.4.26 仔受胎時活性値:1.25【13】 |
<5代血統表内のクロス:サンデーサイレンス4×4>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
エピファネイア (Roberto系) |
ルーラーシップ (Mr. Prospector系) |
ダンスインザダーク (サンデーサイレンス系) |
Alzao (Lyphard系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
ルーラーシップ (ダイナカール) |
6.00 (【6】+【7】+【14】+【13】) |
大伯父ディープインパクト (No. 2-f) |
2番仔 (不受胎後) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 12 | ステレンボッシュ | 牝3 | 55 | J.モレイラ | 1:32.2 | 11-8 | 33.4 | 462 [-4] |
国枝 栄 | 2 | |
2 | 9 | アスコリピチェーノ | 牝3 | 55 | 北村 宏司 | 1:32.3 | 3/4 | 8-8 | 33.5 | 478 [+10] |
黒岩 陽一 | 1 |
3 | 11 | ライトバック | 牝3 | 55 | 坂井 瑠星 | 1:32.3 | クビ | 17-18 | 32.8 | 470 [-2] |
茶木 太樹 | 7 |
4 | 7 | スウィープフィート | 牝3 | 55 | 武 豊 | 1:32.4 | 1/2 | 18-17 | 33.0 | 464 [-2] |
庄野 靖志 | 6 |
5 | 15 | エトヴプレ | 牝3 | 55 | 鮫島 克駿 | 1:32.5 | クビ | 2-2 | 34.2 | 458 [0] |
藤岡 健一 | 9 |
1F毎の ラップ |
12.5 – 10.8 – 11.2 – 11.8 – 11.8 – 11.4 – 11.2 – 11.5 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.5 – 23.3 – 34.5 – 46.3 – 58.1 – 1:09.5 – 1:20.7 – 1:32.2 |
上り | 4F 45.9 – 3F 34.1 |
阪神芝1600m、晴の良馬場、18頭立て。2016年の第76回以来8年ぶりに満開の桜の下での開催となりました桜花賞。
○ 桜花賞(GⅠ)
本競走は、イギリスの『1000 ギニー』に範をとり、1939 年に『中山 4 歳牝馬特別競走』として創設された重賞競走。牝馬 3 冠競走(『桜花賞』・『優駿牝馬』・『秋華賞』)の第一関門となっている。創設当初は中山競馬場の 1800m で実施されていたが、1947 年に京都競馬場へ舞台を移し、実施距離を 1600m へ変更したのを機に現在の競走名となった。その後、1950 年に開催場が阪神競馬場に移され、現在に至る。
桜花(おうか)は、桜の花の意。桜は、バラ科サクラ亜科サクラ属の落葉広葉樹の総称であり、桜色といわれる白色や淡紅色の花を咲かせる。色や形は種類によって異なり、古くから春の訪れを知らせる存在として日本人に馴染み深い花の一つになっている。花言葉は「純潔」「精神美」。
なお、第 5 着までの馬には『優駿牝馬(オークス)』への優先出走権が与えられる。
2024年の第84回は終わってみれば昨年2023年の阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)の1着馬、2着馬による再戦でしたが、順番は入れ替わりました。
ステレンボッシュ、テン乗りとなった「マジックマン」ジョアン・モレイラ騎手に御されると、入りの600m34秒5、半マイル通過46秒3、1000m通過58秒3という締まった流れの道中は、アスコリピチェーノ(2021.2.24)を外に見るようにして中団待機。阪神芝外回りBコースの直線476.3mでは馬場外目から堂々と抜け出すと、後はステレンボッシュとモレイラ騎手の世界。黒のメンコに白のブリンカーを着けた鹿毛馬が、緑の帽子に「黄、赤縦縞、黒袖」の勝負服をまとったブラジリアンを背に颯爽と駆けると、最後はサスガに2歳牝馬女王というところを見せたアスコリピチェーノ、メンバー最速の上がり脚を見せたライトバック(2021.1.14)が迫りましたが「4分の3馬身」「クビ」だけ先んじたところが決勝点。ステレンボッシュ、阪神ジュベナイルフィリーズでは「クビ」だけ届かなかったアスコリピチェーノを抑えて桜冠奪取。自身の重賞初制覇をクラシックの大舞台で蹄中に収めました。
ステレンボッシュ、アスコリピチェーノと阪神ジュベナイルフィリーズから直行だった2頭による決着となった桜花賞。近年は3歳初戦が桜花賞でそのまま勝利を収めることがまったく珍しいことではなくなりました。今年2024年を除く直近5年の勝ち馬の前走を見てみれば、
