デルマソトガケ 牡 栗毛 2020.4.28生 千歳市・社台ファーム生産 馬主・浅沼 廣幸氏 栗東・音無 秀孝厩舎
マインドユアビスケッツ 栗毛 2013.3.15 種付け時活性値:1.50【6】 |
Posse 鹿毛 2000.2.11 |
Silver Deputy 鹿毛 1985.2.25 |
Deputy Minister 1979.5.17 |
Silver Valley 1979.3.30 | |||
Raska 栗毛 1992.4.9 |
Rahy 1985.2.18 | ||
Borishka 1987.2.16 | |||
Jazzmane 栗毛 2006.4.30 |
Toccet 鹿毛 2000.5.2 |
Awesome Again 1994.3.29 | |
Cozzene’s Angel 1994.4.29 | |||
Alljazz 鹿毛 1992.3.19 |
Stop the Music 1970.3.23 | ||
Bounteous 1979.5.27 | |||
アムールポエジー 栗毛 2010.4.7 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
ネオユニヴァース 鹿毛 2000.5.21 種付け時活性値:0.25【9】 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 1969.2.7 |
Wishing Well 1975.4.12 | |||
ポインテッドパス 栗毛 1984.4.27 |
Kris 1976.3.23 | ||
Silken Way 1973 | |||
ハッピーリクエスト 栗毛 1997.6.6 仔受胎時活性値:1.00【12】 |
トニービン 鹿毛 1983.4.7 種付け時活性値:1.25【13】 |
カンパラ 1976.2.19 | |
Severn Bridge 1965 | |||
エイプリルソネット 黒鹿毛 1981.4.10 仔受胎時活性値:1.75【15】 |
Dike 栗毛 1966.4.29 種付け時活性値:1.50【14】 |
||
Pass Me 鹿毛 1977.6.18 仔受胎時活性値:0.75【3】 |
<5代血統表内のクロス:Deputy Minister4×5(父方)、Hail to Reason5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
マインドユアビスケッツ (Deputy Minister系) |
ネオユニヴァース (サンデーサイレンス系) |
トニービン (ゼダーン系) |
Dike (Herbager系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
マインドユアビスケッツ |
3.75 (【9】+【12】+【15】+【3】) |
母がJpnII勝ち馬 (No. 12) |
5番仔 (5連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | デルマソトガケ | 牡2 | 55 | 松若風馬 | 1:43.3 | 7-7-6-4 | 40.2 |
495 [-3] |
音無秀孝 | 3 | |
2 | 12 | オマツリオトコ | 牡2 | 55 | 横山武史 | 1:43.3 | アタマ | 5-4-4-3 | 40.7 |
484 [-2] |
伊藤圭三 | 2 |
3 | 13 | ペリエール | 牡2 | 55 | 福永祐一 | 1:43.5 | 1 | 4-5-4-1 | 40.6 |
476 [+4] |
黒岩陽一 | 1 |
4 | 2 | ヒーローコール | 牡2 | 55 | 笹川翼 | 1:44.2 | 3 | 6-6-6-5 | 41.3 |
492 [+4] |
小久保智 | 4 |
5 | 14 | マルカラピッド | 牝2 | 54 | 小沢大仁 | 1:44.5 | 1.1/2 | 1-1-1-2 | 42.2 |
461 [-2] |
今野貞一 | 8 |
2022年の第73回全日本2歳優駿。2020年生まれ世代のダート2歳王者を決める一戦は、晴れの稍重馬場、NAR勢9頭とJRA勢5頭のフルゲート14頭立て。直線の最深部から発走となる川崎ダート1600m、大外枠から気風よく逃げたのはエーデルワイス賞(JpnIII)を制していた紅一点のマルカラピッド(2020.2.28)と19歳の小沢大仁騎手。
