マルシュロレーヌ(Marche Lorraine) 牝 鹿毛 2016.2.4生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・(有)キャロットファーム 栗東・矢作 芳人厩舎
オルフェーヴル 栗毛 2008.5.14 種付け時活性値:1.75【7】 |
ステイゴールド 黒鹿毛 1994.3.24 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 1969.2.7 |
Wishing Well 1975.4.12 | |||
ゴールデンサッシュ 栗毛 1988.4.23 |
デイクタス 1967.4.11 | ||
ダイナサツシユ 1979.3.16 | |||
オリエンタルアート 栗毛 1997.5.12 |
メジロマックイーン 芦毛 1987.4.3 |
★メジロテイターン 1978.3.22 | |
メジロオーロラ 1978.3.8 | |||
エレクトロアート 栗毛 1986.3.29 |
ノーザンテースト 1971.3.15 | ||
グランマステイーヴンス 1977.2.9 | |||
ヴィートマルシェ 鹿毛 2002.4.16 仔受胎時活性値:1.25【13】 |
フレンチデピュティ 栗毛 1992.1.30 種付け時活性値:0.25【9】 |
Deputy Minister 黒鹿毛 1979.5.17 |
Vice Regent 1967.4.29 |
Mint Copy 1970.2.24 | |||
Mitterand 鹿毛 1981.2.19 |
Hold Your Peace 1969.1.24 | ||
Laredo Lass 1971.3.19 | |||
キョウエイマーチ 鹿毛 1994.4.19 仔受胎時活性値:1.75【7】 |
ダンシングブレーヴ 鹿毛 1983.5.11 種付け時活性値:0.50【10】 |
Lyphard 1969.5.10 | |
Navajo Princess 1974.3.31 | |||
インターシャルマン 鹿毛 1987.3.12 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
ブレイヴエストローマン 鹿毛 1972.5.19 種付け時活性値:1.50【14】 |
||
トキノシユリリー 栗毛 1978.4.21 仔受胎時活性値:2.00【8】 |
<5代血統表内のクロス:ノーザンテースト4×5(父方)、Northern Dancer5×5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
オルフェーヴル (サンデーサイレンス系) |
フレンチデピュティ (Deputy Minister系) |
ダンシングブレーヴ (Lyphard系) |
ブレイヴエストローマン (Never Bend系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
オルフェーヴル | 6.50 |
祖母が桜花賞馬 (No. 7-d シユリリー系) |
6番仔 (2連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破時計 ・着差 |
調教師 |
人 気 |
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1 | 10 | マルシュロレーヌ | 牝5 | 56.2 | Oisin Murphy | 1:47.67 | 矢作 芳人 | 9 |
2 | 11 | Dunbar Road | 牝5 | 56.2 | Jose L Ortiz | ハナ | Chad C Brown | 7 |
3 | 3 | Malathaat | 牝3 | 54.9 | John R Velazquez | 1/2 | Todd Pletcher | 2 |
4 | 5 | Clairiere | 牝3 | 54.9 | Ricardo Santana Jr | アタマ | Steven Asmussen | 5 |
5 | 2 | Royal Flag | 牝5 | 56.2 | Joel Rosario | 1/2 | Chad C Brown | 3 |
2021年の第38回ブリーダーズカップ・ディスタフ。マルシュロレーヌ、オイシン・マーフィー騎手のエスコートに応えて、日本調教馬初の米国ダートGI制覇の大偉業を達成。故郷を共にする同い年のステーブルメイトであるラヴズオンリーユー(2016.3.26)の歴史的偉業の後、
もうひとつ、大声が出る歴史的偉業が成されてしまいました。スタート直後「アメリカのダートは速いからついていくのも大変」。向こう正面の3角から4角、まくり気味に進出する姿を見て「あれ。おいおい、良い感じやぞ」。4角先頭から直線「ここまで来たら勝ってしまえ、勝ってしまえ!!」。決勝点で差し返す姿を見て「うわぁ、勝った勝った!!!!」。確証は無かったものの、僅かに先んじているように見えました。そうして確定してみれば、1着マルシュロレーヌ!!!!!!。日本時間の2021年11月7日の日曜日、朝からシビレてしまいました。
矢作厩舎はラヴズオンリーユーが7RのBCフィリー&メアターフを制したのに続き、BC1日2勝の離れ業をやってのけた。矢作師は「もう死んでもいい。何て日だ!」と喜びにひたった。
矢作先生、日本で観戦していた大勢のファンも「なんて日だ!」と思いましたm(_ _)m
マルシュロレーヌは祖父ステイゴールドが香港ヴァーズ(GI)、ドバイシーマクラシック(UAE・GII)を勝ち、父オルフェーヴルがフォワ賞(仏GII)2勝であり、「日本調教馬の親仔3代に渡る海外Gレース制覇」という偉業も果たしました。曽祖父サンデーサイレンスの血の恐ろしさを、曽祖父が生まれた米国で見せ付けました。
また、マルシュロレーヌの牝系は7号族d分枝系のシユリリー(1925)系。このいにしえの基礎繁殖牝馬は1930年に下河辺孫一氏が豪州から輸入されたということ。シユリリー系の活躍馬にはクインナルビー(1949.4.13)、オグリキャップ(1985.3.27)&オグリローマン(1991.5.20)兄妹、リンデンリリー(1988.3.16)等が見え、そしてマルシュロレーヌの祖母キョウエイマーチ。同馬は現役時代に8勝を挙げ、その主な勝ち鞍に桜花賞(GI)、ローズS(GII)、報知杯4歳牝馬特別(GII)、京都金杯(GIII)、阪急杯(GIII)と重賞5勝。芝だけではなくダートでもマイルチャンピオンシップ南部杯(統一GI)2着、黒船賞(統一GIII)3着があります。速くて強くてタフな牝馬だったキョウエイマーチ、私にとっても思い出深い名牝。そんなキョウエイマーチの仔ヴィートマルシェは「速く行進する(仏)。父名より仏語、母名より行進(マーチ)を連想」、そして孫マルシュロレーヌは「フランスの行進曲」。キョウエイマーチの血、馬名意味の連想と共に、21世紀に世界の檜舞台で大きく花開きました。
成したことが凄すぎて現実味を帯びない中、記事を書いています。日曜日の朝から幸せなふわふわした気分です。有り難う、マルシュロレーヌ。有り難う、ラヴズオンリーユー。有り難う、両馬に関わる周囲の関係者の皆様。馬人皆に、どうぞお疲れが残りませんように。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。