- グランアレグリア(2016.1.24)
→前走朝日杯フューチュリティS(GI)3着。桜花賞(GI)まで中112日 - デアリングタクト(2017.4.15)
→前走エルフィンS(L)1着。桜花賞(GI)まで中64日 - ソダシ(2018.3.8)
→前走阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)1着。桜花賞(GI)まで中119日 - スターズオンアース(2019.2.27)
→前走クイーンC(GIII)2着。桜花賞(GI)まで中57日 - リバティアイランド(2020.2.2)
→前走阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)1着。桜花賞(GI)まで中119日
名誉が欲しければ馬は使うな、ゼニが欲しければオラ知らんよ
というのは、JRAの調教師顕彰者である「ブンテキ」こと武田文吾調教師のお言葉だそうですが、間隔を開けたローテーションでも馬を仕上げられるのが当たり前になったということなのでしょう。まま厩舎と外厩のコンビネーションの熟達も寄与しているのは言わずもがなですね。
そしてまたステレンボッシュとアスコリピチェーノの1着2着により、1984年のJRAグレード制導入後初めてとなる関東馬どうしによるワンツーフィニッシュという結果でもありました。2頭共に栗東滞在での調整でしたが、関東馬が栗東滞在で調整して関西のGIに臨むという手法の嚆矢は、ステレンボッシュの管理調教師でもある伯楽・国枝栄調教師でしょう。国枝師はアパパネ(2007.4.20)、アーモンドアイ(2015.3.10)に続く桜花賞3勝目となりましたが、2頭の名前を出してみれば、ですね。言わずと知れた三冠牝馬2頭。……えーと、国枝師の管理馬が桜花賞を勝てば、牝馬三冠は確定ということですか^^;
ステレンボッシュ、阪神ジュベナイルフィリーズ2着時にその4代血統表を開けば「むぅ、クラシックタイプ」と思ってしまいますので来年が楽しみです
と書きましたが、さらなる本領の発揮は距離延長した舞台にあるようにも見受けます。「曾祖母ウインドインハーヘア」と言うだけで説明不要と思いますけれど、なじみのある主な重賞勝ち馬をピックアップした近親牝系図を確認しておきますと、
ウインドインハーヘア 1991.2.20 3勝 アラルポカル(独GI)ほか |レディブロンド 1998.3.20 5勝 ||ラドラーダ 2006.4.15 4勝 |||レイデオロ 2014.2.5 7勝 東京優駿(GI) 天皇賞・秋(GI) オールカマー(GII) 神戸新聞杯(GII) ホープフルS(GII)ほか |||レイエンダ 2015.1.30 4勝 エプソムC(GIII)ほか ||ゴルトブリッツ 2007.4.11 10勝 帝王賞(JpnI) アンタレスS(GIII)2回 マーキュリーC(JpnIII) |ライクザウインド 2000.3.21 0勝 ||レディスキッパー 2007.3.27 0勝 |||アドマイヤミヤビ 2014.1.14 3勝 クイーンC(GIII)ほか ||ハワイアンウインド 2009.4.5 3勝 |||ルフトシュトローム 2017.1.31 3勝 ニュージーランドT(GII) |ブラックタイド 2001.3.29 3勝 スプリングS(GII)ほか |ディープインパクト 2002.3.25 12勝 東京優駿(GI) ジャパンカップ(GI) 有馬記念(GI) 皐月賞(GI) 菊花賞(GI) 天皇賞・春(GI) 宝塚記念(GI) 阪神大賞典(GII) 神戸新聞杯(GII) 弥生賞(GII)ほか |ランズエッジ 2006.4.2 18歳 0勝 ||ロカ 2012.1.26 1勝 ほか |||レガレイラ 2021.4.12 3歳 現役 ホープフルS(GI) ||ブルークランズ 2014.1.22 3勝 |||ステレンボッシュ 2021.2.12 (本馬) 桜花賞(GI)ほか
ステレンボッシュのいとこレガレイラは来週の皐月賞(GI)に出走予定。「同一牝系馬の連動する活躍」はこれまで多く見て来ましたので、1948年のヒデヒカリ(1945.4.14)以来76年ぶりの皐月賞牝馬制覇があっても驚かないですね。何より中山芝2000mのホープフルSの勝ち馬ですので、ね^^;
ステレンボッシュ。本稿を記している時に「普通はオークスに向かうよね。……いや、国枝先生の悲願達成のためにも、ダービーに向かうこともありえるかも」なんて思ってしまいました。ステレンボッシュ、能力の高さを改めて証明した桜花賞馬、次に向かう舞台は果たして。その動向にも注目したいと思います。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。