ママコチャ(2019.4.5)-第57回スプリンターズS(GI)の勝ち馬+α-

Result

ママコチャ 牝 鹿毛 2019.4.5生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・金子真人ホールディングス(株) 栗東・池江 泰寿厩舎

ママコチャ(2019.4.5)の4代血統表
クロフネ
芦毛 1998.3.31
種付け時活性値:1.00【20】
フレンチデピュティ
栗毛 1992.1.30
Deputy Minister
黒鹿毛 1979.5.17
Vice Regent 1967.4.29
Mint Copy 1970.2.24
Mitterand
鹿毛 1981.2.19
Hold Your Peace 1969.1.24
Laredo Lass 1971.3.19
ブルーアヴェニュー
芦毛 1990.2.15
Classic Go Go
鹿毛 1978.2.11
Pago Pago 1960
Classic Perfection 1972.4.22
Eliza Blue
芦毛 1983.4.11
Icecapade 1969.4.4
コレラ 1978.2.18
ブチコ
白毛 2012.4.27
仔受胎時活性値:1.50【6】
キングカメハメハ
鹿毛 2001.3.20
種付け時活性値:0.50【10】
Kingmambo
鹿毛 1990.2.19
Mr. Prospector 1970.1.28
Miesque 1984.3.14
マンファス
黒鹿毛 1991.2.23
ラストタイクーン 1983.5.9
Pilot Bird 1983.2.9
シラユキヒメ
白毛 1996.4.4
仔受胎時活性値:1.75【15】
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
種付け時活性値:0.25【9】
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ウェイブウインド
鹿毛 1991.1.28
仔受胎時活性値:1.00【4】
★Topsider
鹿毛 1974.3.15
種付け時活性値:0.00【16】
Storm and Sunshine
黒鹿毛 1983.2.3
仔受胎時活性値:1.75【7】

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×5>

ママコチャ(2019.4.5)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
クロフネ
(Deputy Minister系)
キングカメハメハ
(Mr. Prospector系)
サンデーサイレンス
(Halo系)
★Topsider
(Northern Dancer系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
クロフネ
(フレンチデピュティ)
6.00
(【6】+【15】+【4】+【7】)
全姉ソダシ
(No. 2-w)
2番仔
(2連産目)

*

2023年の第57回スプリンターズS(GI。中山芝1200m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 6 ママコチャ 牝4 56 川田 将雅 1:08.0 3-2 34.5 490
[-2]
池江 泰寿 3
2 10 マッドクール 牡4 58 坂井 瑠星 1:08.0 ハナ 5-4 34.4 532
[-2]
池添 学 6
3 1 ナムラクレア 牝4 56 浜中 俊 1:08.2 1 7-7 34.4 468
[0]
長谷川 浩大 1
4 13 ジャスパークローネ 牡4 58 団野 大成 1:08.4 1 1-1 35.1 484
[+2]
森 秀行 4
5 8 メイケイエール 牝5 56 池添 謙一 1:08.4 ハナ 5-4 34.8 486
[+6]
武 英智 5
2023年の第57回スプリンターズS(GI。中山芝1200m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
11.7 – 10.4 – 11.2 – 11.2 – 11.2 – 12.3
ラップの
累計タイム
11.7 – 22.1 – 33.3 – 44.5 – 55.7 – 1:08.0
上り 4F 45.9 – 3F 34.7

中山芝1200m、曇の良馬場、16頭立て。2023年の秋のJRA・GI戦線の開幕を告げる電撃の6ハロン戦。その第57回を制したのは全姉ソダシ(2018.3.8)に続いて姉妹GI勝利を果たしたママコチャ。

ソダシ(2018.3.8)-第17回ヴィクトリアマイル(GI)の勝ち馬-
ソダシ 牝 白毛 2018.3.8生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・金子真人ホールディングス(株) 栗東・須貝 尚介厩舎