最初の直線400mで12秒2、11秒2と速いラップを刻むと、馬群は7番手を境目として前後に分断。その7番手の外側を追走していたデルマソトガケと松若風馬騎手、前にペリエール(2020.2.13)と福永祐一騎手、オマツリオトコ(2020.1.31)と横山武史騎手と人気上位馬の走りを窺いながら虎視眈々。
800m通過49秒6、1000m通過1分2秒3と向こう正面で落ち着いた流れを察して、3角から4角でペリエールがスーッと良い感じで進出、オマツリオトコも内から追われながら応戦、そして4角の入り口で外から姿を現したデルマソトガケ、少し遅れて内ラチ沿いから鎌倉記念を勝って来たヒーローコール(2020.5.2)。川崎ダートの直線300m、逃げ粘るマルカラピッドを交わしたペリエールが押し切るように見えたものの思ったよりも脚がなく、内から我慢強く脚を伸ばしたオマツリオトコの脚色が勝ったところで、外からデルマソトガケが飛んで来ました。カクテル光線に照らされた栗毛の流星、赤の帽子に「水色、黄星散、黄袖水色一本輪」の勝負服が「アタマ」だけ差し切ったところが決勝点。デルマソトガケ、10月の中京ダート1800mの未勝利戦1着、11月の阪神ダート1800mのもちの木賞1着、そして12月の全日本2歳優駿1着と3連勝で2歳ダート王に輝きました。
デルマソトガケ、その馬名意味は「冠名+外掛け。相撲の決まり手の一つ」であり、全日本2歳優駿では見事な外差しを決めてみせました。そしてデルマソトガケの鞍上を務められた松若騎手はジーワン競走で初めて1位入線1着と相成りました。デルマソトガケ同様に師匠である音無秀孝調教師の管理馬であったモズスーパーフレア(2015.4.1)とのコンビで制した2020年の高松宮記念(GI)は1位入線馬の降着がありましたので、ね。
そしてまた冠名「デルマ」でおなじみの馬主の浅沼廣幸氏は、馬主歴30年以上のベテランオーナーでいらっしゃいますが、嬉しいジーワン競走初優勝。デルマ(Derma)という冠名が「皮膚の」という接頭辞のとおり、浅沼オーナーは皮膚科の医師で医療法人社団 廣仁会の元理事長。浅沼オーナーはファニーヒルファームで自家生産も行われていますけれど、デルマソトガケは社台ファームの生産馬ですね。本当に余談となるのですが、かつての飲み仲間に皮膚科の医師がいらしてですね、その医師が浅沼オーナーと知己だったのです。私は飲み仲間の医師に「浅沼先生にデルマポラリスを応援していましたとお伝えください」と、思わずお願いしてしまったものでした(笑)。なにはともあれ浅沼オーナー、おめでとうございました。
デルマソトガケの父であるマインドユアビスケッツは供用初年度の2020年生まれ世代からデルマソトガケ、そしてマルカラピッドと2頭のダートグレード競走勝ち馬を輩出して、種牡馬として良いスタートを切りました。改めて記せばマインドユアビスケッツは現役時代に8勝を挙げ、その主な勝ち鞍にドバイゴールデンシャヒーン(UAE・GI)2回、マリブS(米GI)、ベルモントスプリントチャンピオンシップS(米GII)、アムステルダムS(米GII)、ルーカスクラシックS(米GIII)と1200mから9ハロンまでのGレースを6勝。このサイトも割合に長く続いていますので、
マインドユアビスケッツのドバイゴールデンシャヒーン2勝、記事に残っております。左回りのメイダン・ダート1200mのGIレースにおいて2017年の第25回と2018年の第26回で連覇を果たしたマインドユアビスケッツ、生産調教国の米国もご承知の通り左回りのレースだけ。私の中で「左回りのフレンチデピュティ」という格言があるのですが、やはりDeputy Minister系は凝縮された北米血脈を持つ故に、子孫も左回りに脚が合うのかも知れません。マインドユアビスケッツはDeputy Minister3×4というDeputy Ministerを強調した配合馬ですのでなお一層でしょうか^^;
父や自身に関わる人にもジーワン初制覇を贈ったデルマソトガケ。管理される音無師の談話によりますと馬主と私でレース後、サウジアラビアに行きたいねという話をしました。サウジアラビアに行くまではおそらくは使わないと思います
とのこと。サウジダービー(沙GIII)が行われるキングアブドゥルアジーズ競馬場も左回りであり、日本勢もフルフラット(2017.3.27)、ピンクカメハメハ(2018.4.12)が勝利を収めています。デルマソトガケ、国内だけではなく海外でも駆けるとなると、外掛けならぬ外駆けというところですが、栗毛の流星の美麗馬の3歳初戦も楽しみにしておきます。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。