今回のスプリンターズSは戦前からテンの取り合いが注目されました。ジャスパークローネ(2019.3.12)と団野大成、テイエムスパーダ(2019.4.25)と富田暁という前哨戦を制してやって来た4歳馬にまたがる若手騎手同士。16頭の内、最も良い発馬を見せたのは葵S(GIII)で見せたロケットスタートが話題となったモズメイメイ(2020.2.18)と武豊騎手でしたが、二の脚が速かったのはジャスパークローネ。内から押してテイエムスパーダが追いましたけれど、結局ハナに立ったのはジャスパークローネ。そうして終わってみれば、レースの上位3頭は、名前を出した先行3頭の後ろにいた3頭だったのでした。0の理論的にはその血統が怖かったマッドクール(2019.3.29)、1番人気のナムラクレア(2019.3.30)、そしてママコチャ。

実力馬たちが前に行けば締まった流れになるのは道理。入りの3ハロン33秒3で通過するとすぐに残り400m。4角に入る手前から「いつ捕まえに行くか」という姿勢を見せられていたママコチャの川田将雅騎手、中山芝310mの直線では馬場中央を堂々と勝ちに行く競馬。ただ相対するライバルたちも、やはり一線級のスプリンターたち。最内を必死に粘るジャスパークローネ、間を割ろうとマッドクール、外からはナムラクレアとメイケイエール(2018.2.23)。中でも最も力強い迫り方を見せたのが芦毛のマッドクールと坂井瑠星騎手。残り100mあたり、画面越しではいったん前に出たようにも見えました。しかし「そうはさせない」と差し返しに掛かったママコチャと川田騎手。1分8秒0の決勝点、タイム差なしの好勝負をわずかに「ハナ」だけ先んじていたのは、外の鹿毛の牝馬。テン乗りでも鮮やかなエスコートを見せられた川田騎手の鼓舞に応えて、ママコチャが重賞初制覇をGIスプリント舞台で果たしたのでした。

JRAがグレード制を施行した1984年以降に姉妹GI(JpnI)制覇を遂げた馬たちを列挙してみますと、

  1. 母ダンシングキイ(1983.5.21)
    1. ダンスパートナー(1992.5.25)
      →優駿牝馬(GI)、エリザベス女王杯(GI)
    2. ダンスインザムード(2001.4.10)
      →桜花賞(GI)、ヴィクトリアマイル(GI)
  2. 母アドマイヤサンデー(1995.2.20)
    1. トールポピー(2005.1.30)
      →優駿牝馬(JpnI)、阪神ジュベナイルフィリーズ(JpnI)
    2. アヴェンチュラ(2008.3.7)
      →秋華賞(GI)
  3. ビワハイジ(1993.3.7)
    1. ブエナビスタ(2006.3.14)
      →ジャパンカップ(GI)、天皇賞・秋(GI)、優駿牝馬(JpnI)、桜花賞(JpnI)、ヴィクトリアマイル(GI)、阪神ジュベナイルフィリーズ(JpnI)
    2. ジョワドヴィーヴル(2009.5.13)
      →阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)
  4. 母ハルーワスウィート(2001.3.12)
    1. ヴィルシーナ(2009.3.5)
      →ヴィクトリアマイル(GI)2回
    2. ヴィブロス(2013.4.9)
      →ドバイターフ(UAE・GI)、秋華賞(GI)
  5. 母クロノロジスト(2003.5.6)
    1. ノームコア(2015.2.25)
      →香港カップ(GI)、ヴィクトリアマイル(GI)
    2. クロノジェネシス(2016.3.6)
      →有馬記念(GI)、宝塚記念(GI)2回、秋華賞(GI)
  6. 母ブチコ(2012.4.27)
    1. ソダシ(2018.3.8)
      →桜花賞(GI)、ヴィクトリアマイル(GI)、阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)
    2. ママコチャ(2019.4.5)
      →スプリンターズS(GI)。本稿の主役

並べてみればサスガにキラ星のような名牝たちの布陣。6組12頭すべてにサンデーサイレンスの血が入っているのは当然といえば当然なのですが、ノームコア、クロノジェネシス、ソダシ、ママコチャと近年の4頭はいずれもクロフネの血を持っているところに「ああ、やっぱり偉大な馬だったんだな」と改めて思わされました。

年度代表馬の同期生を辿る(其の弐拾肆)-クロフネ(1998.3.31)-
クロフネ 牡 芦毛 1998.3.31生~2021.1.17没 米・Nicholas M. Lotz生産 馬主・金子 真人氏 栗東・松田 国英厩舎

そうしてママコチャのスプリンターズS優勝により、クロフネは種牡馬として「19年連続JRA重賞制覇」を達成。これは18年連続で並んでいたノーザンテースト(1971.3.15)ブライアンズタイム(1985.5.28)フジキセキ(1992.4.15)を抜いて、パーソロン(1960)と並ぶ歴代1位タイの大記録。素晴らしい(^^)

ママコチャ、「インカ神話の海の女神」を馬名にいただくスプリント女王。気の早いお話ですが、現在の充実ぶりならば、来年2024年には父クロフネに「20年連続JRA重賞制覇」をプレゼントしても、まったくおかしくありません。白毛一族から現れた鹿毛のGI牝馬ママコチャ、これからの走りも楽しみにしています。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

マッドクール 牡 芦毛 2019.3.29生 愛・Moyglare Stud Farm Ltd生産 馬主・(有)サンデーレーシング 栗東・池添 学厩舎

マッドクール(2019.3.29)の4代血統表
Dark Angel
芦毛 2005.4.4
種付け時活性値:1.25【13】
Acclamation
鹿毛 1999.4.26
Royal Applause
鹿毛 1993.2.24
ワージブ 1983.5.20
Flying Melody 1979.5.17
Princess Athena
鹿毛 1985.3.30
Ahonoora 1975.4.12
Shopping Wise 1965
Midnight Angel
芦毛 1994.2.2
Machiavellian
黒鹿毛 1987.1.31
★Mr. Prospector 1970.1.28
Coup de Folie 1982.4.2
Night At Sea
芦毛 1987.4.18
Night Shift 1980.4.4
Into Harbour 1973.4.13
Mad About You
鹿毛 2005.1.28
仔受胎時活性値:1.25【13】
Indian Ridge
栗毛 1985.3.22
種付け時活性値:0.75【19】
Ahonoora
鹿毛 1975.4.12
▲Lorenzaccio 1965.2.23
Helen Nichols 1966
Hillbrow
栗毛 1975
Swing Easy 1968
Golden City 1970.3.1
Irresistible Jewel
鹿毛 1999.5.3
仔受胎時活性値:1.25【5】
デインヒル
鹿毛 1986.3.26
種付け時活性値:1.00【12】
Danzig 1977.2.12
Razyana 1981.4.18
In Anticipation
鹿毛 1991.2.6
仔受胎時活性値:1.75【7】
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
種付け時活性値:0.25【9】
Aptostar
鹿毛 1985.3.25
仔受胎時活性値:1.25【5】

<5代血統表内のクロス:Ahonoora3×4、Northern Dancer5×5×5>

マッドクール(2019.3.29)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Dark Angel
(トライマイベスト系)
Indian Ridge
(Clarion系)
デインヒル
(Danzig系)
Sadler’s Wells
(Northern Dancer系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Dark Angel 5.50
(【13】+【5】+【7】+【5】)
母系4代の母の内3頭がGレース勝ち馬
(No. 1-l)
6番仔?
(3連産目?)

マッドクール、その馬名意味は「マドリードで毎年夏に開催される音楽フェスティバル」ということ。昨年末の知立Sで4連勝を果たした際に「これは強いスプリンターが出て来たな。血統は……、むぅ、サンデーレーシングはこういうサンデーサイレンスを持たないマル外馬を上手く募集馬にするなぁ」と思ったのでした。今回のスプリンターズSでは悔しい2着でしたが、これからの期待も込めて、4代血統表をアップしておきますm(_ _)m

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